家賃はクレジットカードで支払える?カード払いのメリットと対応している物件を探せるサイトまとめ
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賃貸物件などの家賃は、「口座引き落としや振り込みにしか対応していない」と思っている方が、多いのではないでしょうか。
実は最近は、クレジットカード決済に対応している不動産会社や仲介業者が増えてきています。
カード払いに対応している物件は、家賃だけでなく仲介手数料や礼金なども、まとめてカードで支払えることもあります。カードで支払えるならすぐに まとまったお金を用意しなくても大丈夫ですし、 ポイントをたくさん貯められるなどの大きなメリットがあります。
しかし業者が対応していても、物件がクレジットカード決済に対応していないとカードで支払うことができません。ここでは家賃とクレジットカード払いについて説明します。

伊藤亮太は「スキラージャパン株式会社」の取締役を務めるFP(ファイナンシャル・プランナー)。
慶應義塾大学大学院商学研究科経営学・会計学専攻を修了しており、在学中にCFP®を取得。
その後、証券会社にて営業・経営企画・社長秘書・投資銀行業務に携わる。
現在は富裕層個人の資産設計を中心としたマネー・ライフプランの提案・策定・サポート等を行う傍ら、資産運用に関連するセミナー講師や講演を多数行う。
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家賃をクレジットカードで支払える会社が増加中?

以前は預金口座から引き落とされたり、毎月振込で支払うのが当たり前だった家賃ですが、近年ではクレジットカードに対応する不動産会社・仲介業者が増加してきています。
また事業者によっては、クレジットカード決済に対応している賃貸物件で特集を組むなど、積極的に紹介しています。
しかし全体的に見れば、クレジット対応の物件はまだまだ少ないのが実情です。一体なぜでしょうか。
クレジットカードで家賃を支払えないケースが多い理由
クレジットカードで決済すると貸し手側である不動産会社や、あるいは物件のオーナーはクレジットカード会社に 加盟店手数料を支払わなくてはいけません。
この 手数料分だけ利益が少なくなってしまうということが、デメリットとして考えられます。
ここで「加盟店手数料を払わないといけないこと自体は、どの業界でも同じじゃないのか?」と疑問を持たれる方がいらっしゃるかもしれませんね。
確かに、クレジットカード決済を導入するとコストがかかるのは、どの業界の加盟店でも同じです。
例えばスーパーやショッピングモールであれば、クレジットカードにポイント還元などの特典を付けることによってたくさん買い物してもらえる見込みがあります。薄利になる代わりに、客単価を上げることが狙えるわけです。
しかし賃貸を契約しようとしている方が、「家賃の1%がポイントで還元されてお得だからもう1部屋借りよう!」とはなりませんよね。
他の加盟店がクレジットカードの導入によって受けられるような恩恵が、不動産会社では見込めないのです。
物件によっては不動産会社の一存では決められない
また不動産会社は、自身がオーナーではない物件の仲介も行います。いわゆる大家さんが所有している物件ですね。
不動産会社がオーナーの物件のみを扱っているのであれば、一律でクレジット決済に対応することは難しくありません。しかし仲介物件で家賃収入を得るのは不動産会社ではなく、物件の所有者である大家さんです。
そのため不動産会社の一存で、クレジットカード決済に対応することはできません。
以上のような理由から、家賃のクレジットカード決済はあまり普及していないのが現状です。
カード払いに対応している不動産会社・仲介業者は増加中
しかし、カード払いが全く普及が進んでいないわけでもありません。最近は 全物件がクレジットカード決済に対応している不動産会社や、 仲介手数料などの初期費用をクレジットカードで支払える仲介業者も、いくつか登場してきています。
また一部の賃貸情報サイトでは、クレジットカード決済に対応している物件を検索できるようになっており、不動産会社・仲介業者側も、 積極的に導入を進めようという動きが見られます。
全体の割合から言えばまだまだ少ないですが、今後クレジットカードで家賃を支払える物件は増えていくことでしょう。
クレディセゾンの新サービス
クレディセゾンが「家賃保証サービスの”Rent Quick”の取り扱いを、2017年7月1日から開始する」というリリースがこの6月23日に発表されました。
このサービスを利用するとセゾンカードでの支払いが可能となり、1,000円につき1ポイント(5円相当)が付与されます。
家賃は生活の中でも大きな出費となることから、ポイントを貯めることができるのは借りる側からしても大きなメリットです。
ますます家賃のクレジットカード払いの基盤が、整ってきているといえますね。
具体的な支払方法
クレジットカード決済だと、紐づけている預金口座から自動的に家賃が引き落とされるようになります。口座振込のように毎月ATMを操作したり、ネットバンキングで振込手続きを行う必要はありません。
具体的な手続き方法については不動産会社の決済システムによるので一概には言えませんが、これから賃貸を契約する場合は、契約書類と共にクレジット決済の申込書を記入するか、専用のWEBサイトなどからカード情報を登録します。
既に契約中の物件の支払方法を変更したい場合は、不動産会社に問い合わせてみましょう。
家賃や仲介手数料などをクレジットカードで支払うメリット

