【NISAで税金がかかる】課税対象の3つのケースと注意点!確定申告はどうする?
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- NISA口座でも税金がかかるケースってあるの?
- NISA/つみたてNISAでの節税に注意点ってあるの?
NISA(少額投資非課税制度)は、非課税期間内であれば、投資で得た利益に税金はかからず、確定申告などの手続きも必要ありません。
しかし、次のいずれかに該当する場合は、NISA口座で得た利益であっても税金がかかるので注意しましょう。
NISAで税金がかかるケース
- NISAから課税口座に移管した場合
- ジュニアNISAを18歳未満で払い出した場合
※2024年以降は18歳未満でも課税なし - 配当金の受け取りを「株式数比例配分方式」にしなかった場合
この記事では、NISAの概要と税金がかかるケースについて解説していきます。
また、NISAを使って節税するときに、知っておきたい注意点も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
最後まで読めば、NISAの税金の仕組みについて理解し、安心して非課税で資産運用を行うことができるでしょう。
2024年2月13日時点の情報を掲載しています。
ファイナンシャルプランナー
監修者石原玄紀
中京大学経済学部卒業後、FP事務所に入社。2005年にはCFPを取得。
その後、トヨタファイナンシャルサービス証券(現:東海東京証券)、東海東京ウェルス・コンサルティングにて、経営企画や営業、大手税理士法人への出向、富裕層部署の相続コンサルタントとして従事。
2020年にIFA(独立系金融アドバイザー)「きわみアセットマネジメント」へ初期メンバーとして入社後、2023年に独立。
中京大学付属中京高校で資産形成に関する授業の実施経験もあり。
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NISAの非課税期間なら確定申告不要で税金がかからない
通常、株式や投資信託など、金融商品を購入して資産運用を行った場合、売却して得た利益や受け取った配当金などの利益に対して20.315%の税金がかかります。
しかし、「NISA口座(非課税口座)」を開設して、非課税投資枠内で購入した場合、利益にかかる税金が非課税となります。
自動的に非課税となるので確定申告などの特別な手続きは必要ありません。
また、2024年から始まった新NISAについても、同じく利益に税金はかからないため、確定申告などは不要です。
NISA制度で税金がかかるケース
一定条件のもと、税金がかからないという大きなメリットがあるNISA制度ですが、状況によって税金を支払う必要が出てきます。
どのようなケースで課税されるのか確認しておきましょう。
税金が発生するケース
- NISAから課税口座に移管した場合
- ジュニアNISAを18歳未満で払い出した場合
※2024年以降は18歳未満でも課税なし - 配当金の受け取りを「株式数比例配分方式」にしなかった場合
NISAから課税口座に移管した場合
NISAで購入した商品の非課税期間が終了した場合、売却するか課税口座に移すかを選択することができますが、課税口座に移した場合、売却益や配当金に税金がかかるようになります。
このとき、取得価格の変化に気をつけましょう。
NISA口座から課税口座に移管するときの注意点
例えば、NISA口座で1万円で購入した商品が5,000円のときに課税口座に移すと、取得価格は5,000円という判定を受けます。
その後、8,000円になってから売却すると、実際は2,000円分の損失になりますが、課税口座に移した時点で「5,000円で購入した商品」と見なされているため、3,000円の利益が出たとして課税されてしまいます。
購入時から値下がりした商品は課税口座に移さず売却したほうが良さそうですね…
課税口座に移してから購入金額を上回る価格になれば課税はされても利益にはなります。
非課税期間終了時に、今後価格は上がるか・下がるかを予測して判断したいですね。
なお、2024年から始まった新NISAでは非課税期間が無期限になったため、課税口座に移す必要はなくなりました。
そのため、2023年までの旧NISA制度で運用を行っていた人のみ気をつけるようにしてください。
ジュニアNISAを18歳未満で払い出した場合
18歳未満で払い出す場合、ジュニアNISAで得た売却益や配当金などの利益については、過去の利益にまでさかのぼって課税されてしまいます。
ジュニアNISAは、そもそも子どもの資産形成を目的としているため、払出し制限が設定されています。
具体的には、口座開設者が、3月31日時点で18歳である年の、前年の12月末まで、ジュニアNISAから資金を払出すことはできません。
ジュニアNISA口座内の資産を売却し、他の資産を購入することは可能です。
