法人カードの年会費にも消費税はかかる!会計処理のポイントを紹介
最終更新日:

『イーデス』は、複数の企業と提携し情報を提供しており、当サイトを経由して商品への申込みがあった場合には、各企業から報酬を受け取ることがあります。ただし当サイト内のランキングや商品の評価に関して、提携の有無や報酬の有無が影響を及ぼすことはございません。
また当サイトで得た収益は、サイトを訪れる皆様により役立つコンテンツを提供するために、情報の品質向上・ランキング精度の向上等に還元しております。※提携機関一覧
法人カードの年会費は、消費税の課税対象です。
この記事では、
- 年会費を記帳する際、仕訳にはどの勘定科目を使えばよいのか
- 会計処理上で注意点はあるのか
といった疑問に答えていきます。
法人カードの年会費を会計処理するにあたり、役立つ情報があれば幸いです。
.jpg)
伊藤亮太/ ファイナンシャルプランナー
皆様にとって真に必要なライフプランニングの設計、資産運用相談を承っております。中立的な立場から、ご相談に応じます。砂金取りという趣味も実益をかねて実践中です。詳しくはZIPANNINGで検索を。
【専門家の解説】
法人カードは利用すると大変便利に感じます。
利用した明細をもとに経理処理ができますし、必要なときに決済できるため、あって損はないです。
年会費もそこまで高いものではありません。
また、消費税がかかる点がネックに思う方もいるかもしれませんが、これも数百円~数千円程度ですから、そこまで気にはならないでしょう。むしろ経理処理が楽になることを考えれば安い負担ともいえると思います。
法人設立時に作成できるクレジットカードは1枚作成しておいてよいと思います。また、複数人分作成することも可能ですから、会社の規模に応じて利用していくとよいでしょう。
還元率も見ておきましょう。一般的には0.5%程度の還元率が多いと言えるものの、中には1%程度の還元率が適用される場合もあります。
ポイントか年会費か、それともその他のサービスから検討するか、ご自身にあったカード選びを行ってくださいね。
他の法人カードについては、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。
スキラージャパン株式会社 代表取締役 / スキラージャパン株式会社
監修者伊藤亮太
伊藤亮太は「スキラージャパン株式会社」の取締役を務めるFP(ファイナンシャル・プランナー)。
慶應義塾大学大学院商学研究科経営学・会計学専攻を修了しており、在学中にCFP®を取得。
その後、証券会社にて営業・経営企画・社長秘書・投資銀行業務に携わる。
現在は富裕層個人の資産設計を中心としたマネー・ライフプランの提案・策定・サポート等を行う傍ら、資産運用に関連するセミナー講師や講演を多数行う。
▼書籍
図解即戦力 金融のしくみがこれ1冊でしっかりわかる教科書
ゼロからはじめる! お金のしくみ見るだけノート
株で勝ち続けるための 上がる銘柄選び黄金ルール87
など
気になる内容をタップ
法人カードはビジネスに活用するクレジットカード
法人カードとは、ビジネスで用いるためのクレジットカードです。
プライベートな用途に適した個人カードに対し、事務用の消耗品や出張の旅費、宿泊費など経費を決済するために活用されています。
中小規模事業者向けのビジネスカード
一般に法人カードが話題となる場合、主として中小規模の法人代表者や個人事業主に向けたビジネスカードを念頭に置くことが多いといえます。
大企業よりも事業者の数が圧倒的に多いことを考えれば、自然なことだといえるでしょう。
カードを使用する人数が多くても15名~20名程度であれば、ビジネスカードの選択になるといわれています。
ただし、追加カードを発行できる枚数はカードによって異なり、選択次第では不足が生じるため注意が必要です。
大企業向けのコーポレートカード
大企業であってもカード使用者を限定する場合はビジネスカードの導入が十分考えられますが、基本的にカード使用者が多数となる大企業にはコーポレートカードが適しています。
注意すべきは、コーポレートカードという呼び方をしている法人カードが大人数に対応しているとは限らない点です。
カードの呼び方には決まりがないため、同じ名称でも違う意味で使われるケースがあります。
