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住宅ローンの審査基準と対策を6,000人の住宅ローン相談にのったプロが解説!

住宅ローンの審査基準と対策を6,000人の住宅ローン相談にのったプロが解説!

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住宅ローンを借りる際、必ず必要になる住宅ローン審査。

どの住宅ローンでも、借り入れの際には審査があり、審査に通過できなければ住宅ローンを借り入れることができません。

そう聞くと、「もし審査に落ちてローンを組めなかったらどうしよう」と心配になる人も多いでしょう。

 審査の項目としては、どの金融機関でも主に以下の3つの項目から審査が行われますが、審査の基準や重視しているポイントは金融機関によって異なります

契約者の個人属性収入や勤続年数、年齢、過去に支払の遅延をしていないかなど
物件属性住宅ローンを組む際に担保となる、購入物件の価値や権利関係
返済計画借入額や返済予定に無理はないか。収入に占める返済負担率など

そのため、A銀行の住宅ローン審査に落ちてしまっても、B銀行では審査に通る、というケースは十分あり得るのです。

また、審査前にしっかり対策をすることで、住宅ローンの審査に通過できる場合もあります。

そこでこの記事では、日本興業銀行(現みずほ銀行)で経験をつまれ、2006年に設立したホームローンドクター株式会社でのべ6,000人の住宅ローンの相談にのったご経験をもつ住宅ローンの専門家・淡河範明さんに、住宅ローン審査で気を付けるべきポイントをお聞きしました。

  • 住宅ローンコンサルタント

    監修者淡河範明さん

    日本国内でもっとも長い業歴を誇る、住宅ローン専業のコンサルタント。2006年にホームローンドクター株式会社を設立し、これまで6,000件を超える相談実績がある。住宅ローンに特化しながらも、ライフプラン全体を俯瞰した「実用的な提案」を得意としていて、運営しているサービス「住まいと暮らしの資金計画」では、お客様に最適な資金計画を設計・構築している。

  • 株式会社エイチームライフデザイン

    編集者イーデス編集部

    「ユーザーが信頼して利用できるWEBメディア」を目指す編集部チーム。実際のユーザーの声や業界知識の豊富な専門家の協力を得ながら、コンテンツポリシーに沿ったコンテンツを制作しています。暮らしに関するトピックを中心に、読者の「まよい」を解消し、最適な選択を支援するためのコンテンツを制作中です。

    ■書籍
    初心者でもわかる!お金に関するアレコレの選び方BOOK

    ■保有資格
    KTAA団体シルバー認証マーク(2023.12.20~)

    ■許認可
    有料職業紹介事業(厚生労働大臣許可・許可番号:23-ユ-302788

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 住宅ローンの事前審査・本審査の審査基準は?

【グラフ】住宅ローンの審査に落ちたことはありますか
▲審査に落ちたことがあるという人は全体の15%


住宅ローンでは、ほとんどの金融機関で「事前(仮)審査」と「本(正式)審査」の2つの審査が行われます。

事前審査と本審査の概要は以下のようなイメージです。

審査の概要審査期間
事前審査本人の自己申告をもとに行われる簡易的な審査当日~3週間程度
本審査提出書類などをもとに行われる、最終的な融資の可否を決定するための審査数日~2週間程度

上記イメージは、ネットでも申込受付をしている金融機関のやり方ですが、事前審査と本審査の差がほとんどない金融機関もあります。

ただし、審査の項目はいずれも共通していて、以下の3つの項目となります。

淡河さん



審査例チェック例
①契約者の個人属性過去の支払い遅延過去に支払を遅延していないか
年齢完済時の年齢が80歳以上ではないか
健康状態持病や健康不安がないか
年収・勤め先収入は安定しているか。個人事業主か否か
勤続年数在籍期間が半年~1年以内ではないか
②物件の属性

・購入物件の担保としての価値、耐震性能、住宅としての品質など

・物件が借地、保留地、仮換地などの権利関係や違法建築となっていないか

③返済計画

・借入額や返済予定に無理はないか

・収入に占める返済負担率 など

どの項目をより重視しているのかや、審査基準の厳しさ、事前審査と本審査でそれぞれどのようにチェックをするのかは、金融機関によって異なりますよ。

淡河さん

審査基準① 契約者の個人属性

住宅ローンの審査の際に重視される条件の一つが、契約者の個人属性です。

融資機関が住宅ローン審査の際に考慮する個人属性として、国土交通省が行った調査では、

以下のような項目があげられています。

融資を行う際に考慮する項目

編集部岡田

年齢や健康状態、勤続年数や年収などは、9割以上の融資期間が考慮しているんですね。

当然、年齢や勤続年数などを全く考慮していない金融機関は少ないでしょう。高齢であったり、勤続年数が半年に満たなかったりする人は、融資をしても「本当に返せるのか?」と心配されます。

