偽装クレジットカードとは?スキミングの手口や被害に遭わないための対策を解説
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ここでは偽造クレジットカードによる、不正使用の対策方法について解説します。
偽造クレジットカードによる被害額は年々増加しており、その金額は国内だけでも年間10億円を超えます。
最近はセキュリティが優れている、ICチップを搭載したクレジットカードが発行されていますが、ICチップを搭載していない磁気ストライプ式のクレジットカードもまだまだたくさん使用されているのが実情です。
また偽造カードによる不正使用被害に遭った場合、盗難や紛失とは異なりカード会社の補償を受けられない可能性もあります。
クレジットカード偽造の被害に遭わないため、あるいは万が一被害に遭ったとしても大丈夫なように、偽造の手口や対策方法について知っておきましょう。
スキラージャパン株式会社 代表取締役 / スキラージャパン株式会社
監修者伊藤亮太
伊藤亮太は「スキラージャパン株式会社」の取締役を務めるFP(ファイナンシャル・プランナー)。
慶應義塾大学大学院商学研究科経営学・会計学専攻を修了しており、在学中にCFP®を取得。
その後、証券会社にて営業・経営企画・社長秘書・投資銀行業務に携わる。
現在は富裕層個人の資産設計を中心としたマネー・ライフプランの提案・策定・サポート等を行う傍ら、資産運用に関連するセミナー講師や講演を多数行う。
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偽造クレジットカードとは
偽造クレジットカードとは、文字通り不正な方法によって作られた偽物のクレジットカードのことです。クレジットカードの偽造方法は様々な手口が存在して、かなり巧妙なものも存在します。その一例を紹介しましょう。
スキマーでクレジットカード情報を盗み取る
クレジットカードの情報を不正に読み取る行為をスキミング、またスキミングに使用される機械をスキマーと呼びます。スキミングは以下のような場面で行われる恐れがあります。
- ATMなどの機械の挿入口にスキマーを取り付ける
- 店員が利用者から預かったクレジットカードをスキマーで読み取る
- 警察官やカード会社の社員などになりすましてクレジットカードを預かる
- 空き巣や車上荒らしなどの不法行為
盗んだカード情報を磁気ストライプカードに書き込む
スキミングによって盗み取った情報を、他の磁気ストライプカードに書き込むと偽造クレジットカードの完成です。
こうして作られた偽造クレジットカードによる不正使用の被害額は年々増加しており、国内外を合わせると年間10億円以上に上ります。
被害に遭ったことがない方にとってはあまり実感がないかもしれませんが、スキミングや偽造クレジットカードといった不正行為は、決して珍しいものではないのです。
磁気ストライプは簡単にスキミングできる
特に磁気ストライプ式のクレジットカードはセキュリティが弱く、わずか数秒間でスキミングが完了してしまいます。
決済時にクレジットカードを店員さんに渡すことがあるかもしれませんが、絶対に自分のクレジットカードから目を離さないようにしましょう。
スキミングは被害に遭ったことに気づきにくい
ここで気をつけたいのが、スキミングするためには元となる本物のクレジットカードが必要ですが、スキミングが完了すれば、本物のカード自体は不要になるということです。
犯人は本物のクレジットカードを持ち去る必要がないので、被害に遭ったことに気づきにくいのです。
ICチップはスキミングに時間がかかる
一方でICチップを搭載しているクレジットカードはセキュリティに優れており、磁気ストライプよりもスキミングに時間がかかるとされています。
ただしICチップも不正に読み取られる可能性が絶対にないというわけではありません。磁気ストライプほど容易ではありませんが、十分な時間があればスキミングすることは可能です。
また隠しカメラを設置して暗証番号を盗み取るといった手口も存在します。暗証番号が漏洩してしまうと後述する盗難保険が適用されなくなる恐れがあるので、まったく油断はできません。
偽造を100%防ぐことは困難
磁気ストライプカードもICカードも、偽造を100%防ぐことは困難です。
ずっとクレジットカードから目を離さないでいても、読み取り端末の内側にスキマーが取り付けられていたりすれば気づくことはまず不可能でしょう。
戸締りをしっかりしていたとしても、空き巣や車上荒らしに遭う可能性はあります。しかも自宅内や社内に侵入してスキミングされた場合、物理的に物を盗まれなければ侵入されたこと自体に気づかず過ごしてしまうかもしれません。
