個人事業税をクレジットカード払いにするべき3つの理由と3つの注意点
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個人事業主になると、所得税や住民税のほかに、多くの場合個人事業税も払うことになります。
支払う税金の額はそれなりに大きいので、クレジットカードの利用をおすすめします。
おすすめする理由は以下の3点です。
しかし、注意しないと逆に損してしまうこともあるので、事前にしっかりとおさえておきましょう。
この記事では、個人事業主が税金をクレジットカードで支払うメリット・デメリットや支払い方法、法人カードの選び方などについて紹介します。
さらにおすすめの法人カードもいくつか紹介しますので、税金のクレジットカード払いを検討している方はぜひ参考にしてください。
トータルマネーコンサルタント
監修者新井 智美
福岡大学法学部法律学科卒業。
1995年4月 情報通信会社入社。
2006年11月 ファイナンシャル・プランニング技能士1級取得。
2017年10月 独立。
コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)を行う他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に金融メディアへの執筆および監修も行い、現在年間200本以上の執筆および監修をこなしている。これまでの執筆および監修実績 は1,000本以上に及ぶ。
監修実績
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- 個人事業主が税金をクレジットカード払いにするメリット3つ
- 税金の支払いでもポイントがつく
- 年間利用額の底上げになり次年度のポイント還元で有利になる
- 税金の支払いもすべてカードの利用明細で整理できて分かりやすい
- 個人事業主が税金をクレジットカード払いにするデメリット3つ
- 還元されるポイントよりも支払手数料の方が高くつく場合もある
- 地方自治体によってはクレジットカード払いに対応していないケースも
- 税金支払い月の利用可能枠が圧迫される
個人事業主が税金をクレジットカード払いにするメリット3つ
個人事業主が税金をクレジットカード払いにする際のメリットは3つあります。
それぞれのメリットについて説明します。
税金の支払いでもポイントがつく
法人カードの中には、税金の支払いでもポイントがつくカードがあります。
もちろん、現金払いや銀行口座からの引き落としでは得られないポイントで、ポイント還元率の高い法人カードなら特にメリットは大きいです。
年間利用額の底上げになり次年度のポイント還元で有利になる
法人カードの中には、年間利用額によってポイント還元率が変化するカードもあります。
税金をクレジットカードで支払うとその金額も年間利用額に加算されるため、次年度のポイント還元で有利に。
例えばEX Gold for Bizシリーズでは年間利用額が200万円以上、JCB一般法人カードも年間利用額が100万円以上でポイント還元率が最大までアップします。
税金の支払いもすべてカードの利用明細で整理できて分かりやすい
税金の支払いを現金にすると納付書が渡されますが、これが支払いの証明になります。
一方、クレジットカード払いの場合は、納付書は発行されずにカードの利用明細に記載されます。
いつ支払ったのかを後から確認したい場合は、利用明細に掲載されている方が便利です。
以上が、個人事業主が税金をクレジットカード払いにするメリットでした。
個人事業主のクレジットカードについては、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。
逆に個人事業主が税金をクレジットカード払いにするデメリットには何があるのでしょうか。次に説明します。
個人事業主が税金をクレジットカード払いにするデメリット3つ
個人事業主が税金をクレジットカード払いにする際のデメリットも3つ挙げられます。
デメリットの内容についても見ていきましょう。

新井智美 / トータルマネーコンサルタント
【専門家の解説】
税金をクレジットカードで支払うデメリットの1つに「納付書が発行されない」ことがありますが、所得税などの国税をクレジットカードで支払う際、「国税クレジットカードお支払サイト」を利用することで、手続き完了後に届く納付手続完了メールを保管しておき、その内容を確認することができます。
特段納付書までは必要ないという場合は、この方法で保管しておきましょう。
固定資産税などの地方税だと、一度に支払える金額が100万円までなどと国税よりも低く設定されているケースがあります。
実際にクレジットカードで支払う際には、利用上限額を確認してから行うようにしてください。
所得税、固定資産税、消費税など、3月~6月の時期は税金の支払いが集中する時期でもあります。
その際にクレジットカードで支払うことにより、資金繰りに余裕を持たせることができる点もメリットとして捉えておきましょう。
