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証券取引所って何?株式市場や証券会社との違いを解説

証券取引所って何?株式市場や証券会社との違いを解説

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証券取引所とは

証券取引所とは、株式や債券、投資信託などの有価証券を売買することを目的とした施設のこと。

日本では、「東京」「名古屋」「札幌」「福岡」の4か所がある。

株の取引を行う際、証券会社の取引ツールや電話で注文できますが、証券会社あくまで仲介しているだけで実際の取引は証券取引所で行われています。

証券取引所では取扱銘柄も異なるため、自分が取引したい商品があるかも踏まえて特徴を理解しておくことが大事です。

この記事では証券取引所と証券会社の違いや、株式市場ごとに異なる注意点などを解説しています。

最後まで読むことで、証券取引所がどのような役割を持っているのか、自分はどこで取引すべきか理解できるようになるでしょう。

この記事を読んで、証券取引所がどのようなところか、また証券会社とはどう違うのかを知っておきましょう。

【掲載情報について】
2023年7月31日時点の情報を掲載しています。

  • 株式会社400F 執行役員CGO(Chief Growth Officer) / 株式会社400F

    監修者林 和樹

    京都大学卒業後、2007年トヨタFS証券(現:東海東京証券)入社。2012年エイチームへ入社し、翌年に金融メディア事業を立ち上げ。最盛期には売上高72億円の事業に育てる。2019年エイチームフィナジーを設立し、代表取締役社長に就任。保険代理店業務を開始する。2022年5月より現職。個人理念は『お金の不安が意思決定の制約にならない世界を創る』。趣味はボディメイク。

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  • イーデス編集部 / 株式会社エイチームフィナジー

    編集者小林 梨沙

    1989年生まれ、愛媛県松山市出身。

    大学卒業後、株式会社ブリッジインターナショナルに入社。外資系教育サービス会社にて、薬機法や品質マネジメントシステムのインサイドセールスを担当。その後、スーパーバイザーとして、日系大手企業のインサイドセールスプロジェクトの立ち上げを行う。

    2019年に株式会社エイチームフィナジーに入社。FX、新規事業開発部を経て、イーデスの編集者に就任。

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    株式の売買ができる「証券取引所」の役割とは?

    証券取引所の役割

    証券取引所は、株式会社の中でも「上場」が認められた会社の株を売買することを役割としています。

    株式会社は、日本でおよそ170万社ありますが、そのすべての会社の株が証券取引所で取引されているわけではありません。

    その中で、証券取引所で取引する資格を与えられた会社の株だけが売買されているのです。

    この資格を与えられることを上場といいます。

    証券取引所の中は、いくつかの市場に分けられていて、それぞれ上場するための基準が異なっています。

    上場していない株は、証券取引所で売買することができません。

    証券取引所と証券会社の違いは?

    証券取引所と証券会社の違い

    証券取引所は会社の株を売買、証券会社は顧客から注文を受けて証券取引所に発注するという役割を持っています。

    つまり、証券会社というのは注文を仲立ちする窓口の役割を持っているのです。

    証券会社に注文を出して株を買うので、証券会社の内部で売買が完結していると思っている方も多いでしょう。

    しかし、実際には証券会社に注文すると、それはそのまま証券取引所に発注されています。

    そして、証券会社は証券取引所から株を受け取り、それを顧客に渡しています。

    証券会社から株を買う方法については、以下の記事をご覧ください。

    証券取引所と株式市場一覧

    証券取引所株式市場立会時間
    東京証券
    取引所
    (東証)
    プライム
    スタンダード
    グロース
    上場投資信託等(ETF/ETN)
    不動産投資信託(J–REIT)
    【前場】
    9:00~
    11:30

    【後場】
    12:30~
    15:00
    名古屋証券
    取引所
    (名証)
    プレミア
    メイン
    ネクスト
    【前場】
    9:00~
    11:30

    【後場】
    12:30~
    15:30
    福岡証券
    取引所
    (福証)
    本則市場
    Q-Board
    札幌証券
    取引所
    (札証)
    上場株式市場
    アンビシャス

    ※参考:金融商品取引所一覧と立会時間|みずほ証券

    上記が日本の証券取引所で、代表格は東証です。

    残りの3証券取引所は、地方証券取引所ですが、いずれも東証に比べて小規模なので、実際に株の取引をする場合は、ほとんどが東証の銘柄になると考えてよいでしょう。

    実は、地方証券取引所に単独上場している企業の方が少数派で、「東証と名証」「東証と札証」というように、東証と地方証券取引所の両方に上場している企業もあります。

    ここからは、東京証券取引所や、各地方証券取引所の特徴を解説します。

    東京株式市場(東証)の特徴

    東京にある証券取引所で、上場している企業のほとんどは、東京証券取引所に上場しています。

    証券取引所は、ほとんど東京で一極化しているため、売買は基本的に東京証券取引所で行われます。

    取引所の市場は、基本的に次の5つに分けられています。

    1. プライム
    2. スタンダード
    3. グロース

    以前は、「東証一部」「東証二部」それ以外には、新興企業向け市場として「JASDAQ」「マザーズ」があり、プロ投資家向けの市場として「TOKYO PRO Market」という市場がありました。

