スマホ決済は危険?決済手段とリスク回避法について詳しく解説
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お財布がなくても気軽に支払えるスマホ決済に関心があるけれど、その安全性が気がかりという人も多いのではないでしょうか。
スマホ決済にはさまざまな種類があり、どのような基準でどう選べばよいかがわからないという人もいるはず。
ここでは、スマホ決済の種類やメリット・デメリットとともに、スマホ決済における危険性やその回避方法なども紹介しています。

菊地崇仁 / クレジットカード専門家
スマホ決済と聞くと、最近では「○○ペイ」を思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、以前からSuicaや楽天Edyなど、スマホになる前のガラケーでも「おサイフケータイ」として端末をかざして支払う事ができました。
これらもスマホ決済サービスに当たります。
最近はセブンペイやドコモ口座など、新たな決済サービスで不正利用が発生したというニュースが多いため、怖いと思われる方も多いと思われますが、約60年の歴史のあるクレジットカードでも不正利用は発生しています。
不正利用は年々増加しており、不正利用はある物だと考えておいた方が良いでしょう。
スマホだから危険というわけではなく、提供元の補償制度をしっかり確認して使い、利用明細をしっかり確認する事が重要です。
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スマホ決済の種類とセキュリティを知る
スマホさえあればお財布いらず――
簡単かつ気軽に支払えるとして人気のスマホ決済ですが、その種類の多さにとまどいがあったり、セキュリティの程度がわからず二の足を踏んでいるという人もいるでしょう。
ここでは、スマホ決済を大きく2つの種類に分け、それぞれの方式を採用している決済サービスとセキュリティについて解説していきます。
スマホを端末にかざして支払う「NFC決済」
レジなどの端末にスマホをかざすことで決済が完了する方式を「NFC決済」(非接触型決済)と呼びます。
「NFC決済」の特徴は、非常にスマートに決済を終えられること。
スマホのアプリを起動するといった動作がいらず、決済時間が短いのがメリットです。
利用する場合は、スマホにインストールした決済アプリに残高をチャージしたり、クレジットカードに紐づけたりして支払いますが、旧式のスマホなどではこの機能をサポートしていないものもあります。
「NFC決済」を導入しているスマホ決済の代表格
「NFC決済」を導入しているスマホ決済の代表格は、SuicaやEdy、おさいふケータイ、Google Pay、Apple Payなど。
この他にも、交通系ICカード、WAONなどに使われている「FeliCa(フェリカ)」の機能がスマホに搭載されていれば、スマホをカードリーダーにかざすだけで簡単に決済を終えることができます。
「NFC決済」のセキュリティはクレジットカード情報を暗号化
NFC決済のセキュリティには、機密情報を暗号化する技術が取り入れられています。
スマホやクラウド上に登録されたクレジット情報などは暗号化され、決済後すぐに破棄されるため、店舗側には情報が残りません。
情報漏洩・不正利用などのリスクが低く、安全性が高いと言ってもよいでしょう。
QRコードを表示して支払う「QRコード決済」
QRコード(2次元バーコード)を表示してレジなどで読み取ってもらったり、スマホのカメラを使ったりしてQRコードを読み取り決済するサービスを「QRコード決済」と呼びます。
どちらのパターンも旧機種や安価なスマホでも対応可能で、店舗側のコストが低いというのが特徴で、「QRコード決済」を導入している場所が多いのが大きなメリットです。
「QRコード決済」を導入しているスマホ決済の代表格
「QRコード決済」を導入しているのは、知名度の高いPayPay(ペイペイ)やLINE Pay(ラインペイ)、d払いなど。
この他にも、楽天Payやau PAY、メルペイなどが含まれています。
「QRコード決済」のセキュリティ対策
決済に用いるクレジットカード情報は縦と横の2方向に情報を記録する2次元バーコードに変換されており、店舗側でカード番号や個人情報を識別することはできません。
さらに、スマホ上に示されるQRコードの期限はほんの数分間であるため、たとえQRコードの写真を撮られたりしても、不正利用される恐れがないのです。
次の項目では、スマホ決済に用いられる3つの支払い方法についてわかりやすく解説します。
スマホ決済の3つの支払い方法
スマホ決済に用いる支払い方法としては、以下に挙げる3つの方法があります。