納める税金は比較的まとまった額になりますので、それがポイント付与の対象となるかどうかを確認しておくことは非常に大切です。
法人用のクレジットカードを作る際には、付帯されている優遇サービスの内容はもちろんのこと、税金の支払いに利用した際もポイント付与の対象となるかについて、しっかりと確認してから申し込むようにしてください。
法人税をクレジットカードで支払うことについては、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
還元されるポイントよりも支払手数料の方が高くつく場合もある
税金をクレジットカードで支払う際には、支払い手数料が必要です。
支払い手数料は金額に応じて徴収されるのではなく、段階的に固定の手数料が決まっています。
「国税クレジットカードお支払いサイト」の場合、1万円までは82円(税込)、2万円までは164円(税込)と、1万円刻みで手数料が増えていきます。
例えば税額3,000円をクレジットカードで支払う場合、手数料は税額の約2.73%にもなり、ポイント還元率が1%ほどあるカードでも手数料の方が高くついてしまうことに。
一方、82円の手数料ですむギリギリの1万円だと手数料は税額の0.82%で、これならポイント還元率が若干上回るクレジットカードもあります。
このようにポイント還元率と支払手数料だけを純粋に比較すると、マイナスになってしまう場合もあることをおさえておきましょう。
地方自治体によってはクレジットカード払いに対応していないケースも
地方自治体が徴収する地方税の場合、クレジットカード払いに対応していないことも多々あります。
また、クレジットカード払いができる場合でも、支払手数料も自治体によってバラバラです。
ポイント還元率と比較して支払手数料の方が多くかかる場合もあります。
税金支払い月の利用可能枠が圧迫される
税金の支払いをまとめて行う場合、その月はクレジットカードの利用可能枠が圧迫されることもデメリットの1つです。
毎月かかる経費で利用限度額を目いっぱい使っている場合、税金の支払いをしてしまうと利用限度額を超えてしまいます。
利用限度額に余裕がない場合、クレジットカードで税金を支払うことは難しいでしょう。
ここまでで、個人事業主が税金をクレジットカード払いにするデメリットを3つ紹介しました。
次は個人事業主が納めるべき税金の種類と、それらの税金がクレジットカード払い可能かどうかについて説明します。
個人事業主が納めるべき税金とカード払いの可・不可
個人事業主が納めるべき税金の主な種類は以下の通りです。
- 国税:所得税・消費税・印紙税など
- 地方税:住民税・個人事業税・固定資産税・都市計画税・不動産取得税・自動車税・登録免許税など
不動産関連の取引を事業にしている場合や、自動車を利用している場合など、条件によって支払う税金はさまざまです。
このうち、クレジットカードで支払える税金と支払えない税金について解説します。
クレジットカードで支払える税金
クレジットカードで支払える税金は、以下の通りです。
- 国税:所得税、消費税、印紙税など
- 地方税:自治体により違いがあるが、住民税や自動車税など
国税に当たる所得税や消費税は、クレジットカード払いが可能です。所得税は、確定申告の時期に当たる毎年2/16~3/15までの間に自ら税金額を計算して納付します。
住民税は市町村から6月ごろに納付書が届き、基本的には年4回の分割で納付する形です。
消費税には、前々年の課税売上額が1,000万円に満たない場合は免除されるという制度「小規模事業者の納税義務の免除」があります。
起業したばかりの年はどんなにたくさんの売上があっても、この条件によって消費税が免除されるため、支払いを意識する必要はありません。
消費税を支払うだけの売上げが上がるようになった場合、消費税の支払い時期は毎年3/31までですので覚えておきましょう。
これらの国税については、すべて「国税クレジットカードお支払いサイト」で支払いが可能です。
一方、地方税は自治体によって対応が異なるため、自身でクレジットカード払いができるかどうか調べなくてはなりません。
クレジットカードで支払えない税金
個人事業主が支払う主な税金のうち、クレジットカードで支払えない税金は地方税のうち事業所の所在している地方自治体が対応していない税金となります。
このように地方自治体によってその対応は大きく異なるため、どこまでクレジットカード払いができるかは、各自治体の公式サイトなどで確認してください。
ここまでで、個人事業主が支払う税金のうち、クレジットカード払いができる税金・できない税金の種類について説明しました。
次に、税金をクレジットカード払いにする具体的な方法3つをご紹介します。
税金をクレジットカード払いにできる3つの方法
税金の納付をクレジットカード払いにする方法は現在のところ3通りです。
これらの方法について、順番に説明します。
「国税クレジットお支払いサイト」を利用
