個人事業主がデビットカードを使うとお得なの?ビジネス利用におすすめの法人カードも紹介
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個人事業主が事業をおこなうにあたり、必ず「支払い」のシーンがおとずれます。
基本的に法人カードのほうがメリットが大きくおすすめですが、デビットカードで支払うようにしても問題ありません。
本記事では、事業用の支払いではデビットカードと法人カードのどちらがお得で便利なのか分かるよう、個人事業主にとってのメリット・デメリットを解説します。
あなたにとってベストな支払い方法を決める材料となれば幸いです。
伊藤亮太/ ファイナンシャルプランナー
皆様にとって真に必要なライフプランニングの設計、資産運用相談を承っております。中立的な立場から、ご相談に応じます。砂金取りという趣味も実益をかねて実践中です。詳しくはZIPANNINGで検索を。
【専門家の解説】
デビットカードにせよ、法人カードにせよ、支払時に利用することができ、経理処理にも適用できますので、どちらを使っても問題ないと言えます。
ただし、それぞれメリット、デメリットがありますので、どちらの方がご自身にとって使い勝手が良いか検討した上で法人カードとデビットカードのどちらを使うかは決定された方が良いでしょう。
一方で、法人カードでは、デビットカードに比べポイント還元率が高いケースが多く、手元に現金がなくても利用できるメリットがあります。
分割払いといった方法も検討できますので、どうしても利用したい場合や仕入れをしたい場合などには法人カードが強みを発揮します。
多くの方が法人カードによる利用を行っていると思いますが、様々な理由でクレジットカードが作れない場合もあることでしょう。
その場合にはデビットカードがあることを忘れないでください。
一長一短ですから、どちらが良いとははっきり断言はできません。
是非良いなと感じた方をまずは選択し、その後どのカードにするかじっくり検討してください。
スキラージャパン株式会社 代表取締役 / スキラージャパン株式会社
監修者伊藤亮太
伊藤亮太は「スキラージャパン株式会社」の取締役を務めるFP(ファイナンシャル・プランナー)。
慶應義塾大学大学院商学研究科経営学・会計学専攻を修了しており、在学中にCFP®を取得。
その後、証券会社にて営業・経営企画・社長秘書・投資銀行業務に携わる。
現在は富裕層個人の資産設計を中心としたマネー・ライフプランの提案・策定・サポート等を行う傍ら、資産運用に関連するセミナー講師や講演を多数行う。
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編集者イーデス編集部
「ユーザーが信頼して利用できるWEBメディア」を目指す編集部チーム。実際のユーザーの声や業界知識の豊富な専門家の協力を得ながら、コンテンツポリシーに沿ったコンテンツを制作しています。暮らしに関するトピックを中心に、読者の「まよい」を解消し、最適な選択を支援するためのコンテンツを制作中です。
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- 個人事業主が経費の支払いでデビットカードを利用するメリット6つ
- 銀行口座から即時決済で仕訳も経費管理も分かりやすい
- ほとんどの場合年会費や発行手数料がかからない
- 金利手数料は不要!その他の手数料も優遇措置あり
- 利用可能枠は銀行口座の残高次第で自由
- 即時決済なので個人信用情報に関係なく所持可能
- ポイント還元やキャッシュバックがあるカードも
- 個人事業主が経費の支払いでデビットカードを利用するデメリット4つ
- キャッシュフローに注意しないと現金不足になる場合も
- ポイント還元率がクレジットカードよりも低め
- 残高イコール利用可能枠では一時的な出費に耐えられない
- クレジットカードに備わっている付帯サービスがない
- 個人事業主が経費の支払いに法人カードを利用するメリット4つ
- 手元に現金が残るためキャッシュフローが改善される
- 経費の支払いでポイント還元され経費節減できる
- さまざまな付帯サービスがあり間接的に経費節減に寄与
- 現金の残高にかかわらず別枠で利用可能枠があるため安心
- 個人事業主が経費の支払いに法人カードを利用するデメリット4つ
- ほとんどの場合年会費がかかる
- カード作成時に審査があり落ちる可能性がある
- 複式簿記による記帳が面倒
- 利用可能枠が一律で決まっている場合が多い
- 個人事業主におすすめの法人カード5選
- 三井住友カード ビジネスオーナーズ
- NTTファイナンス Bizカード
- JCB CARD Biz
- オリコ EX Gold for Biz S
- ライフカードビジネスライトプラス
個人事業主も持てる?法人デビットカードとは?
