特定口座の源泉徴収あり・なしの違いとは?どっちを選べばいいか解説

特定口座の源泉徴収あり・なしどっちがいいの?
株のやり方・始め方・買い方

2022-08-09

  • 特定口座の源泉徴収あり・なしってどういうこと?
  • 特定口座の源泉徴収あり・なしは、どちらを選べばいいんだろう

特定口座の源泉徴収あり・なしの違いは「確定申告を自分でやるか・やらないか」です。

源泉徴収ありの場合は証券会社が確定申告を行い、源泉徴収なしの場合は自分で確定申告を行います。

投資初心者におすすめなのは、「源泉徴収あり」口座です!

ただし「源泉徴収あり」の場合、税金を支払う必要がないケースでも課税されてしまうことがあります。

この記事では特定口座の源泉徴収あり・なしのメリット・デメリットを詳しく説明します。

税金まわりで損することがないようにし、あなたに合った特定口座を利用しましょう。

【掲載情報について】
2022年7月14日時点の情報を掲載しています。

伊藤 亮太さん
伊藤 亮太さん

スキラージャパン株式会社 代表取締役
スキラージャパン株式会社

慶應義塾大学大学院商学研究科経営学・会計学専攻修了。在学中にCFPを取得する。その後、証券会社にて営業、経営企画、社長秘書、投資銀行業務に携わる。
2007年11月に「スキラージャパン株式会社」を設立。現在、富裕層個人の資産設計を中心としたマネー・ライフプランの提案・策定・サポート等を行う傍ら、資産運用に関連するセミナー講師や講演を多数行う。

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特定口座とは

特定口座とは、株や投資信託などの金融商品を取引するために必要な「証券口座」の種類の1つです。

証券口座の種類は大きく分けて3種類あります。

証券口座の種類

  • 特定口座
    (源泉徴収あり・源泉徴収なし)
  • 一般口座
  • NISA口座

特定口座と一般口座の違い

特定口座と一般口座の違いは以下のとおりです。

年間取引報告書特徴
特定口座上場株式の譲渡益や配当金などに対する課税額を計算してくれる
一般口座投資家が自ら売買損益を計算して確定申告を行う必要がある

一般口座のメリットは何かあるの?

