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個人事業主になるために必要な2つの手続きと10個のマストアイテムとは?

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個人事業主になるために必要&便利なものを詳しく解説
個人事業主向け クレジットカード

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副業やフリーランスで一定の収入を得た後、個人事業主になることを検討する人もいますよね。

この記事では、個人事業主になる人向けに、以下をわかりやすく紹介していきます。

記事が個人事業主になるために必要なことを知れる手助けになれば幸いです。

個人事業主のクレジットカードについては、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。

  • トータルマネーコンサルタント

    監修者新井智美さん

    福岡大学法学部法律学科卒業。
    1995年4月 情報通信会社入社。
    2006年11月 ファイナンシャル・プランニング技能士1級取得。
    2017年10月 独立。

    コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)を行う他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に金融メディアへの執筆および監修も行い、現在年間200本以上の執筆および監修をこなしている。これまでの執筆および監修実績 は1,000本以上に及ぶ。

    監修実績
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    auじぶん銀行:資産運用について知っておきたいことまとめ!種類や方法、注意点を解説

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個人事業主が開業準備に必要な2つの手続き

個人事業主が開業するにあたって、必要な手続きがいくつかあります。特に届け出関連は期限が定められているため迅速な手続きが求められます。

  • 税務署への手続き
  • 健康保険の手続き

詳しく見ていきましょう。

税務署への開業届の提出

個人が事業を始めた時には、税務署への届け出が必要となります。正式名称は所得税法第229条で定められている、「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」です。

提出要件は下記の通りです。

  • 事業開始から1カ月以内
  • 持参または郵送
  • 手数料不要
  • 納税地を所轄する税務署へ提出

書式は国税庁ホームページからダウンロード可能です。https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm

開業準備の一環として忘れないように提出しておきましょう。

青色申告を選択する場合には青色申告承認申請書も提出

これから個人事業主としてやっていくのなら、青色申告承認申請書も提出しておきましょう。

確定申告の方法は、青色申告と白色申告の2種類です。

青色申告は、複式簿記で帳簿を付けることが義務付けられており、より複雑な帳簿付けが義務付けられています。

具体的には、「仕訳帳」と「総勘定元帳」を作成し、年度末に「損益計算書」と「貸借対照表」を、確定申告書(B)などとともに提出しなければなりませんが、控除額が65万円です。

帳簿に記載しない白色申告(控除額10万円)と比較すると控除額が最大65万円と大きくなります。

本格的に事業を営むなら、控除額が大きい青色申告にするのがいいでしょう。

こちらも書式のダウンロードが可能です。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/09.htm

期限は開業後2カ月以内ですが、忘れないように開業届と同時に申請しておくといいでしょう。

意外と知られていない都道府県へ提出する書類

個人事業主になるときは開業届を出すだけでいいと一般的に思われているようですが、本来は都道府県税事務所に「個人事業税の事業開始等申告書」も提出が必要です。

しかし、個人事業税の事業開始等申告書はとくに提出しなくても、確定申告時に自動で都道府県税事務所に通知されるようになっているので、提出を忘れていたとしても心配いりません。
未提出でも罰則はないため、あえて提出しないという個人事業主もいるようです。

個人事業税の事業開始等申告書への記入事項は屋号や住所、事業主の氏名などが主で、至ってシンプルです。
さまざまな情報を細かく記載するような書類ではないので、提出しなくても問題ないとはいえ面倒くさがらずに申請しておくとよいでしょう。

その他の税務署に行う手続き

個人事業を始める時、必要に応じて他にも提出すべき書類があります。特に、従業員を雇用する場合や家族に給与を支払う場合は忘れないようにしなければなりません。

書類名書式
従業員を雇用する場合給与支払事務所等の開設・
移転・廃止届出書
書式について(国税庁ホームページ)
給与の支給人員が常時10人未満の場合源泉所得税の納期の特例の
承認に関する申請書
書式について(国税庁ホームページ)
事業を手伝う配偶者・家族に支払った給与を経費として計上したい場合青色事業専従者給与に関する
届出・変更届出書
書式について(国税庁ホームページ)