家賃や仲介手数料など、賃貸を契約することによって発生する費用をクレジットカードで支払うとどのようなメリットがあるのでしょうか。
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伊藤亮太/ ファイナンシャルプランナー
皆様にとって真に必要なライフプランニングの設計、資産運用相談を承っております。中立的な立場から、ご相談に応じます。砂金取りという趣味も実益をかねて実践中です。詳しくはZIPANNINGで検索を。
【専門家の解説】
最近ではクレジットカードで家賃が支払えるケースも増えてきています。
借り手としては、ポイントがたまること、1ヵ月程度後払いになり資金繰りの面で楽になることなどがメリットとして挙げられます。
貸す側から見れば、クレジットカード会社に支払う手数料がかかるものの、着実に家賃が入ってくる(保証も含め)ことが見込まれるというメリットがあります。
とはいえ、手数料をどうとらえるかで、なかなか導入に踏み切れない面もありそうです。
また、手数料がかかるならば、その分家賃に上乗せしようと考える大家さんもいるかもしれません。
そのため、クレジットカード払いができる場合の家賃と、口座振替の場合の家賃とで差がないかどうかを確認しましょう。
場合によっては口座振替や送金の方が安く済む場合もあるかもしれません。
クレジットカードのポイントばかりにこだわらず、実際どっちのほうが安くなるのか、ご自身にとってメリットが大きいのか比較したうえで家賃の支払い方法を決めていきましょう。
クレジットカードで家賃が支払えることが普及していくと借りる側のメリットが増えるものの、大家さん次第です。
是非そうした社会になってほしいものです。
支払のタイミングを遅らせることが可能
クレジットカードは決済してから、実際に口座からお金が引き落とされるまでに、タイムラグがあります。
例えば1.2%のポイント還元率で有名なリクルートカードは毎月15日締め、翌月10日払いです。3月16日から4月15日までに請求処理が行われたものについては5月10日に引き落とされますが、4月16日を過ぎた分は6月10日引き落としとなります。
つまり家賃の請求が毎月月末に行われるとすると、口座から引き落とされるのは翌々月の10日ですから1か月以上先になるわけですね。

実際に請求されるタイミングは不動産会社などによって異なりますが、クレジットカードもカードによって、締め日や支払日が異なります。なので上手に組み合わせて支払えば、 口座振込よりも1か月以上遅らせることが可能です。
また不動産会社によっては、家賃のクレジットカード決済には対応していなくても、初期費用については対応していることもあります。
特に契約時は仲介手数料や敷金、礼金などの高額な初期費用が発生します。
また住環境が変わるということは、引っ越しなどの費用もかかってきますよね。これらをクレジットカードで支払うことが可能であれば、手元にまとまったお金がなくてもひとまず契約を結ぶことは可能です。
いずれ支払うお金とは言っても、物件や借りるタイミングによっては家賃の3倍から5倍、あるいはそれ以上の金額が必要になることもあります。
いろいろと物入りになるでしょうし、1か月遅らせるだけでも支払いはかなり楽になるのではないでしょうか。
クレジットカードの支払日について知りたい方は、「 クレジットカード会社別、支払日と締め日リストはこちら!支払い遅延の対処法」の記事も参考にしてくださいね。
ポイントを貯められる