しかし対策方法がまったくないわけではありません。また、たとえ被害に遭ったとしても、クレジットカードを正しく利用していれば損失を補償してもらうことが可能です。
偽造クレジットカードの対策方法

クレジットカードを偽造されないための対策は、とにかくスキミングされないように気をつけるという一点に尽きます。
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伊藤亮太/ ファイナンシャルプランナー
皆様にとって真に必要なライフプランニングの設計、資産運用相談を承っております。中立的な立場から、ご相談に応じます。砂金取りという趣味も実益をかねて実践中です。詳しくはZIPANNINGで検索を。
【専門家の解説】
年々偽造等による不正利用の被害は拡大しています。
ちょっとした隙に情報を抜き取られ、被害にあうものの、すぐには気づかず、後々明細を見て気づくという方も多くいます。
私たちができることは、
ICチップのクレジットカードにすること、
毎月の明細を確認し不正な利用はないかどうかをチェックすること、
仮に不正利用が疑われる場合にはすぐにクレジットカード会社に連絡しカードをとめること、です。
完全に偽造を防ぐことは困難であり、いつ何時情報を読み取られてもおかしくはありません。
店頭支払い時のほか、インターネットで購入する場合も情報漏れがないようにしっかり管理してください。
不正利用から60日以内の発見であれば一般的に補償されます。
古いカードを持っているといった場合には、はさみで切断するなどの処置を行いましょう。
盗難や紛失といった場合も同様に利用される可能性があるため、日ごろから注意することと、毎月最低一回でも明細書は確認し、変な買い物はないかどうかチェックしてくださいね。
ICチップ搭載クレジットカードを使う
最近国内で発行されたクレジットカードならほぼ必ずICチップが付いていますが、実際にはICチップが付いていないクレジットカードもたくさん使用されています。
特にダイナースについては2016年からようやくICチップ搭載カードの発行を開始したので、それ以前に発行された磁気ストライプのみのカードを保有されている方も、多いのではないでしょうか。
しかしセキュリティ的には、ICチップ非搭載のクレジットカードを使用することは好ましくありません。通販サイトや公共料金などの支払いならともかく、店頭ではICチップが付いているクレジットカードで決済しましょう。
ただしICチップを搭載しているクレジットカードには、特有の注意点があります。
暗証番号の漏洩に注意
ICチップを搭載しているクレジットカードを利用する場合、暗証番号の管理にも気をつけましょう。
クレジットカードには盗難保険や紛失保険などが付帯されていますが、これらは利用者に過失がないことを前提としています。
例えば暗証番号を自身の生年月日や電話番号など、第三者から容易に推測できる数字を設定していた場合、利用者に過失があるとみなされて損害が補償されない恐れがあります。
暗証番号を手帳などにメモしないことはもちろん、他人に推測されやすい数字を設定しないように注意してください。
店頭支払時はクレジットカードから目を離さない
スキミングはほんの一瞬で行われます。
店員がわざわざバックヤードに持って行かなくても、客が数秒間目を離した隙にスキマーに通すことは十分可能です。
店頭でクレジットカードを使用する場合は、常にクレジットカードから目を離さないようにしましょう。
機械の挿入口にスキマーが取り付けられてないか確認する
ATMやセルフレジなど、クレジットカードを機械に通す場面はたくさんあります。
もしその機械にスキマーが取り付けられていたとしても、一般の利用者が気付くことは難しいかもしれません。それでも不審な機械やカメラなどが設置されていないか、他の機械と見比べて可能な範囲で確認しましょう。
定期的に利用明細を確認する
定期的に届く利用明細書や、WEB明細を確認して身に覚えがない請求が上がっていないかチェックしましょう。もし不正使用されていたとしても、一定期間内であればカード会社によって補償してもらえる可能性が高いです。
根本的な対策ではありませんが、万が一被害に遭っても損害を最小限に抑えられます。
ところで、偽造クレジットカードによって不正使用されてしまった場合はどのように対処すれば良いのでしょうか。
偽造クレジットカードで不正使用された場合の対処法

クレジットカードは盗難や紛失時に不正使用された場合、60日以内に所定の手続きを済ませればカード会社の補償を受けられます。
しかし偽造クレジットカードによって不正使用された場合、本物のクレジットカードは手元に残っている可能性が高いでしょう。このようなケースではどのように対処すれば良いのでしょうか。
盗難・紛失保険は適用されない?