自分だけで事業をする場合は関係ありませんが、だれかを雇用する場合、家族に手伝ってもらう場合には手続きをしておきましょう。

法人化する場合には定款作成・登記が必要

初めからある程度の利益が見込める場合、法人化を考える人もいるでしょう。法人化する場合には、初期費用としていくらかの費用が発生します。

◆定款作成費用

定款の原本に貼り付ける収入印紙1通4万円(電子定款の場合不要)
公証人による定款の認証1通5万円

◆設立登記費用

登記申請用の定款の謄本手数料1ページ:250円
8ページ程度:2,000円
設立登記の登録免許税最低15万円
(資本金の0.7%が15万円を超える場合その額)

資本金の額や定款のボリュームによって必要な費用は異なりますが、最低でも21万円程度は必要です。

個人事業主になるか検討中の方は、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。

会社を退職した場合は国民健康保険へ切り替える

会社を退職すると、退職日の翌日から社会保険の被保険者資格を失います。何も手続きをしない場合、国民健康保険へ自動切替されます。

手続きをすることで、下記のような選択肢もあります。

  • 配偶者等親族が加入している保険の扶養に入る
  • 任意継続する

手続きが面倒で放置していると国民健康保険へ自動加入となりますが、保険料が高額な場合も多いので、よく調べておきましょう

2年間は任意継続も可能

退職後2年間は今までの社会保険を任意継続可能です。在職時よりは高額になるものの国民健康保険より保険料が安い場合が多いので、少しでも費用を抑えたい個人事業主にはありがたい制度と言えます。

ただし、退職日から20日以内の手続きが必要など、手続き期間が定められていることが多いです。

少しでも費用を抑えられるよう、開業準備等で忙しくても忘れず手続きしておきましょう。

この章では、個人事業主として開業するのに、必要な手続きを解説してきました。次の章では、個人事業主が開業時に必要なものを紹介していきます。

新井智美

新井智美 / トータルマネーコンサルタント

年間、100本以上の記事執筆や監修を行っていますが、同じタイトルの記事でも、その時の経済情勢や法改正などで、内容は日々変わっていきます。『かかりつけのお金と人生の相談者』いうスタンスを大切に、最新かつ正確な情報をお届けすると共に、読者にとって「わかりやすい」記事を提供することを心がけています。
【専門家の解説】

個人事業主の開業における必須手続きは「開業届の提出」と「健康保険の手続き」です。

任意継続保険の手続きを行う際には、毎月健康保険組合に支払う保険料と国民健康保険料の額がいくらになるか、申し込む前に必ず確認しておくようにしましょう。
何故なら、一旦任意継続被保険者となると余程の理由がない限り、2年間加入し続ける必要があるからです。その間、国民健康保険料の方が安いことに気がついても、それを理由に任意継続を辞めることができないことに注意が必要です。

また、個人事業主の開業に忘れてはならないのが「屋号」の決定です。
もちろん屋号については必ず決めなければならないというわけではありませんが、開業前のホームページ作成や名刺作成などの際に必要となってきますので、じっくりと考えて決めることをおすすめします。

個人事業主については、個人のクレジットカードを使い続けることも出来ますが、事業に必要なものを購入する際、クレジットカードを利用することが多いのであれば、個別に事業用のクレジットカードを作る方がよいでしょう。

「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド」は、 ステータス性が高く、付帯サービスも充実しています。
年会費は36,300円(税込)と高いものの、会費については「諸会費もしくは支払手数料」として経費処理出来ますので、是非持っておきたいカードです。

フリーランスの準備については、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。

個人事業主が開業時に必要なもの10選

開業時に必要な手続きの他に、用意しておくと便利なものもいくつかあります。すぐに準備できるものもあれば準備に時間がかかるものもあります。

  • 印鑑
  • パソコン
  • 名刺
  • ホームページ
  • プリンター
  • 会計ソフト
  • 固定電話
  • 法人口座
  • 法人カード
  • 事務所

