未成年の株式投資|始め方やおすすめ証券口座を紹介
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- 未成年の株式投資の始め方がわからない…
- そもそも未成年でも株式投資ってできるの?
結論から言うと、未成年でも株取引を始めることは可能です。
ただし、未成年者の場合は、口座を開設するために親権者の同意が必要であるなど、制限や条件があります。
この記事では、未成年におすすめの証券会社や株式投資のメリット・デメリットを紹介します。
なお、株は必ずお金が増えるものはなく、株価の値下がりなどで損をする可能性もあるものです。
株を始める場合は、投資のリスクをしっかり理解した上で、正しい知識を着けていきましょう。
この記事の結論
最後まで読めば、投資の始め方はもちろん、未成年の人が株式投資をするメリット・デメリットも理解した上で株を始めることができるでしょう。
2024年7月16日時点の情報を掲載しています。
スキラージャパン株式会社 代表取締役 / スキラージャパン株式会社
監修者伊藤亮太
伊藤亮太は「スキラージャパン株式会社」の取締役を務めるFP(ファイナンシャル・プランナー)。
慶應義塾大学大学院商学研究科経営学・会計学専攻を修了しており、在学中にCFP®を取得。
その後、証券会社にて営業・経営企画・社長秘書・投資銀行業務に携わる。
現在は富裕層個人の資産設計を中心としたマネー・ライフプランの提案・策定・サポート等を行う傍ら、資産運用に関連するセミナー講師や講演を多数行う。
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などイーデス編集部 / 株式会社エイチームライフデザイン
編集者板橋 辰汰郎
1998年生まれ、兵庫県川西市出身。
大学卒業後、2021年に新卒として株式会社エイチームフィナジーに入社し、ナビナビ証券、イーデスの編集者に就任。
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未成年でも株式投資はできる
未成年の人でも、株式投資をすることは可能です。
しかし、未成年が証券会社等に口座を開設して、売買を行うためには、親権者(一般的には両親のどちらか)の同意を得なければなりません。
未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。
法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。
目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。
- 引用元
- 民法第5条
また会社によっては親権者がその会社に口座開設をしていることが条件であったり、15歳未満の未成年が取引主体になることを禁止したりしている会社もあります。
未成年が投資をするメリット
未成年が投資をするメリットは、以下の2点です。
未成年が投資をするメリット
それぞれについて詳しく説明していきます。
メリット1:
早くから金融のリテラシーを学ぶことができる
日本は欧米と比較して金融教育が遅れていると言われています。
ようやく2022年4月から高校の家庭科の授業内で資産形成について教えるようになりましたが、それで十分な教育ができているとは言いにくい状態です。
もし未成年口座を開設して、未成年のうちから株式投資などに触れれば、投機と投資の違いや、株価と経済成長の関係などを実体験を通して学ぶことができます。
お金を貯めることに加え、お金の増やし方を知っていれば、大人になったときに上手に資産形成ができるようになるでしょう。
※参照元:高校家庭科で「投資信託」 22年4月から授業|日本経済新聞
メリット2:
より長期の投資期間をとることができる
10代もしくはそれ以下から投資を始めれば、成人を迎えてから投資を始めるよりも長い投資期間を取れます。
例えば15歳の時に、配当が期待できる株式や株式を含めた投資信託など、年率3%の利回りが期待できる投資商品に毎月1万円投資したとします。60歳まで積立を続けた場合、将来の運用金額は約1,140万円です。
一方で20歳から始めていた場合、積立期間は5年短くなってしまうので、将来の運用金額は約930万円となります。
0歳から始めた場合 | 10歳から始めた場合 | 15歳から始めた場合 | 18歳から始めた場合 | 20歳から始めた場合 |
---|---|---|---|---|
約2,000万円 | 約1,400万円 | 約1,140万円 | 約1,000万円 | 約930万円 |
早く始めればその分運用益が多くなるんです!