ここでは、それぞれの方法についてわかりやすく解説するとともに、その方法を採用しているスマホ決済を紹介しましょう。
事前に入金しておくプリペイド(チャージ)方式
Suica(スイカ)、WAON(ワオン)、楽天Edy(エディ)などで採用されているのが、事前に入金したお金を使う「プリペイド(チャージ)方式」です。
クレジットカードと連携させて、自動的にチャージする機能などもありますが、利用する金額だけをチャージするようにしておけば使いすぎる心配がなく、計画的にお金を使えるのがメリットです。
その場で銀行口座の残高から支払われるリアルタイムペイメント方式
デビットカード、ゆうちょPayなどで採用されているのが、決済と同時に登録ずみの銀行口座から支払われる「リアルタイムペイメント方式」です。
銀行口座の残高以上の決済は不可能となっているため、お金を使いすぎる人にはぴったり。無理のない方法で支払いに充てたいという人におすすめです。
利用後の決められた期日にまとめて支払うポストペイ方式
iD(アイディ)やQUICPay(クイックペイ)などで採用されているのが、1ヵ月分の利用額を毎月決められた期日に支払う「ポストペイ方式」です。
クレジットカード代金の支払いと一緒に支払うため、チャージする手間が必要ありません。
スマホにクレジットカード情報を登録することで、簡単に決済できるのみならず、サインなども不要とあって使い勝手のよいサービスです。
スマホ決済には、使い勝手のよさに加えてさまざまなメリットがあります。次の項目では、スマホ決済のメリットを5つ挙げ、解説していきます。
スマホ決済のメリットはこの5つ
スマホ決済は非常に手軽という以外にも多くのメリットがあります。
ここでは、スマホ決済のメリットとして挙げられる次の5つの項目についてわかりやすく解説していきます。
メリット
決済がすばやいので時間を短縮できる
スマホ決済のいちばんの魅力は、短い時間で決済を終えられるということ。
お財布を取り出し、お金を出してお釣りを受け取り、財布にしまったうえでカバンに入れるといった一連の動作は全て必要ありません。
スマホを専用の端末にかざしたり、QRコードを提示したりする(もしくは読み取る)だけ。
こうした簡単な流れですむため、時間のないときやできるだけ荷物を減らして外出したいというときに非常に便利です。
ポイントが貯めやすくお得感がある
スマホ決済にはポイント制度があり、クレジットカードなどと同様、スマホ決済を利用しての買い物のたびにポイントが付与されます。
また、キャンペーンなども頻繁に行われているため、ポイントが貯めやすくなっています。
クレジットカードと連携していれば、ポイントの二重取りもできるなどお得感が強いです。
その場合、通常の買い物でも0.5~1%程度のポイント還元が期待できます。
友人・知人間で個人送金も可能
スマホ決済の中には、同じアプリを使ってさえいれば個人的な送金が可能なものも存在します。
現金を先方の銀行口座に振り込んだり現金書留などで送ったりするのは面倒だけれど、ちょっとしたお金をやりとりしたいというときに便利。
立て替えてもらったお金を返したり、お祝金を送ったりするときなどにも使い勝手のよいサービスです。
決済手段が豊富で自由に選択できる
スマホ決済のサービスは非常に豊富で、ユーザーが自分にとって便利なものを選択できるのが大きな魅力です。
後払いにするか前払いにするか、非接触型方式にするかQRコード形式にするかといった選択肢だけでなく、どのような支払いにどの決済手段を選択するかも自由。
いくつもの決済手段からその場に応じて使い分けられるというのもうれしいポイントです。
比較的高度なセキュリティが採用されている
先に述べたように、スマホ決済には安全性の高いセキュリティ対策がなされています。
加えて、スマホを落としてしまった場合にもスマホの暗証コードや指紋認証などが壁になるため、現金やクレジットカードなどと比べても悪用されるリスクが低いとされており、安心して利用できるのが強みです。
とはいえ、スマホ決済にデメリットがないわけではありません。

新井智美 / トータルマネーコンサルタント
現在のスマホ決済には、2段階認証や顔認証など高度のセキュリティ対策が取られていることから、不正利用などのトラブルは少なくなってきていると言われています。
とはいえ、インターネット犯罪の手口は日々巧妙化しており、さらには企業における情報漏洩など、こちらでは対応しきれない危険性を含んでいることは事実です。したがって、スマホ決済の決済手段の特徴をしっかりと理解し、利用者側である自分自身ができる限りの対策を行うことが必要です。