ほとんどの証券会社において、特定口座と一般口座の口座開設費用や管理費用に差はありません。

現状は一般口座を作るメリットはないため、証券口座を開設する際には、特定口座を選ぶとよいでしょう。

特定口座「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の違い

特定口座は「源泉徴収あり」「源泉徴収なし」の2種類に分類されます。

この2つの口座の違いは、確定申告を行う必要があるかどうかです。

どちらも証券会社が特定口座年間取引報告書を作成してくれますが、「源泉徴収あり」は証券会社が納税を済ませてくれるため、投資家本人が確定申告をする必要はありません。

一方の「源泉徴収なし」では、損益の計算までは行ってもらえますが、確定申告は自身で行います。

年間の損益計算がない分、一般口座よりは確定申告の手間が省けます。

特定口座「源泉徴収あり」でも確定申告したほうがいいケース

特定口座「源泉徴収あり」でも確定申告が必要なケースがいくつかあります。

例えば、損益通算を行うには、源泉徴収ありの特定口座でも確定申告を行わなければなりません。

損益通算とは

同一年の利益と損失を相殺して、利益にかかる税金を減らすこと。

また、繰越控除を行う場合にも確定申告をする必要があります。

繰越控除とは

その年で発生した上場株式等の損失を、翌年以降の利益と相殺して税金を減らすこと。

最大3年間まで繰越すことができる。

投資の利益にかかる税金を減らせる方法ですので、少しでも税金を減らしたい人は忘れず確定申告をするようにしましょう。

特定口座「源泉徴収あり」のメリット

特定口座「源泉徴収あり」の主なメリットは、以下の3点です。

特定口座「源泉徴収あり」のメリット

「源泉徴収あり」のメリット①確定申告の手続きが不要

特定口座「源泉徴収あり」の代表的なメリットが、確定申告の手続きが不要になる点です。

証券会社が特定口座年間取引報告書に基づいた納税を済ませてくれますので、投資家は自ら確定申告を行う必要がありません。

「源泉徴収あり」のメリット②確定申告が簡単

特定口座「源泉徴収あり」であっても、譲渡損失が出た年や繰越損失が残っている年などに損益通算を行うためには、確定申告を行います。

特定口座年間取引報告書があれば、投資家本人が年間の損益を計算する必要がなく、数字を転記するだけで済むため、確定申告をより簡単に済ませることが可能です。

「源泉徴収あり」のメリット③利益が配偶者控除・扶養控除の所得基準に合算されない

投資家本人が被扶養者である場合、扶養者側は配偶者控除または扶養控除を受けられます。

配偶者控除や扶養控除は、被扶養者の所得が増えると適用されなくなりますが、特定口座「源泉徴収あり」で発生した収益は所得基準に合算されません。

よって、どれだけ利益を出しても扶養から抜ける必要がないのです。

特定口座「源泉徴収あり」のデメリット

特定口座「源泉徴収あり」のデメリットには、以下の2点があります。

特定口座「源泉徴収あり」のデメリット

「源泉徴収あり」のデメリット①利益が20万円以下でも課税される

給与収入2,000万円以下および給与以外の所得20万円以下の場合は、給与以外の所得には所得税がかかりません。

しかし、特定口座「源泉徴収あり」では、所得の額にかかわらず自動的に税金が納められてしまう上、確定申告を行っても還付を受けられません。

自営業者および年2,000万円を超える給与所得者は確定申告を行う義務があるため、気にする必要はありません。

「源泉徴収あり」のデメリット②譲渡損失の繰り越しには確定申告が必要

上場株式等の譲渡損失は、最大3年まで繰り越しが可能です。

損失の繰り越しには確定申告を行う必要があり、申告しない場合は、その損失は繰り越されずに消滅します。

そのため、損失を繰り越す場合は、特定口座「源泉徴収あり」が持つ確定申告不要というメリットは活かされません。

特定口座「源泉徴収なし」のメリット

特定口座「源泉徴収なし」の主なメリットは、以下の3点です。

特定口座「源泉徴収なし」のメリット

「源泉徴収なし」のメリット①確定申告が簡単

特定口座「源泉徴収あり」同様に、特定口座「源泉徴収なし」においても特定口座年間取引報告書が発行されるため、確定申告の手間が軽減されます。

「源泉徴収なし」のメリット②余分な課税を防げる

特定口座「源泉徴収なし」では、自動的に源泉徴収が行われません。

そのため確定申告は投資家自身が行う必要がありますが、特定口座「源泉徴収あり」と違い、年間の所得が20万円に満たない場合は、余分な課税を防ぐことができます。

ただし、所得20万円以下でも住民税は非課税とはなりませんので、市区町村の役所へ住民税申告を行う必要はあります。

「源泉徴収なし」のメリット③一時的に利益を全額受け取れる

特定口座「源泉徴収あり」では、利益が確定した時点で20.315%の税金が源泉徴収されます。

仮に100万円の利益が発生しても、約80万円しか受け取れません。

しかし、特定口座「源泉徴収なし」では、利益確定時に源泉徴収されないため、100万円の利益全額を受領できます。

後日確定申告で納税する必要はありますが、それまでの間は投資資金として運用が可能なため、より大きな利益を得るための原資として活用できます。

特定口座「源泉徴収なし」のデメリット

特定口座「源泉徴収なし」の主なデメリットは、以下の2点です。

特定口座「源泉徴収なし」のデメリット

「源泉徴収なし」のデメリット①確定申告の手間が発生する

特定口座「源泉徴収なし」においては、所得に応じて確定申告を行う義務が発生します。

自営業やフリーランスであれば確定申告に慣れているかもしれませんが、普段は年末調整を受けている給与所得者は慣れない手続きに負担を感じてしまうでしょう。

「源泉徴収なし」のデメリット②配偶者控除・扶養控除の所得基準に合算される

特定口座「源泉徴収なし」は、確定申告により所得を申告しなければなりません。

そのため、投資の損益が、配偶者控除や扶養控除などの適用を判定する所得の一部として扱われます。

投資損益によっては課税所得額が高額となり、各種控除が適用される所得基準を超える可能性があるため注意が必要です。

特定口座「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」はどっちがおすすめ?

