NISAの平均利回りはどれぐらい?シミュレーション・ランキングも紹介
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- 利回りの高いつみたてNISA銘柄が知りたい
- つみたてNISAの利回りってどれぐらいなの?
NISAのつみたて投資枠で運用する場合には上記が気になるでしょう。
ライフイベントや老後の資金づくりのためにつみたて投資枠で資産運用する場合は、利回りやコストなどを考慮して商品を選択しなければなりません。
この記事では、つみたて投資枠で運用する投資信託選びのポイントを解説します。
運用資産ごとの利回りや、運用年数による資産の増え方などを具体的に解説しますので、投資信託を選ぶ際の参考にしてください。
2023年1月18日時点の情報を掲載しています。
ファイナンシャルプランナー
監修者石原玄紀
中京大学経済学部卒業後、FP事務所に入社。2005年にはCFPを取得。
その後、トヨタファイナンシャルサービス証券(現:東海東京証券)、東海東京ウェルス・コンサルティングにて、経営企画や営業、大手税理士法人への出向、富裕層部署の相続コンサルタントとして従事。
2020年にIFA(独立系金融アドバイザー)「きわみアセットマネジメント」へ初期メンバーとして入社後、2023年に独立。
中京大学付属中京高校で資産形成に関する授業の実施経験もあり。イーデス編集部 / 株式会社エイチームライフデザイン
編集者板橋 辰汰郎
1998年生まれ、兵庫県川西市出身。
大学卒業後、2021年に新卒として株式会社エイチームフィナジーに入社し、ナビナビ証券、イーデスの編集者に就任。
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利回りとは?初心者でもわかりやすく計算方法を解説
利回りとは「投資金額に対する収益(分配金 + 売却益)の割合」のことです。
利回りは、以下の計算式で計算できます。
利回りの計算方法
収益(分配金 + 売却益) ÷ 運用年数 ÷ 投資金額 ×100
例えば、基準価額が100万円のファンドを購入し、2年後に分配金1万円を受け取って、103万円で売却した場合、ファンドの利回りは2%になります。
例
(分配金1万円+売却益3万円) ÷ 運用年数2年 ÷ 投資金額100万円 × 100 = 2%
NISAの平均利回りは何パーセント?
NISAのつみたて投資枠で運用した場合の平均利回りは、運用期間によって異なります。
金融庁の「つみたてNISA早わかりガイドブック」によれば、資産・地域を分散して積立した場合、元本割れしにくくなるのは20年以上運用した場合です。
年率2~8%の運用成果があり、中でも4~6%の運用成果を挙げるケースが多いようです。
したがって、つみたて投資枠で投資信託を運用した場合には、長期間運用したほうが元本割れの可能性が低くなるといえるでしょう。
ただし、金融庁の運用データは1985年から2020年までのものであり、今後も同様の結果になる確証はありません。
また、運用商品の比率によっても平均利回りに違いが出るため、各資産の平均的な利回りを知ったうえで運用商品の構成を考えることが大切です。
ここでは下記資産の平均的な利回りについて解説します。
- 株式
- 債券
- REIT
- バランスファンド
株式に投資する場合の平均利回りの目安
地域 | 主要指数 | 直近1年 | 直近3年 | 直近5年 | 直近10年 |
---|---|---|---|---|---|
日本 | 日経平均株価 | 28.3% | 12.1% | 12.3% | 8.6% |
TOPIX | 24.3% | 5.7% | 10.1% | 7.1% | |
米国 | S&P500 | 35.9% | 21.8 | 22.1% | 15.4% |
NASDAQ総合指数 | 55.0% | 16.9% | 24.4% | 17.0% | |
新興国 | MSCIエマージング・マーケット・インデックス | 20.6% | 6.3% | 10.3% | 6.4% |
先進国 | MSCIコクサイ・インデックス | 36.3% | 20.8% | 20.8% | 13.0% |