次の章では法人カードの年会費と消費税の関係について解説します。
法人カードの年会費には消費税がかかる
年会費と呼ばれる費用には消費税がかかるものとかからないものがありますが、法人カードの年会費は消費税の課税対象です。
消費税には国税と地方税がある
法人カードの年会費にかかる消費税は、2019年10月の増税により10%となりました。この10%は7.8%と2.2%に分かれます。
7.8%が国税としての消費税であり、2.2%は地方消費税です。
消費税の課税と非課税はココで決まる
年会費は対価性があるかないかによって消費税の課税と非課税が決まります。
法人カード会員となり、カードの利用やカードに付帯する各種の特典、サービスを受けるためには年会費の支払いが必要です。
この点で対価性があるといえるので、日本国内で事業者が事業として行う取引でかつ対価性がある取引という消費税の課税対象に当てはまります。
次の章では、年会費を会計処理するにあたって考慮すべきポイントを2つ解説します。
年会費の会計処理の主要ポイント2つ
法人カードの年会費は経費処理が可能です。
ただし、プライベート利用ではないことが前提となります。
会計処理の際に考慮すべき主なポイントは2つです。
1.法人カードの年会費を仕訳する勘定科目
年会費を円滑に経費処理するためには、仕訳する勘定科目をハッキリさせておく必要があります。
年会費を仕訳ける勘定科目として一般的に使われているのは支払手数料や諸会費です。
ただ、どの勘定科目を使うかは実は任意であり、雑費など他の勘定科目を使ったり専用の勘定科目を作ったりしても構いません。
ですが、雑費はどうしても特定の勘定科目で仕訳けできないときに使うべきです。いろいろな支出が混在する雑費の金額が大きいと、何か不正があるのではないかと勘ぐられる可能性がでてきます。
また、勘定科目には連続性が重要です。
去年は支払手数料で今年は諸会費、来年は雑費などという仕訳は妥当性を欠いてしまうので、一度決めた勘定科目は毎年継続して使用してください。
2.課税仕入れとしての計上が肝心
課税事業者の場合、消費税が課税される法人カードの年会費は課税仕入れとしての計上が欠かせません。
年会費が11,000円(税込)で消費税が10%の場合、1,000円の消費税を加算して11,000円を支払います。
つまり、法人カードを利用する対価として支払った11,000円には1,000円の課税分が含まれているわけです。
消費税の申告納付では、売上にかかる預かり消費税から仕入れ時に支払った消費税を差し引くことになります。
これを仕入税額控除といって、消費税の二重支払いを防ぐための措置です。そのために必要となるのが課税仕入れ。課税仕入れとすることで、この1,000円は仕入税額控除の対象となります。
次の章では、カード選びが消費税の負担感を左右する点について解説します。
消費税を負担に感じるかどうかはカード選び次第
消費税の負担は軽いに越したことはないものの、実際に負担として感じるかどうかはカード選びにかかっているといえます。
年会費にかかる消費税は導入を見送る決め手にはならない
法人カードの導入を考えるとき、主な目的は経費管理を効率化することにあります。
個人カードを公私兼用で使っている個人事業主の場合、経費として処理できる支出とプライベートな支出の洗い出し、年会費の家事按分など面倒な作業が必須です。
また、立替払いや仮払いを行っている法人では、現金の用意や清算の手間がかかります。
このような作業をなくして業務効率を改善し、キャッシュフローに余裕をもたらす法人カードの役割を考えれば、年会費に消費税がかかることがカード導入を見送る決め手にはなりません。
とはいえ、期待したほどの効果が出ない場合、金額は小さくても消費税を負担に感じる可能性はあります。
初年度年会費無料の法人カードはお得か
年会費自体が無料であれば消費税も0円となるため、お得であることは間違いないでしょう。初年度だけであっても無料となればその分はお得です。
また、翌年度以降に対し優遇される条件を設定している法人カードもあります。
無料ではなく初年度無料
法人カードに年会費無料のカードがないわけではないものの、例外的な存在といえます。
