急な資金調達でもOK!法人カードのキャッシング基礎知識を解説
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法人カードのキャッシングは、短期間で資金調達する方法として有効です。
銀行からの融資は審査に時間がかかってしまいますが、法人カードのキャッシングならすぐに資金調達できます。
しかし下記理由から、必要な金額をキャッシングできないこともあり、状況によってはほかの調達手段をとる必要があるでしょう。
- キャッシング枠のある法人カードは少ない
- キャッシング枠のある法人カードは個人事業主向けがほとんど
- キャッシングできても、銀行融資に比べて借入金額が少額
この記事では、法人カードのキャッシング機能の基礎知識や、キャッシングで資金調達したい人におすすめの法人カードを紹介します。
資金繰りのお役に立てば幸いです。
他の法人カードについては、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。
トータルマネーコンサルタント
監修者新井智美さん
福岡大学法学部法律学科卒業。
1995年4月 情報通信会社入社。
2006年11月 ファイナンシャル・プランニング技能士1級取得。
2017年10月 独立。
コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)を行う他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に金融メディアへの執筆および監修も行い、現在年間200本以上の執筆および監修をこなしている。これまでの執筆および監修実績 は1,000本以上に及ぶ。
監修実績
レイク:融資とは?出資や投資との違いや種類についてわかりやすく解説
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法人カードのキャッシング機能の概要
法人カードの一部には、個人カードと同じようなキャッシング機能が付いています。
この章では、法人カードのキャッシング機能の概要を解説していきます。
キャッシングとは
キャッシングとは、クレジットカードのキャッシング機能を使って、お金を借り入れすることです。
法人カード付帯のキャッシングは基本的に小口融資で、借入限度額は数十万円までになっていることが多いです。
キャッシングは事業ローンと比べて少額の借り入れであり、一時的な資金調達に適したお金の借り方なのです。
個人カードの場合は国内外でのキャッシングに対応
キャッシング機能はほとんどの個人カードに付帯しています。
キャッシング機能が付いている場合、国内・海外を問わずキャッシング可能です。
キャッシング枠がある法人カードが少ない
法人カードの場合、キャッシング枠を設けていないカードも多いです。
キャッシングで資金調達をする場合、経営が上手くいっていないことが多く、キャッシング機能を付けると貸し倒れのリスクが高くなってしまいます。
一例として、楽天ビジネスカードにはキャッシング枠は付いていません。
このように、個人カードにキャッシング機能があるカードでも、法人カードではキャッシングできないカードが少なからずあります。
対象が個人事業主に限られている場合が多い
一部の法人カードには、個人カードと同じようにキャッシング機能が付いています。
しかし、対象が個人事業主に限られていて、法人用カードではキャッシングできないカードがほとんどです。
例えば、個人事業主対象のオリコEX Gold for Biz Sはキャッシング可能ですが、法人代表者対象のオリコEX Gold for Biz Mではキャッシングできません。
このように、基本的に法人はキャッシング機能を使えない点をおさえておきましょう。
キャッシング限度額
カード利用枠と同じように、キャッシングの利用枠も名義人ごとに定められています。
事業支出の目的に限り利用でき、個人的な支出には使用できません。
また、三井住友カード ビジネスオーナーズのように、キャッシング利用枠が個人の利用枠と合算される場合もありますので、あまり高額のキャッシングはできません。
カード利用可能枠より少ない
キャッシング利用枠は、カード利用枠の範囲内で設定されています。
そのため、カード利用枠より少額で設定されていることがほとんどです。
貸し倒れを避けるなどリスク回避のためにも、キャッシング枠はそう高額には設定されていません。
借入額が少ないと利息が高くなる場合もある
法人カードの種類によっては、借入額によって利率が異なるカードもあります。
借入額によって利率が異なる場合は、少額の借り入れの利率が高くなっていることが一般的です。
例えばオリコEX Gold for Biz Sのキャッシング利用時の利率は、下記の通りです。
借入額 | 実質年率 |
---|---|
100万円 | 15.0% |
90万円まで | 18.0% |
このように、借入額によって利率が異なる法人カードもあるため、キャッシングを検討している場合はよく確認しておきましょう。
この章では、法人カードのキャッシング機能の概要を紹介してきました。
次の章では、法人カードでキャッシングするメリットを解説していきます。
法人カードでキャッシングするメリット
法人カードのキャッシング機能には、いくつかのメリットがあります。
メリット
- 資金調達の速さ
- ポイント優遇
詳しく見ていきましょう。
すぐに資金調達できる
