株式投資の3つのリスク・5つの回避策【証券外務員がわかりやすく解説】
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- 株式投資ってどんなリスクがあるの?
- 大失敗したくないから、株のリスクを回避する方法があれば知りたい……
株は、大きく分けると3つのリスクが存在します。
株式投資のリスク
「リスク」と聞くと、なんとなく株に怖いイメージを持ってしまうかもしれませんが、リスクを回避する方法もあります。
株式投資リスクの回避方法
この記事では、少しでも安心して株取引ができるように、株のリスクと回避策を紹介・解説します。
最後まで読むことで、株のリスクを理解して、それを避ける方法や軽減する方法についても分かるでしょう。
リスクについて詳しく知っておけば、安心して株取引を始めることができます。
行政書士/ファイナンシャルプランナー / 青野行政書士事務所
監修者青野泰弘
同志社大学法学部卒業後、国際証券に入社。
その後、UFJキャピタルマーケッツ証券、トヨタファイナンシャルサービス証券(現:東海東京証券)、オリックスフィナンシャルプロダクツ、コスモ証券にて、債券の引き受けやデリバティブ商品の組成などに従事。
2012年に、FPおよび行政書士として独立。2017年日本FP協会相談員、2018年日本FP協会広報スタッフを担当。
▼保有資格
日本証券アナリスト協会検定アナリスト(CMA)
プライマリープライベートバンカー
行政書士
ファイナンシャルプランナー(CFP®)イーデス編集部 / 株式会社エイチームフィナジー
編集者小林 梨沙
1989年生まれ、愛媛県松山市出身。
大学卒業後、株式会社ブリッジインターナショナルに入社。外資系教育サービス会社にて、薬機法や品質マネジメントシステムのインサイドセールスを担当。その後、スーパーバイザーとして、日系大手企業のインサイドセールスプロジェクトの立ち上げを行う。
2019年に株式会社エイチームフィナジーに入社。FX、新規事業開発部を経て、イーデスの編集者に就任。
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株式投資の3つのリスク
株式投資には、次の3つのリスクがあります。
株式投資のリスク
それぞれのリスクがどのようなものなのか、詳細を説明します。
株価が下落するリスク
株価には、決まった価格がありません。
そのため、下落するリスクが株価にはあるのです。株価は、株を発行した企業の業績や評価によって変動します。
業績が良好でも、悪い噂があるだけで値下がりすることもあります。
購入したタイミングと、売却したタイミングによって株取引では利益が出ることもありますが、損失が出ることもあります。
株取引というのは、元本が保証されているわけではないのです。
流動性のリスク
株には、取引量が少ないせいで、売りたくても売れなくなる、流動性リスクというものもあります。
株を売る時は、基本的にどこかで買い取っているわけではありません。
株を買いたいという人がいて、価格が一致すれば取引できるのです。
そのため、取引量が極端に少ないと売りたくても自分が希望している価格より低い価格でしか売れない、あるいはまったく買い手がいなくて売ることができないということもあり得ます。
価格だけではなく、取引量にも注目して銘柄を選びましょう。
企業が倒産するリスク
株は企業に投資するものですが、投資した企業の経営状態がいつまでも安泰かどうかは誰にも分かりません。
経営状態や財務状況が悪化すると株価が下落していきますが、その状態が続いていると、今度は倒産することもあり得るのです。
企業が倒産すると、その企業が発行している株にも価値がなくなります。
もちろん、投資したお金もほとんど戻ってくることはありません。
倒産はめったにないことですが、絶対にないという訳でもないので、リスクがあることは覚えておきましょう。
株式投資のリスクを回避する5つの方法
株式投資のリスクを回避する方法を5つご紹介します。
株式投資リスクの回避方法
上記リスク回避の方法のポイントと詳細を、それぞれ説明します。
銘柄分散をする
ポイント
- 1つの銘柄だけでなく、複数の銘柄を購入する
- 保有する銘柄の中に倒産してほぼ無価値になるものがあっても、全ての資金を失うことは避けられる
株式投資のリスクを避ける方法として、よく言われているのが銘柄分散です。
異なる属性の銘柄をいくつか選んで、投資していくのです。
例えば、成長株と言われる銘柄に投資する時は、同時にディフェンシブな銘柄も選んで投資します。
その他にも、異なる業種の銘柄を選んで投資していくことで、リスクを回避することができます。
例えば、株に100万円投資するとします。
これを、A社に全額投資した場合と、A社の株に40万円、B社とC社の株にそれぞれ30万円ずつ投資した場合の違いを考えてみましょう。
株価は全て、1,000円で購入したと仮定します。
全額投資で、1株=1,000円でA社に100万円全額を投資した場合
- A社の株が900円に下がる=下落幅100円×1,000株=10万円の損失
分散投資で、1株=1,000円でA社の株に40万円、B社とC社の株にそれぞれ30万円ずつ投資した場合
A社の株が900円に下がる=下落幅100円×400株=4万円の損失
B社の株が1,050円に値上がり=上昇幅50円×300株=1万5,000円の利益
C社の株が1,100円に値上がり=上昇幅100円×300株=3万円の利益
↓
合計5,000円の利益