また、成人になってから運用を引き継げば、引き続き時間分散の効果を得ながら運用できます。
未成年が投資をするデメリット(注意点)
未成年者が投資をするデメリットは、以下の2点です。
未成年者が投資をするデメリット
デメリット1:
必ず儲けられるわけではない
未成年でなくても同じですが、投資の結果は自己責任であり、損をすることもあれば儲かることもあります。
貯金のように元本が保証されていないため、結果として資産が減ってしまうこともあるでしょう。
せっかく貯めていたお金が減ってしまった…
リスクがあることは理解しておきましょう!
対策:株式投資は余剰資金で行う
投資の失敗は、未成年者が取引を通じて「絶対儲かるわけではない」と学ぶにはよい機会かもしれません。
ただし、親権者が子供名義で運用して、用意していた教育資金などを目減りさせてしまっては、目も当てられません。
子供名義で運用する場合、絶対に必要な資金は確保しつつ、余裕のある資金で運用しましょう。
デメリット2:
学業がおろそかになる可能性もある
株式投資は値段が上下するというゲーム的な要素があります。
もし株式投資にはまり、株価ばかり気にするようになってしまうと、学業に影響することもあるでしょう。
株式市場は平日の日中に取引が行われます。
そのため、リアルタイムで株取引を追おうとすると、学校の授業や勉強が疎かになってしまうのです。
株価が気になって勉強に手が付かない…なんて場合もあります
対策:自分の投資スタイルを考える
株式市場は平日しか開いていませんが、平日の夜や土日でも注文を出すことは可能です。
例えば平日は学業に集中し、土日に株のニュースをまとめて月曜日の取引予約をするといったスタイルなら、学業にも悪い影響は出にくいでしょう。
また株式投資で儲けることができると、働かずにデイトレーダーを目指すと考える人がいるかもしれません。
それが悪いことだとは言いませんが、株式投資で生計を立てることは簡単ではないということも理解しておきましょう。
リアルタイムでの取引が絶対に良いというわけではありませんよ!
未成年の株式投資の始め方
未成年者が株式投資を始める手順は、以下の3ステップです。
STEP1 | 親権者が口座開設をする |
---|---|
STEP2 | 未成年口座を開設する |
STEP3 | 投資資金を入金する |
STEP①親権者が口座開設をする
未成年の人が口座を開設する場合、一部を除き、ほとんどの証券会社は親権者がその会社に口座を開設していることを条件としています。
会社によっては同時申し込みもできるところはありますが、一般的にはまず親権者が口座開設するところから始めます。
STEP②未成年口座を開設する
親権者の口座開設が完了したら、次は未成年口座の開設です。
マイナンバーカードを作っていなければ、本人確認書類が2種類必要になったり、親権者との関係を示す書類が必要になったりと、大人よりも提出する書類が多くなります。
大人と同じようにオンライン申請で口座開設はできるの?
未成年口座は全て郵送での手続きで、その分日数も必要になるんです。
したがって未成年口座を開設する際は、書類の準備と時間的な余裕を持つようにしましょう。
STEP③投資資金を入金する
口座開設が完了したら、投資用の資金を入金します。
入金の際には振込人の名義は、原則、口座名義人としているところがほとんどです。親権者名義で送金すると入金ができない場合があるので注意しましょう。
また、出金の際にも口座名義人の銀行口座にしか出金できませんので、自分名義の銀行口座も用意しておかなければなりません。
楽天証券は口座開設時に銀行口座も同時に申し込めて便利ですよ!