とはいえここで重要なのが、審査に通るかどうかは契約者がどのような状態に見えるかによっても変わってくるという点です。

淡河さん

編集部岡田

どのように見えるか、ですか。

金融機関は状況を複合的に審査している

【グラフ】審査落ちの理由
▲審査落ちの理由として、複数の項目をあげる人が多い

たとえば、AさんとBさんという2人が住宅ローンに申し込んだとします。

淡河さん

Aさん仕事を点々としており、1年以上長続きしたことがない。現在の職場の勤続年数は約半年。カードローンなどの借り入れの履歴もあり、生活費の補填として借り入れを行っているように見受けられる。
Bさん10年以上勤めていた会社から、半年前に現在の会社に転職。給与もアップし、転職でキャリアアップしたことがうかがえる。

どちらも勤続年数は約半年、ですが金融機関からの心証は全く違いますよね。

淡河さん

編集部岡田

確かに、Aさんは返済できるか不安になりますが、Bさんなら大丈夫そうだと感じるかも。

こうした個別の条件をどこまで考慮してくれるかは、金融機関によって異なります。

金融機関ごとの傾向は次章で詳しく解説しますが、自分の条件が不安な人は背景や詳細情報を踏まえて審査してくれる住宅ローンを選ぶのがおすすめです。

淡河さん

審査基準② 物件の属性

住宅ローンでは、購入する物件を担保として借り入れを行うため、物件の属性も審査項目となります。 

物件の価値を考える上では、フラット35を利用する場合と、その他の住宅ローンを利用する場合でチェックされる点が異なることをおぼえておきましょう。

フラット35耐火構造や耐久性基準、住宅の規模などの基準を満たしているかどうかをチェックされる
その他の住宅ローン物件の担保としての価値をチェックされる。とくに中古物件の場合は、物件の価格を超えた借り入れを行うことができない

中古物件を購入する場合は、とくに物件の担保価値がチェックされます。これは売買価格と必ずしも連動しないので、希望する額の住宅ローンを借りられないケースもありますよ。

淡河さん

編集部岡田

もし中古物件の購入を検討している場合は注意が必要ですね。

銀行と提携している大手ハウスメーカーであれば、相対的に高く評価されることがあるので、いくつかの銀行に問合せをするとよいでしょう。

淡河さん

審査基準③ 返済計画

個人の属性や物件の属性が十分でも、無謀な返済計画で住宅ローンを組もうとした場合、審査に通過できないケースもあります。

借り入れが無理のない金額であるかを金融機関が判断する際の一つの目安となっているのが、「返済負担率」です。

返済負担率とは収入のうち、ローンなどの返済が占める割合のこと。すでに住宅ローン以外の借り入れがある場合には、その返済も合算で計算される。

たとえば、フラット35では利用条件として、返済負担率が基準以下であることを公表しています。
フラット35の返済負担率基準
年収400万円未満400万円以上
基準30%35%

フラット35以外の住宅ローンでも、返済負担率の上限は30~40%程度に設定している場合が多いようです。

審査に通っても、返済負担率上限まで借りるのは危険!

編集部岡田

借り入れの上限が年収の35%だとすると、ぎりぎりまで借りた場合、実際の返済はかなり苦しくなりそうですね。

年収400万円
返済負担率35%の場合の年間返済額140万円
毎月の返済額/毎月の手取り額約11.7万円/約26.3万円
 ※ボーナスなしの場合で試算

編集部岡田

毎月の手取りが約26.3万円で、12万円近くローンの返済に充てるのは現実的じゃないかも

家を買うと、住宅ローンの支払いだけでなく、固定資産税や修繕費など追加の費用も発生します。住宅ローンを支払いながら、最低でも収入の5~10%を貯金できないようなら、購入そのものを見直した方がいいでしょう。

淡河さん

編集部岡田

ちなみに、5~10%は手取りではなく、額面年収での計算ですよね?

