「勤続1年未満」でも住宅ローンは組める!フラット35と勤続年数に縛りのない銀行を解説
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勤続年数が短いと、住宅ローンに通るのかどうか心配になりますよね。
結論からいうと、住宅ローンの審査では勤続年数の長さを問われる金融機関がほとんどです。
とはいえ、近年では勤続1年未満でも申し込める住宅ローンも多いため、勤続年数が短いからとマイホーム購入を諦める必要はありません。
この記事では「自分の勤続年数でも住宅ローンの借入れができるどうか」を判断できるよう解説しているので、勤続年数に不安のある人は参考になさってください。
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勤続年数が1年未満でも住宅ローンの審査に通る
住宅ローンの審査項目に勤続年数は含まれているものの、勤続年数だけで審査の合否が決まるわけではありません。
ただし金融機関によっては「勤続年数〇年以上」など、申し込みするための条件が設けられているケースがあるので注意が必要です。
住宅ローンの審査では、大きく分けて「人に対する項目」と「物件に対する項目」があり、それぞれ複数の要素を踏まえて判断されます。
審査の合否は他の要素と合わせて総合的に判断されるため、仮に勤続年数が1年未満だったとしても、他の項目で好印象であれば審査に通過できる可能性があります。
ただし勤続年数の重要度は高い
国土交通省が行った調査によると、民間の金融機関が融資を行う際に「勤続年数を考慮している」と回答している割合は93.6%となっています。
審査項目 | 融資の際に「考慮する」と回答した民間金融機関 |
---|---|
完済時年齢 | 98.5% |
健康状態 | 96.6% |
借入時年齢 | 96.0% |
年収 | 94.0% |
勤続年数 | 93.6% |
先述したように勤続年数だけで審査の合否が決まるわけではありませんが、影響が大きいということは覚えておきましょう。
また、「勤続年数が何年以上なら住宅ローンに申し込めるのか」という話を聞いたことがあるかと思いますが、金融機関によって取り扱いが異なります。
記事の後半では12行の金融機関それぞれで、「勤続年数が1年未満でも住宅ローンに申し込めるか」紹介していますので確認してみてください。
勤続年数によっては職歴書を求められることも
勤続年数が3年未満の場合は、住宅ローン審査の際に職歴書の提出を求められることもあります。
転職後3年未満の場合は、職歴書をご提出いただきます。 また、お勤め先以外の情報も含め審査いたします。
転職の際に作成するような本格的な職務経歴書ではなく、過去の勤務先や転職時期を記入するだけの簡易的な書類なので、特に手間を感じることはないでしょう。
ただし、職歴に空白期間がある場合は「どういった理由で空白期間ができたのか」を、説明できるように準備しておいてくださいね。
勤続年数が短くても住宅ローン審査に通る4つのケース
転職理由によってはそもそも勤続年数が短くても問題がない以下の4つのケースも存在します。
勤続年数が短くても審査に通過できる具体例
ここではさまざまな転職事例をもとに、審査に通過できるケースをご案内していきます。
ケース1:同業界でのキャリアアップ転職
同業界へのキャリアアップ転職に成功している場合、審査に通過できる可能性が高いです。
キャリアアップ転職とは自らの経験を活かし、転職前よりも高い地位や収入を見込める職業へ転職することを指します。
金融機関からも「転職に計画性があり、信用力もある」という印象を持たれやすく、審査においても有利になります。
仕事を転々としているとマイナスになりやすい
キャリアアップ転職とは逆に、業界や職種のまったく異なる仕事を転々としているケースは審査で不利になりやすいです。
職歴に一貫性がなく、勤続年数も短い場合は、無理に申し込みせず3年以上就業実績を重ねてから行動に移すほうが無難でしょう。
また、勤続年数が短い場合は、直近の給与明細や職務経歴書の提出を求められるのが一般的です。
ケース2:明らかな年収アップが見込める転職
違う業界への転職でも、明らかに年収アップが見込める場合は、審査に通過する可能性は高くなります。