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未成年口座のあるおすすめ証券会社4選
未成年でも株式投資はできますが、どの証券会社でも未成年口座が開設できるわけではありません。
ここでは、未成年口座の開設に対応している証券会社から、おすすめの4社を紹介していきます。
証券会社 | SBI証券 | 楽天証券 | 松井証券 | 岡三オンライン |
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おすすめポイント |
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口座開設 | 公式 | 公式 | 公式 | 公式 |
※ SBI証券:25歳以下は現物の取引手数料が無料、インターネットコース・電子交付サービスの設定でも取引手数料が無料。
※ 楽天証券:手数料コースを「ゼロコース」に設定で手数料無料。
おすすめ①SBI証券
SBI証券は未成年口座を開設可能ですが、親権者のどちらか一方がSBI証券のインターネット取引口座を開設している必要があります。
SBI証券の魅力
SBI証券は国内株式だけにとどまらず、海外株式やオプション取引など、様々な取引ができるネット証券です。
取り扱っている銘柄数は圧倒的で、他の証券会社と比較しても圧倒的です。
SBI証券では以下の商品に投資することができます
【未成年口座の場合】SBI証券で投資できる商品
- 国内株式(現物)
- 外国株式
- 投資信託
- IPO/PO(新規公開株/公募・売出し)
- 単元未満株(S株)
- 債券
- 金・プラチナ
- 外国為替
なお15歳以上になると、未成年が取引主体となって取引することもできます。
SBI証券のアクティブコースを選択すれば、1日の現物株の約定代金100万円以下なら、取引手数料が無料です。
※ インターネットコース・電子交付サービスの設定でも取引手数料が無料。
また、1株から投資のできる「S株」は、お小遣いから始める資産運用にもピッタリです。
NISAの取引手数料は無料!
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おすすめ②楽天証券
楽天証券はネット証券大手の1つで、未成年口座を開設可能です。
親権者のどちらかの登録親権者としての登録が必要で、登録親権者も楽天証券に口座開設をしていなければなりません。
楽天証券の魅力
楽天証券は、取引することで楽天ポイントを貯めたり、取引に楽天ポイントを使ったりすることができるので、楽天ユーザーには特におすすめの証券会社です。
投資信託や取り扱い銘柄数も業界トップレベルなので、安心して投資先を探せるでしょう。
楽天証券では以下の商品に投資することができます
【未成年口座の場合】楽天証券で投資できる商品
- 国内株式(現物)
- 外国株式
- 投資信託
- IPO/PO(新規公開株/公募・売出し)
- 債券
- 金・プラチナ
- 外国為替
- 貸株
- 楽ラップ
※ 参照元:楽天証券|サービス詳細
楽天証券もSBI証券と同様に、15歳以上になると未成年でも取引できるようになります。
また、いちにち定額コースを選択すれば、1日の約定代金100万円以下なら手数料は無料です。
※ 手数料コースを「ゼロコース」に設定で手数料無料。
取引コストを抑えたいという人におすすめです。
NISAの取引手数料は無料!
公式サイトはこちら
※参照元:未成年口座:サービス詳細|楽天証券
おすすめ③松井証券
松井証券はネット証券大手の1つで、未成年口座を開設可能です。
松井証券の魅力
松井証券の手数料は、ボックスレートという1日の約定代金合計により手数料が決定するコースのみとなっています。
1約定ごとに手数料がかからないため、初心者でも手数料で混乱することはないでしょう。
ボックスレートでは1日約定代金合計額が50万円までなら手数料は無料となっていて、松井証券を使っている人の中でも人気の制度です。
松井証券では以下の商品に投資することができます
【未成年口座の場合】松井証券で投資できる商品
- 現物取引
- IPO(新規公開株)
- PO(公募・売出し)
- 立会外分売
- 貸株サービス
- 米国株取引
- 投資信託
- 米ドルMMF
- 松井証券ポイントサービス
松井証券に口座開設している親権者1名のみが、口座名義人のために一切の取引及び管理ができます。
したがって未成年が取引することはできません。
