養育費が払えないとどうなる?支払いがきついときの対処法を解説
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離婚によって子どもと離れてしまい、相手方に養育費を支払わなければならないのに払えない状態に陥ってしまうと、強制執行などで財産差し押さえの憂き目に遭う可能性があります。
扶養義務は親権や監護者でない場合でも発生するため、もし何かしらの事情で養育費を払えなくなってしまうと、同じように強制執行が行われてしまうかもしれません。では、養育費が払えないとなった場合、どのように対策すればいいのでしょうか。
本記事では、養育費が払えないと起こりうることと養育費の定義、払えない場合の対処法について解説します。
ファイナンシャルプランナー
監修者金子 賢司
株式会社エイチームライフデザイン
編集者イーデス編集部
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養育費が払えないとどうなる?
養育費が払えない場合、民法第776条1項および同法第877条1項に反しているとして、以下の措置が実行される可能性があります。
- 財産が差し押さえられる
- 刑事罰に処される
それぞれの詳細を見てみましょう。養育費の詳細については「そもそも養育費とは」で解説します。
財産が差し押さえられる
離婚時に裁判所での手続きや公正証書を作成しており、なおかつ養育費についての取り決めを明記している場合、養育費が払えない状況になると強制執行が実施される可能性があります。強制執行とは、養育費を支払うと明記された支払義務者の財産を差し押さえ、そこから養育費を回収する手段です。
強制執行による養育費の回収は、支払義務者の給与の手取りの半分まで差し押さえができる強力なものです。例えば支払義務者の給与が40万円であった場合、最大で20万円が差し押さえられる計算となります。養育費以外の差し押さえは4分の1が上限であることを考えれば、いかに重い措置かわかるでしょう。
また、差し押さえによって過去の未払いの養育費だけではなく、将来支払う予定の養育費も差し押さえできます。差し押さえされると勤務先にも養育費を払っていない状況が知られることになり、社会的な信用を落としてしまう可能性もあるのです。
刑事罰に処される
養育費が払えない状況を放置していると、刑事罰に処される可能性があります。逮捕こそされないものの、公正証書で決められたとおりに養育費を払っていない場合は裁判所から履行命令が発せられます。簡単に言えば、「取り決めを守って養育費を支払いなさい」という文章です。これを無視していると、裁判所から10万円以下の過料に処されることがあります。
また、これとは別に裁判所から発せられる財産開示手続きに協力しなかった場合にも、刑事罰が適用されるようになりました。令和2年の民法改正によって新設されたもので、財産開示手続きを無視あるいは虚偽報告した場合、6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金が課されます。
養育費を公正証書の取り決め通り支払わずに放置していると、裁判所などから何らかの命令が来ます。この命令を無視していると、最終的に前科が付いてしまうかもしれない点に注意しましょう。
どうしても養育費の支払いがきついときは減額できないか相談しよう
仮に養育費の支払いが厳しくても、保護者の義務である以上、免除は難しいでしょう。無職でも自己破産後でも養育費は免除の対象外であるため、免除される見込みは少ないと言えます。ただし、減額に関しては交渉の余地があるため、どうしても支払いがきつい場合は養育費の減額を願い出てください。
養育費は比較的長期で払うものであるため、減額が認められています。支払っている期間中に収入状況が変化する可能性があるためです。具体的なケースは次章で解説しますが、基本的には話し合いで決定します。もし、話し合いで決まらない場合は、裁判所へ減額調停を申し立てることで減額への道筋を残すことができます。
養育費の減額が認められるケース
ポイントは養育費を支払う側の事情だけではなく、受け取る側や子どもの状況でも減額が認められるケースがある点です。それぞれ減額できる理由と詳細を解説します。
養育費を支払う側の収入がやむを得ない事情により減った
養育費減額の最も大きな理由が、支払う側の収入が何かしらの事情で減ってしまい、公正証書で取り決めた金額を払えなくなってしまった場合です。