「国税クレジットお支払いサイト」は、国に納める税金をクレジットカード可能にするサイトです。
クレジットカードの利用可能枠が許す限り、高額の税金もこのサイトで納付できます。
使用可能なクレジットカードの種類は以下の通りです。
- Visa
- Mastercard®
- JCB
- American Express
- Diners Club
- TS CUBIC CARD
5大国際ブランドが利用できるため、ほぼすべてのクレジットカードは本サイトでの決済が可能です。
支払手数料は1万円ごとに82円(税込)必要です。また、支払いは1つの税目ずつとなり、合計しての納税はできませんので、支払う税目分別々に支払手数料が必要となります。
「Yahoo!公金支払い」を利用
「Yahoo!公金支払い」は、Yahoo!JAPANが運営する税金・公共料金の支払いサイトです。
主に地方自治体に納める地方税の一部や、水道料金やNHK放送受信料などの公共料金をクレジットカードで支払えます。
使用可能なクレジットカードの種類は以下の通りです。
- Visa
- Mastercard®
- JCB
- American Express
- Diners Club
支払える料金の種類を選択した後、都道府県を検索して選ぶ形式となります。
支払手数料の詳細は支払い内容の詳細ページに記載されており、税目など支払いの種類によって手数料にかなりの違いがあるので、必ず確認してから支払いましょう。
地方自治体独自の支払い専用サイトを利用
地方自治体の中には、独自の支払専用サイトを提示している場合もあります。
使用できるクレジットカードの種類や支払手数料などは自治体により違いがあるため、支払いたい税金に対応しているかどうかなどを確認しなければなりません。
例えば、京都市には独自の「京都市 納税サイト」が用意されており、各種税金を納められるようになっています。
京都市で納められる地方税は、地方府・市民税、固定資産税(土地・家屋)&都市計画税、固定資産税(償却資産)、軽自動車税のみです。
個人事業税は含まれていないため、京都市では個人事業税のクレジットカード払いはできません(2022年3月現在)。
以上で、税金の納付をクレジットカード払いにする3つの方法を紹介しました。
次に、税金をクレジットカード払いにする際の注意点について解説します。
税金をクレジットカード払いにする際の注意点2つ
税金をクレジットカード払いにする際の注意点は2点あります。
これらの注意点について詳しく見ていきましょう。
税金を支払ったという納付書が発行されない
クレジットカードで税金を支払うと、支払ったという証明になる納付書が入手できません。
必要な場合は、別途役所に納付証明書を発行してもらう必要があります。
ただこの際タイムラグが生じるため、納付証明書が急ぎで必要な場合は間に合わなくなることもあります。
急ぎで納付証明が必要な場合はクレジットカード払いをあきらめ、役所や金融機関の窓口などで支払い、納付書をその場でもらうのが確実です。
専用サイトで間違った金額を支払うと修正の手間がかかり手数料も損
税金の支払い専用サイトで間違った金額を支払ってしまった場合、修正に手間がかかる上に支払手数料は戻ってきません。
無駄な労力がかかってしまうため、支払内容を入力する際は慎重に情報を入力しましょう。
税金をクレジットカード払いにする際の注意点は以上です。
次に、税金の支払いに個人カードではなく法人カードを選ぶ際、注意するべき3つのポイントについて解説します。
税金の支払いに法人カードを選ぶ際注意すべき3つのポイント
個人事業主の場合、事業専用に法人カードを作成する人も多くいます。
税金の支払いに法人カードを使う上での注意点は以下の通りです。
これらの注意点について、順番に説明します。
審査に通過しやすいカードを選ぶ
法人カードを作成するに際しては、特に起業直後の個人事業主の場合、審査に通過しやすいカードを選ぶことが重要です。
会社の決算書など、業績を確認できる資料が審査時に求められる法人カードは審査が厳しいというパターンが多くみられます。
起業直後の個人事業主が法人カードを作成する際は、公式サイトに「個人事業主用」と明記してあるカードを探しましょう。
個人事業主と明記してある場合は、本人確認書類で申込者本人の与信審査を行うため、比較的審査に通過しやすいと言われています。
税金の支払いでポイントがどれだけつくか要確認
国税や地方税の多くは、クレジットカードでの支払い時に支払手数料が必要です。
国税の場合は、最小で0.82%の支払手数料がかかります。
地方税の場合はもう少し少ないことが多いです。
税金の支払いに対するポイント還元率ができる限り高い法人カードを選んで、少しでも決済手数料の負担を少なくしましょう。
年間利用額とポイント制度がリンクしているかどうか確認
少々手数料が多くかかったとしても、年間利用額の底上げをすることでポイント還元率が良くなる法人カードであれば経費利用でのポイント還元で十分に元が取れます。