ただし、災害等のやむを得ない場合には、非課税での払出しが可能となっています。
また、ジュニアNISAの払出し制限は、2024年以降の新制度では解除され、いつでも払出しができるようになりました。
配当金の受け取りを「株式数比例配分方式」にしなかった場合
NISAで購入した株式の配当金や上場投資信託(ETF)の分配金の受取り方法は、次の3つの方法から選択することができます。
- ゆうちょ銀行や郵便局で受け取る
(配当金領収証方式) - 指定の銀行口座で受け取る
(登録配当金受領口座方式、個別銘柄指定方式) - 証券会社の取引口座で受け取る
(株式数比例配分方式)
NISA口座で、配当金などにかかる税金を非課税としたい場合は、3つ目の株式数比例配分方式を指定する必要があります。
他の方法で配当金等を受け取る場合、非課税とはならず税金が源泉徴収されてしまいます。
ただし、ゆうちょ銀行や郵便局、指定の銀行口座での受け取りでも、確定申告を行うことで総合課税を選択して配当控除を受けたり、申告分離課税を選択して課税口座と損益通算・繰越控除することはできます。
NISA/つみたてNISAで節税したい時の注意点
NISAは、投資で得た利益を非課税にできるメリットがありますが、一方で覚えておきたい注意点があります。
NISA/つみたてNISAで節税したい時の注意点
注意点1.課税口座からNISAへの移管不可
特定口座や一般口座などの課税口座にある上場株式や投資信託などはNISA口座に移すことができません。
そのため、課税口座で保有している商品については、NISA口座を開設したとしても非課税メリットを受けることができません。
NISA口座では、NISA口座内で新たに買い付けた上場株式や投資信託等のみ、非課税とすることができます。
注意点2.従来のNISAから新NISAへの移管不可
2023年までのNISA制度と、2024年からのNISA制度はまったくの別物として扱われており、従来のNISAで投資していた商品をそのまま新NISAへ移管(ロールオーバー)することはできません。
ただし、従来のNISAは2023年末で新規買付は終了しましたが、購入した年から5年または20年間、別枠で非課税で運用できます。
例えば、2023年につみたてNISAで購入した商品は2042年まで非課税で運用可能です。
そのため、冒頭の税金が発生するケースで紹介したように、出口戦略は考えておかなければならないことを覚えておきましょう。
注意点3.課税口座との損益通算不可・譲渡損失の繰越控除なし
課税口座では、投資を行って利益が出た場合は税金がかかりますが、逆に、ある商品から損失が出た場合、他の商品の利益から差し引いて税金を減らすことができます。
これを「損益通算」と呼びます。
さらに、損益通算を行ってもマイナスとなってしまった場合、確定申告を行うことで、最長3年間の損失を繰り越して、翌年以降の利益から控除することが可能です。
しかし、NISA口座では、損失が出た場合でも、特定口座や一般口座などの課税口座の利益との損益通算はできません。
3年間の繰越控除も利用することができません。
NISAの税金に関するよくある質問
NISAでの資産運用について、特に投資初心者の方が疑問に思いやすいポイントについて、確認しておきましょう。
NISAで確定申告は必要ですか?
NISA口座では確定申告は不要です。
確定申告なしで、資産運用の利益を非課税とすることができます。
NISA/つみたてNISAで得た配当金などに税金は発生しますか?
非課税期間中に受け取った配当金などには、税金はかかりません。
なお、投資信託の分配金を再投資している場合は、再投資分が年間の累積購入代金(非課税枠)に加算されます。
非課税期間終了後、課税口座に商品を移した場合、移管後に受け取った配当金などには、税金がかかります。
NISAで保有する株式の配当金を非課税とするために、何か手続が必要ですか?
配当金の受取方法を「株式数比例配分方式」に指定する必要があります。
NISAで保有する株式の配当金は、証券会社経由で支払われるものでなければ非課税となりません。
新しくNISAを開設すれば、現在保有している商品の売却益や配当金などに税金がかかりませんか?
すでに、証券会社の課税口座に預けている商品の売却益や配当金などは、非課税となりません。
NISA口座を開設した日以降、NISA口座で新たに購入した商品のみ、売却益や配当金などが非課税となります。
NISAでの節税にデメリットはありますか?
NISA口座で損失が発生した場合、課税口座との損益通算や損失の繰越控除ができないというデメリットがあります。
まとめ
NISAは、投資で得た利益を非課税とすることができる、大変お得な制度です。
確定申告など、複雑な手続きも必要ないので、投資初心者の方でもチャレンジしやすいでしょう。
今回ご紹介した通り、非課税期間の終了後に課税されるケースがあるなど、いくつかの注意点を確認してから、NISAでの資産運用をスタートしてみましょう。