特定口座「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」どちらを選べばいいの?

特定口座「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」のどちらを選ぶべきか、その判断基準をお伝えします。

特定口座「源泉徴収あり」がおすすめな人

まず特定口座「源泉徴収あり」がおすすめな人は、以下にあてはまる方です。

特定口座「源泉徴収あり」がおすすめな人

  • 初めて株式投資に挑戦する人
  • 給与所得以外の収入がない人
  • 1年間に20万円以上の利益を見込める人
  • 配偶者控除・扶養控除を受けたい人

特定口座「源泉徴収あり」の最大のメリットは、投資損益に対する納税を証券会社が代行してくれる点です。

これから株式投資に挑戦する方や給与所得以外の収入がない方にとって、確定申告は大きな手間となります。

この手続きを省けるため、より心理的なハードルを下げて株式投資を行えるでしょう。

配偶者控除、扶養控除の適用を受けたい方も、投資損益が所得基準に影響しない特定口座「源泉徴収あり」がおすすめです。

また、1年間の利益が20万円以上見込める方は、特定口座「源泉徴収あり」での運用で発生する利益に対して余計な税金を支払う恐れがなくなります。

特定口座「源泉徴収なし」がおすすめな人

一方、以下に当てはまる方は、特定口座「源泉徴収なし」がおすすめです。

特定口座「源泉徴収なし」がおすすめな人

  • 効率よく資金を投資に回したい人
  • 複数の証券会社で取引を行う人
  • 配偶者控除・扶養控除の心配がない人
  • 1年間に見込まれる利益が20万円未満の人

特定口座「源泉徴収なし」は、確定申告まで利益を全額手元に確保できますので、一時的に多くの運用資金を扱えます。

複数の証券会社を活用し、積極的に株式投資で利益を上げたい方にとっては、希望通りの資金運用を進める環境を作りやすいでしょう。

収益を配偶者控除・扶養控除の所得基準に収める必要がない方も、所得の上限を気にせず思う存分投資を行えます。

また、1年間に見込まれる利益が20万円未満である方は、所得税の納税義務がありませんので、源泉徴収を受けない利益を全額得られます。

源泉徴収のあり・なしは毎年選択できますので、利益が小さいうちは特定口座「源泉徴収なし」を選択するのも手段のひとつです。

よくある質問

特定口座の「源泉徴収あり・なし」について、よく聞かれる質問に回答します。

「特定口座 源泉徴収あり」だと、株などを取引していると会社にばれるの?

A.会社にばれることはありません。

株式投資などの副業が会社にばれる理由の多くは、住民税です。

特定口座「源泉徴収なし」や一般口座では、確定申告後の住民税額が会社に通知されるため、給与所得のみの場合の住民税と差額が生まれ、会社に副業がばれる可能性があります。

しかし、特定口座「源泉徴収あり」では株式などの売買時にすでに住民税が天引きされているため、住民税額の違いで会社にばれることは考えにくいでしょう。

「特定口座 源泉徴収あり」だと確定申告はいらないの?

A.確定申告はいりません。

特定口座「源泉徴収あり」では、利益が確定した時点で証券会社が所得税・住民税の納税を代行してくれます。

上場株式等の譲渡所得、配当所得に対する税額は一律20.315%のため、利益の大小で確定申告が必要となることもありません。

「特定口座 源泉徴収あり」だと年末調整は必要なの?

A.年末調整は必要ありません。

年末調整は「給与所得」を対象とした手続きであり、投資による利益は「給与以外の所得」になるため、年末調整は必要ありません。

ただし、20万円超の利益が出た場合は確定申告をする必要がありますので注意しましょう。

まとめ

証券会社口座にはいくつもの種類があり、それぞれ異なる特徴があります。

特定口座「源泉徴収あり」は納税の手間が省けますが、利益によっては余計な税金を支払う可能性もあります。

一方、特定口座「源泉徴収なし」なら効率のよい資金運用を目指せますが、確定申告の手間がかかる点に注意が必要です。

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