全世界 | MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス | 34.3% | 18.5% | 18.9% | 12.0% |
※円ベースのリターンを掲載
※TOPIX、S&P500は配当込みのリターン
下の表は、日本や米国、新興国などの株式インデックスにおける、運用年数ごとのリターンです。
いずれのインデックスも、直近1年のパフォーマンスが高いことが分かります。
直近1年のパフォーマンスが高い主な理由は、円安です。
2023年は1月に一時1ドル127円台まで円高が進んだ後、11月には151円台まで円安が進行しました。
特に先進国や全世界については、為替差益も加わってより高リターンになっていると考えられます。
なお、株式投資には下記の特徴があります。
株式投資の特徴
- 値上がり益に加え、銘柄によっては配当益と株主優待が得られる
- 株主総会など経営への参加が可能(単元未満株の場合は除く)
- 株価は企業の業績に連動しやすい
債券に投資する場合の平均利回りの目安
下の表は、日本や米国、新興国、全世界の債券インデックスにおける運用年数ごとのリターンです。
地域 | 主要指数 | 直近1年 | 直近3年 | 直近5年 | 直近10年 |
---|---|---|---|---|---|
日本 | NOMIURA-BPI総合 | 0.5% | -1.6% | -0.8% | 0.5% |
新発10年国債 | 0.6% | 0.3% | 0.2% | 0.2% | |
米国 | ブルームバーグ・バークレイズ米国総合指数 | 11.8% | 6.4% | 6.2% | 4.7% |
米国債10年 | 13.8% | 14.7% | 8.4% | 5.7% | |
新興国 | JPモルガンEMBIグローバル | 21.5% | 7.6% | 7.7% | 6.2% |
JPモルガンGBI-EMグローバルディバーシファイド | 20.6% | 7.7% | 7.7% | 3.4% | |
全世界 | FTSE/シティグループ世界国債インデックス(除く日本) | 13.2% | 4.0% | 4.6% | 3.1% |
※円ベースのリターンを掲載
債券は値動きが緩やかなため、株式と比較するとリターンが小さい点が特徴です。
日本はマイナス金利が続いたことから、直近3年と5年のリターンがマイナスになっています。
一方で、日本以外の地域は円安の影響により、2桁リターンとなっています。
なお、債券投資の特徴は次のとおりです。
債券投資の特徴
- 満期を迎えたときに、あらかじめ決まった金額が受け取れる
- 保有期間中に、定期的に利子を受け取れる
- 値動きが小さい傾向にある
REIT(不動産投資信託)に投資する場合の平均利回りの目安
下の表は、日本と米国、全世界のREIT(不動産投資信託)インデックスに関する運用年数ごとのリターンです。
地域 | 主要指数 | 直近1年 | 直近3年 | 直近5年 | 直近10年 |
---|---|---|---|---|---|
日本 | 東証REIT指数 | -0.5% | 4.4% | 4.3% | 5.7% |
米国 | ダウ・ジョーンズ米国不動産インデックス | 22.7% | 17.4% | 13.7% | 11.2% |
全世界 | S&PグローバルREIT指数 | 21.8% | 17.5% | 11.6% | 9.6% |
全世界 | S&P先進国REIT指数 | 22.0% | 16.1% | 11.5% | 9.3% |
※円ベースのリターンを掲載
※東証REIT指数、ダウ・ジョーンズ米国不動産インデックスは配当込みのリターン
直近1年における東証REIT指数がマイナスに低下した原因として、市場が日銀の金融緩和政策の修正を織り込んだことが挙げられます。
日銀の金融緩和政策が修正されることで、長期金利が今後上昇するとの見通しからREIT価格は低迷しました。
米国や世界のREIT指数は、直近1年間でいずれも20%超のパフォーマンスを上げていますが、株式や債券と同様に円安進行が影響したと考えられます。
REIT投資の特徴は次のとおりです。
REIT投資の特徴
- 利回りが高く、安定した分配金に期待できる
- インフレに強く、株式や債券とは異なる値動きをする
- 少額で複数の不動産への分散投資が可能