そうです! 年収400万円なら、年間20~40万円程度。子どもの教育費などで積み立てをしている場合などは、その積み立て費とは別にこの程度の貯金をできていないとかなり厳しいです。

淡河さん

編集部岡田

せっかく借りられても、老後資金を準備できなければ、意味がないですもんね。

【メガバンク・ネット銀行・フラット35】住宅ローンの審査傾向は?

住宅ローンの審査基準は金融機関によって異なりますが、メガバンクやネット銀行、地銀や信託銀行、フラット35など、借入先によって審査の傾向はあるのでしょうか。

編集部岡田

淡河さんはこれまで、6,000件以上の住宅ローンの相談にのられてきたんですよね。その中で、借入先ごとの審査の傾向はありましたか?

まず前提として「メガバンクだからぜったいこう!」「 地銀なら必ずこれ!」 というわけではなく、審査の条件は金融機関によって異なります。ですが、確かに大まかな傾向というのはありますよ。

淡河さん

編集部岡田

おお!詳しく教えてください。

イメージはこんなかんじですね。

淡河さん

メガバンク・信託銀行個人の属性をやや重視する傾向。転職回数が多い人や外国人などは審査がやや厳しいかも。人気がある場合は、審査スピードが遅くなる傾向あり。
ネット銀行メガバンク・地方銀行などと比較しても審査はやや厳しい傾向。借りる人、物件の条件などで機械的に審査するため、審査スピードは早い
地方銀行・信用金庫メガバンク、ネット銀行と比較すると、個人の状況などに応じて柔軟に審査を行う傾向。そのぶん、審査スピードはやや遅め
フラット35他の金融機関ほど個人の属性を重視していない。耐震基準や広さなど、住宅に関する基準を満たす必要がある。団信(※)への加入が必須ではないため、持病がある人でも借りやすい
※団信(団体信用生命保険)とは:一般的な住宅ローンでは、借り入れの際に団信という保険への加入が必須となる。団信に加入していると、契約者の死亡時などに住宅ローンの残高が保障され、返済を行う必要がなくなる。

編集部岡田

借りる人、物件の条件などでバシッと審査するネット銀行、個人の状況を汲み取りながら審査してくれる地銀・信金、そのやや中間のようなメガバンク・信託銀行、というイメージなんですね。

フラット35は他の住宅ローンと比べるとやや異色なかんじ。

フラット35は住宅金融支援機構が運営している住宅ローンで、民間の金融機関とは少し毛色が違います。もともと国が管轄していた独立行政法人で、「いい住宅をたくさん建ててほしい」というところから出発しているので、他の住宅ローンとは見ているポイントが違うんですよ。

淡河さん

編集部岡田

傾向だけ見ると、審査がちょっと不安な人は、フラット35や地方銀行、信託銀行に相談してみるのもよさそうですね。

機械的に条件で審査される場合には通過できなくても、補足情報や説明をすることで審査に通るケースもあります。ただし、しっかり確認をするぶん審査には時間がかかってしまうので「今すぐ物件をおさえたい!」という場合は注意が必要です。

淡河さん

編集部岡田

審査はやや厳しめなネット銀行にも、金利が低かったり審査スピードが速かったりといったメリットもあるので、一長一短ですね。

どんな人が審査に落ちる? 審査に落ちた人の傾向と対策

【グラフ】住宅ローン審査の対策をしましたか
▲約4割の人が住宅ローンの審査対策をしている

金融機関では、さまざまな点から住宅ローンの審査を行っていることがわかりました。では、実際に審査に落ちてしまう理由としてはどのようなケースが多いのでしょうか。

編集部岡田

淡河さんがこれまで6,000人の住宅ローン相談にのってきた中で、どのような理由で審査落ちする人が多かったのでしょうか。また、それに対してとれる対策はありますか?

よくある3つのケースをご紹介しますね。

淡河さん

ケース1:過去に支払い遅延をしていた

私が今まで見てきた中で、最も多かった審査落ちの理由が、「過去の支払遅延」です。これは本人が自覚しているケースだけでなく、自覚していないケースもあります

淡河さん

編集部岡田

自分でわかっていないケースもあるんですね。

引き落としの時に口座にお金を入れ忘れていたのに気が付かなかったとか、子供が家族カードで支払遅延を起こしていたとか。

予想外のところで、個人信用情報に遅延が記載されているケースもあります。

淡河さん

編集部岡田

家族がこっそり支払を遅延していたら、自分では気付けませんね……!