IDやパスワードの使いまわしはもってのほか、日頃送られてくるメールやショートメッセージなどにリンクが貼られている場合は、開く前に本当に安全なものなのかどうかを必ず確認するようにしてください。確認方法として有効なのは、そのメールの送付元のアドレスをチェックすることです。
見慣れないドメインのアドレスであればフリーメールの可能性が高いことから、決して開かないようにすることが大切です。最近では金融機関や大手ショッピングサイトの名を騙った「フィッシングメール詐欺」が横行しています。
いつも利用しているサイトの名前が表記されているからと安心せず、送付元のメールアドレスを確認するなどのチェックを常に心がけておきましょう。
次の項目では、スマホ決済を利用する上でのデメリットを3つの側面から見ていきましょう。
スマホ決済のデメリットはこの3つ
スマホ決済は、非常に短い時間で決済が完了する、セキュリティが高く安心して利用できるといったメリットがある一方で、いささか面倒に感じられる点もあります。
ここでは、スマホ決済のデメリットとして以下の3点を挙げ、解説しています。
デメリット
使える場所が限られている
スマホ決済はこのところ急速に拡大しているとはいえ、クレジットカードなどと比べると、対応していない店舗の多さは否めません。
使いたいときに使えない、使える場所が限られているといった実感がある人も少なくないでしょう。
できればスマホ一つしか持ち歩かずにいたいという気持ちがあっても、スマホ決済ができない可能性を考えるとなかなかそれもできないということもあるはず。
今後スマホ決済を導入する店舗は多いと考えられますが、現状として、スマホ決済に対応していない店舗が多数にのぼるという点はデメリットの一つです。
スマホの充電が切れたら使えない
スマホ決済の大きな欠点が、スマホが使えなくなると決済できないということ。
スマホ決済は、スマホの状態に依存せざるを得ません。
充電が切れたり、突如として壊れたりといったスマホのトラブルが、支払いできない状態を引き起こします。
こうしたトラブルを避けるため、外出前の電池残量チェックを欠かさないことが大切です。
スマホの状態によっては、予備のバッテリーを持ち歩くといった対策も必要になるでしょう。
利用前の登録手続きが必要になる
スマホを利用しての決済には、ほとんど時間がかかりません。
しかし、これは事前に登録手続きを行っている場合だけ。
スマホ決済を利用するためには専用アプリのダウンロード、アカウントの作成、SMSなどによる認証、支払い方法の選択といった事前手続きが必要になっています。
さほど時間をかけずに登録できるよう工夫されているとはいっても、支払い方法を選択して即実行できるわけではありません。
また、登録に用いたメールアドレスやパスワードなどを管理する必要も出てきます。
スマホ決済の登録手続きは時間に余裕があるときにすませ、メールアドレスやパスワードは記録しておくようにしましょう。
ここまでスマホ決済のメリット・デメリットを確認してきました。
メリットの一つに、セキュリティの高さを挙げましたが、スマホ決済であればリスクがないというわけではありません。
次の項目では、スマホ決済をするうえで気をつけておきたい不正利用の可能性について言及します。
スマホ決済で気をつけたい3つの不正利用
スマホ決済には、十分なセキュリティ対策がとられています。
とはいえ、これまで不正利用されたことがないわけではありません。
ここでは、これまでにスマホ決済が不正利用された実例を挙げつつ、セキュリティ面で気をつけておきたいポイントについて解説していきます。
偽造QRコードによる不正利用
「QRコード決済」は、個人情報の漏洩を防ぐという意味では非常に強固なセキュリティを誇りますが、店舗のレジに設置されているQRコードそのものが偽造コードに改変されたり、すり替えられたりしていた場合には弱いという欠点があります。
- 実際に中国では、決済したお金の送金先が変更され、売り上げが盗まれるという事件も頻発しています。
その対策として、1日あたりQRコードによる送金は500元までという規制ができたほどです。
公式サイトに似せた偽サイトでIDとパスワードを盗み出すフィッシング詐欺
「NFC方式」「QRコード方式」ともにリスクがあるのは、公式サイトに似せた偽サイトでユーザーのIDとパスワードを盗み出す、フィッシング詐欺です。
決済サービスの公式サイトにログインしようというユーザーを狙ったもので、多数に送り付けた偽メールから偽サイトに誘導し、クレジットカード情報などを盗み取るというもの。
- 実際に、2018年には大手キャリアを装ったフィッシング詐欺事件が多発し、キャリア決済が不正利用される事件が起きています。
サービスのセキュリティの隙をついた不正利用
サービスのセキュリティの隙をついた不正利用も少なくありません。