バランスファンドに投資する場合の平均利回りの目安
下の表は、バランスファンドの中でも低コストのファンドに関する運用年数ごとのリターンです。
ファンド名 | 直近1年 | 直近3年 | 直近5年 | 直近10年 |
---|---|---|---|---|
たわらノーロードバランス (8資産均等型) | 15.60% | 7.91% | 8.30% | - |
eMAXIS Slimバランス (8資産均等型) | 16.38% | 8.75% | 8.60% | - |
ニッセイ・インデックスバランスファンド(8資産均等型) | 15.63% | 7.97% | 8.37% | - |
いずれも国内外の株式、債券、REIT等8つの資産に均等に分散投資しているファンドです。
また、運用期間が10年未満であるため、10年運用した場合のリターンは算出されていません。
各ファンドの年数ごとのリターンを比較すると、そこまで大きな差がないことがわかります。
直近1年のパフォーマンスが特に良好なのは、主に外国株式や外国債券など海外の資産が円安による為替差益を獲得したためと考えられます。
バランスファンド投資の特徴は次のとおりです。
バランスファンド投資の特徴
- 1本のファンドで資産や地域をバランスよく分散して投資できる
- 自動的に資産のリバランスが行われる
- さまざまな金融資産に分散投資するため、価格変動の原因が分かりにくい
【20年後どうなる?】NISAの利回りシミュレーション
NISAつみたて枠で運用すると利益が出るの?
金融庁のデータを基に、20年後の利益をシミュレーションしてみましょう!
※シミュレーションは楽天証券の「積立かんたんシミュレーション」を使用
上記は、想定年率2%と8%の場合、積立金額ごとにどれぐらいの利益が出るかを表したグラフです。
想定年率は、金融庁の「つみたてNISA早わかりガイドブック」に記載されている運用実績(※)の最も低い・高い年率を置いています。
※1985年から2020年の各年に毎月同額ずつ国内外の株式・債権の買付けを行ったものです。
各年の買付け後、保有期間が経過した時点での時価をもとに運用結果及び年率を算出しています。これは過去の実績をもとにした算出結果であり、将来の投資結果を予測・保証するものではありません。運用管理費用は含みません。
日本株式:東証株価指数(配当込み)、先進国株式:MSCIコクサイ・インデックス(円換算ベース)
日本債券:NOMURA-BPI総合、先進国債券:FTSE世界国債インデックス(除く日本、円ベース)
(つみたてNISA早わかりガイドブック|金融庁より引用)
課税口座であれば、この利益に20.315%の税金がかかりますが、つみたてNISAで得た利益は全て非課税となるため、全額そのまま受け取れます。
349万円の利益に20.315%の税金がかかると約70万円も差し引かれます。
NISAを利用すれば約70万円の節税効果があるんですね!
銘柄ごとの利回りシミュレーションをしたい人は、投資信託の商品別評価・シミュレーションページもご利用ください。
ここでは下記のとおり、つみたて投資枠で運用した場合の、平均利回りごとのシミュレーションを説明します。
平均利回りごとのシミュレーション
平均利回り3%でつみたて場合のシミュレーション
下の表は、平均利回り3%の積立金額と運用年数ごとのシミュレーション結果です。
積立金額 | 3年 | 5年 | 10年 | 20年 |
---|---|---|---|---|
月5,000円 | 188,103円 | 323,234円 | 698,707円 | 1,641,510円 |
月1万円 | 376,206円 | 646,467円 | 1,397,414円 | 3,283,020円 |
月2万円 | 752,411円 | 1,292,934円 | 2,794,828円 | 6,566,040円 |
月3万円 | 1,128,617円 | 1,939,401円 | 4,192,243円 | 9,849,060円 |
3%の利回りで20年間運用すると、積立金額が月5,000円の場合には約160万円、月3万円の場合には約985万円まで資産が増加することがわかります。
運用年数を重ねるごとに運用収益が大きくなっていきますが、それは複利効果によるものです。
複利効果とは?