法人デビットカードとは、法人銀行口座があって初めて所持できるカードです。ほとんどの法人デビットカードは、法人銀行口座があれば個人事業主も所持できます。
デビットカードはクレジットカードと同じように買い物に利用できます。即時引落であるため、銀行の口座残高の範囲内でのみ利用可能です。
法人デビットカードについて詳しく知りたい方は下記の記事も参考にしてください。
個人事業主が経費の支払いでデビットカードを利用するメリット6つ
個人事業主が事業用にデビットカードを使用するメリットは以下の6点です。
これらのメリットについて、順番に説明します。
銀行口座から即時決済で仕訳も経費管理も分かりやすい
起業したばかりの個人事業主は収入が不安定なため、どうしても社会的な信用力は低く、クレジットカードの審査に通過しにくい傾向があります。
ほかにどのようなメリットがあっても、カードが作れなくては意味がありません。
デビットカードは、銀行口座の残高から即時決済する支払い方法です。クレジットカードのように後払い方式ではないため与信審査の必要がなく、誰でも所持できます。
この点が、個人事業主にとって大きなメリットです。
個人事業主のクレジットカードについては、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。
ほとんどの場合年会費や発行手数料がかからない
デビットカードは、ほとんどの場合年会費がかからず、ずっと無料で使えます。
発行手数料も初回の場合は無料で、紛失などで再発行する場合のみ手数料が発生するパターンがほとんどです。
金利手数料は不要!その他の手数料も優遇措置あり
即時決済なので当然金利手数料もかかりません。
ATMの支払い手数料や振込手数料などは、銀行のキャッシュカードと同じで必要です。
ただ、メガバンクのデビットカードなど手数料の優遇措置を設けているカードも多くあります。
手数料が気になる場合は、手数料そのものが安い銀行や、優遇措置がある銀行のデビットカードを作ると良いでしょう。
利用可能枠は銀行口座の残高次第で自由
デビットカードは銀行口座からの即時決済のため、その口座を事業専用にしておけば、仕訳も経費管理も分かりやすくなります。
この点は、現金払いと比べると大きなメリットです。
また、クラウド会計ソフトを利用すると、さらに経費管理の負担は軽減します。多くの場合、クラウド会計ソフトと銀行口座を連携させることができ、データを自動的に入力できるためです。
後から多少手動で仕訳を変更する必要もありますが、会計処理の負担は楽になる分、本業に集中できます。
即時決済なので個人信用情報に関係なく所持可能
クレジットカードには利用可能枠があります。また、現金の場合、あまり多額のお金を持ち歩くのは、防犯上問題があります。
デビットカードの利用可能枠は、イコール銀行口座の残高です。高額の買い物をする場合もキャッシュレスで即時決済ができる点もデビットカードの良い面と言えるでしょう。
ポイント還元やキャッシュバックがあるカードも
デビットカードの中にも、ポイント還元やキャッシュバックがあるカードも存在します。現金払いでは得られないメリットで、経費も節減できます。
ただ、サービスがないデビットカードもあるので、カード作成の際には確認しましょう。
個人事業主が経費の支払いでデビットカードを利用するデメリット4つ
個人事業主がデビットカードを利用する際のデメリットは以下の通りです。
それぞれのデメリットについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
キャッシュフローに注意しないと現金不足になる場合も
即時決済ということは、手元のキャッシュが減るということなので、キャッシュフリーは悪化します。
手元にキャッシュが残らないと、資金繰りが苦しくなるので、クレジットカード以上に資金管理には注意しなければなりません。
ポイント還元率がクレジットカードよりも低め
ポイント還元やキャッシュバックはありますが、多くの場合デビットカードはクレジットカードよりも還元率が良くないものが多い傾向にあります。
ポイント還元やキャッシュバックの効率から言えば、デビットカードよりもクレジットカードのほうがおすすめです。
残高イコール利用可能枠では一時的な出費に耐えられない
銀行の残高が多ければ良いのですが、残高があまりない状態だと利用に大きく制限がかかる点も、デビットカードのデメリットです。
事業に必要な出費が続いたり、インターネットの広告費支払いなど一時的に大きな出費に迫られた場合、デビットカードでは支払えない、という事態になる可能性もあります。
クレジットカードに備わっている付帯サービスがない
デビットカードには、クレジットカードに備わっているような付帯サービスがありません。
ショッピング保険や旅行傷害保険といった補償関連のサービスや、法人カードの場合だとビジネス関連サービスなどがないため、保険などは自身で加入する必要があります。
ここまでで、個人事業主がデビットカードを事業で利用するデメリットについて説明しました。
次に、個人事業主でデビットカードの利用に向いている人はどのような人なのかについて説明します。
個人事業主でデビットカードの利用に向いている人
個人事業主で、デビットカードの利用に向いている人の特徴をピックアップしました。
それぞれの具体的な内容について、順番に見ていきましょう。
個人信用情報に問題がありクレジットカードを作成できない人
個人の信用情報に問題があることがはっきりしていて、法人カードを申し込んでも審査に通過しないとはっきりわかっている場合は、デビットカードを作成しましょう。
