一般NISA・つみたてNISA口座を解約したい!方法や注意点まとめ
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- NISA口座って途中で解約できるの?
- NISA口座を解約するにはどんな手続きが必要なの?
一般NISAもつみたてNISAも、非課税期間が終了する前に、途中解約が可能で、解約手数料もありません。
しかし、解約時の注意点や、保管しておくべき必要書類を確認しておかないと、保有資産の売却時に損をしたり、NISA口座をスムーズに再開設したりすることができなくなるケースがあります。
この記事では、NISA口座の解約に関わる注意点や具体的な方法を解説します。
最後まで読めば、NISA口座の解約までの流れを理解し、安心してNISAで資産運用をすることができるでしょう。
2020年8月17日時点の情報を掲載しています。
行政書士/ファイナンシャルプランナー / 青野行政書士事務所
監修者青野泰弘
同志社大学法学部卒業後、国際証券に入社。
その後、UFJキャピタルマーケッツ証券、トヨタファイナンシャルサービス証券(現:東海東京証券)、オリックスフィナンシャルプロダクツ、コスモ証券にて、債券の引き受けやデリバティブ商品の組成などに従事。
2012年に、FPおよび行政書士として独立。2017年日本FP協会相談員、2018年日本FP協会広報スタッフを担当。
▼保有資格
日本証券アナリスト協会検定アナリスト(CMA)
プライマリープライベートバンカー
行政書士
ファイナンシャルプランナー(CFP®)イーデス編集部 / 株式会社エイチームフィナジー
編集者小林 梨沙
1989年生まれ、愛媛県松山市出身。
大学卒業後、株式会社ブリッジインターナショナルに入社。外資系教育サービス会社にて、薬機法や品質マネジメントシステムのインサイドセールスを担当。その後、スーパーバイザーとして、日系大手企業のインサイドセールスプロジェクトの立ち上げを行う。
2019年に株式会社エイチームフィナジーに入社。FX、新規事業開発部を経て、イーデスの編集者に就任。
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一般NISA・つみたてNISA口座を解約するときの注意点
一般的に、残高がゼロになったとしても、NISA口座は解約する必要がないと考えられます。
NISA口座は、口座残高の有無にかかわらず、口座開設期間中にかかる手数料はありません。
また、海外に移住するなど、日本国内非居住になる場合であっても、一定条件を満たした上で、金融機関で手続きを行えば、NISA口座を無料で保持し続けることが可能です。
しかし、特別な事情があり、口座解約を検討している場合は、NISA口座を解約する前に、3つの注意点を確認しておきましょう。
注意点
保有資産がある場合は解約前に売却するか、課税口座に移管する必要がある
NISA口座内に残高がある場合は、以下のいずれかの方法で、残高をゼロにする必要があります。
- 口座に残っている金融商品を売却する
- 一般口座や特定口座などの課税口座に移管する
保有資産の売却時に注意したいのは、売却するタイミングです。
当然ですが、購入した時の価格よりも低い価格で売却すると、損をしてしまいます。
NISAの非課税制度を有効に活用するには、やはり、利益がでているときに売却するのがベストでしょう。
NISA口座の解約を検討する時は、スケジュールに余裕を持つようにし、保有資産の日々の値動きを確認します。
そして、一度に売却するのではなく、複数回に分けて売却するとなど、できるだけ理想に近い値段で売却できるように工夫しましょう。
なお、NISA口座で保有している商品を売却しても、その分NISAの非課税枠が復活するわけではありません。
また、保有資産を特定口座か一般口座に移管する場合、NISA口座の解約後に受け取る配当金や、NISA口座の解約後に行った売却益は、非課税の措置を受けることができず、通常通り課税されます。
売却にかかる売買手数料を確認する
NISA口座の解約にあたり、「解約手数料」はかかりません。
しかし、NISA口座に残っている保有資産を売却する際には、通常どおり「売買手数料」がかかります。
一般的に、ネット証券の売買手数料は、低く抑えられていて、0円で済むケースもありますが、保有資産の売却を考えている人は、予想外の痛い出費にならないように、予め確認しておきましょう。
解約すると、来年度までNISAを利用できないケースがある
NISA口座は、すでに商品を買い付けした年度に解約すると、同じ金融機関はもちろん、別の金融機関であっても、同年中に再開設ができません。
また、一般NISAを解約して、つみたてNISAを再開設するというように、NISAの種類を変えたいケースでも、すでに買い付けをした年中は、NISA口座の再開設ができなくなります。
NISAの種類を変えたい場合は、NISA口座の解約ではなく「NISA口座の金融機関の変更」や「一般・つみたてNISA口座の種類の変更」の手続きを行うことになります。
手続き方法を間違えないように注意しましょう。
一般NISA・つみたてNISA口座を解約する手順
NISA口座を解約する手順は、次の3STEPです。
STEP1 | 金融機関に電話やインターネットでNISA口座を解約したい旨を連絡し、必要書類が送られてくるのを待つ |
---|---|
STEP2 | 送られてきた書類に必要事項を記入し、金融機関に提出 |
↓1週間〜2週間 | |