運用で得た利益を元本に組み入れて再投資すること。
利益にも利益がつくため、時間が長くなるほど得られる利益は大きくなる。
組み入れた利益の分だけ元本が大きくなっていくため、元本額がずっと同じである単利よりも得られる利益が大きくなります。
なお、平均利回り3%が期待できる資産は次のとおりです。
平均利回り3%が期待できる資産
- 国内外の株式
- 新興国債券
- 米国REIT
- 世界REIT
平均利回り5%のつみたて場合のシミュレーション
平均利回り5%の積立金額と運用年数ごとのシミュレーション結果は下の表のとおりです。
積立金額 | 3年 | 5年 | 10年 | 20年 |
---|---|---|---|---|
月5,000円 | 193,767円 | 340,030円 | 776,411円 | 2,055,168円 |
月1万円 | 387,533円 | 680,061円 | 1,552,823円 | 4,110,337円 |
月2万円 | 775,067円 | 1,360,122円 | 3,105,646円 | 8,220,673円 |
月3万円 | 1,162,600円 | 2,040,182円 | 4,658,468円 | 12,331,010円 |
利回り5%で20年間運用すると、積立金額が月5,000円の場合には約205万円、月3万円の場合には1,230万円超まで資産が増えます。
老後資金を全額用意するには不十分ですが、貯蓄や保険などほかの資産もある場合には一部として活用できるでしょう。
なお、平均利回り5%が期待できる資産として、次が挙げられます。
平均利回り5%が期待できる資産
- 米国株式
- 先進国株式
- 米国REIT
- 世界REIT
平均利回り7%のつみたて場合のシミュレーション
平均利回り7%の場合、積立金額と運用年数ごとのシミュレーション結果は下の表のようになります。
積立金額 | 3年 | 5年 | 10年 | 20年 |
---|---|---|---|---|
月5,000円 | 199,651円 | 357,965円 | 865,424円 | 2,604,633円 |
月1万円 | 399,301円 | 715,929円 | 1,730,848円 | 5,209,267円 |
月2万円 | 798,602円 | 1,431,858円 | 3,461,696円 | 10,418,533円 |
月3万円 | 1,197,903円 | 2,147,787円 | 5,192,544円 | 15,627,800円 |
積立金額が月5,000円でも、20年後には260万円以上の資産を作ることが可能です。
月3万円の場合は20年後に運用資産が1,500万円を超え、老後資金に必要といわれる2,000万円の4分の3ほどをカバーできる計算になります。
1,500万円もの資産が形成できれば、貯金や保険などほかの資産と合わせることによって、十分な老後資金が用意できるでしょう。
平均利回り7%が期待できるのは、次の資産です。
平均利回り7%が期待できる資産
- 米国株式
- 先進国株式
- 米国REIT
- 世界REIT
つみたてNISA利回りランキングTOP10
つみたてNISAで利回りの高い銘柄はどれなの?
つみたてNISAの利回りが高い銘柄ランキングは以下のとおりです!
