クレジットカードの「オーソリ」知っておくべき知識と注意点を解説
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オーソリとは、「カード決済が行えるかどうかの利用枠の確認と、購入しようとしている額が無事に決済されるように、利用枠を押さえること」を意味します。
クレジットカードを利用する人はあまり耳にしない言葉かもしれませんが、クレジットカード加盟店としてカード決済を行う人はオーソリという言葉を、聞いたことがあるかもしれません。
クレジットカードのオーソリが行われるタイミング、オーソリが承認されない理由について知りたいとは思いませんか?
オーソリの概要を知ることによって、自分がクレジットカードを使う上で必要な情報を知ることができます。
また加盟店の方でも、オーソリの注意点について知ることで、「売上金を回収できない」といったリスクを減らすことができるのです。
ここでは以下のような、オーソリについて誰もが知りたいポイントを詳しくご紹介していきます。
- クレジットカードのオーソリ(オーソリゼーション)とは何かを知りたい
- オーソリはいつ行われるのか知りたい
- オーソリが承認されない場合、どうなるのかを知りたい
- オーソリがクレヒスに関わることがあるのかどうか知りたい
- オーソリが承認されない理由が知りたい
オーソリの概要を知ることができれば、クレジットカード使用時および加盟店がオーソリを行う際に必要な判断ができるようになります。
トータルマネーコンサルタント
監修者新井智美さん
福岡大学法学部法律学科卒業。
1995年4月 情報通信会社入社。
2006年11月 ファイナンシャル・プランニング技能士1級取得。
2017年10月 独立。
コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)を行う他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に金融メディアへの執筆および監修も行い、現在年間200本以上の執筆および監修をこなしている。これまでの執筆および監修実績 は1,000本以上に及ぶ。
監修実績
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クレジットカードのオーソリとはカード決済可能か確認すること

オーソリについて最も端的に言い表すとするならば 「カード決済が可能かどうかを確認し、決済枠の予約を取る手続き」ということになります。
オーソリについて知っておくべき基礎知識として
- オーソリ実行のタイミング
- オーソリにかかる時間
- 承認されない理由
- 非承認時の対処方法
などがあります。
実際の流れや注意点について詳しく解説していきます。

新井智美 / トータルマネーコンサルタント
【専門家の解説】
オーソリゼーションとは、クレジットカードの加盟店がクレジットカード会社に対し、利用者の与信枠やクレジットカードの有効性を確認することで、信用照会とも言います。
また、オーソリゼーションには、偽造カードの利用防止や盗難カードではないかのチェックなど、クレジットカードの正常性を確認し、不正使用を防止する目的もあります。
オーソリが行われるタイミング
実際にオーソリが行われるタイミングは オーソリが自動であるか手動であるかによって大きく異なってきます。
自動オーソリであれば機械的に即時に、手動オーソリであればショップの担当者がオーソリ取得手続きをしたタイミングで行われるためです。
- 自動オーソリ → 即時オーソリ
- 手動オーソリ → ショップ担当者の手続きタイミングでオーソリ
実際の運用では、ショップの個別事情によって自動オーソリと手動オーソリの使い分けがされています。
たとえばネットショッピングにおいて、在庫が確実に確保されているような場合は自動の即時オーソリを採用することが多くなります。
これに対し、実店舗と在庫を共有しているなどの理由から在庫確保が流動的であるようなケースでは、在庫確保確定後に手動オーソリを行う方が都合が良いのです。
- 在庫確保が確実 → 自動オーソリ
- 在庫確保が流動的 → 手動オーソリ
またホテルの予約でクレジットカード支払いを利用する場合、実際の宿泊日は数ヶ月以上先であるため、即時支払となってしまうと キャンセル時に返金の面倒な作業が生じてしまいます。
そこで、オーソリの仕組みを活用して利用枠の仮押さえをすることで、万が一の宿泊キャンセル時にもスマートに対応することができるのです。
ちなみにWEBショッピングなどで手動オーソリが採用されている場合、受注確認メールに「カード決済の確認が取れ次第、発送いたします」といった文言が書き添えられることが多くなります。
普段あまり意識することの少ないオーソリですが、どのタイミングでオーソリが行われているのか疑問に感じる方もいらっしゃると思います。
オーソリのタイミングは基本的に自動か手動かで大きく異なるということさえわかっていれば、シンプルに理解することができるでしょう。
自動オーソリのタイミングはさらに細かく分かれる
自動オーソリについて、さらに細かく見て行くと、ショップごとにオーソリのタイミングが微妙に異なることが見てとれます。
自動オーソリのタイミングに差を設けるのは、ショッピングの形態によって適切なオーソリのタイミングが異なるためです。
具体的なタイミングの例をあげると
- 利用者がクレジットカード情報を登録した時点
- 利用者が登録済みのカードから、利用するカードを選択した時点
- ショッピングカートに商品を登録した時点
- ショッピングカートの注文を確定させた時点
以上のようなタイミングのなかで、必要に応じてオーソリが行われることになるのです。
この中の一つのタイミングのみのオーソリで済まされる場合もありますし、複数のタイミングでオーソリが行われる場合もあります。
ここではオーソリのタイミングにはいろいろなパターンがあるということを把握しておけば十分でしょう。
オーソリが行われるのにかかる時間