このケースの対策としては、以下の3つを意識してみましょう。

淡河さん

編集部岡田

それぞれ詳しく教えてください。

対策①個人信用情報を取り寄せる

先ほど自覚せず支払遅延をしているケースもあるとお話ししましたが、「個人信用情報」を取り寄せれば遅延があったかどうかがわかります。

淡河さん

個人信用情報とは、クレジットカードやその他のローン契約などの内容が登録されているデータベースのようなもの。

住宅ローン審査の際、金融機関は信用情報機関に個人信用情報を問い合わせますが、この個人信用情報は個人でも500円~1,000円程度で取り寄せることができます。

個人信用情報の取り寄せ先
【銀行系】全国銀行個人信用情報機関(JBA)

●JBAのHP上から郵送請求可能。

●請求手数料は1,000円(税込み)

【カード系】株式会社シー・アイ・シー(CIC)

●郵送、窓口、インターネット請求が可能

●窓口の場合は手数料500円(税込)

●インターネット・郵送の手数料は1,000円(税込)

【消費者金融系】株式会社日本信用情報機構(JICC)

●郵送、窓口、インターネットから請求が可能

●窓口の場合は手数料500円(税込)

●インターネット・郵送の手数料は1,000円(税込)

編集部岡田

早速取り寄せてチェックしてみます! でも、もし取り寄せて遅延の記載があった場合はどうしたらいいのでしょうか?

その支払い遅延が軽いものか、重大なものかによって対策は変わります。

遅延期間が長かったり、遅延を繰り返していたり、債務整理をしていたりといった場合には、まず審査に通過することは厳しいでしょう。大幅な支払遅延等の場合、個人信用情報に「異動」という文字が登録されます。

淡河さん

編集部岡田

いわゆる「ブラックリスト」の状態ですね。

「異動」の記載がある場合には、基本的に住宅ローン審査は通らないので時間をおいて記載が消えるのを待つしかないですね。
逆に軽い遅延の場合は、金融機関に説明すれば住宅ローン審査に通過することもあります。

淡河さん

対策②小さな遅延なら金融機関に理由を説明する

編集部岡田

うっかり遅延してしまったけど、住宅ローンの返済は大丈夫だと金融機関に伝えるんですね。説明の際に意識した方がいいことはありますか?

金融機関には、金額や遅延の簡単な内容はわかります。なのでうそをつかず、なぜ遅延が起きたのか、それに対してどのように対策をしているのかなどを伝え、「今後は遅延しない」というアピールをするのがおすすめです。

淡河さん

編集部岡田

どうせばれるなら隠したりせず、先に自分から説明しておくんですね。

隠しても間違いなくばれます。印象も悪くなってしまうので、ぜったいにおすすめできません。

淡河さん

対策③大きな遅延の場合は記載が消えるのを待つ

編集部岡田

もし遅延の内容が重い場合は、どのくらい待てばいいのでしょう。

延滞をしたのがどれくらい前かにもより、延滞したばかりであれば、信用情報を取り寄せても記載がないこともあれば、かなり前だったにもかかわらず、返済がしてなかったので記載されていた、というケースもあります。

ペアローンで住宅ローンを組もうと思っていた一方に遅延の記載があった、という場合などは、その人を外して一方だけでのローンを検討するのもありですね。

ケース2:他の借り入れが多い

他の借り入れが多すぎる場合や、カードローンなどを頻繁に利用している場合なども、審査通過が厳しくなりやすいという淡河さん。

借入金が多いと「借金なしでは家計がまわらない」という印象を持たれ、審査に落ちてしまうケースもあります。

淡河さん

編集部岡田

他の借り入れがあると、返済負担率も上がってしまうので審査が厳しそうですね。他のローンを返済してから住宅ローンに申し込めばいいのでしょうか。

もし他の借り入れが多かったり、カードローンをたびたび利用していたりする場合、返済してすぐ住宅ローンに申し込まないほうがいいケースもあります。

淡河さん

編集部岡田

なんと!