法人カードにキャッシング機能が付いていると、急遽現金が必要になった時も問題ありません。
キャッシング利用可能枠の範囲内で、ATMやキャッシュディスペンサーなどを使ってすぐに調達できます。
例えば海外出張の際、現地で業務用の資金が必要となった時でも、現地のATMでキャッシングを利用すると便利です。
繰り上げ返済を利用することで、現地での両替手数料よりも利息の方が安くなる場合もあります。
キャッシング機能が付いていることで、国内・海外にかかわらずすぐに現金を調達できる点は大きなメリットです。
ポイントが優遇されるカードもある
法人カードの中には、キャッシング利用されることを前提に作っているカードもあります。
利息がかかりますが、その分ポイントで優遇される場合も多いです。
例えば、P-one Business Mastercardは、キャッシング利用可能枠最高300万円と高額なうえにポイントも通常の2倍と優遇されています。
このように、キャッシング利用しやすい法人カードもあるので、キャッシング利用することがあらかじめわかっているのであれば、キャッシング枠が大きめのカードを選ぶといいでしょう。
この章では、法人カードでキャッシングするメリットを解説してきました。
次の章では、法人カードでキャッシングするデメリットを解説していきます。
法人カードでキャッシングするデメリット
法人カードには、キャッシングできないカードも多いです。
たとえキャッシングできたとしても、下記のようなデメリットがあります。
デメリット
- 高い利息
- 審査が厳しい
- 支払い方法
詳しく見ていきましょう。
銀行ローンより利息が高い
法人カードのキャッシングは、一時しのぎの資金調達のための機能です。
すぐに返済されることを想定していて、長期借り入れることを想定した銀行ローンに比べると、金利は高めの設定になっています。
法人カードのキャッシングには、リボでしか返済できないカードもあり、返済が長期間になればなるほど利息がかさんでしまいます。
貸し倒れを防ぐためにキャッシング枠がないカードも多い
キャッシングできない法人カードも少なくありません。
法人が事業資金を借り入れする場合、事業ローンを使うのが一般的で、事業資金にキャッシングを利用するのは経営が不安定な法人である場合が多いです。
経営が安定していない法人が毎月キャッシングすることで利息がかさみ返しきれなくなってくると、倒産の危険性もあります。
このような悪循環による貸し倒れを防ぐために、キャッシング機能が付いていない法人カードが多いです。
キャッシング枠を付けると審査が厳しくなる
法人カードにキャッシング枠を付ける場合、ショッピング枠のみの場合より、さらに厳格に審査されます。
キャッシング枠を付けるなら収入証明が必要なカードもあるなど、必要書類が増えることも。
例えば、オリコEX Gold for Biz Sはキャッシング希望の場合、確定申告書などの所得証明書の提出が必要になる場合があると公式サイトに明記しています。
カード会社として貸し倒れのリスクを避けたいがために、キャッシング枠の審査を厳格化しています。
支払い方法の融通がきかない
法人カードのキャッシングは、返済方法があらかじめ設定されていることが多いです。
基本となる返済方法が定められているので、銀行ローンのようにこちらの都合で計画的に返済、という訳にはいきません。
一括繰り上げ返済には対応していますが、買物の支払い時のように分割払いはできません。
少額を一時的にしのぐための機能なので支払い方法の融通はきかず、資金調達には不向きです。
法人カードの分割払いについては、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。
この章では、法人カードでキャッシングするデメリットを紹介してきました。
次の章では、法人カードでキャッシングするよりメリットが大きい方法を解説していきます。
法人カードでキャッシングするよりメリットが大きい方法
法人カードのキャッシング機能は、まとまった額や長期の借り入れには不向きです。
そこで事業性の借り入れにおいて、法人カードでキャッシングするよりメリットが大きい方法を紹介します。
銀行のローンを利用するのがおすすめ
事業資金を調達するのであれば、利息が少なく計画的に返済できる銀行ローンがおすすめです。
利率が10%を超えることも多いキャッシングに比べて、銀行ローンは利率が1~2%程度がほとんどです。
例えば300万円の事業資金を借り入れた場合、1年間の利息は銀行ローンは3~6万円程度ですが、キャッシングの場合は利率10%で計算しても30万円を超えます。
金額が増え、期間が長くなるにつれて、利息は無視できない金額になるので、事業資金の調達には銀行のローンを利用するのがいいでしょう。
急な資金調達の場合はキャッシングを利用
急に資金調達が必要になった場合には、キャッシングを利用するといいでしょう。
入金があるまでの一時しのぎの資金調達など、すぐに返済する目途が立っているなら、利息の負担もそう大きくはありません。
例えば年利15%のキャッシングで50万円を7日で返済する場合、利息は約1,438円とわずかです。(500,000×0.15×7/365=1,438円)
このように、急しのぎが必要な場合には、キャッシングを利用するのも資金繰りの手段のひとつです。
繰り上げ返済すると利息を抑えられる
急な資金調達でキャッシングした場合、繰り上げ返済をすることで支払う利息を抑えられます。