自動オーソリでは、人の手を介せずにオーソリ取得までオンライン上で自動的に行われますので、待ち時間というものがほとんど発生しません。
そのため、クレジットカード利用者が通常利用においてオーソリについて意識させられるようなことはまず無いといって良いでしょう。
これに対し手動オーソリでは、注文内容や在庫をチェックした後にショップ担当者の手作業でのオーソリ取得となるため、担当者の対応次第でオーソリ取得までの時間が大きく変わってくるのです。
たとえばネットショッピングにおいてショップの営業時間外の注文であるような場合、オーソリ取得が翌営業日以降に持ち越しになることもあります。
ちなみに店頭で良く見かける決済用端末はオンラインでクレジットカード会社へのオーソリ取得を行っていますが、通信環境によっては若干の待ち時間が発生する場合もあります。
オーソリが承認されない理由
オーソリが承認されない場合、以下のエラー理由のいずれかが該当している可能性があります。
書類 | 取得方法 |
---|---|
保留判定 | 今までの利用額に対して極端に大きな金額の利用や、不自然な取引であるなど、カード会社が総合的に判断してオーソリを保留 |
暗証番号エラー | 入力した暗証番号が相違していた場合 |
限度額オーバー | 個別に設定されているカード利用限度額を超過した場合。1日の利用回数や金額に制限が設定されている場合もある |
事故カード | 紛失・盗難・延滞で利用停止となっている事故カードが使用された場合 |
無効カード | 無効となっているカードが使用された場合 |
会員番号エラー | 0円や、あり得ないほどの高額な金額が入力された場合 |
有効期間エラー | カードに設定された有効期限が切れている場合 |
オンライン終了 | オンライン端末の運用時間が終了している場合 |
分割回数エラー | 利用ショップで設定されていない回数が入力された場合 |
取扱不可 | カード販売停止や退会済カードが利用されたような場合 |
カード取り込み | 盗難・事故カードが利用された場合 |
ボーナス月エラー | 設定のないボーナス月を入力した場合 |
ボーナス月不正 | ボーナス払いの取り扱い期間外を指定した場合 |
オーソリ関連のエラーをまとめると以上のようになりますが、番号や金額などの単純入力ミスで簡単に対処可能なものから、カードが完全に利用不能な深刻なエラーまで多様なエラー理由が存在します。
これらのオーソリエラーについては個別にエラーコードが付されていますので、加盟店の方は エラーコード一覧表を参照すればエラー理由を特定することができます。
このなかで限度額オーバーエラーの注意点としては、オーソリキャンセルのタイムラグが影響することがあるということがあります。
たとえば買い物かごに入れただけで、実際に買い物は行わなかったような場合、オーソリがしばらく残ってしまう場合があるのです。
カード利用者も意図しない限度額オーバーの原因となりやすい落とし穴ですので、注意が必要です。
こちらでは承認エラーの原因を網羅的に紹介させていただきましたので、加盟店の方も利用者の方もぜひ一度目を通されておくことをおすすめいたします。

新井智美 / トータルマネーコンサルタント
【専門家の解説】
オーソリゼーションを行い、クレジットカード会社が承認すると、オーソリゼーションコードが発行されますが、何らかの理由で承認できなかった場合は、エラーコード送られてくるため、エラーの内容に応じた対応を取る必要があります。
承認できない理由で多いのが「暗証番号エラー」や「限度額超過」です。
普段使い慣れているカードなら暗証番号を間違えることはあまりないかもしれませんが、入力ミスも考えられるため、もう一度落ち着いて入力してみましょう。
オーソリが承認されないときするべきこと
オーソリが承認されない場合、まずは 比較的簡単に確認できる項目について確認します。
特に複数カードを利用しているような場合、有効期限や暗証番号を思い込みで誤入力してしまうケースが良くありますので、落ち着いて見直すようにしましょう。
特に誤入力が多い項目としては
- 暗証番号
- カード番号
- 有効期限
- 限度額
などがあります。
限度額オーバーや期限切れなどの理由でオーソリ承認が得られなかった場合は、そのカードでのオーソリ取得はいったん断念して、
- 別のカードに変更(カードを複数持っている方)
- 代金引換
- コンビニ後払い
- 銀行振込後払い
- 現金支払い
- デビットカード決済(銀行キャッシュカードで直接支払代金を引き落としするサービス)
などの支払方法への変更を検討してください。
時間的に余裕がある場合で非承認理由がわからないものに関しては、カード会社へ直接問い合わせを行うようにしてください。
問い合わせはクレジットカード利用者側、加盟店側のどちらからでも可能ですが、問い合わせの際に本人確認が必要になるケースもありますので、できれば利用者側が行うようにしましょう。
オーソリの概要の確認ができましたら次に、オーソリがきちんと承認されなかった場合におこる注意点やリスクについて主に加盟店側の視点から見ていきましょう。
オーソリをきちんと承認しないとおこる注意点