詳しく見ていきましょう。

業務用の印鑑(必須)

個人事業を始めるにあたって、業務用の印鑑は必須です。プライベートのものを使ってしまうと、事業がだんだん大きくなってくると区別しきれなくなってしまいます。

最低限下記の2種類は用意しておくと便利です。

  • 認印(銀行印に使えるもの)
  • スタンプ式の印鑑(シャチハタと呼ばれるもの)

ネットショップなどで即日購入できるところもあるので、すぐに準備しておきましょう。

パソコン(必須)

個人事業ではパソコンは必須です。タブレットでも問題ない業務をしている人でも、年度末の確定申告などではパソコンを使った方がスムーズに処理できます。

開業時、資金に余裕がない場合には、ネットショップなどで価格を比較しながら、費用を抑えられる機種を探してみましょう。

パソコンを準備しておくことで、口座開設、契約書や役所への書類の提出もスムーズにできます。

名刺(あると便利)

名刺は大切なビジネスアイテムです。

開業前は個人名だけで名刺を作っていた人も、開業届提出後は屋号を添えた名刺を用意しましょう。このときに肩書きをつけたいのであれば「代表」としましょう。

「取締役」としたい人ももしかするといるかもしれませんが、取締役は法人で経営に携わる人物の肩書きです。法人格を持たない個人事業では代表が適した肩書きになります。

ホームページ(あると便利)

ホームページは取り引き先や顧客にアピールするだけでなく、クレジットカードを申し込むときにも役立つ可能性が。

どのカード発行会社でも行っているわけではありませんが、カード申込時に屋号からホームページを調べて事業内容の確認をすることもあると噂されています。絶対的に有利になるとは言い切れませんが、ホームページは開設しておくに越したことはないでしょう。

個人事業主になると法人カードの申込みができるようになります。

プリンター(あると便利)

頻繁に企画書や契約書を印刷する場合には、プリンターも用意しておきましょう。書類印刷に特化している機種も多く、用途に応じて選択可能です。

ただし、シェアオフィス使用など、共有のプリンターがあればわざわざ買わなくても済む場合もあります。

自身がどのような環境で業務を行うのか、見極めながら準備するといいでしょう。

会計ソフト(あると便利)

個人事業主なら、年度末には必ず確定申告をしなければなりません。会計業務に時間を取られるよりは、会計ソフトを導入するのがおすすめです。

会計ソフトを導入しておくと、複雑な帳簿付けは会計ソフトが代わりにしてくれます。簿記の知識があまりない人でも、自動的に帳簿を付けてくれるのでスムーズに青色申告できるでしょう。

減価償却などの経費の計算も会計ソフトがしてくれるので、計算ミスの心配もありません。会計処理に時間を取られずに控除額が大きい青色申告をしたいなら、会計ソフトは必要でしょう。

特に、事業規模が小さい会社でのシェアが大きいfreeeがおすすめです。

会計ソフトの多くはクレジットカードともデータ連携可能なので、導入することで会計業務にかける時間が少なく済むようになります。

会計ソフトとデータ連動できる法人カードは多いです。一つひとつのデータを手動で入力せずとも自動的に反映できます。

経費の支払いをできる限り法人カードにまとめておくと、入力しなくても構いません。面倒な入力の手間を減らして会計処理をスムーズにするなら、経費の支払いは法人カードにまとめておきましょう。

個人事業主の経費については、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。

固定電話(あると有利)

連絡先が携帯電話のみの人よりは、固定電話がある人の方が信用されやすいです。特に、会社に所属していない個人事業主は、固定電話がある人の方が「腰を据えて事業に携わっている人」というイメージを持たれやすいでしょう。

IP電話でも「050」でない「03」「045」のような市外局番で電話番号を持てる会社も多いです。

インターネットの契約をするなら、同時に固定電話も契約しておきましょう。

法人口座(あると便利)

個人口座とは別にすることをおすすめします。個人事業は個人用口座を使っても問題ありませんが、個人のお金と事業で使ったお金の区別がつきにくくなることが多いので、事業決済用の銀行口座を用意するようにしましょう。