個人の信用情報(クレジットヒストリー、以降クレヒス)については、日本にある3つの信用情報機関にそれぞれ問い合わせること(有料)で確認できます。
クレヒスは、延滞や金融事故だけでなく30代や40代になってもクレジットカードの利用履歴がない「スーパーホワイト」と呼ばれる状態の場合も審査に落とされる可能性があります。
かなり年を取っているのにクレジットカードの利用履歴がないということは、与信審査をする情報がない、ということです。
また、一度自己破産などの金融事故があって、しばらくクレジットカードやローンの利用ができずにいたのではないか、とも見られてしまいます。
このような問題を抱えている場合は、確実に発行できるデビットカードを作成するしかありません。
現金払いにこだわりのある人
昔から現金払いにこだわりがある人には、同じ感覚で使えるデビットカードが向いています。現金払いで通してきた人は、お金のコントロールにも慣れているはずです。
また、クレジットカードをこれまで使ってこなかったためにクレヒスもスーパーホワイトになってしまっているのではないでしょうか。
このような人も、ポイント還元やキャッシュバック制度があり、審査のないデビットカードを作って事業に利用するようにしましょう。
キャッシュフローを気にしなくてよいほど資金が潤沢な人
キャッシュフローを気にしなくてよいほど資金が潤沢なら、わざわざ後払いにする必要はありません。
ポイント還元制度のあるデビットカードでも十分うまくやっていけるでしょう。
法人カードの付帯サービスに魅力を感じなければ、デビットカードでも問題ありません。
ここまで、個人事業主でデビットカードの利用に向いている人について説明しました。
次は個人事業主向けのデビットカードの選び方について解説します。
個人事業主向け法人デビットカードの選び方
法人デビットカードは法人口座を持っている銀行のカードしか作成できないため選択肢は限られます。
ただし、選ぶ場合は、特徴を理解せずに、いい加減に選んでしまうと便利さをあまり感じられなくなってしまうため、下記のチェックポイントをしっかり確認して選びましょう。
- 年会費とキャッシュバックやポイント還元率、付帯サービスのバランスをチェック
- 追加カードやETCカードの作成枚数を確認
- 付帯保険や国際ブランドも確認
それぞれ詳しく解説していきます。
年会費とキャッシュバックやポイント還元率、付帯サービスのバランスをチェック
個人事業主がデビットカードを選ぶ際は、年会費とキャッシュバックやポイント還元率、付帯サービスのバランスをチェックして選びましょう。
付帯サービスにこだわりがないのなら、年会費無料のカードがおすすめです。
年会費無料のカードは所持コストがかからず、一見いいように思えますが、年会費を支払っても持つべき価値を感じられる付帯サービスがあるのなら、年会費有料のカードもおすすめできます。
一般的に、年会費無料のカードよりは年会費有料のカードの方がキャッシュバックやポイント還元率は高く設定されています。事業内容によって、おすすめのカードは異なるため、事業内容に合ったものを選びましょう。
追加カードやETCカードの作成可能枚数を確認
従業員を雇っている、もしくは雇うことになった場合は、追加カードやETCカードが必要になることもあります。よって、追加カードやETCカードの作成可能枚数や追加発行にかかる費用を確認しておきましょう。
法人デビットカードは追加カードやETCカードの追加可能枚数が多いものは、ほとんどの場合、年会費がかかります。事業に合わせて必要な枚数を推定し、その必要枚数を作成可能なカードを選ぶことが大切です。
付帯保険や国際ブランドも確認
付帯の保険や国際ブランドも重要なチェックポイントです。とくに出張が多い業務では付帯保険や国際ブランドで便利に利用できるかが大きく異なります。
国際ブランドはどの銀行のデビットカードなのかでおおむね決まっているため、選択肢は限られるものの、選べるのであれば自社の業務に合ったものを選びましょう。
次に、個人事業主におすすめのデビットカードを紹介します。
個人事業主におすすめのデビットカード3選
ここからは、個人事業主におすすめのデビットカード3つを紹介します。
どれも与信審査がないので発行しやすく、キャッシュバックやポイントの還元率が高いなど使い勝手の良いデビットカードです。
カード | |||
---|---|---|---|
年会費 | 初年度:無料 2年目以降:無料 | 1,100円(税込) | 無料 (発行手数料:1,100円) |
キャッシュバック・ポイント還元率 | 1.0%(※1) | 1.0% | 0.6% |
国際ブランド |
| ||
経理やビジネス上の代表的なメリット | Visaのタッチ決済やMastercard®コンタクトレスでスムーズな支払いが可能。Visaの場合は「Visaビジネスオファー」も付帯。 | 1枚につき年会費1,100(税込)で1口座あたりの発行枚数が9,999枚。 | 紛失や盗難、不正利用等にあった場合、届け出のあった日から30日前にさかのぼり被害を補償。 |
※1 一部キャッシュバック率が異なる利用先がございます。
GMOあおぞらネット銀行「ビジネスデビット」
年会費 | 初年度:無料 2年目以降:無料 |
---|---|
ポイント還元率 | 1.0%(※) |
国際ブランド | |
発行スピード | 約2週間 |
追加カード | ETCカード |
ETCカード年会費 | - |
ポイント名 | キャッシュバック |
注目ポイント
- 毎月ご利用金額の1.0%をキャシュバック!(※)
- 発行手数料無料、年会費無料!