もう1つクレジットカードで支払うメリットがあります。それは支払金額に応じて貯まる、 ポイントやマイルの存在です。
例えば1%還元の楽天カードで 毎月5万円支払えば500ポイント、 10万円支払えば1,000ポイントの楽天ポイントが付与されます。
同じ金額を支払うなら、現金よりもポイントなどの還元が受けられるクレジットカードで支払うほうが、お得ですよね。
このように借り手側には2つの大きなメリットがあるわけですが、貸し手側である不動産会社や大家さんにもメリットはあります。
不動産会社や大家さんからもクレジットカード決済が喜ばれる理由
クレジットカード決済は、 「家賃の滞りない回収」という観点からも便利です。
賃貸を契約する際、多くの物件では不動産会社から保証人を立てるように求められます。保証人を頼める方がいなければ、保証会社の利用を勧められるかもしれません。
貸し手側としては、保証人を立てられない方に部屋を貸すのはリスキーな行為です。万が一借り手が家賃を支払えなくなった場合、 未払いの家賃を回収できなくなる恐れがあるからです。
しかし契約条件に保証人を必須にしてしまうと、借り手が現れにくくなってしまいます。家賃を確実に回収するのか、それとも借り手を見つけることを優先するのか、難しい問題です。
ところがクレジットカード決済だと、これらの問題が解決します。
引き落とし日に口座のお金が足りなくて家賃が支払われなかったとしても、クレジットカード会社が取り立てを行ってくれるので 不動産会社や大家さんが動く必要はありません。
また 保証人を立てるよりもハードルが低いので、より多くのお客さんにアプローチをかけることが可能です。つまり「保証人になってもらえる人はいないけれども、クレジットカードは持っている」という人に安心して貸すことができるわけです。
一般的にクレジットカード決済は、「加盟店手数料を支払わないといけない分だけ、お店にとって負担になっている」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。
家賃や仲介手数料などをクレジットカードで支払う注意点

借りる側にとってのクレジットカード決済のメリットについては既に説明した通りですが、注意点すべき点がいくつかあります。
家賃が割高になっている可能性がある
「ポイントやマイルが貯まるから、クレジットカードで支払える賃貸に住みたい!」
このように考える方も多いかもしれませんが、クレジットカードで支払えるからと言っても、必ずしもお得であるとは限りません。
クレジットカード決済に対応しているということは、その物件のオーナーも加盟店手数料がかかることは織り込み済みです。つまり手数料によって収入が目減りすることを考慮して、 家賃を高く設定している可能性があります。
またクレジットカードのポイント還元がお得と言っても、せいぜい1%程度の話です。家賃10万円以下の物件ならわざわざクレジットカード決済に対応している物件から選ぶよりも、1,000円安い物件に住んだほうがコストを抑えられるということになります。
したがって家賃の支払いでクレジットカードのポイントが貯まるというのは、 あくまでもおまけ程度に考えておきましょう。
同じ条件で現金払いなら安いところがないかも確認を