A社の株が900円に下がったとすれば、全額投資している場合は10万円の損失が生じますが、分散投資で40万円投資している場合は400株保有しているので、下落幅の100円×400株=4万円の損失に抑えられます。
また、A社の株が下がったとき、B社やC社の株は値上がりしていることもあります。
B社の株が50円、C社の株が100円値上がりしていたとすれば、それぞれ300株ずつ保有しているので、合計で4万5,000円の利益になります。
A社の4万円の損失と合わせても5,000円の利益が得られるのです。
時間分散する
ポイント
- 同じ銘柄でも、何回かに分けて株を購入する
- 高値掴みを避けることができるので、結果的に下落リスクも軽減される
同じ銘柄を買うときに、タイミングをずらして分割して買うことで、株価の下落時には平均取得単価を下げることができます。
例えば、1,000円の株を1,000株買おうと思っているときに、まずは300株だけ買います。
そして、その株が950円に下がったらさらに400株買い、900円に下がったら300株買うというように、株価の下落時には何回かに分けて買うことで、平均取得単価を950円に下げることができるのです。
こうすると、最終的に株価が下落して850円で手放すことになったとしても、損失が軽減されます。
最初に1,000円で1,000株すべて買っていた場合
取得価格は1,000円×1,000株=100万円
売却時は850円×1,000株=85万円
↓
差額100万円-85万円=15万円の損失
分割して購入していた場合
取得価格は1,000円×300株+950円×400株+900円×300株=95万円
↓
95万円-85万円=10万円の損失
この時間分散は、ドル・コスト平均法という投資手法でよく知られています。
損切りを徹底する
ポイント
- 損失を確定させることで、それ以上損失が大きくなるのを防ぐ
- インカムゲイン狙いでも、倒産リスクに備えて損切りルールを決めておく
損切りは、投資を始めた時から耳にすることが多いでしょう。
要するに、一定以上の損失が出たときにそれ以上損失が拡大しないように、手じまいをして損失を確定させてしまう、ということです。
この損失の幅は自分で決めるのですが、ルールを決めたら徹底しなくてはいけません。
しかし、損失を確定させた後に値上がりすることもあるので、ルールを守るというのはなかなか難しいものなのです。
特に、インカムゲイン狙いで投資している場合は、株価がいずれ回復するだろうと思ってしまい、損切りがおろそかになってしまうこともあります。
倒産リスクを避けるためにも、損切りはしっかりとしていくべきでしょう。
流動性の高い銘柄を取引する
ポイント
- 普段から一定の売買高のある銘柄を購入する
- 流動性が高ければ、自分が望むタイミングで売買しやすい
株は、買い手と売り手がそろって希望する価格が一致しなければ、売買が成立しません。
株価が下がりそうだから売却しようと思っても、買い手がいなければ売却することもできないので、株価が下がっていくのを見ていることしかできないのです。
そうならないよう、普段から一定の売買高のある(流動性のある)銘柄を取引しましょう。
例えば、流動性のない銘柄を1株1,000円で購入したものの、その後株価が下がって900円になったとします。
損切りのために手放したいと思っても、買い手が見つからないので取引が成立しません。
そのまま800円、700円と下がっていき、500円でようやく買い手が見つかったとします。
その頃には、投資した資金は半減することになってしまうのです。
流動性が高い銘柄であれば、その時の株価で買い手が見つかりやすいので、同じように下がっていても最初に売ろうと思ったときに売れる可能性が高いのです。
つまり、10%の損で済んでいたのです。
こうならないためにも、流動性が高い銘柄を取引したほうがいいのです。
日経ダブルインバースで下落のリスクを軽減する
ポイント
- 日経平均株価が下がるほど値上がりするETF
- 多くの株を保有しているときほど、下落リスク対策に効果的
日経ダブルインバースは、日経平均株価とは逆の値動きをすることを目標として運用されている、インバース型ETFの一種です。
株式相場全体が値下がりしているときに値上がりするので、突発的に株式市場が暴落したときなどの保険として購入する人もいます。
特に、株式市場が長期的に休みとなるゴールデンウィークや年末年始には、効果的な対策となるでしょう。
ただし、株式市場の動きとは連動しない銘柄を保有している場合は注意してください。
例えば、日経平均株価が上がっている中で、保有している株が値下がりしてしまうと、株と日経ダブルインバースの両方がマイナスになってしまうので、かえって損失が増えることもあり得ます。
また、日経ダブルインバースを保有したままだと、せっかく株価が上がっても日経ダブルインバースの方で損失が出てしまい、利益が相殺されてしまいますので、注意しましょう。
まとめ
株には様々なリスクがあるのですが、その中でも特に注意したいのが以下の3つです。
- 株価の下落リスク
- 倒産リスク
- 流動性リスク
この3つのリスクがあることを念頭に置いて、取引するようにしましょう。
リスクを軽減する方法もいくつかあるので、その時の状況や取引する銘柄によって、どの対策が効果的かを考えておきましょう。
株は、投資なので元本が保証されるものではありません。
リスクに対しては、あくまでも自己責任で対応していかなければいけないのです。
損失を最小限にして、利益はなるべく多く得られるように取引していきましょう。