- 2018年12月ごろには、決済サービスのセキュリティコードの入力回数に制限がないという点を狙った不正利用が発覚しています。
- また、2019年7月には、ログインIDとパスワードを不正に入手した犯人がなりすましを行うという犯罪が発覚しました。
では、これらの不正利用を防ぐためにはどのような点に注意しておかねばならないのでしょうか。
次の項目では、スマホ決済におけるリスクを回避するための方法を6つ、具体的に紹介しています。
スマホ決済におけるリスクを回避するための6つの方法
スマホ決済にはさまざまなセキュリティ対策がとられていますが、ユーザー側がより適切な利用を心がけることで、リスク回避の可能性がさらに高まります。
ここでは、スマホ決済を不正利用されないための方法として以下の6つを挙げ、わかりやすく解説していきます。
スマホ決済におけるリスクを回避するための6つの方法
スマホの画面をしっかりロックする
スマホ決済用のアプリをインストールしているなら、スマホの画面ロックは必須です。
指紋認証や顔認証、パスワード入力などを駆使し、普段から習慣化するようにしておきましょう。
スワイプだけでスマホを開けるようでは、スマホを紛失したり置き忘れたりした際に悪用される可能性があります。
人から推察されにくいパスワードやログインIDにする
スマホ決済用のアプリのログインIDやパスワードを設定する際は、人から推察されにくいものを選ぶようにしましょう。
他のサービスに利用しているログインIDやパスワードの使いまわしは、被害を大きくする原因になります。
一つひとつのサービスに別のログインIDとパスワードを用意し、誕生日や電話番号といった数字を用いないように工夫してください。
決済アプリのセキュリティ設定を高度にしておく
スマホ決済用アプリに関しても、セキュリティ設定を高度なものにしておきましょう。
アプリ利用時にパスワードを求める、指紋認証が必要であるといった設定であれば、不正利用は難しくなります。
時間をかけずに決済できるというスマホ決済のメリットを重視する場合は、指で触れるだけでアプリを開ける指紋認証がおすすめです。
ログインする際は公式サイトであることを確認する
フィッシング詐欺が横行している昨今、Webサイトから決済用アプリへのログインに際しては、公式サイトであるかどうかをしっかり確認することが大切です。
メールに示された公式サイトのURLをそのままうのみにすることがないよう注意してください。
利用した決済サービスの履歴を確認する
決済アプリを日常使いするようになると、利用履歴などをこまめに確認しなくなる人が少なくありません。しかし、これが不正利用を招く落とし穴。
何かしらの不正利用があったとき、すぐに確認できるよう、こまめに確認する姿勢が大切です。
覚えのない利用履歴、チャージ残高の減額などがあれば、サービス提供元にすぐ相談するようにしましょう。
スマホのGPS機能をオンにしておく
スマホを置き忘れてしまい、どこにあるのかわからなくなった――こんなときに役立つのが、スマホのGPS機能です。
GPS機能をオンにしておけば、スマホの位置情報をたどることができたり、スマホを遠隔操作でロックしたりすることも可能です。
こうした対策を練る一方で気をつけておきたいのが、スマホを持つ子どもたち。
スマホ決済アプリについている個人送金機能は、子ども同士に思わぬ金銭トラブルを引き起こしかねません。
次の項目では、スマホ決済を利用するお子さんと保護者さんにぜひ実践していただきたい、スマホ決済のリスク回避方法を紹介します。
クレジットカードの登録ができないようにするなど、子どものスマホ決済トラブルを回避
スマホを持つ中学生が激増している昨今、スマホ決済をめぐって子どもが金銭トラブルに巻き込まれかねないという懸念が高まっています。
子どもが決済アプリの個人送金機能で、お金を巻き上げられるかつあげや詐欺などの被害にあう危険性も。
こうしたトラブルを防ぐために必要なのが、保護者によるスマホ決済の管理。
送金機能の上限設定や利用禁止などに加え、クレジットカードの登録ができないようにするなどを行うことで、子どものスマホ決済トラブルを回避しましょう。
まとめ
この記事では、巷にあふれるさまざまなスマホ決済について紹介しつつ、そのセキュリティについて解説しました。
スマホ決済には多くのメリットがありますが、高度なセキュリティを破られるリスクがあるのも事実です。
スマホ決済を利用する場合は、不正利用や詐欺事件に巻き込まれないようにその危険性を正しく理解し、安心して利用するためのポイントを押さえた行動をとることが大切。

この記事を参考に、より安全かつ安心にスマホ決済をご活用ください。
スマホ決済を安心して使うためにも、スマホ決済の基本的な情報とセキュリティについての知識を身につけておきましょう。