ファンド名 | 運用手法 | 利回り (3年) | 信託報酬 | シミュレーションページ |
---|---|---|---|---|
1 eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | インデックス | 22.26% | 0.09372% | |
2 つみたて米国株式(S&P500) | インデックス | 22.10% | 0.22% | |
3 SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(SBI・V・S&P500) | インデックス | 22.12% | 0.0638% | |
4 iFree S&P500インデックス | インデックス | 22.08% | 0.2475% | |
5 SMBC・DCインデックスファンド(S&P500) | インデックス | 22.04% | 0.0968% | |
6 米国株式インデックス・ファンド | インデックス | 21.71% | 0.495% | |
7 Smart-i S&P500インデックス | インデックス | 21.68% | 0.242% | |
8 農林中金<パートナーズ> つみたてNISA米国株式 S&P500 | インデックス | 21.64% | 0.495% | |
9 大和住銀DC国内株式ファンド | アクティブ | 19.08% | 1.045% | |
10 iFree NYダウ・インデックス | インデックス | 21.29% | 0.2475% |
※2022年6月16日現在
NISAの利回りを高めるポイント
NISAのつみたて投資枠で運用した場合に、利回りを高めるポイントは次のとおりです。
- 期待リターンが高い資産に投資をする
- 一度買ったらできるだけ売らずに長期で保有する
- 投資対象が同じであれば運用コストが安い方にする
各ポイントの詳細を説明します。
期待リターンが高い資産に投資をする
NISAのつみたて投資枠で利回りを高めるには、将来的な成長が見込める資産に投資することが大切です。
株式など期待リターンが高い資産で構成される投資信託に投資しましょう。
株式は値動きが大きい分、大きなリターンが期待できる資産です。
投資信託を通じて将来性の高い米国・先進国企業の株式に投資することで、大きなリターンを獲得できるかもしれません。
守りを重視して運用したい場合には債券中心の投資信託でも構いませんが、値動きが穏やかなため、大きなリターンは期待しづらいでしょう。
なお、株式は値動きが大きい反面、損失も大きくなります。
リスク分散をするには、株式比率が高く、株式以外の資産にも分散投資する投資信託がおすすめです。
一度買ったらできるだけ売らずに長期で保有する
NISAのつみたて投資枠で運用する投資信託は、複利効果を享受するためにも長期間保有しましょう。
つみたて投資枠で投資信託を運用して得た利益は、元本に組み込んで再投資します。
運用期間が長くなるほど元本が増え、得られる利益も大きくなることが特徴です。
また、金融庁の「つみたてNISA早わかりガイドブック」からも、長期間運用すると運用成果が高くなることがわかります。
地域や資産を分散して積立投資を行うと、5年間の運用では元本割れするケースもある一方、10年間では年率2%~8%のリターンを獲得しています。
以上のことから、長期運用するほど元本割れしにくくなるといえます。
中・短期で価格が倍以上に増えたとしても、売却せず運用を続けましょう。
投資対象が同じであれば運用コストが安い方にする
コストを抑えたほうが資金効率を上げて運用できるため、NISAのつみたて投資枠で運用する投資信託は、運用コストの安いものを選びましょう。
たとえば、次のように投資先と投資金額が同一の金融商品AとBがあるとします。
- A:投資金額100万円/年間運用コスト10万円
- B:投資金額100万円/年間運用コスト1万円
Aは実質的に90万円を運用しますが、Bは実質的に99万円を運用するため、Bのほうがコスト効率の高い金融商品といえます。
AよりもBのほうが運用する金額が大きいことから、投資対象が同じ場合には、より大きなリターンを獲得可能です。
獲得できるリターンの差は運用年数が長くなるほど拡大するため、特に長期間運用する場合には運用コストの抑制が重要になります。よって、投資対象が同じ場合には、運用コストの安い投資信託を選んで投資してください。
つみたてNISAの商品を利回りで選ぶ時の注意点
つみたてNISAの商品を選ぶ場合、利回り以外にも注意する点があります。
利回りの高い商品のうち、さらに以下のような商品を選択しましょう。
つみたて投資枠の商品を選ぶ時の注意点
注意点①インデックス投資信託を選ぶ
NISAのつみたて投資枠での運用は、インデックス投資信託がおすすめです。
インデックス投資信託は商品の仕組みが分かりやすく、初心者でも投資先が理解しやすい特徴があります。
また、手数料が安く、長期的にお金がゆっくり増えていく可能性も高い投資信託です。
一方、積極的な運用を行うアクティブ型の商品は、インデックス型に比べてリスクが高く、手数料も高くなる傾向があり、投資初心者にはあまりおすすめできません。
リスクを抑えた運用を行いたい人は、インデックス投資信託で利回りが高い商品を探してみましょう。
注意点②手数料が低いものを選ぶ
少しでも利益を大きくしたい場合、運用にかかるコストは最小限に抑えましょう。
信託報酬という手数料は、投資信託の保有中はずっとかかるので、信託報酬が少しでも安いものを選ぶのがおすすめです。
信託報酬が0.1%前後の商品は、手数料が安い商品といえますので、目安にしてください。
注意点③アセットクラスを分散する
自分の持っている資産をさまざまな国に分散して投資することで、大損するリスクを下げられます。
比較的リスクの低い先進国の場合でも、アメリカや日本など、複数の国に投資するのがおすすめです。
中国やブラジルなど新興国の場合は、先進国に比較すると、カントリーリスクが高いので、先進国へ投資する商品と合わせて、バランスよく保有しましょう。
よくある質問
NISAはやめたほうがいいって本当なの?