たとえ業界は変わっていても大幅に年収が上がる人は、それだけ個々の能力が高く信用力も高いという印象を持たれやすいのです。
歩合の割合が大きい場合は注意
給与が高くても歩合給の割合が大きい場合は、審査が厳しくなる可能性があります。
住宅ローン審査において収入の安定性が重視されますが、歩合制では成績によって収入が大きく変動するため、収入が不安定と判断されることがあります。
個人事業主や中小企業の経営者よりも一般会社員のほうが審査に通りやすいのは、このように安定性を重視している背景があるからです。
ご自身の状況を踏まえ、すぐに申し込みするべきかどうかを慎重に検討してみてくださいね。
ケース3:会社の人事異動によるグループ会社への転職
グループ会社間での出向や異動などで属する会社が変わり、結果的に勤続年数が短くなった場合に関しては、審査に通過できる可能性が高いです。
なぜなら多くの金融機関では、グループ会社間の異動を転職と判断していないからです。
いわゆる"左遷"はマイナス評価になりやすい
会社が変わって「著しく給与が下がっている」「雇用形態が変わっている」などに該当する場合は、審査にマイナスの印象を与えてしまうことがあります。
異動によって収入などの状況が変わっている人は、その理由を金融機関へ事前に説明しておくか、収入が安定するまで審査を延期するといった対策も検討しましょう。
異動後の勤続年数が短い人は、金融機関で詳細な事情を必ず説明しておくようにしましょう。
ケース4:士業として大手事務所へ転職
弁護士や公認会計士などいわゆる「士業」として大手事務所へ転職した場合は、勤続年数が短くても審査に通る可能性があります。
大手事務所で士業として活躍する方の多くは正社員雇用ですし、高年収で社会的地位もあります。
このような背景を踏まえると、勤続年数が短くても「士業で大手事務所への転職なので収入の安定性は高い」と判断されれば審査に通過できる可能性も高いでしょう。
特にメガバンクなどの都市銀行の住宅ローン審査では、社会的地位が高いほど有利になる傾向があります。
独立開業や正規雇用でない場合は注意
士業であっても独立開業した個人事業主や、派遣・契約社員の場合、収入の不安定さが理由で審査に落ちる場合があります。
士業の転職で勤続年数が短くても審査に通るかどうかは、雇用形態も含めて「収入の安定度」によって大きく異なります。
注意:会社が倒産した場合は転職と同じ扱いになる
倒産やリストラなど会社都合の退職で勤続年数が短くなった場合、住宅ローンの審査時には転職と同じ扱いになるので注意が必要です。
住宅ローンの審査時に見られる「勤続年数」は、あくまでも会社に雇用されていた期間や個人事業主で開業していた期間のみで判断されてしまいます。
そのため、やむを得ず会社都合で退職し新しい会社に勤務して間もないという場合でも、新しい会社で勤めた期間=勤続年数になります。
倒産でも転職扱いになる理由
金融機関としては勤続年数を審査項目に含めることで、「収入の安定度を確認したい」という思いがあるからです。
会社都合のやむを得ない事情があったとしても、金融機関からすれば貸し倒れのリスクに繋がるため、勤続年数はリセットして考えられます。
新しい勤務先である程度の就業実績を重ねてから申し込むほうが、審査は通過しやすくなるでしょう。
【勤続年数が短い方向け】住宅ローンの審査対策
勤続年数が短いことが理由で審査が不安な場合は、以下3つの対策が有効です。
勤続年数が短い場合の対策
勤続年数によって審査通過に不安がある方は無計画に住宅ローンを申し込むのではなく、金融機関や購入時期を慎重に検討することが大切です。
ここでは各対策について、わかりやすく解説していきます。
対策1:勤続年数を要件に含めていない住宅ローンを利用する
住宅ローンの申込要件において勤続年数を定めていない金融機関を利用すれば、勤続年数が短くても借入れできる可能性があります。
例えば、金利の低さを強みとした「auじぶん銀行住宅ローン」の公式ホームページでは、以下のように「申し込みできる」と明記されています。
お申込みいただけますが、転職後3年未満の場合は、職歴書をご提出いただきます。 また、お勤め先以外の情報も含め審査いたします。