確認できるものではポイントサービスや付帯保険はなく、付帯サービスも限定的です。
ひと通りのサービスを備えた中では、初年度年会費無料になるカードがいくつかあります。
年会費は付帯保険や付帯サービス、ポイントサービスの原資ともなるため、これらのサービスを備えたうえで初年度無料はお得というべきです。
ニーズに合っていればお得
初年度無料がお得とはいえ、基本スペックや付帯サービスなどはカードによってかなりの差があります。
ニーズに合った法人カードを選ぶことができればお得であることは間違いありません。
しかし、年会費や消費税だけを重視して選んでしまうと、求めているスペックと違うカードを手にしてしまう可能性があります。
ニーズに合うお得な法人カードを選ぶためには、自分が重視する部分に重点を置いたカードの比較検討が重要です。
年会費の高さはカード性能の高さでもある
年会費が2,200円(税込)の法人カードであれば消費税は10%で200円です。
年会費が22,000円(税込)の法人カードでは消費税が2,000円となり、その差1,800円は大きなものといえるでしょう。
年会費が高くなれば消費税も増えますが、マイナスばかりではなく、むしろプラスに考えることができます。年会費の高さはカード性能の高さでもあるためです。
年会費が高い法人カードは、基本スペックはもちろんのこと、付帯サービスなども期待できる傾向にあります。
最後の章では、年会費にかかる消費税を意識させないお得でおすすめの法人カード5選を紹介します。
年会費の消費税を意識させないおすすめの法人カード5選
金額にかかわらず年会費にかかる消費税を意識させないお得な法人カード、おすすめの法人カード5選を紹介します。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
ワンランク上のステータスとサービスが魅力で持ちやすい法人カード、それがアメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードです。
世界的な国際ブランド、アメリカン・エキスプレスのプロパー法人カード3種の中でも高い支持を受けています。
主要スペック
年会費 | 36,300円(税込)・消費税3,300円 |
---|---|
追加カード年会費 | 13,200円(税込)・消費税1,200円 |
利用可能枠 | 一律の設定はなくユーザーの状況に応じ柔軟に設定 |
旅行傷害保険 最高額死亡・後遺障害 | 海外 1億円 国内 5,000万円 |
主要サービス | 空港ラウンジ、空港手荷物宅配、JR東海エクスプレス予約、レンタカー、海外携帯電話レンタル、エアポート送迎、空港パーキング、トラベル・オンライン、福利厚生プログラムクラブオフ、京都特別観光ラウンジ |
カードの特徴
他社のプラチナカードに匹敵するともいわれる高スペックで充実したサービスを、この年会費で活用できる点が大きなが特徴です。
アメックスならではのキャンセル・プロテクションやリターン・プロテクションも付帯します。
三井住友カード ビジネスオーナーズ ゴールド
三井住友カード ビジネスオーナーズ ゴールドは、登記簿謄本や決算書が不要でスタートアップでも持ちやすい法人カードです。
国際ブランドはVisaのみになります。
主要スペック
年会費(※) | 5,500円(税込)・消費税500円 |
---|---|
追加カード年会費 | 永年無料 |
利用可能枠 | ~300万円 |
旅行傷害保険 最高額死亡・後遺障害 | 海外 2,000万円 国内 2,000万円 |
主要サービス | 空港ラウンジ、レンタカー、引越し、福利厚生代行サービス、Visaビジネスオファー |
※年間100万円以上の利用で翌年以降の年会費が永年無料
カードの特徴
法人カードとして多くのニーズに応えるスペックとサービス内容を実現しているだけでなく、券面にカード番号が印字されていないナンバーレス仕様でセキュリティ面でも優れています。
さらに、年間100万円以上の利用で翌年以降の年会費が永年無料になり、追加カードの年会費も永年無料で所有できるためコストパフォーマンスの高いカードといえます。
JCB CARD Biz ゴールド
JCBプロパーの法人カードであるJCB CARD Biz ゴールドは、日本発の国際ブランドであることとトータルスペックの充実度で人気の高い法人カードです。