借り入れが多い場合の審査対策

住宅ローンを借り入れる際には、「返済負担率」が重視されることはこれまでにお伝えしました。

この返済負担率には、車のローン、リボ払い、携帯電話の割賦返済が含まれることもあります。そのため、審査の前に返済をしたり、不要なクレジットカードを解約したりといった対策が有効です。

編集部岡田

ですが、返済してすぐに住宅ローンに申し込まないほうがいい場合もある、というのはどういうことでしょう。

実はローンの場合、返済後2年間はローンを組んでいたという記録が残ります。つまり、たびたび借り入れをしていたり、借金なしでは家計がまわらなくなりそうな借り方をしていたりする人の場合、返済していても金融機関にはばれてしまうのです。

淡河さん

編集部岡田

がんばって返済して審査を受けた結果、落ちてしまったらショックですね。

もし落ちてしまった場合は、完済してから数か月期間をあけることで、借金がなくても家計が回っていることを証明すれば信用が得られることもあります。

淡河さん

ケース3:健康に問題があり団信に入れなかった

住宅ローンを借りる際、一般的に団信(団体信用生命保険)への加入が必須になります。

そのため、健康状態に問題があったり持病があったりする人は住宅ローンを借りられないケースも少なくありません。

編集部岡田

持病や健康の問題をかくして住宅ローンに申し込むのはNGだと思いますが、不安な人はどのような住宅ローンを選べばいいのでしょうか。

持病がある人の場合、以下のような方法で住宅ローンを組むのがおすすめです。

  • 健康条件が緩やかな「ワイド団信」を利用する
  • フラット35などの団信なしで借りられる住宅ローンを選ぶ

対策①「ワイド団信」を利用する

 ワイド団信とは、ふつうの団信よりも病歴や持病の条件が緩やかな団信です。

一般的に、利用する場合は年0.2~0.3%程度の金利の上乗せが必要になります。

ただし、ワイド団信の取り扱いがない金融機関もありますので、事前にチェックしておきましょう。

「持病があってもぜったい利用できる」というわけではありませんが、比較的申し込みやすいのが特徴です。

ワイド団信が利用できるおすすめ住宅ローン
ソニー銀行住宅ローン〈おすすめ理由〉年0.2%の金利上乗せでワイド団信を利用できる

対策②フラット35を選ぶ

フラット35では団信の加入・不加入を選択できるため、団信の審査が心配な方はフラット35を選ぶのも一つの方法です。

ただし、もし病気などもしものことがあった場合のために現金を用意しておくなど、対策をとるようにしましょう。

健康に不安がある場合には、年金的な商品をあわせて始めるなど、万が一への対策をあわせて考えることが重要です。

淡河さん

編集部岡田

いつ何があるかはわからないので、しっかり備えておきたいですね!