STEP3 | NISA口座解約手続き完了後、金融機関から「非課税口座廃止通知書」が送られてくる |
各手順を具体的に確認しましょう。
STEP①
書類の申請
金融機関によって申請方法は異なりますが、基本的には電話やインターネットから金融機関にNISA口座を解約したい旨を連絡し、必要書類が送られてくるのを待つことになります。
ネット証券であっても、NISA口座の解約を申請したい場合は、カスタマーセンターなどに直接電話をして、書類の申請を行わなければならないケースもあります。
SBI証券 | カスタマーサービスセンターに直接電話 固定電話:0120-104-214 |
---|---|
楽天証券 | ウェブから手続き ログイン→「設定・変更」→「口座解約」→「総合口座の解約申込」 |
野村證券 | 取引店、または、総合ダイヤルに直接電話 取引店:検索はこちら |
SMBC日興証券 | 取引店、または、日興コンタクトセンターに直接電話 取引店:検索はこちら |
松井証券 | 松井証券顧客サポートへ電話、または、お客様サイトから問い合わせ 総合ダイヤル:0120-953-006 |
自分がNISA口座を開設している金融機関のホームページをチェックして、書類の申請方法を確認してみましょう。
STEP②
書類を提出
口座解約に関わる書類が手元に届いたら、必要書類を確認して、返送します。
NISA口座の解約に必要な書類は、人によって異なる場合があります。
例えば、松井証券の提出種類は、マイナンバーの登録有無によって変わります。
提出書類 | マイナンバー | |
---|---|---|
登録済 | 未登録 | |
非課税口座廃止届出書 兼 未成年者口座廃止届出 | ||
マイナンバー(個人番号)確認書類のコピー | ||
本人確認書類のコピー |
どの書類が必要なのかをしっかり確認した上で、準備しましょう。
NISA口座解約完了
NISA口座解約の書類提出後、金融機関においてNISA口座解約手続きが始まります。
手続きが終わると、金融機関から「非課税口座廃止通知書」が送られてきて、口座解約が完了となります。
「非課税口座廃止通知書」は、再度NISA口座を開設する際に必要となります。
「非課税口座廃止通知書」でNISAの口座解約完了を確認するとともに、再開設をするケースに備えて、書類をなくさないように保管しておきましょう。
一般NISA・つみたてNISAは口座解約後に再開設も可能
NISA口座を解約した年に、すでに買い付け取引を行っていた場合、同年中に再開設ができず、最短で翌年分からとなります。
NISA口座を解約する年に、買い付け取引を行っていなかった場合は、口座を解約した同年中に再開設ができます。
再開設は、もとの金融機関はもちろん、別の金融機関を選んで開設することも可能です。
また、再開設を行う場合は、一般的に、新規でNISA口座を開設する場合と同じ手続きを行うことになりますが、追加書類として、口座解約時に受け取った「非課税口座廃止通知書」が必要となります。
NISA口座再開設に必要な書類(SBI証券の場合)
- 非課税口座廃止届出書
- マイナンバー(個人番号)確認書類のコピー
- 本人確認書類のコピー
- 非課税口座廃止通知書(NISA口座解約時に受け取ったもの)
書類の提出は、NISA口座を再開設する年の前年の10月1日から再開設する年の9月30日までか、最初に買い付けを行う日のいずれか早い日までに、行う必要があります。
まずは、NISAを再開設したいと考えている金融機関のホームページをチェックし、必要書類やスケジュールを確認しましょう。
再開設完了後は、通常通り、一般NISAは年間120万円まで、つみたてNISAは年間40万円まで投資が可能です。
一度口座を解約して、再開設を行ったとしても、解約分の非課税枠が増えるわけではありません。
一般NISA・つみたてNISA口座の金融機関を変更したい場合
NISA制度では、口座を解約せずに、金融機関を変更して、NISA口座で資産運用を続けることも可能です。
実際のところ、金融機関によって、手数料や取扱商品が異なるため、自分に合ったネット証券等を見つけた方が、効率的に運用を続けることができるケースもあります。
NISAでの運用がうまくいかないと悩む人は、口座を解約してしまうのではなく、まずは、金融機関の変更を検討するのがおすすめです。
タイミング | 変更したい年の前年10月1日から、変更したい年年の9月30日まで ※2021年分の口座を変更したい場合は、2020年10月1日~2021年9月30日までに手続き |
---|---|
方法 | 変更前の金融機関に連絡して書類を提出し、新たな金融機関で口座開設手続きを行う |
変更前の金融機関の商品を変更後の金融機関に移すことができないという注意点などを確認するようにしましょう。
NISA口座の解約と異なり、手続きには1ヶ月近くかかる可能性があるため、スケジュールに余裕を持つことが大切です。
より詳しく知りたい場合は、以下の記事をご覧ください。
まとめ
NISA口座は、非課税で資産運用を行うことができるメリットの大きい制度なので、特別な事情がない限り、急いで解約する必要はないと考えられます。
NISAでの資産運用が思うようにいかない場合は、しばらく投資をするのをやめて口座を寝かしておくことも可能です。
また、口座解約前に、一般NISAとつみたてNISAの種類を変更したり、金融機関を変更したりすること検討してみましょう。
もしも、NISA口座を解約する場合には、今回ご紹介した注意点を理解したうえで、手続きを行うようにしてください。