開業届を出せば屋号を持つことができ、その屋号をつかって口座開設することができます。

事業決済用の口座があれば確定申告の書類作成も楽になるので、事業が始まってお金の動きが起こる前に口座を作っておきましょう。

経費だけでなく、決済口座として法人の口座を持つということで取引先との関係に信頼性を持たせることができるでしょう。

インターネット環境が整っている状況であればおすすめなのはです。わざわざ銀行窓口での待ち時間のロスを考えますとネットからの口座開設が便利ではないでしょうか。

法人カードを作る際にも役立つはずです。

法人カード(あると便利)

会計業務の手間を省略するのに必須なのが、法人カードです。経費の支払いを法人カードにまとめ、会計ソフトとデータ連動させると、経費の支払い入力の手間が少なく済みます

さらに、ビジネスに便利なサービスの優待や福利厚生サービスの優待など、付帯サービスも利用可能です。個人事業主として本格的に事業を行うなら、法人カードは欠かせません。

事業所(あると便利)

業種によっては事務所や店舗が必要となるので開業日までに用意しておきましょう。

事業が軌道に乗るまでは地代を節約するために自宅をオフィスにする方法もあります。しかし外部の人間がひんぱんに出入りするような業種の場合治安の問題も。

できればプライベートと仕事はしっかり分けたほうが安心なので、運転資金に余裕ができたら貸事務所や貸店舗を契約してしまうことをおすすめします。

自宅で仕事をする場合でも、事業所の所在地を別にすることは可能です。

住所だけ借りるバーチャルオフィスは費用がかからないので、自宅住所を公にしたくない人にはおすすめ。商談をしたいときにも会議室を利用できるバーチャルオフィスは便利です。

大きな事務所を必要としないソフト開発やフリーライターを業種にする人は検討してみてはいかがでしょうか。

この章では、個人事業主が開業時に必要なものを紹介してきました。次の章では、個人事業主が必要な資金繰りについて解説していきます。

個人事業主としてやるべきこと

個人で事業を営む際に資金繰りと確定申告は必須です。

この章では、個人事業主はどんな資金繰りが必要なのか、確定申告の準備について解説していきます。

開業資金の確保

開業する場合、当面の資金を確保する必要があります。利益が確保できるようになるまでの運転資金や、仕入れ費用などです。

もし自分で資金を確保できない場合には、下記のような制度を利用してみるといいでしょう。

  • 日本政策金融公庫の新創業融資制度
  • 都道府県や市町村区などの自治体が窓口の制度融資

ただし、融資までには少し時間がかかるので、すぐには融通できないことを押さえておきましょう。

当面の資金の確保

事業に関する資金を確保するだけでは、生活がままならなくなります。電話代や水道光熱費などの固定費や、もうけが出るまでの生活費なども確保しておく必要があるでしょう。

仕事の状況にもよりますが、半年分程度の資金は確保しておくと安心です。

最初は仕事が少ない個人事業主も多いので、軌道に乗るまでの資金は確保しておきましょう。

確定申告

個人事業主なら、毎年欠かせない手続きがあります。特に、確定申告は一定額以上の収入がある個人事業主の義務なので、必ず行わなくてはなりません。

確定申告とは、1年間の所得の金額や所得税及び復興特別所得税の額を計算し、すでに納めた税金との過不足を精算する手続きです。毎年2月中旬から3月中旬が提出期限になっています。

所得が38万円以下であれば本来は提出義務はありませんが、所得が少ないことを証明するためにも、所得の金額にかかわらず提出しておく方がいいでしょう。

帳簿の付け方などで控除額が異なるので、できるだけ控除が大きい方式にしておくのがおすすめです。

個人事業主になって確定申告をするまでの流れを解説

個人事業主になってから確定申告をするまで、7つのステップに分けて順番に解説します。
この流れに沿って行けばスムーズですので、ぜひ参考にしてください。

①開業届と青色申告承認申請書を提出

自分の働いている場所(自宅の場合なら自宅住所)を管轄している税務署に行き、開業届と青色申告承認申請書を提出します。
青色申告で確定申告をしたい年の1/1~3/15までに青色申告承認申請書を提出すれば、その年度から青色申告が可能です。