- 1日の利用金額の設定が可能
補足事項
- ※1 一部キャッシュバック率が異なる利用先がございます。
GMOあおぞらネット銀行ビジネスデビットは、キャッシュバックの還元率が最大1.0%です。
これは、業界最高水準(※1)で一般的な法人カードに比べても高還元率になります。
※1 2022年8月31日 GMOあおぞらネット銀行調べ
さらに、2023年7月31日まで対象店舗での利用で、還元率が最大1.5%になるキャンペーンも実施中です【本キャンペーンは終了しています】。
GMOあおぞらネット銀行の事業用の個人口座を開設すると発行できます。与信審査もないので審査落ちの心配もいりません。
年会費・発行手数料ともに無料ですので、初めてデビットカードを利用する人も所有しやすいカードです。
利用限度額は基本1日あたり1枚につき500万円となっていますが、審査により限度額を上げることも可能です。
また、最大20枚までカードの保有が可能(※2)ですので、限度額も500万円×20枚=合計1億円という計算になります。
※2 追加発行手数料は1枚につき 1,100 円(税込)。
国際ブランドはVisaとMastercardの2種類から選べます。
そのため、Visaのタッチ決済やMastercard®コンタクトレスでスムーズな支払いが可能です。
他にも、Visaが提供する宿泊・トラベル・ビジネスサービスなどで優待が受けられる「Visaビジネスオファー」なども付帯しています。
GMOあおぞらネット銀行ビジネスデビットについて、もっと詳しく知りたい方はこちら!
楽天銀行「楽天銀行ビジネスデビットカード(JCB)」
楽天銀行ビジネスデビットカード(JCB)も、利用金額の1.0%分のキャッシュバックがある高還元率のカードです。
楽天銀行の法人口座を所有することで発行できるようになり、楽天銀行のWebサイトから申込むことができます。
発行手数料は無料で年会費は1枚につき1,100円(税込)かかりますが、1口座あたりの発行枚数が9,999枚とほぼ無制限です。
また、国際ブランドがJCBのため、国内外のJCB加盟店で利用できます。
住信SBIネット銀行「デビットカード(Visa)」
デビットカード(Visa)は、ポイント還元率が0.6%(1,000円ごとに6ポイント)で、JALマイルや現金などに交換できる汎用性の高いスマプロポイントが貯まります。
年会費は無料ですが、発行手数料は1,100円(税込)かかります。
住信SBIネット銀行の口座開設時は、スマホデビット(Mastercard)が発行されすぐに利用できます。
その後、プラスチックカードのデビットカード(Visa)の申込ができます。
プラスチックカードの券面はセキュリティー面に配慮したナンバーレス仕様になっており、青を基調にしたスタイリッシュなデザインが印象的な1枚です。
紛失や盗難、不正利用等もしもの時も、届け出のあった日から30日前にさかのぼり被害を補償してくれるので安心です。
国際ブランドがVisaのため、Visaのタッチ決済が搭載しており、普段の買い物時もスムーズな支払いが可能です。
次に、ビジネス用のクレジットカードである法人カードを個人事業主が経費の支払いに使った場合、どのようなメリットがあるかを紹介します。
個人事業主が経費の支払いに法人カードを利用するメリット4つ
個人事業主が、デビットカードではなく法人カードを利用するメリットは主に以下の4点です。
これらのメリットについて、順番に解説します。
手元に現金が残るためキャッシュフローが改善される
法人カードはビジネス向けのクレジットカードで後払い方式です。
実際にカードを利用した日から、実際に口座引き落としが行われるまで、およそ1ヶ月以上のタイムラグがあります。その間は手元に現金が残り、キャッシュフローは改善されます。
この点は、事業を進める上で大きなメリットです。
経費の支払いでポイント還元され経費節減できる
法人カードにはポイント還元制度があります。
デビットカードにもポイント還元制度やキャッシュバックはありますが、法人カードの場合は年間利用額やキャンペーンなどで、ポイントを多く獲得できる機会を多く設けているものがたくさんあり、より効率よく経費節減ができます。
さまざまな付帯サービスがあり間接的に経費節減に寄与
法人カードには、さまざまな付帯サービスがあり、特にゴールドクラス以上のステータスを持つ法人カードは、付帯サービスが豪華で年会費以上のメリットがあるサービスも少なくありません。