キャッシングした場合、通常は支払日までの利息が日割り計算でかかりますが、繰り上げ返済することで支払日までの利息で済みます。
例えば、支払日までを約40日とすると、50万円借りた場合の利息は8,219円ですが、7日で返済すると1,438円で済みます。
金額が増えれば増えるほど利息は大きくなるので、繰り上げ返済をして費用を抑えるといいでしょう。
この章では、法人カードでキャッシングするよりメリットが大きい方法を紹介してきました。
次の章では、資金調達が必要な経営者におすすめの法人カードを紹介していきます。
資金調達が必要な経営者におすすめの法人カード4選
事業規模が大きくなればなるほど、資金調達が必要になることはあります。
そこで、資金調達が必要な経営者におすすめの法人カードを紹介していきます。
資金調達が必要な経営者におすすめの法人カード
詳しく見ていきましょう。
三井住友カード ビジネスオーナーズ
三井住友カード ビジネスオーナーズは、個人事業主や法人代表者専用のカード。
国内・海外問わずキャッシングを利用できます。
キャッシングリボ機能は年利固定で利用可能です。
年会費 | 永年無料 |
---|---|
パートナーカード会員1名 | 永年無料 |
【資金調達関連の付帯サービス】
- 三井住友カード公式サイトにてご確認ください
三井住友カードのキャッシングサービスのご案内
個人事業者のお客さまへ(キャッシングリボのご案内)
海外出張が多い人など、頻繁にキャッシングを利用する人におすすめです。
セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードは、年会費永年無料・永久不滅ポイントで人気のある法人カードです。
年会費 | 永年無料 |
---|---|
追加会員 | 9枚まで永年無料 |
【資金調達関連の付帯サービス】
- キャッシング(実質年率:12.00%~18.00%)
- キャッシングリボ(実質年率:18.00%)(※)
※セゾンカードのリボ払い標準コース - ONLINE キャッシング(※)で24時間手続きが可能
※ONLINE キャッシングの詳細については、こちら(公式サイト)から
年会費が永年無料にもかかわらず、資金調達面をはじめ個人事業主や中小企業経営者に役立つ付帯サービスが充実しているカードです。
WEB入会のみで、申込時には登記簿謄本や決算書の提出の必要がなく、審査通過後最短3日で手元にカードが届きます。
P-one Business Mastercard
P-one Business Mastercardは、事業用のキャッシングを考えている人におすすめの法人カードです。
利用可能枠が最高300万円と高額なので、いざという時の資金繰りに役立ちます。
年会費 | 初年度無料 2年目以降2,200円(税込)・前年度に利用があれば無料 |
---|---|
追加カード | 無料(5枚まで、キャッシング機能なし) |
【主な付帯サービス】
- ポケット・サポート
- サービス ・カーライフホッとライン
キャッシングの利率は12.00~17.95%とやや高額なものの、繰り上げ返済を利用すれば金利を抑えられます。
高額なキャッシング利用可能枠を求める経営者におすすめです。
ダイナースクラブビジネスカード
ダイナースクラブビジネスカードは、アメリカン・エキスプレスと同様高ステータスな法人カードです。
ビジネスに役立つ独自のサービスが充実しています。
年会費 | 27,500円(税込) |
---|---|
追加会員 | 無料 |
【資金調達関連の付帯サービス】
- 利用可能枠一律の制限なし
- キャッシング(実質年率 : 15.00%~20.00%、一括払いのみ、300万円まで)
- カードローン(実質年率13.8%、300万円まで)
キャッシングのほかにカードローンも利用できるので、計画的な資金繰りがしやすいメリットがあります。
充実のサービスとキャッシングのしやすさを求める経営者におすすめです。
この章では、資金調達が必要な経営者におすすめの法人カードを紹介してきました。
資金繰りのうえで重要な、法人カード選びのヒントにしてください。
まとめ
経営者であれば資金繰りに頭を悩ませる機会は多く、法人カード選びも重要なポイントです。
資金繰りに悩んでいるなら、利息の負担を少なくすることは重要なポイントです。

新井智美 / トータルマネーコンサルタント
クレジットカードにおけるキャッシング利用枠は、主に個人向けのクレジットカードに付帯するサービスで、法人カードには設けられていないのが現状です。
何故なら、法人カードにキャッシング枠を設けることにより、カード会社が危惧する貸し倒れのリスクがさらに高まる危険性があるからです。
しかし、法人カードでも個人事業主であれば、キャッシング枠を利用できることがあります。個人事業主であれば、法人に比べて貸し倒れの際の金額を少なく抑えることができるというのが大きな理由です。
また、法人カードでもキャッシングと同じ用途で利用できるカードも存在します。
経営者にとって、急な資金繰りは頭を悩ませる問題です。最近では、「ファクタリング」と言われる経産省が推奨している資金調達方法もありますので、合わせて検討してみると良いでしょう。
資金繰りに悩んでいる経営者の方は、今回の記事を参考にしながら、自分にぴったりの法人カードを選んでくださいね。
本記事の編集者について

イーデス編集部
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