3/15までに間に合わない場合は、開業届を提出して2ヶ月以内に提出し、翌年度から青色申告での確定申告が可能となるように手続きを進めましょう。

開業届では屋号を届けることができます。

屋号は後からでも変更できますが、できれば最初に届ける際に商標登録されていないかなど調査をして、他と被らない屋号にしましょう。
インターネットのドメイン名や、事業専用の銀行口座に屋号を使いたいと考えている方は、特にしっかり調査しておきましょう。

②事業専用の銀行口座を用意

事業専用の銀行口座を用意します。
屋号だけで銀行口座を作ることはなかなか難しく、ゆうちょ銀行が振替専用口座で屋号または、サークルなどの団体名でのみの口座名を認めているぐらいしかありません。

屋号+個人名での口座名なら作れる銀行はいくつかあります。
しかし、いずれも窓口まで出向いて手続きを進めるなど、通常の口座開設よりは時間がかかります。

手間はかかりますが、屋号を含めた銀行口座を事業専用として使うと、個人名だけの場合よりは取引先の信用度も上がります。

取引先の信用などが事業に大きな影響を与える場合は、手間を惜しまず屋号ありの銀行口座を作りましょう。
逆に、あまり取引先の信用を気にしなくてよい場合は、個人名の銀行口座でも構いません。

③事業専用のクレジットカード(法人カードがおすすめ)を用意

事業専用の銀行口座とセットで事業専用のクレジットカードも作成しましょう。

事業専用のクレジットカードには、ビジネスでの利用を前提に作られている法人カードがおすすめです。

事業専用のクレジットカードを1枚作っておき、事業専用の銀行口座を引き落とし先口座として指定してください。こうすることで、事業のお金の流れが一目瞭然となり、資金繰りのモニタリングが簡単になります。

④クラウド会計ソフトなどを使って帳簿を付ける準備

青色申告での確定申告をよりスムーズに行うためのツールとして、クラウド会計ソフトを活用しましょう。

仕訳情報を入力していくだけで、確定申告に必要な帳票を自動的に出力してくれます。入力データも手入力だけでなく、自動的に銀行口座やクレジットカードと連携してデータをまとめてインポートできるため非常に便利です。

自分にとって使いやすいと思えるクラウド会計ソフトを使い、日々の経理業務ができるような環境を整えましょう。

⑤必要経費を法人カードで支払って帳簿につける

必要経費は事業専用として作成した法人カードで支払い、帳簿につけるようにしましょう。クレジットカードの利用明細をデータ連携で読み込み、何に使ったかを仕訳して整理していきます。

⑥帳簿の付け方に間違いがないか確認のため税務相談などに参加

帳簿つけに慣れてきたら、税務署主催の税務相談など無料の相談会を利用して、記帳方法に間違いがないかを専門家に確認しましょう。

確定申告にまつわる税務相談は、確定申告の始まる時期から3/15ぎりぎりまで非常に混みあいます。帳簿づけに自信がない場合は、確定申告の時期を外して相談にいくと、じっくり教えてもらえますのでおすすめです。

⑦2/15~3/15までの間に確定申告書を管轄の税務署に提出

問題なく確定申告書が完成したら、2/15~3/15の間に管轄の税務署に提出します。持参が厳しい場合は、郵送でもOKです。

郵送の場合は3/15の消印が押してあれば有効なので、遅れないように郵送しましょう。郵送で確定申告書の控えが欲しい場合は控えの分も印刷して、返信用封筒とともに同封しておけば、税務署印を押した控えの書類が返送されてきます。

伊藤亮太

伊藤亮太/ ファイナンシャルプランナー

皆様にとって真に必要なライフプランニングの設計、資産運用相談を承っております。中立的な立場から、ご相談に応じます。砂金取りという趣味も実益をかねて実践中です。詳しくはZIPANNINGで検索を。