基本的に、養育費の算出には裁判所が公開している「養育費算定表」が基準となっています。ただし、養育費算定表はあくまでも基準であり、最終的には支払う側と受け取る側の収入バランスなどを考慮して最終的な金額が決定されます。そのため、仮に支払う側がリストラや退職、勤務先の倒産や給与の引き下げによって収入が減少すると、養育費の減額が認められるのです。
養育費を支払う側の扶養家族が増えた
離婚後に養育費を支払う側が再婚して新たに子どもを授かった場合、支払う側の扶養家族が増えたという理由で養育費の減額が認められる場合があります。新しい子どもに対しても養育費を残さなければならず、前のパートナーの子どもと合わせて経済的負担が増えてしまうためです。
支払う側の経済的負担が大きくなってしまうので、養育費の減額請求が可能になります。ただし、支払う側の収入や再婚後のパートナーの収入などによって、最終的に減額できるかどうかは変わってくるため注意してください。
養育費を受け取る側の収入が増えた
養育費を受け取る側の収入が増えた場合も、支払う側が支払う養育費の減額請求ができます。大原則として、養育費は支払う側と受け取る側の収入のバランスを考慮して決定されます。もし受け取る側の収入が増えた場合は、このバランスが変化するため、減額請求が通る可能性があります。
ただし、離婚時に受け取る側の収入が増えることを加味して金額を決めていた場合、減額請求が通らない場合もあります。また、離婚時には想定できなかった進学に伴う高額な学費の支払いが発生した場合や、病気療養のための治療費が必要となる場合も減額は認められません。
子どもが養子縁組をした
受け取る側が再婚し、その子どもが新たなパートナーとの間で養子縁組をした場合、支払う側の養育費の減額が認められる可能性があります。場合によっては免除されることもあります。
これは、法律上、養子縁組によって第一次扶養義務者が受け取る側の再婚相手になるためです。支払う側も親であることに変わりありませんが、養育義務は軽くなるため減額・免除が認められるかもしれません。
ただし、再婚相手が正当な理由で働けない、収入がない場合は減額できない場合もあります。また、子どもが再婚相手と養子縁組をしない場合は、養育義務者に変化がないため、減額は認められません。
編集部
養育費は、原則離婚時に取り決めた公正証書通りに支払う必要があります。ただし、支払う側・受け取る側の収入の増減や生活状況の変化で減額が認められる場合があります。
それでも養育費が払えないときの対処法
養育費の減額が認められない、あるいは認められたもののそれでも支払いができない場合、どうしても払えない月の場合は次のような方法でお金を工面する必要があります。
- 教育ローンでお金を借りる
- カードローンでお金を借りる
それぞれどのような手続きが必要なのか、メリット・デメリットを含めて解説します。
CFP(日本FP協会会員)
監修者 金子 賢司の一言コメント!
急ぎの場合は、クレジットカードにキャッシング枠が設定されていないか確認してみましょう。 キャッシング枠が設定されていれば、借入限度額の範囲内であれば審査なしでお金が借りられます。 ただし借入限度額が少なく、金利が高めです。そのためキャッシング枠は、少額かつ急ぎでお金が必要なときに有効な方法と言えるでしょう。 なおキャッシング枠が設定されていないときは、申し込みのうえ、審査に通過しなければ利用できません。
金子さん
教育ローンでお金を借りる
ひとつ目は、教育ローンで養育費を工面する方法です。教育ローンとは、文字通り子どもの養育にかかるお金を銀行などから融資してもらう方法です。法律上離婚していても子どもの扶養者であることに変わりはないため、教育ローンでお金を借りることはできます。
方法は銀行の窓口で必要事項を記入して審査を待ちます。審査通過後、融資額や返済金利・返済期限などが提示されるため、条件が問題なければ契約して融資実行となるのが基本的な流れです。融資実行までには原則1週間~2週間かかるため、書類などを確認して事前に準備しておくものを用意する必要となります。
また、ひと口に教育ローンと言っても、取り扱う銀行によって金利や返済期限、融資上限額が異なる場合もあります。いくつかの銀行を比較して、自身の希望に合う銀行を見つけましょう。
CFP(日本FP協会会員)
監修者 金子 賢司の一言コメント!