家賃も含めて全ての条件が同じなら、口座振込よりもクレジットカードで支払うほうがお得です。
それは間違いないのですが、逆の立場で考えると 口座振込のほうが家賃収入が大きくなるので、家賃を1,000円程度低く設定しても、クレジットカード決済と同じだけの利益を出すことことが可能なわけです。
本来は加盟店手数料を、商品の価格に上乗せしてはいけません。これは加盟店が支払うべき費用であり、利用者が負担する必要はないものです。
しかし例えば同じ物件を仲介業者Aではクレジットカード可の物件として、また仲介業者Bではクレジットカード不可の物件として、それぞれ異なる家賃設定で売りに出すことはできます。
あまりないケースかもしれませんが、クレジットカード決済が可能で良さげな物件を見つけたら、他の賃貸情報サイトなどを利用して、 同じ物件が異なる価格で掲載されていないか調べてみるのも良いでしょう。
家賃収納がポイント付与対象外のカードもある
クレジットカードによっては、家賃収納ではポイントが付与されないことがあります。
例えばオリコカードの場合、ポイントサービス「暮らスマイル」の対象カードのみ家賃収納でポイント(スマイル)が付与されます。
暮らスマイルではなくオリコポイントが貯まる、「Orico Card THE POINT(オリコカードザポイント)」や、リボ払い専用カード、また一部の提携カードではポイントが付与されません。
家賃収納がポイント付与の対象になるかどうか分からなければ、あらかじめ各カード会社に問い合わせて確認しましょう。
ポイント付与の対象となる費用も事業者によって異なる
家賃以外にも共益費、管理費など毎月支払う費用の全てがポイント付与の対象となるクレジットカードもあれば、家賃以外の名目は対象外としているクレジットカードもあります。
全部ひっくるめて「家賃」として考えていると、「想像していたほどポイントが貯まらなかった…」なんてことにもなりかねません。
具体的に何の費用が対象となるのかも、確認しておきたいですね。
カード払いに対応している賃貸物件を探せるサイト

クレジットカード決済に対応している賃貸物件を取り扱っている不動産会社と、その探し方を4つご紹介します。
大東建託
大東建託が管理運営している賃貸物件は、賃貸住宅の入居時費用や毎月の家賃についてもクレジットカード決済に対応しています。
国際ブランドはアメックス、ダイナース、JCB、MasterCard、VISAの5種類に対応しているので、多くの場合は現在お持ちのクレジットカードで支払うことができるでしょう。
賃貸検索画面で「検索条件の追加」からその他にある「クレジット対応物件」にチェックを入れると、クレジットカード決済に対応している物件のみに絞ることができます。
at home
at homeでは初期費用や家賃のクレジットカード決済に対応している、賃貸物件を探すことができます。
賃貸のページにある「条件から探す」の「クレジットカードで支払える物件特集」をクリックすると、クレジットカード決済に対応している物件から希望の条件に合う物件を検索できます。
アパマンショップ
アパマンショップは家賃のクレジットカード決済に対応している、賃貸物件の検索が可能です。
希望の条件で検索した後、絞り込み条件の「入居条件」から「家賃カード決済可」にチェックを入れて再検索すればOKです。
住友林業レジデンシャル
住友林業レジデンシャルが管理している物件は、ほぼ全てが初期費用のクレジットカード決済に対応しています。
利用可能なクレジットカードの国際ブランドは、VISAとMasterCardに限られます。また対象となる初期費用には以下が含まれます。
- 敷金
- 礼金
- 仲介手数料
- 前家賃
- 家賃債務保証料等
ただし一部対象外の物件や費用もあるので、詳しくはお申込み時にご確認ください。
まとめ
賃貸の家賃や仲介手数料を含む初期費用をクレジットカードで支払える不動産会社や仲介業者は増加しています。
しかし、「取り扱い物件全てがクレジットカードに対応している」という事業者はまだまだ少ないです。
家賃をクレジットカードで支払えると毎月振り込む手間が省けたり、ポイントやマイルを貯められたりと借りる側としてはたくさんのメリットがあります。
デメリットを挙げるとすれば、対応している物件が少ないという点に尽きますね。
確かに家賃が全く同じなら、ポイントを貯められるクレジットカード対応物件のほうがお得です。しかし貯められると言ってもせいぜい1%から2%くらいのものでしょう。
一般的な賃貸なら、1,000円でも安いほうを借りたほうが総コストでも安くなるはずです。
クレジットカード対応にこだわり過ぎず、賢く選びましょう。