加盟店がオーソリの承認をきちんと行わないと、 最悪の場合売上金が回収できなくなってしまうなど、加盟店側が重大なリスクを背負うことにもなりかねません。
オーソリの正しい承認の流れと確認方法を知ることで初めて、加盟店側も安心してクレジットカード決済を利用することができるようになります。

新井智美 / トータルマネーコンサルタント
【専門家の解説】
オーソリゼーションはどちらかというとクレジットカードの加盟店が被る被害を最小限に食い止めるために行うものですが、合わせてクレジットカードの保有者に対する管理の必要性を求める仕組みともいえます。
自分が保有しているクレジットカードが不正に利用されることなく、常に正常に決済できる状態にしておくよう心掛けることも大切だといえるでしょう。
加盟店にとってオーソリは大切な承認ステップ
オーソリがクレジットカード会社に承認されると、オーソリゼーションコードが発行されます。
この オーソリゼーションコードは承認番号、つまり「予約番号」のことです。
加盟店はオーソリゼーションコードの取得が義務付けられています。
このオーソリゼーションコード取得だけでは実際の決済は行われません。クレジットカードの支払いを確定させる手続きの際にオーソリゼーションコードの入力が求められることになります。
オーソリゼーションコードなしにはクレジットカード会社は支払い承認をしてくれません。そのためオーソリゼーションコードを取得せずに取引を成立させてしまいますと、万が一のオーソリ非承認の際に代金を受け取れない状況になってしまいかねないのです。
しっかりとオーソリゼーションコードを先に確保するという順番を守ることによって、余計なトラブル発生を防ぐことができます。
売上金を回収できない「チャージバック」のリスク
「チャージバック」とは、紛失や盗難などの理由でクレジットカードの不正利用が判明した際に、正規のカード所持者に対しクレジットカード会社から支払代金が返却(もしくは支払いがキャンセル)される仕組みです。
つまり クレジットカード利用者を保護するための仕組みというわけなのですが、 加盟店側にとっては商品も戻らず、売上金の回収もできなくなるリスクを背負わなければならないため、ある意味厄介な存在とも言えます。
オーソリ承認の基本的手続きでは、クレジットカード番号、有効期間、金額のみで判断されていることもあり、悪意の第三者による不正利用のチェックは十分とは言い切れません。
チャージバックのリスクを最小限にするためには3Dセキュア等の不正利用対策の導入を検討すべきですし、国の施策としてもセキュリティー強化は積極的に推進の方向です。
オーソリの正しい確認方法
加盟店は、注文が確定する前に必ずオーソリゼーションコードを確保する必要があります。 自動オーソリであれば、機械的にオーソリゼーションコード取得まで行われますので心配はありません。
しかしながら手動オーソリの場合、オーソリゼーションコードの取得が後回しとなってしまいますと、大きな トラブルの元となりえますので注意が必要です。
以上の点に注意してオーソリに取り組むことで、正しくオーソリを行うことができるようになります。
支払承認のフローをおさらい
支払承認のフローにおけるチェックポイントをまとめますと
- 些細な入力ミスを見逃さない
- 手動オーソリのタイミングに注意して、確実にオーソリゼーションコードを取得する
- エラーコードから対処可能であるか判断する
- 不明なエラーはカード会社に確認を取る
ということになります。
まとめ
最後にもう一度クレジットカードのオーソリの概要をおさらいしておきましょう。
- オーソリとはカード決済が可能かどうか確認すること
- オーソリが承認されない理由によって対処方法がことなる
- 加盟店はオーソリ承認をきちんとしないとチャージバックなどのリスクがある
普段とりたてて意識することの少ないオーソリですが、いざオーソリ関連のエラーが出てしまいますと、なじみの薄い分ちょっとしたパニックに陥ってしまいがちです。
基本的な対処方法がわかっていれば、仮にオーソリエラーが出てもあわてることはありません。
こちらの記事でクレジットカード利用の必要な知識を身に着け、加盟店側の方も概要や注意点を知ってリスクを減らすように努めましょう。