教育ローンには国の教育ローンもあります。 国の教育ローンとは、日本政策金融公庫という政府系金融機関が取り扱っている「教育一般貸付」のことです。 融資限度額は子ども1人あたり350万円、また一定の要件を満たす場合は450万円まで利用できます。 また固定金利なので、市中金利が変動しても、借入時の金利が完済するまで変わりません。 金利は年2.25%(2024年1月末時点)ですが母子家庭や父子家庭は金利が優遇される特例があります。
金子さん
カードローンでお金を借りる
カードローンとは、消費者金融や銀行が取り扱っている、使途に制限がない融資方法です。特に消費者金融系のカードローンは審査に時間がかからないため、急いでいるタイミングであれば消費者金融でのカードローンが良いでしょう。銀行のカードローンの場合、審査に時間がかかってしまうため、状況によっては融資実行が間に合わない可能性があります。
申し込みを公式サイトやアプリ、無人機や窓口で行うことで審査が始まります。消費者金融の場合、最短即日で収支実行までこぎつけることができるため、お金をすぐに借りたい場合は有効です。反面、金利が高く設定されており、必要最低限の金額を借りる必要がある点は注意してください。
本記事では、特におすすめの消費者金融のカードローンを3つ紹介します。
プロミス
プロミス最大の特徴は、ほかの大手消費者金融と比較して金利が抑えられている点です。通常、大手の消費者金融では、金利が年18.0%となっています。しかし、プロミスの場合は年17.8%とやや低めに設定されており、最終的な返済総額がほかの消費者金融よりも安くなります。できるだけ金利が低いほうがいいが信頼性も重視したい人にはおすすめのカードローンです。
また、初回利用者のみですが、初回借入の翌日から30日以内の金利が発生しない無利息期間が設けられています。契約するだけであれば無利息期間は消費されないため、今後お世話になる予定がある場合は契約だけ済ませておくのもひとつの方法です。
プロミスがおすすめな人の特徴
- 金利をできるだけ抑えたい人
- 契約後すぐに借入を受けない可能性がある人
※融資時間:申込時間や審査により希望に沿えない場合があります。無利息期間:30日間無利息サービスを利用するには、メールアドレス登録とWeb明細利用の登録が必要です。新規契約時の融資上限:本審査により決定となります。18歳、19歳の申込みについて:申込時の年齢が19歳以下の場合は、収入証明書類の提出が必須となります。高校生(定時制高校生および高等専門学校生も含む)は申込できません。
おすすめポイント
- Web契約で最短3分融資も可能※
- 最短10秒で振込可能(24時間振込可能な金融機関の口座を持っていること)
- 申込、借入、返済24時間OK!
アイフル
とにかく借りやすさ・返しやすさを重視したい人におすすめなのがアイフルです。アイフルでは全国7万個の提携ATMがあり、いつでもどこでも借入・返済がしやすくなっています。急な入用でまとまったお金が必要になった場合も、近くに提携するコンビニATMがあれば、時間に関わらず借入も返済もできます。
初回利用する人でも、最短18分※という早さで審査が完了するのもアイフルの特徴です。アイフルは大手消費者金融の中では銀行を母体としない独立系であるため、短時間での審査が可能になっています。
※申込の状況によっては希望にそえない場合があります。
アイフルがおすすめな人の特徴
- 急いでお金を借りたい人
- 借入や返済の利便性を重視している人
- 無利息期間サービスを利用したい人
アコム
アコムでは、原則、勤務先へ在籍確認の電話を行いません。
また、郵送物も「ACサービスセンター」名義で届くため、家族にもお金を借りていることがバレにくいのが特徴です。
提携コンビニATMも多く、サポート体制も手厚いため、初めてカードローンを利用する人にはおすすめです。
アコムがおすすめな人の特徴
- 勤務先へ在籍確認の電話を避けたい人
- サポート体制が手厚い消費者金融を利用したい人
編集部
支払期日までに時間がある場合は教育ローン、時間がなく早く融資してほしい場合はカードローンと使い分けると良いでしょう。どちらも返済時に原則利息が発生するため、最低限借りるか、無利息期間内に返済できる額を融資してもらうのが理想的ですね。
CFP(日本FP協会会員)
監修者 金子 賢司の一言コメント!
カードローンは大きく銀行系と消費者金融系のカードローンに分けられます。 銀行系は消費者金融系よりも金利が低い傾向があり、消費者金融系は大手であれば最短20分~30分という短い時間で融資が受けられるメリットがあります。 銀行系と消費者金融系のカードローンのどちらが良いかはその時の状況次第であり、一概には言えません。 それぞれの特徴を理解して、上手に使い分けることが大切です。
金子さん
養育費に関するよくある質問
ここからは、養育費に関するよくある質問をご紹介します。
Q.病気で養育費が支払えないときはどうしたらいい?