例えば、レストラン予約サービスでは、1人分の食事代が無料になるというサービスがあります。得意先の接待に使えば、大きな経費節減になります。
また、出張時のホテル代割引サービスや、空港ラウンジの無料利用、自宅から空港、あるいは空港から自宅への手荷物無料配達など、細かいサービスですが1年間トータルで考えると、かなり大きなメリットです。
現金の残高にかかわらず別枠で利用可能枠があるため安心
現金の残高とは別に、法人カード自体の利用可能枠があるため、事業のお金と生活のお金を切り離して考えやすい点も、法人カードのメリットです。
ここまで、法人カードを個人事業主が経費の支払いに利用した場合のメリットについて説明しました。
では、法人カードのデメリットには何があるでしょうか。デメリットについては次に説明します。
個人事業主が経費の支払いに法人カードを利用するデメリット4つ
個人事業主が経費の支払いに法人カードを利用するデメリットは、以下の4点です。
それぞれについて、詳しく説明します。
ほとんどの場合年会費がかかる
法人カードは、ほとんどの場合年会費がかかります。
千円台から数万円台まで、年会費の幅は広く、初年度は年会費無料のカードもありますが、少しでも経費を抑えたい場合はデメリットです。
カード作成時に審査があり落ちる可能性がある
従来の法人カードは、審査基準が非常に厳しくて、3年以上の事業継続と2期連続黒字を達成していない場合、審査を通過できませんでした。
しかし、近年は個人事業主向けの法人カードが多く出されるようになり、起業直後から法人カードを保有する個人事業主も増えています。
ただし、個人事業主用の法人カードも無審査ではありません。申込者自身の与信審査を行うことにより、カード発行の可否を決めています。
法人カードの申込者自身が過去に延滞や金融事故を起こしていた場合は、個人事業主向けの法人カードも審査通過は難しくなります。
複式簿記による記帳が面倒
クレジットカードの決済は、後払い式なので、利用日と口座引き落とし日にタイムラグがあります。個人事業主で青色申告特別控除を受けるためには、記帳を複式簿記で行い、所定の会計書類を作らなくてはなりません。
利用日と口座引き落とし日の両方記帳しなければならない複式簿記は、手数がかかり面倒です。
現金払いやデビットカードは、即時決済なのでそのようなわずらわしさはなく、法人カード特有のデメリットと言えます。
利用可能枠が一律で決まっている場合が多い
法人カードは、利用枠が一律で決まっているものが多い傾向にあります。利用可能枠はステータス性の高い法人カードほど広く設定されていて、個人カードよりも高額です。
しかし、事業を続けていると、仕入れや広告費など、一時的に大きな出費が必要な場合もあります。このとき、利用可能枠が一律で決まっていると、その枠におさまりきらず法人カードが使えない、ということもあります。
ここまでで、個人事業主が法人カードを経費で利用する場合のデメリットについて説明しました。
次に、個人事業主で法人カードの利用に向いている人について紹介します。
個人事業主で法人カードの利用に向いている人
個人事業主で法人カードの利用に向いている人は以下の通りです。
それぞれの内容について、もう少し詳しく説明します。
クレジットカードの利用履歴がありクレヒスに問題がない人
クレジットカードの利用履歴があり、クレヒスに問題がない人なら、デビットカードよりも法人カードの方がメリットが大きいです。
ポイント還元制度や付帯サービス、ビジネス関連のサービスが充実しており、そのメリットを十分享受しながら事業を進められます。
少しでも経費節減していきたいと考えている人
法人カードは、ポイント還元制度で経費節減を図っていけます。
ポイント還元制度は、年間利用額によって還元率が高くなったり、キャンペーンで一気に多くのポイントが獲得できたりして、経費を節減できます。デ
ビットカードもポイント還元やキャッシュバックを行っていますが、法人カードの方が多く貯まりやすく有利です。
出張などが多く法人カードの付帯サービスが利用できる人
海外出張が多い場合は付帯サービスの空港関連サービスや付帯保険で旅行傷害保険、ショッピング保険が利用できます。
東海道・山陽新幹線の利用が多い場合には、新幹線の予約と割引価格での利用が可能なEX予約サービスを提供している法人カードで経費節減が可能です。