主要スペック
年会費 | 11,000円(税込)・消費税1,000円 |
---|---|
利用可能枠 | 50万~250万円 |
旅行傷害保険 最高額死亡・後遺障害 | 海外 1億円 国内 5,000万円 |
主要サービス | 空港ラウンジ、JAL ONLINE、ANA@desk、JR東海エクスプレス予約サービス(プラスEX会員)、JCBゴールドグルメ優待、ゴルフエントリーサービス |
※インターネット入会で年会費初年度無料
カードの特徴
JCB CARD Biz ゴールドは、年会費11,000円(税込)のカードとしては高額といえる海外旅行傷害保険を付帯しています。
また、付帯サービスも旅行系からグルメ、会計ソフトとの連携など幅広いラインナップです。
楽天ビジネスカード
楽天ビジネスカードはポイントをお得に貯めたいユーザーにおすすめの法人カードです。国際ブランドはVisaのみです。
主要スペック
年会費 | 2,200円(税込)・消費税200円 |
---|---|
親カード年会費 | 楽天プレミアムカード11,000円(税込)・消費税1,000円 |
利用可能枠 | 最高300万円(楽天プレミアムカードと合算) |
旅行傷害保険 最高額死亡・後遺障害 | 海外 5,000万円(楽天プレミアムカードに付帯) 国内 5,000万円(楽天プレミアムカードに付帯) |
主要サービス | Visaビジネスオファー、プライオリティ・パス、トラベルデスク、選べる3つの優待サービス、お誕生月サービス |
※主要サービスには楽天プレミアムカードに付帯するものを含みます。
カードの特徴
楽天ビジネスカード最大の特徴は、楽天プレミアムカードの子カードであり、このカード自体が楽天プレミアムカードの追加カードの位置づけとなっていることです。
したがって、年会費も2枚分が必要となります。
2枚のカードを活用することで、楽天ポイントが貯まりやすくなるためお得です。
オリコ EX Gold for Biz
オリコ EX Gold for Bizは、年会費がリーズナブルで消費税の負担も少ない法人カードです。
法人代表者はオリコ EX Gold for Bizの後ろにMのつくカードを、個人事業主はキャッシング枠の設定が可能なSのつくカードを申し込みます。
主要スペック
年会費 | 2,200円(税込)・消費税200円 |
---|---|
追加カード年会費 | Mは無料、 Sは追加カード発行に対応していません |
利用可能枠 | 10万~300万円 |
旅行傷害保険 最高額死亡・後遺障害 | 海外 2,000万円 国内 1,000万円 |
主要サービス | 空港ラウンジ、福利厚生ベネフィット・ステーション、Visaビジネスオファー、Visaビジネスアシスト、Mastercard® T&E Saving |
※年会費初年度無料
カードの特徴
オリコ EX Gold for Bizの特徴といえば年会費の安さが特筆できます。
しかも初年度無料でMの追加カードまで無料となっており、消費税の負担も増えません。利用可能枠は法人カードとして他社と比較しても遜色のない額です。
年会費は安くても使えるサービスが付帯しており、付帯保険の補償額やサービス充実度重視でなければコストパフォーマンスに優れたカードといえるでしょう。
まとめ
法人カードの年会費は消費税がかかるため、課税事業者であれば課税仕入れとして仕入税額控除を忘れないように注意します。
逆にいえば、年間売上1,000万円を超えない限り免税事業者としてこの部分に関しては消費税を気にしなくて済みます。
また、自分に必要なスペックやサービスを備えていることが法人カード選びの最重要点となります。
法人カードの年会費と消費税について確認するとともに、自分のニーズを明確にし、優先順位も考えながら最適な法人カードを選んでください。
法人カードについては、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
本記事の編集者について

イーデス編集部
専門知識がないと難しい金融商品を、正確で詳しく、わかりやすく伝えるために、記事企画・推敲・構成・編集・情報の更新を行っております。