離婚当初から持病を持っており、それを踏まえたうえで公正証書に養育費の支払いの取り決めが記載してある場合、減額は難しいでしょう。離婚後に想定される出来事として判断される可能性が高いためです。離婚後に想定していなかった病気を発症した場合も養育義務は消えませんが、公正証書にはない不測の事態として減額が認められる場合があります。減額を受け取る側に相談してみてください。
Q.再婚したら養育費は払わなくて良い?
再婚しただけでは養育費を払わなくていい理由にはなりません。再婚後、その相手との間に子どもを授かった場合は養育費の減額が認められる可能性があります。また、受け取る側が再婚し子どもが養子縁組した場合、減額のほかにも免除される可能性があります。支払う側と受け取る側の収入バランスがカギとなるため、一度交渉をしてみる価値はあるでしょう。
Q.無職の場合、養育費は払わなくて良い?
離婚時に無職であっても養育義務は消えないため養育費の支払いはしなければなりません。ただし、支払う金額については交渉の余地があると考えられるため、相手と直接交渉するか裁判所を通じて決定するかの2択となります。
Q.借金がある場合、養育費は払わなくて良い?
借金があっても、養育義務を免除される理由にはなりません。支払う養育費がいくらかは交渉もしくは裁判所の調停によって決定されますが、養育費はいかなる状況であっても支払い義務が発生します。自己破産をしても養育費は例外と法律にも規定されているため、借金を理由に養育費を支払わなくていいとはならない点に注意しましょう。
Q.養育費を払いたくないと言われたらどうする?
何かしらの理由で養育費を支払わないと言われても、その言い訳は通用しません。離婚によって法律上家族関係が解消したとしても、子どもの親は離婚した夫婦しかいません。もし、養育費を支払わないと言われて頑なに支払いを拒否する場合、弁護士を立てて交渉する方法があります。離婚の際に公正証書で養育費について取り決めている場合は、裁判所に申し立てて強制執行を実施することも可能です。
まとめ
養育費の問題は非常にセンシティブです。法律上の親子関係がなくなっても、民法によって扶養する義務がある旨が記載されているため、いかなる理由があっても養育費は支払わなければなりません。最終的には裁判所が公開している基準や双方の収入を鑑みて決定されますが、毎月いくらかの養育費を支払う義務がある事実に変わりないことを覚えておきましょう。
もし、支払いできないとなってしまうと、財産差し押さえなどの強制執行が実施される可能性もあります。そうなる前に養育費を工面する方法を理解しておき、必要に応じて利用できる状態にしておいてください。長期での支払いになるため、教育ローンやカードローンを利用する場合は計画的にお金を借りるようにしましょう。
CFP(日本FP協会会員)
監修者 金子 賢司の一言コメント!
教育ローンやカードローンの返済が滞納すると、返済期日の翌日から遅延損害金が発生します。 また長期間滞納すると、個人の信用情報に傷がつく可能性があります。信用情報とはクレジットカードやカードローンの契約や利用状況に関する情報のことです。 信用情報に傷がついている状態だと、新しくクレジットカードを作ったり、ローンを組んだりすることが極めて難しくなります。 クレジットカードやカードローンが利用できないと生活のさまざまな場面で不便を感じるため、滞納をすることのないよう利用前に綿密な返済計画を立ておきましょう。
金子さん
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- ※プロミス:※融資時間:申込時間や審査により希望に沿えない場合があります。無利息期間:30日間無利息サービスを利用するには、メールアドレス登録とWeb明細利用の登録が必要です。新規契約時の融資上限:本審査により決定となります。18歳、19歳の申込みについて:申込時の年齢が19歳以下の場合は、収入証明書類の提出が必須となります。高校生(定時制高校生および高等専門学校生も含む)は申込できません。
- ※アコム:※審査時間・融資時間:申込時間や審査により希望に添えない場合があります。
- ※アイフル:※申込の状況によっては希望にそえない場合があります。
編集部
財産の差し押さえも刑事罰の可能性も、きちんと養育費を支払っておけば起こることはありません。後述しますが、払えない状況になってしまったら、お金を工面するか減額交渉をするかを決めて実行してください。