ここまで、個人事業主で法人カードの利用に向いている人について説明しました。
次はいよいよ個人事業主にメリットがあり、審査に通過しやすいおすすめの法人カードを6枚紹介します。
個人事業主におすすめの法人カード5選
これから起業しようとしている個人事業主の人におすすめの法人カードで、年会費があまり高くないおすすめの6枚を紹介します。
カード | |||||
---|---|---|---|---|---|
年会費 | 無料 | 無料 | 初年度:無料 2年目以降:1,375円(税込) | 初年度:無料 2年目以降:2,200円(税込 | 無料 |
還元率 | 0.5%~1.5%(※1) | 1.0% | 0.5% | 0.6%~1.2% | 0.5% |
国際ブランド | |||||
経理やビジネス上の代表的なメリット | freee会計や勘定奉行、弥生会計など、多くの会計ソフトとデータ連携可能。キャッシングも可能。 | Web明細編集サービス機能、福利個性サービスもあり | 「MyJCB外部接続サービス」によりセキュアな環境でカードの利用明細データをクラウド会計ソフトに取り込むことができる、 弥生会計・freee会計・会計王などと連携可能 | freee会計の有料プランが3ヶ月分お得に。豊富な支払方法あり | 従業員カードやETCカードの年会費も無料 |
※1 対象の三井住友カードと2枚持ちすることが条件です。ポイント還元率は利用金額に対する獲得ポイントを示したもので、ポイントの交換方法によっては、1ポイント1円相当にならない場合があります。
年会費の安い法人カードで良好なクレヒスを積むことで、より利用可能枠が広く付帯サービスも充実している法人カードへの切り替えも可能です。
それぞれのカードについて特徴を知り、自分に向いている1枚を見つけてください。
三井住友カード ビジネスオーナーズ
年会費 | 初年度:永年無料 2年目以降:永年無料 |
---|---|
ポイント還元率 | 0.5%~1.5%(※1) |
国際ブランド | |
電子マネー | |
発行スピード | 1週間程度 |
追加カード | ETCカード |
ETCカード発行手数料 | 無料 |
ETCカード年会費 | 550円(税込)(※2) |
ETCカード発行期間 | 約2週間 |
マイル還元率(最大) | 0.5% |
旅行保険 | 海外旅行保険 |
ポイント名 | Vポイント |
締め日・支払日 | 15日締め・翌月10日/月末締め・翌月26日 ※選択可能 |
申し込み条件 | 満18歳以上の法人代表者・個人事業主(フリーランス・副業を含む) |
必要書類 | 法人代表者の本人確認資料(運転免許証など) |
注目ポイント
- 新規入会&条件達成で10,000円相当Vポイントプレゼント!
- 年会費永年無料!
- 特定の加盟店(ETCなど)でポイント最大1.5%還元!(※1)
- 申込時の登記簿謄本や決算書が不要!
- Freee会計や勘定奉行、弥生会計など、多くの会計ソフトとデータ連携可能!
補足事項
- ※1 対象の三井住友カードと2枚持ちすることが条件です。ポイント還元率は利用金額に対する獲得ポイントを示したもので、ポイントの交換方法によっては、1ポイント1円相当にならない場合があります。
- ※2 初年度無料。2年目以降は、前年度に1回以上ETC利用の請求があれば翌年度無料
三井住友カード ビジネスオーナーズは、年会費が永年無料なうえに利用可能枠が高い点が魅力の法人カードです。
利用可能枠は最大500万円で、一般的なビジネスゴールドカード並みの額です。
※所定の審査があります。
また、申し込み時の登記簿謄本や決算書の提出が不要となっているため、申込者の返済能力・信用力を基準に審査通過可否を決める可能性が高いです。
申込者の返済能力・信用力に問題がなければ、審査を通過できる確立は非常に高いです。
ただし、公式で発表されている以下の申込条件をクリアしていることは必須条件です。
「満18歳以上の法人代表者、個人事業主(副業、フリーランスを含む)の方」
その他に、法人カードは通常キャッシングできない場合が多いのですが、三井住友カード ビジネスオーナーズはキャッシングも可能な点が特徴です。
また、海外キャッシングも利用できるため、海外出張のある方にとっても使い勝手が良い法人カードです。
三井住友カード ビジネスオーナーズについて、もっと詳しく知りたい方はこちら!