なお、松井証券は25歳以下の現物株式の手数料は無料となっていて、未成年口座にも適用されます。
また、IPO(新規公開株)の需要申告について事前入金が不要なので、当選確率を高めるのであれば、家族名義でも申し込みをした方がよいでしょう。
松井証券の公式サイトはこちら
※参照元:
未成年口座開設|松井証券
手数料|松井証券
おすすめ④岡三オンライン
岡三オンライン
1日定額手数料が100万円まで無料!取引コストを抑えたい人におすすめ
おすすめな理由
- 定額手数料は現物100万円+信用100万円で株取引最大200万円まで無料
- 投資信託の保有残高に応じてIPOの当選確率がアップ+信用取引手数料が安くなる
- 豊富な取引ツール!初心者~上級者まで自分にあったツールを選択できる
投資信託 | 外国株 | ミニ株 | IPO | ポイント投資 |
---|---|---|---|---|
取引金額 | 約定ごと | 定額制 |
---|---|---|
10万円 | 108円 | 0円 |
30万円 | 220円 | 0円 |
50万円 | 385円 | 0円 |
100万円 | 660円 | 0円 |
岡三オンラインは、中堅総合証券である岡三証券の子会社で、未成年口座を開設可能です。
岡三オンラインの魅力
岡三オンラインの魅力は、親権者の口座開設は要件とされていないことです。
親権者を運用管理の代理人として届け出るだけでよいのです。
しかし、口座名義人が18歳になるまでは代理人が取引をするとされていますので、未成年が取引をすることはできません。
松井証券では以下の商品に投資することができます
【未成年口座の場合】岡三オンラインで投資できる商品
- 国内株式(現物)
- 投資信託
岡三オンラインは、口座名義人が18歳になるまでは代理人が取引をするとされていますので、未成年が取引をすることはできません。
IPO(新規公開株)の需要申告について事前入金が不要なので、当選確率を高めるのであれば、家族名義でも申し込みをした方がよいでしょう。
岡三オンラインの公式サイトはこちら
未成年が株を始める際によくある質問
未成年の人が株取引を始める際に想定される疑問をQ&A方式でまとめました。参考にしてください。
未成年が株で損して借金を作ることはないの?
A.基本的に、未成年が株で損をして借金を作ることはありません。
投資をすれば、得をすることもあれば損をすることもあります。しかし、借金を作ることは投資金額以上に損をすることであり、それはレバレッジを効かせた取引をしなければ起こりません。
ほとんどの証券会社では、レバレッジの必要な信用取引やFXなどは未成年口座で行えませんので、未成年が借金を作ることはないと考えられます。
口座開設の際に、未成年の口座でレバレッジを効かせた取引ができないことを確認するとよいでしょう。
レバレッジとは?
少ない資金で大きな金額の取引ができる仕組みのこと。
資金効率を上げられる効果がある。
株式投資の勉強はどうやってすればいいの?
A.株式投資の知識は、書籍やウェブ記事などで学べます。
金融庁のNISA特設ウェブサイトでは投資の基礎知識がわかりやすく記載されているので、一度見ておくとよいでしょう。
投資には短期投資から長期投資までさまざまな方法がありますが、まずは長期投資から始めて、株取引の基本を学ぶのがおすすめです。
徐々に知識を高めて自分の投資方法が決まってきたら、より詳しく勉強しながら投資経験を積んでいきます。
イーデスでも株式投資の基礎知識の記事を掲載していますので、ぜひ参考にしてください。
※参照元:投資の基礎知識|金融庁
成人年齢の引き下げで証券口座開設はどうなるの?
A.2022年4月から、成人年齢が18歳に引き下げられました。したがって、未成年口座を開設できるのは18歳未満に改められています。
これまで未成年口座の対象は20歳未満でしたが、現在は18歳未満が対応です。18歳以上の方は、通常の証券口座を開設しましょう。
※参照元:民法改正 成年年齢の引下げ|法務省
まとめ
証券会社に未成年口座を開設すれば、未成年でも株式投資を行うことができます。
ただし一般的には親権者が同じ証券会社に口座を開設していなければ、未成年口座は開設できません。
また、未成年が自分で取引を行いたいと思っても、一部の会社では15歳になるまで、多くの会社では成人に達するまで、親権者が取引することになっています。
小さい頃から投資に触れることで、お金にも働いてもらうという意識を持てれば、上手に資産形成ができるようになるでしょう。