すべてのクレジットカードには盗難・紛失保険が付帯されています。
しかしこれらはあくまでも盗難や紛失などに対する補償であって、偽造クレジットカードによる不正使用は補償対象外としているクレジットカードも多いです。
それでは偽造クレジットカードによって不正に利用されてしまったら泣き寝入りするしかないのかと言えば、必ずしもそうではありません。
偽造カードによる利用代金を支払う必要はない
例えば三井住友カードの場合、会員規約第2章第13条によると会員は偽造カードの利用代金の支払いを免除するとされています。
偽造カードの使用に係るカード利用代金については、本会員は支払いの責を負わないものとします。この場合、会員は被害状況等の調査に協力するものとします。
前項にかかわらず、偽造カードの作出または使用について会員に故意または過失があるときは、その偽造カードの利用代金について本会員が支払いの責を負うものとします。
盗難・紛失による不正利用に対しては届け出から60日前までさかのぼって損害を補償するという形になっていますが、偽造カードについてはそもそも支払いの責を負わないとされているのです。
三井住友カード以外にもJCBカードや三菱UFJニコス、楽天カードなども同様の規約が制定されています。
ただしいくつかの注意点があります。
持ち主の故意や過失でないことなどが条件
先ほどの第13条に記載されている通り、偽造カードの支払いが免除される代わりに被害状況等の調査に協力しなくてはいけません。
また会員の故意や過失が認められる場合は、偽造カードで不正に利用された代金であっても支払いを求められることになります。
しかしこれは盗難・紛失保険でも同じことです。補償を受けるためには日頃からしっかりとクレジットカードを管理して、正しく使用しなくてはいけません。
カード会社によっては偽造カードの使用に対する規定を設けていない
UCカードやイオンカードなどの約款を確認すると、偽造カードによる不正使用時の対応については明記されていませんでした。
規定が設けられていない以上、カード会社によっては偽造カードによる不正使用分も会員に請求される可能性があると考えるべきです。
実際につい最近、UCカードを不正使用されたという方がなかなか補償を受けられず苦労したという話がありました。
参考:UCカードは大切なことは規約にキチンと書くべきだという話。|Togetter
上記のトラブルは偽造カードによる不正使用かどうかは不明ですが、盗難や紛失に該当しないという意味では偽造カードでも同じような対応をされる可能性が十分にあります。
この方のようにカード会社との交渉次第では支払いを免れることもできるかもしれませんが、カード会社の補償範囲についてはあらかじめよく確認しておきましょう。
すぐにカード会社へ連絡を
クレジットカードを不正に使用された疑いがある場合はすぐにカード会社へ連絡しましょう。
カード情報を盗まれたとしても、カード会社が利用停止してしまえば偽造カードも使えなくなります。
クレジットカードを再発行することになるので少なくない手間がかかりますが、そのまま放置して不正使用されてしまうともっと大変です。
定期的に利用明細を確認して、身に覚えがない決済が行われていないかチェックしましょう。
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伊藤亮太/ ファイナンシャルプランナー
皆様にとって真に必要なライフプランニングの設計、資産運用相談を承っております。中立的な立場から、ご相談に応じます。砂金取りという趣味も実益をかねて実践中です。詳しくはZIPANNINGで検索を。
【専門家の解説】
実は私も被害にあったことがあります。
とはいえ、明細でおかしいと気づいたほか、クレジットカード会社もおかしいと判断しカードが利用できなくなっていたためそれ以上の被害はなく補償も受けられたということがありました。
まとめ
今回はクレジットカードの偽造手口や、対策方法などについて紹介しました。
最近発行されたクレジットカードならほぼ確実にICチップが搭載されていますが、カード会社によってはまだあまり普及していなかったりします。特に店頭で決済するクレジットカードはなるべくICチップを搭載しているものを使用するように心がけましょう。
万が一、偽造カードを作られて不正利用の被害に遭っても、「カード会社の補償を受けられるので安心…」と言いたいところですが、カード会社によってはそうとも言い切れないので注意が必要です。手続きなどで、手間も時間もかかります。
対策方法はいろいろ考えられますが、利用明細の定期的なチェックは欠かせません。偽造だけでなく盗難や紛失などによる不正使用時の補償を受けるためにも、毎月最低でも1回は確認する習慣を身につけましょう。