A. 以下に当てはまる人はNISAのつみたて投資枠での運用はやめたほうがいいと言えます。
NISAのつみたて投資枠はやめたほうがいい人
- まとまった資金の運用を考えている人
- すぐに利益を出したい人
- 運用を楽しみたい人
NISAのつみたて投資枠は、年間120万円までの非課税枠を利用して、長期にわたりゆっくりとお金を増やしていく制度です。
そのため、すでに運用資金が120万円以上あり、一括で投資をしたい人には向いていません。
また、できるだけ短期で利益を獲得したい人や、短期的な運用をギャンブル的に楽しみたい人にも向いていないでしょう。
詳しくは以下の記事で解説しているので、気になる人は参考にしてください。
「つみたてNISAに複利効果はない」「つみたて投資枠の複利効果が嘘」って聞くけど実際どうなの?
A.分配金なしの商品に長期投資をすると、複利の効果を得られます。
投資信託には、「分配金あり」と「分配金なし」の2種類がありますが、そのうち「分配金なし」の投資信託を選び、運用益を再投資することで、複利効果が得られます。
また、投資期間が長ければ長いほど、複利効果を発揮します。
NISAのつみたて投資枠は非課税期間が無期限であるため、長期間の運用が可能です。
長期にわたり非課税期間を活用して投資を行えば、複利効果を最大限活かせるでしょう。
NISAの利回りの確認方法は?
A. 証券会社の投資信託リサーチツールで確認できます。
NISAのつみたて投資枠で運用可能な投資信託の利回りを確認する際は、各証券会社が提供する投資信託のリサーチツールがおすすめです。
下の表のとおり、大手ネット証券では公式ページに投資信託のリサーチツールを用意しています。
証券会社 | リサーチツール |
---|---|
SBI証券 | 投資信託パワーサーチ |
楽天証券 | 投信スーパーサーチ |
マネックス証券 | ファンド検索 |
大手ネット証券のリサーチツールでは、利回りを「リターン」や「トータルリターン」という名称にしています。
利回りを確認する際は「リターン」や「トータルリターン」に記載の数値を確認しましょう。
ほかにもチャートや各種手数料などの詳細情報を掲載しているため、選ぶ際の参考にしてください。
NISAの利回りで20%は実現できる?
A.短期運用であれば利回り20%は実現可能ですが、長期運用の場合には難しいでしょう。
先述した金融庁の「つみたてNISA早わかりガイドブック」には、資産・地域を分散して積立投資を行った場合の確率分布が掲載されています。
運用期間5年の場合は元本割れがある一方、12~14%もの運用成果を上げるケースもあります。
しかし、運用期間が20年になると運用成果は2~8%の間に収束し、20%ものリターンを上げるケースはありません。
したがって、長期運用の場合は難しいものの、1年など短期運用であれば、運用資産次第で20%の利回りが実現可能といえるでしょう。
その場合、米国株式や世界株式など1年で20%を超えるリターンが見込めそうな資産を選ぶ必要があります。
まとめ
NISAのつみたて投資枠でより多くの資産を形成したいと考える場合には、利回りやコストを考慮しなければなりません。
そのためには、投資信託で運用する株式や債券などの資産について、どのくらいのリターンが見込めるのか知る必要があります。
商品によってリターンに違いがあるため、それぞれの特徴を理解したうえで運用する投資信託を決めましょう。
また、資金効率を上げるためにも、運用時にかかるコストを抑える必要があります。
以上を踏まえたうえで、短期間の値動きに惑わされず長期にわたって地道に運用し、資産形成の目標額を達成しましょう。