勤続年数が1年未満など短い人は、各金融機関の住宅ローン申込要件で勤続年数の取扱いがどのようになっているのかを事前に確認しておきましょう。
申込要件に勤続年数を定めていない金融機関の具体例については、後述する「勤続年数が1年未満でも住宅ローンに申し込める金融機関」の部分で詳細に解説していますので、そちらを参考にしてくださいね。
対策2:フラット35は勤続年数の縛りがない
申込要件に勤続年数を設けていない民間金融機関を利用する対策以外にも、全期間固定金利のフラット35を利用するという方法もあります。
フラット35は職業や勤続年数を住宅ローン審査の申込要件に入れていないため、勤続年数が短い方も安心して申し込みできます。
ただし、フラット35でも「転職して3か月以内」など、あまりに勤続期間が短い方は要注意です。
なぜなら勤続年数関係なく申し込みできるといっても、審査時には収入状況を確認するため、直近3か月分の給与明細提出を求められるからです。
転職後にフラット35を利用する場合は少なくとも勤続3か月経過後、給与明細を提出できる状況になってから申し込むことをおすすめします。
対策3:購入の時期を後ろ倒しにする
勤続年数の短さで審査に不安がある場合に、もっとも確実な対策は「住宅購入時期を後ろ倒しにすること」です。
購入時期を後ろ倒しにすることで勤続年数の不安を払拭できることはもちろん、その間に自己資金を貯蓄しておくことによって、頭金や諸費用の準備も万全に整えることができます。
自己資金を貯めておくメリット
物件価格に対する「自己資金の割合」が多くなれば、住宅ローンの金利も優遇されやすくなります。
審査にも通りやすくなるので、自己資金は余裕をもって用意しておくことが理想です。
住宅ローンの審査に通らなければそもそも住宅を購入できないため、審査への通りやすさを考えた上で購入時期を検討してみましょう。
勤続年数が1年未満でも住宅ローンに申し込める金融機関
ここからは金融機関別に勤続年数の条件を見ていきましょう。
金融機関によって、住宅ローンの借り入れの条件に「勤続年数3年以上」など指定があります。
三井住友銀行 | 勤続年数の条件なし |
---|---|
三菱UFJ銀行 | 勤続年数の条件なし |
みずほ銀行 | 勤続年数の条件なし |
りそな銀行 | 給与所得者:勤続1年以上 給与所得者以外:勤続または営業年数が3年以上 |
auじぶん銀行 | 勤続年数の条件なし |
---|---|
ARUHI | 勤続年数の条件なし |
ソニー銀行 | 勤続年数の条件なし |
楽天銀行 | 勤続年数の条件なし |
イオン銀行 | 給与所得者: 6 カ月以上勤務 会社経営者および個人事業主: 事業開始後 3 年を経過 |
SBI新生銀行 | 正社員または契約社員: 連続した就業2年以上 自営業: 業歴2年以上 |
住信SBIネット銀行 | 安定かつ継続した収入 |
JAバンク | 勤続年数:3年以上 |
半数以上の金融機関では、住宅ローンの申し込み条件に勤続年数の項目を設けていません。
ここからは、勤続年数が1年未満の人でも申し込める住宅ローンの中で、おすすめの金融機関を紹介します。
おすすめの住宅ローン
それぞれ金融機関ごとに特徴が異なるので、1つずつわかりやすく解説していきましょう。
フラット35なら「住信SBIネット銀行の保証型」が低金利
フラット35を選ぶ場合は、低金利でお得な「住信SBIネット銀行 フラット35(保証型)」がおすすめです。
フラット35の保証型とは、住宅ローンの貸し手が住信SBIネット銀行になっている独自プランです。
頭金が最低でも1割必要という条件はあるものの一般的なフラット35よりも低金利で、団信や疾病保障も充実した商品内容になっています。
保障面も金利面も優秀な住宅ローンは私たち利用者にとってとても魅力的ですよね。
なお勤続年数1年未満の方が住信SBIネット銀行の保証型を申し込むには、
- 勤務先より発行してもらう給与証明書
- すべての職歴が記載された職務経歴書
が必要です。
※個人事業主の場合、事業開始後最初の確定申告が完了した翌年度から申し込み可能
フラット35とは言っても保証型については貸し手が住信SBIネット銀行になるため、他のフラット35とは審査基準が異なります。
この点に留意しつつ、キャリアや年収をしっかりアピールするようにしてくださいね。