NTTファイナンス Bizカード
年会費 | 初年度:無料 2年目以降:無料 |
---|---|
ポイント還元率 | 1.0% |
国際ブランド | |
電子マネー | |
発行スピード | 約2~3週間 |
追加カード | ETCカード |
ETCカード発行手数料 | 550円(税込) |
ETCカード年会費 | 550円(税込) |
マイル還元率(最大) | 0.4% |
旅行保険 | 国内旅行保険・海外旅行保険 |
締め日・支払日 | 締め日:毎月末・支払日:翌月25日 |
申し込み条件 | 法人のみを対象※カード使用者は、満20歳以上の方となります。 ※連帯保証人が必要となります。 |
必要書類 | <法人の方> 登記事項証明書+本人確認書類2点(運転免許証または運転経歴証明書・在留カードまたは特別永住者証明書・パスポート・マイナンバーカード・健康保険証) <個人事業主の方> 本人確認書類2点 |
注目ポイント
- 年会費無料でポイント還元率1.0%!
- Web明細編集サービスで経理処理が簡単に!
- Amazon Businessが使用できる!
- 充実の国内外傷害保険!
- ポイントモール利用で最大ポイントが26%に!
NTTファイナンス Bizカードは、満20歳以上の個人事業主であれば、決算書や登記簿謄本も不要なため、起業して間もない方も申込むことが可能です。
年会費は本カード・追加カードともに永年無料ですので、必要に応じて気兼ねなく作成できます。
ポイント還元率が高く、基本で1.0%、会員専用のポイントモール「倍増TOWN」経由で購入すると最大26.0%になるため、支払いをこのカードにまとめることで経費削減効果が期待できます。
支払い方法も、一括払い、2回払い・分割払い・リボ払い・ボーナス一括払いから選べるので便利です。
また、面倒な経費管理が軽減されるWEB明細編集サービス機能も利用できますので、事務処理を効率よく済ませたい方もチェックしておきたいカードです。
NTTファイナンスBizについて、もっと詳しく知りたい方はこちら!
JCB CARD Biz
年会費 | 初年度:無料 2年目以降:1,375円(税込) |
---|---|
ポイント還元率 | 0.5% |
国際ブランド | |
電子マネー | |
発行スピード | 最短5分程度※ |
追加カード | ETCカード |
ETCカード発行手数料 | 無料 |
ETCカード年会費 | 無料 |
ETCカード発行期間 | ウェブでお申し込み:約1週間 電話でお申し込み:約2週間 |
ポイント名 | OkiDokiポイント |
締め日・支払日 | 公式サイト参照 |
申し込み条件 | 18歳以上の法人代表者または個人事業主(フリーランス・副業を含む) |
必要書類 | 運転免許証または運転経歴証明書・マイナンバー(個人番号)カード・住民票の写し・各種健康保険証など |
注目ポイント
- 法人の本人確認書類不要!カンタンお申し込み!
- QUICPay利用可能でキャッシュレス決済!
- 個人カード感覚で利用でき、法人会員向けサービスも付帯
補足事項
- ※1 モバ即の入会条件 ① 9:00AM~8:00PMでお申し込み(受付時間を過ぎた場合は、翌日受付扱い) ②カード申し込み時に、WEBにてお支払い口座を設定 ③顔写真付き本人確認書類による本人確認(運転免許証/マイナンバーカード/在留カード)
JCB CARD Bizは、年会費が1,375円(税込)で、ポイント還元制度もあるお得な法人カードです。
起業直後の個人事業主でも比較的作成しやすい法人カードの一つとして人気があります。
1,000円の利用で1ポイント貯まり、利用代金のキャッシュバックで使う場合は、1ポイント3円で交換できるため、通常では約0.3%のポイント還元率となります。
年間利用額が100万円以上でポイントは50%アップ、ポイントアップできる加盟店を利用するなど工夫することで、ポイント還元率をさらに高くできます。
JCB CARD Bizについて、もっと詳しく知りたい方はこちら!
オリコ EX Gold for Biz S
年会費 | 初年度:無料 2年目以降:2,200円(税込) |
---|---|
ポイント還元率 | 0.6%~1.2% |
国際ブランド | |
発行スピード | 公式サイト参照 |
追加カード | ETCカード 家族カード |
ETCカード年会費 | 無料 |
旅行保険 | 国内旅行保険・海外旅行保険 |
ポイント名 | 暮らスマイル |
締め日・支払日 | 翌月27日 |
申し込み条件 | ①個人事業主②法人代表者 |
注目ポイント
- 年間利用額に応じてポイント加算率アップ!