【専門家の解説】

なお、帳簿は手間がかかります。
いかに簡単にするか。これは誰しも思うところです。

その際に、費用に関してはカード払いで極力行うことが望ましいです。
カード払いにすることで、ポイントも貯まりますし、何に利用したか明細も把握できます。
Web明細にすれば、後から簡単に振り返ることもできます。
できるだけカード払いにし、明細を見ながら経費計上をしていくとよいでしょう。


個人事業は誰でも簡単にスタートできます。
経理などで心配な点もあるとは思いますが、いざスタートすればなんとかなるものです。
是非スタートを切ってください。

個人事業主に法人カードをおすすめする3つの理由

個人事業主が作成する事業専用のクレジットカードに法人カードをおすすめする理由を3つ挙げると以下の通りです。

それぞれの内容について具体的に説明していきます。

個人のクレジットカードに比べて利用可能枠が大きい

個人用のクレジットカードに比べて、利用可能枠が大きい場合が多い点が法人カードの特徴です。

法人カードの場合、ゴールドクラスのカードも直接申し込むことができます。
ゴールドクラスの法人カードの場合、利用限度額は250万円程度が一般的です。

毎月の経費が50万円を超えるようなら、個人カードの一般的な利用限度額である100万円では経費の運用が立ち行かなくなるので注意しましょう。

現金払いに比べてポイント還元によって経費節減が可能

会社の経費を法人カードで支払うと、0.5~1.0%程度のポイントが還元される点も、法人カードのメリットです。

法人の経費は、個人でのクレジットカード利用に比べて多額になる傾向があります。
その経費を法人カードで支払うことで、ポイントが貯まるスピードも早くなります。

事業専用にすることで会計処理が楽になりお金の流れも明確

銀行口座とクレジットカードを事業専用にすることで、会計処理が楽になり、お金の流れも明確になります。

法人カードの中には、クラウド会計ソフトとの連携や割引サービスを付帯サービスとして提供している場合もあり、会計処理が非常に楽になります

個人事業主のクレジットカードについては、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。

これから開業する個人事業主におすすめの法人カード7選

これから開業する個人事業主なら、法人カードは欠かせません。この章では、これから開業する個人事業主におすすめの法人カードを5つ紹介していきます。

三井住友カード ビジネスオーナーズ

三井住友カード ビジネスオーナーズは年会費が永年無料で、券面にカード番号の記載がない安全性の高い完全ナンバーレス仕様のカードです。

申し込みの際、登記簿謄本や決算書などの提出は不要となっています。

年会費永年無料
メンバーカード永年無料
ETCカード無料
※一度も利用がない場合は、年会費550円(税込)が必要

付帯サービス

  • 海外旅行傷害保険が利用付帯
  • 福利代行サービス
  • 東海道・山陽新幹線のネット予約&チケットレスサービス

ショッピング限度額は最高500万円(※1)で、さらにキャッシング利用も可能(※2)です。
※1 所定の審査があります。
※2 利用枠や手数料等は三井住友カード公式サイトにてご確認ください。

年会費をかけることなく、使い勝手の良いカードを持ちたい個人事業主におすすめです。

NTTファイナンス Bizカード

NTTファイナンス Bizカードは年会費が永年無料で、本人確認書類と個人口座があればWebから申し込むことができるので、起業1年未満の方も作りやすいカードです。


年会費永年無料
メンバーカード永年無料
ETCカード550円(税込)

付帯サービス

  • 海外・国内旅行傷害保険が付帯
  • ショッピング補償保険の付帯
  • Web明細編集サービス機能

このカードの魅力は何といってもポイント還元率の高さで基本は1.0%、会員専用ポイントモール「倍増TOWN」経由で購入すると最高26.0%にまでUPします。

貯まったポイントは、1ポイント=1円として利用金額に充当できるキャッシュバックや、マイルやギフトカード、カタログギフトなどに交換することもできます。

年会費無料で付帯サービスも充実していますので、コスト面を重視している方や、初めて法人カードを利用する方におすすめのカードです。

しかし、ショッピング限度額は最高80万円ですので、開業費用などでもの足りないと感じる人もいるでしょう。

その場合は、ゴールドランクのNTTファイナンスBizカード ゴールド(年会費:税込11,000円)がおすすめです。付帯サービスもかなりグレードアップします。

オリコ EX Gold for Biz S

オリコ EX Gold for Biz Sは、個人事業主が対象の法人カードです。5大国際ブランドなどの大手クレジットカード会社が発行するカードに比べると持ちやすいと言われています。