- フラット35
- フラット35(保証型)
- 年
1.250
%
金利についての注意事項をみる
- ※2024年10月適用金利
- ※フラット35S(金利Aプラン)
- ※当初5年間引下げ
- ※自己資金20%以上
- ※団信加入
おすすめポイント
- 01全疾病保障が無料で付帯
- すべての病気やケガで働けなくなった場合に住宅ローンの返済が一定期間免除されたり、働けない期間が一定を超えて続いた場合に住宅ローン残高が0円になる「全疾病保障」が無料付帯。
- 02通常のフラット35より低金利
- 住信SBIネット銀行のフラット35(保証型)は一般的なフラット35(買取型)よりも低金利。
- 03自己資金20%以上でさらに低金利になる
- フラット35(保証型)の新規借入には住宅購入価格に対して自己資金20%以上でさらに適用金利が下がります。
- 04定額自動入金サービスが無料
- 住信SBIネット銀行の口座へ自動で毎月の返済額の入金ができるので、メインバンクを変更しなくてもOK。
【裏技】物件を押さえるためにフラット35で事前審査を通す
「どうしても欲しい物件があるけど、勤続年数が足りない」という場合には、フラット35で事前審査を通したうえで、物件の仮押さえをするという裏技もあります。
物件の仮押さえをするためには売主の同意と不動産の購入申し込み、さらに住宅ローンの事前審査に通過している必要があります。
そのためフラット35で事前審査を済ませた事で物件を仮押さえしておいて、実際に契約する住宅ローンの審査を出すまでの間で、少しでも勤続年数を伸ばすという方法です。
この裏技が使えるのは、以下2つの条件を満たしている場合に限ります。
- 完成前の新築物件などで物件の引き渡しまでに期間が空いている
- 物件の仮押さえに売主が同意している
ただし、この裏技はフラット35と別の金融機関の審査タイミングや、物件の仮押さえ期間によってうまくいかない可能性もあります。
この裏技は決して誰でも簡単にできる方法ではなく、勤続年数を少しでも伸ばして申し込みたい方の最終手段だと思っておきましょう。
まとめ
住宅ローンの審査はさまざまな要素を総合的に判断して合否が決まるため、勤続年数が短いというだけで審査に落ちることはありません。
勤続年数が気になっている方は以下3つのポイントに注意し、住宅ローンを申し込みましょう。
勤続年数の短い方が住宅ローンを申し込む際の重要ポイント
- キャリアアップなどの前向きな転職であれば、勤続年数が短くても審査に通る可能性が高い
- 勤続年数が短い場合は、直近数か月の給与明細や職務経歴書などでキャリアをしっかり伝える
- 勤続年数を問わない金融機関やフラット35を利用するなどの対策も検討する
住宅ローンの審査では総合的に信用力の高い利用者という印象を与えることが大切なので、すべての項目に配慮しつつ申し込むようにしてくださいね。
千日太郎 / オフィス千日合同会社 代表社員 公認会計士
【専門家の解説】
最近の傾向では勤続年数が短くても、その転職の理由や転職後の勤め先での収入を加味して審査する金融機関が増えてきています。
その基準は金融機関の中でも日々見直されているため、本記事だけで判断するのではなく、リンクから銀行のホームぺージを確認するなどして現時点ではどうなっているのか確認することをお勧めします。
ただし、これらの情報はホームページの中でも目に付く部分には記載されておらず、ページの下の方までスクロールして、文字ばかり書いてある契約詳細のページまで行かなければ出てこないことが多いです。
ホームページで勤続年数の基準を確認し、ご自身が条件に当てはまっていれば少なくとも足切りになってしまうことはありません。
しかし、本文にもあるように勤続年数はかなり重要な要素です。明らかなキャリアアップになるという、一部の例外を除いてやはり3年程度はあるに越したことはありませんね。
住宅ローンは最長35年に及ぶ超長期間の契約なので、審査時点の収入がどれだけ長く継続する見込みがあるかを判断しようとします。
そのため直近の不確かな収入増よりも過去からの地道な現状維持をより評価する傾向があるのです。
士業だからといって過信せず、「金融機関は何よりも収入の安定度を優先する」ということを忘れないようにしてくださいね。