- 追加カードは3枚まで年会費無料
- 海外(2,000万円)国内(1,000万円)の旅行保険付帯
- ETCカードが無料で発行可能
オリコのEX Gold for Biz Sは、個人事業主向けの法人カードで、個人カードに似た使い勝手の良さと、ポイント制度が充実していることがおすすめポイントです。
一般的に、法人カードは翌月一括払いしかありませんが、EX Gold for Biz Sは個人カードのように、ボーナス払いや分割払いなど、豊富な支払方法を用意しています。
分割払いなど利息がかかる支払い方法は、利用するにあたり注意が必要ですが、とても助かる仕組みです。
また、EX Gold for Biz Sはポイント制度も充実しており、年間50万円以上の利用があると、ポイント還元率がアップし、年間200万円以上の利用でポイント還元率は2倍となります。
会社の経費利用の金額が大きい場合、EX Gold for Biz Sでより多くのポイントを得られるのでおすすめです。
オリコ EX Gold for Biz Sについて、もっと詳しく知りたい方はこちら!
ライフカードビジネスライトプラス
年会費 | 初年度:無料 2年目以降:無料 |
---|---|
ポイント還元率 | 0.5% |
国際ブランド | |
電子マネー | |
発行スピード | 最短3営業日 |
追加カード | ETCカード |
ETCカード発行手数料 | 無料 |
ETCカード年会費 | 無料 |
ETCカード発行期間 | お申し込み後最短6営業日 |
締め日・支払日 | 締め日:毎月5日・支払日:当月26日~29日または翌月3日 |
申し込み条件 | 法人代表者または個人事業主 |
必要書類 | 本人確認書類 |
注目ポイント
- 申込はWEB完結!
- 最短3営業日発行が可能!
- 決済書不要で本人確認資料のみで申込可能
- 会社設立・企業すぐでも申込OK
- 副業やフリーランスの方におすすめのカード
ライフカードビジネスライトプラスは、法人カードの中では珍しく年会費永年無料という点が大きな特徴です。
ポイント還元率は0.5%、限度額は10万円~500万円と十分なスペックがあり、従業員カードやETCカードの年会費もかからないため、コストをかけずに持てます。
付帯保険に関しては物足りない部分はあるものの、開業したての方が初めて持つカードとしておすすめです。
ライフカードビジネスライトプラスでコツコツとクレヒスを積んで将来的にもっと条件のよい法人カードに乗り換えるのも賢い選択です。
ライフカードビジネスライトプラスについて、もっと詳しく知りたい方はこちら!
FAQ(よくある質問)
個人事業主向けのデビットカードについてよくある質問をまとめています。
個人事業主でも法人デビットカードは持てるの?
多くの法人デビットカードは、法人銀行口座があれば個人事業主も所持できます。法人デビットカードは、法人銀行口座があって初めて開設できるカードです。
詳しくはこちらで紹介しています。
個人事業主がデビットカードで経費を支払うメリットは?
個人事業主が事業用にデビットカードを使用するメリットは以下の6点です。
- 銀行口座から即時決済で仕訳も経費管理も分かりやすい
- ほとんどの場合年会費や発行手数料がかからない
- 金利手数料は不要!その他の手数料も優遇措置あり
- 利用可能枠は銀行口座の残高次第で自由
- 即時決済なので個人信用情報に関係なく所持可能
- ポイント還元やキャッシュバックがあるカードも
詳しくはこちらで紹介しています。
個人事業主がデビットカードで経費を支払うデメリットは?
個人事業主がデビットカードを利用する際のデメリットは以下の通りです。
- キャッシュフローに注意しないと現金不足になる場合も
- ポイント還元率がクレジットカードよりも低め
- 残高イコール利用可能枠では一時的な出費に耐えられない
- クレジットカードに備わっている付帯サービスがない
詳しくはこちらで紹介しています。
個人事業主でデビットカードに向いている人とは?
個人事業主で、デビットカードの利用に向いているのは、下記のような人です。
- 個人信用情報に問題がありクレジットカードを作成できない人
- 現金払いにこだわりのある人
- キャッシュフローを気にしなくてよいほど資金が潤沢な人
詳しくはこちらで紹介しています。
個人事業主には法人デビットカードと法人カードどちらがいいの?
クレジットカードの利用履歴があり、クレヒスに問題がない人であれば、キャッシュバックやポイント還元、付帯サービスが充実している法人カードの方がおすすめです。
経費節減を重視している人、出張などが多く、法人カードの付帯サービスを利用できる人も法人カードの方がよいでしょう。
一方、クレヒスに問題があり、クレジットカードを作れない人や現金と同じ感覚で使用したい人はデビットカードの方がおすすめです。
まとめ
デビットカードと法人カードは、それぞれ良い面と悪い面があり、自分の置かれた状況により、最適なほうを使うようにする必要があります。
基本的に、事業に使うならキャッシュフローが良くなり、一定の社会的な信用力も示せる「法人カード」がおすすめです。
法人カードが作れない場合など、デビットカードの方が適している場合もありますので、よく検討して、どちらを作るか決めてくださいね。
個人事業主のクレジットカードについては、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。