年会費初年度無料
2年目以降2,200円(税込)
メンバーカードなし
ETCカード無料

付帯サービス

  • ビジネスニーズに応えるサービス
  • クラウド会計ソフト freee(フリー)優待
  • 融資金利優遇制度 など

ゴールドカードならではの充実の付帯サービスはもちろん、融資の優遇など、個人事業主に嬉しい付帯サービスが満載。費用を抑えてゴールドカードを持ちたい個人事業主におすすめです。

freeeカード

freeeカードは、クラウド会計ソフトのfreeeが発行しているクレジットカードです。起業直後や個人事業主でも持ちやすいカードとうたっているので、色々と不安なこれから個人事業を始める人でも安心して申し込めます。

年会費無料
従業員カード無料(最大3枚)
ETCカード無料(1枚まで)

付帯サービス

  • 「クラウド会計ソフト freee」1カ月無料
  • モノタロウなどオフィス機器優待
  • 弁理士・税理士・社労士所定回数相談無料 など

申し込みに決算書・確定申告書なうえ、最短4営業日で発行可能とスムーズに発行できる法人カードなので、すぐに法人カードが必要な個人事業主におすすめです。

JCB CARD Biz

起業したばかりの個人事業主でも作りやすく年会費は1,375円(税込)とお手頃なうえに、ETCカードも無料で発行できます

また、JCB CARD Bizは申し込みの際に法人の本人確認書類が不要となり、申し込みに対するハードルがかなり低いというところが大きな特徴です。

加えて、法人代表格であっても登録口座に「個人口座」を設定することができるなど、「個人」として持つ法人カードに特化している証拠です。

楽天ビジネスカード

個人カードの楽天プレミアムカードの追加カードという形でのみ発行可能な楽天の法人カード。

貯まったポイントは、本カードの楽天プレミアムカードの方に合算される仕組みです。

楽天プレミアムカードは年会費11,000円(税込)、楽天ビジネスカードは年会費2,200円(税込)と維持費はそれなりにかかります。

ポイント還元率は1%ですが、楽天市場でのショッピング通常ポイントに加えて期間限定ポイントが4倍合計5倍の楽天ポイントが得られます。
通常ポイントに比べると期間限定ポイントは使い道が限られますが、楽天Payを通じてローソンなどのコンビニやドラッグストアなどの支払いに使えるので、経費の一部として使いやすい点が魅力です。

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード

ステータス性が高く、持っているだけで取り引き先の印象が高くなるカードがアメックスです。

かつては加盟店数が少なく国内では使いづらいこともありましたが、現在ではJCBと提携するなどして改善されており、ほとんどのお店で使えるようになりました。

国内外で安心して使える1枚です。

この章では、これから開業する個人事業主におすすめの法人カードを紹介してきました。カード選びの参考にしてください。

まとめ

今回の記事では、個人事業主になるために必要なものや、なってから最低限必要なもの・手続きを解説してきました。

自分で「個人事業主です」と宣言するだけでは手続きが不足しています。後からのトラブルを避けるためにも、速やかに手続きを済ませておきましょう。

また、個人事業主に欠かせないのが法人カードです。本業以外の部分を大きくサポートしてくれる充実の付帯サービスが付いているアメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードが特におすすめです。

この記事を読んで、自分に合うカードはこれだと思ったら、是非早めに申し込んでみてください。

本記事の編集者について

イーデス編集部

イーデス編集部

専門知識がないと難しい金融商品を、正確で詳しく、わかりやすく伝えるために、記事企画・推敲・構成・編集・情報の更新を行っております。

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