フラット35のおすすめ住宅ローン
ARUHI フラット35

ARUHIは13年連続フラット35のシェアがNo.1。団信加入が必須でないので、健康に不安ががある人でも利用できます。

審査条件別:おすすめ住宅ローン

審査基準や住宅ローンの条件は金融機関や住宅ローン取り扱い機関によって異なるため、審査で不安な点がある場合には申し込む住宅ローンを検討してみるのがおすすめです。

ここでは、「勤続年数が短くても申し込める住宅ローン」「健康に不安がある場合におすすめの住宅ローン」をご紹介いたします。

勤続年数が短くても申し込める住宅ローン

住宅ローンの借り入れ時に、「勤続1年以上」などの借り入れ条件を設けている金融機関も多いですが、勤続年数の制限が短い金融機関もあります。

必ず審査に通る、というわけではありませんが、勤続年数が短い人でも申込みしやすくなっています。

ARUHI フラット35

フラット35を利用する場合、勤続1ヶ月以上であれば住宅ローンに申し込むことが可能です。

個人属性に関する条件が比較的緩やかなフラット35であれば、審査に申し込みやすいですね。

ARUHIのフラット35は13年連続フラット35のシェアがNo.1の住宅ローン。

もし転職間もないうちに家を購入したいと思っているのであれば、ARUHIのフラット35がおすすめです。

イオン銀行住宅ローン

イオン銀行の住宅ローンは勤続年数6ヵ月以上であれば申込み可能です。

転職したばかりという人でも、半年程度であれば住宅購入を待てるという人は多いのではないでしょうか。

イオン銀行の住宅ローンは、イオン系列の店舗でのお買い物が5%オフになるなど、他の住宅ローンにはないメリットもあります。

普段の生活でイオングループの店舗をよく利用するという方は、ぜひ検討してみてください。

健康に不安がある場合におすすめの住宅ローン

健康に不安がある方の場合、健康に関する条件が緩やかな「ワイド団信」を利用したり、団信への加入が任意の「フラット35」で住宅ローンを組むのがおすすめです。

それぞれのおすすめ住宅ローンは以下の通りです。

ソニー銀行住宅ローン ワイド団信

一般的にワイド団信を利用する場合、通常の金利に年+0.3%の上乗せが必要になります。

一方、ソニー銀行のワイド団信の場合、他金融機関の水準よりも低い「年+0.2%」の上乗せで利用することが可能です。

ワイド団信を利用しようと考えている方は、ぜひ検討してみてくださいね。

ARUHI フラット35

団信への加入が必須ではないフラット35を利用する場合、ARUHIのフラット35がおすすめです

ARUHIは13年連続フラット35のシェアがNo.1の住宅ローン取り扱い金融機関なので安心ですね。

全期間固定金利の住宅ローンで借りようと思っている方はチェックしてみるといいでしょう。

住宅ローンの審査でよくあるQ&A

ここからは、住宅ローンの審査に関して、よくあるQ&Aをご紹介します。

一般的な審査の流れは?

一般的な金融機関では、住宅ローンの審査は2回あり、事前審査(仮審査)と本審査と呼ばれています。
事前審査は自己申告をもとに行われることが多く、最短即日~1週間程度が目安です。

ただし、事前審査をしっかり行う金融機関では、長い場合には3週間程度の時間がかかる場合もあります。

また、本審査は提出書類をもとに行われる審査で、数日~2週間程度かかる傾向があります。本審査のタイミングで団信(団体信用生命保険)の審査が行われます。

事前審査に通った後、本審査で落ちることはある?

多くはありませんが、事前審査に通過しても本審査で落ちてしまうケースはあります。特に、簡易な審査をしている銀行等は、本審査の段階で初めて確認する内容が多いため、落ちてしまう例があります。

一方、事前審査が長い金融機関はそれだけしっかり審査をしていることが多いため、本審査で落ちづらい傾向があります。

事前審査のない住宅ローンはある?

金融機関によっては、事前審査のない住宅ローンを扱っていることもあります。

たとえばSBI新生銀行の住宅ローンでは、事前審査を行っていません。そのため、一般的な住宅ローンで「本審査」にあたる審査の1回のみ実施しています。

Web審査の住宅ローンでも物件を押さえることができる?

ネット銀行などでは、Web上で事前審査ができる住宅ローンを扱っています。

審査結果は早ければ当日中にわかる便利な住宅ローンですが、物件によってはWebでの審査結果では物件を押さえることができないケースもあります。可否は物件によるため、事前に確認しておくようにしましょう。

審査が早い住宅ローンはある?

ネット銀行の住宅ローンなどでは、審査期間が短い傾向があります。中には事前審査は最短当日中に結果がわかり、借入までは最短2週間というスピード感で契約をすすめられる金融機関も。

ただ、最短で行うには、資料をすべて集め、銀行の申し出のスケジュールで手続きをしなければならないため、簡単ではありません。

まとめ

住宅ローンの審査に関して、これまで6,000人以上の住宅ローン相談にのってきた住宅ローンのプロ・淡河範明さんに解説いただきました。

住宅ローン審査のポイントは以下の3つ。

住宅ローン審査のポイント

  • 審査で見ているポイントを理解し、自分にあった住宅ローンを選ぶ
  • 不安な点がある場合には、審査に通過できるよう金融機関に説明する
  • 審査に向けてしっかり対策をする

また、審査に向けた対策としては、以下のような点を意識するといいでしょう。

対策の例
個人属性

・他の借入金やカードを整理する

・勤続年数の制限が短い住宅ローンを選ぶ

・税金や保険料の不払いは清算する など

物件属性・金融機関に受け入れられやすい物件を選ぶ
返済計画

・無理な借入をしない

・退職後の返済計画も準備する

住宅ローン審査でチェックしているポイントは、金融機関によって異なります。

もし住宅ローン審査に落ちてしまった場合でも、しっかり対策をしたり、申し込む金融機関を変えたりすることで、住宅ローン審査に通過できる人も少なくありません。

もしどうしても不安な場合には、淡河さんのような専門家に相談してみるのもおすすめです。

審査落ちで「マイホームを購入できなかった!」とあきらめず、理想のマイホームを手に入れてくださいね。

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