通常のポイント還元率が低めでも、年間利用額によって次年度に大きなポイント還元が受けられるカードを探しましょう。
ここまで、税金の支払いに法人カードを使う場合の注意点について解説しました。
最後に、個人事業主でも審査に通りやすく、税金の支払いでもポイントがつく法人カードを6枚紹介します。
個人事業主でも審査に通りやすく税金でポイントがつく法人カード5選
個人事業主でも審査に通りやすく税金でポイントがつく、という条件を満たす法人カードを6枚紹介します。
いずれも初めて持つ法人カードとしては使いやすい特徴がありますので、ぜひ自分に合った法人カードを見つけてくださいね。
三井住友カード ビジネスオーナーズ
三井住友カード ビジネスオーナーズは、税金の支払いに通常と同じポイントがつく法人カードです。
個人事業主でも審査が通りやすく、所持しやすいカードです。
年会費は無料な上に、利用枠はゴールドカード並の最大500万円(※)。
※所定の審査があります。
個人カードと同じく、支払方法が翌月一回払い以外にもリボ・分割・2回・ボーナス一括払いから選ぶことができ、キャッシング機能も付帯。
資金繰りに便利な点が大きな特徴といえるでしょう。
基本のポイント還元率は0.5%ですが、対象の個人用カードと併用することで、ETCをはじめ特定の加盟店の利用時に最大1.5%還元になります。(※)
※ ポイント還元率は利用金額に対する獲得ポイントを示したもので、ポイントの交換方法によっては、1ポイント1円相当にならない場合があります。
券面にカード番号などがない完全ナンバーレス仕様のため、専用アプリによりカード情報をはじめ利用明細も管理することができます。
NTTファイナンス Bizカード
満20歳以上の個人事業主であれば、起業して間もない方も作成しやすいカードです。
決算書や登記簿謄本は不要で、本人確認書類と引き落し用の個人口座を用意するだけで、Web上からいつでも簡単に申し込むことができます。
年会費が永年無料にもかかわらず、ポイント還元率が基本1.0%と高く、税金の支払いもポイント対象となります。
貯まったポイントは、キャッシュバックをはじめ、他ポイントやマイル、さらにギフトカードや電子ギフト、景品など交換先が幅広いので、経費削減につなげることができます。
支払い方法は一括払いをはじめ、2回払い・分割払い(3回以上)・リボ払い・ボーナス一括払いと、状況に合わせて選べるので便利です。
EX Gold for Biz S
EX Gold for Biz Sも、起業したばかりの個人事業主が審査を通過しやすいと言われている法人カードです。
キャッシング機能を付ける場合は確定申告書の写しが必要ですが、キャッシング枠をつけずに申し込めば、本人確認書類のみで与信審査が行われます。
EX Gold for Biz Sは、他のショッピングと同じように税金の支払いでもポイントが付きます。
さらに、年間利用額が200万円を超えると次年度のポイント還元率が2倍になるため、税金の支払いで年間利用額の底上げを図るだけのメリットがある法人カードです。
JCB CARD Biz ゴールド
JCB CARD Biz ゴールドは、税金の支払いでも通常と同じポイント還元が受けられる法人カードです。
通常のポイント還元率は0.5%です。
しかしポイントアッププログラムにより対象店舗(JCB ORIGINAL SERIES パートナー)で利用すると、2~10倍ものポイントが得られます。
経費として使いやすいAmazonは3倍です。
また、年間利用額がアップするとポイント還元率がアップする点も、本カードの魅力です。年間100万円で0.75%、年間300万円で0.8%ものポイントが貯まります。
楽天ビジネスカード
楽天ビジネスカードは、いつでもポイント還元率1%の法人カードです。
税金も通常と同じく1%のポイントが還元されます。
楽天プレミアムカードの追加カードという形で作る必要があるため、合計で13,200円(税込)の年会費がかかります。
しかし、楽天プレミアムカードと楽天ビジネスカードは、それぞれ引き落とし口座を別に設定でき、利用明細書も楽天プレミアムカードと別になるので、事業にかかっている経費を把握しやすくなります。
まとめ
個人事業主が税金をクレジットカードで支払う場合のメリットとデメリットについて説明しました。
ポイント還元があることや、税金の支払い状況を一括管理できること、年間利用額の底上げができることは大きなメリットです。
ただ、クレジットカード払いには支払手数料がかかるため、還元されるポイントよりも手数料の方が上回る場合があることは知っておきましょう。
また、税金の支払いではポイント還元されない法人カードもあるので注意してください。
本記事では、税金の支払いでもポイントがつく法人カードを紹介しましたので、自身によりマッチした一枚を選んでくださいね。
個人事業主のクレジットカードについては、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。