    2022年4月4日以降は市場区分の見直され、現在は、「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」の3つの市場区分になっています。

    プライム市場・スタンダード市場・グロース市場

    ※画像引用元:市場区分見直しの概要|JPX日本取引所グループ

    各市場のおすすめポイントや注意点は、後ほど解説します。

    名古屋証券取引所(名証) の特徴

    かつては、東京証券取引所と大阪証券取引所、そして名古屋証券取引所で、日本の三大市場といわれていました。

    しかし、現在は東京証券取引所に一極集中したため、売買高によるシェアは0.02%とごくわずかになっています。

    ※参照元:名証統計月報|名証

    市場はプレミア・メインに分かれており、それ以外にも新興企業向けの市場として、次世代の企業向けにネクスト市場を開設しています。

    主に、東海地方を拠点としている企業が上場しています。

    福岡証券取引所(福証)の特徴

    九州圏唯一の証券取引所で110社が上場、そのうち、単独上場は25社です。

    ※参照元:上場会社数|福岡証券取引所単独会社数|福岡証券取引所

    近年は、東京証券取引所に上場するために上場廃止申請を出す企業も増えています。

    Q-Boardは新興企業向けの市場で、2000年に設立されました。

    Q-Boardとは

    福岡証券取引所が創設したベンチャー企業など新興市場を対象とした市場のこと。

    また、2010年には外国株市場も創設したのですが、2020年現在で上場した外国株はありません。

    主に、Q-Boardに上場する新規公開株が取引されています。

    札幌証券取引所(札証)の特徴

    単独上場16社を含む、58社が上場しており、そのほとんどが北海道の企業です。

    ※参照元:上場会社関係|札幌証券取引所

    新興企業向け市場のアンビシャスにRIZAPグループが上場していたため、2017年度の年間売買代金は、3,335億円でした。

    アンビシャスと、RIZAPグループの売買代金だけで、3,179億円を占めています。

    この金額は、名古屋証券取引所の2倍以上になる金額ですが、普段は500億円前後と名古屋の半分以下の金額です。

    東証の5つの市場

    東京証券取引所の市場は、次の5つに分けられています。

    第一部東証一部
    第二部東証二部
    新興企業向けの市場JASDAQ
    マザーズ
    プロ投資家向けの市場TOKYO PRO Market

    ここからは、それぞれの市場のおすすめポイントや注意点などを解説します。

    第一部(東証一部)

    東証一部は、他の市場よりもはるかに上場基準が厳しい市場です。

    株式市場は、株主数や流通株式数、時価総額、事業継続年数、従業員数など、様々な項目が上場基準として定められています。

    そのため、東証一部に上場する企業は大企業が中心となっています。

    ちなみに、一部上場企業というのはこの東証一部に上場している企業という意味です。

    上場しているのが大きな企業ばかりなので、東証一部で取引される株は倒産リスクを心配する必要がまずありません。

    また、時価総額も多く、流通量も豊富のため、取引も活発に行われています。

    極端な値上がりや値下がりもあまりないので長期保有に向いており、配当や株主優待狙いの投資なら東証一部の上昇企業を狙いましょう。

    ただし、すでに大きく成長している企業ばかりなので今後の大幅な成長にはあまり期待できません。

    値動きも緩やかなので、値上がり益を狙う場合は銘柄をよく吟味しなくてはいけないでしょう。

    第二部(東証二部)

    東証一部の基準に満たない規模の企業が上場するのが東証二部で、時価総額や従業員数などの基準が第一部よりも緩やかになっています。

    今後成長したら東証一部に上場したいという銘柄が上場しています。

    事業継続年数などの基準は、第一部と変わらないため、新興企業ではなく、ある程度事業が続いている企業が上場しています。

    長年事業を継続しているということは、安定性が高いということです。

    成長する余地も十分に残されているので、東証一部よりも今後の成長に期待でき、値動きも大きくなります。

    大きな値上がり益を狙いたい場合には狙い目となるでしょう。

    ただし、中規模のまま長い間続いている企業も少なくはなく、よほどのきっかけがなければ成長にはつながらないこともあります。

    また、規模が小さい分、経営難に陥る可能性も東証一部より高くなるので注意しましょう。

    マザーズ

    東京証券取引所の新興企業向け市場で、Market of the high-growth and emerging stockの略称としてMothersといわれています。

    上場基準は、東証一部や二部よりもかなり緩く、従業員が200人以上、事業継続年数は最低1年、時価総額10億円以上などがあります。

    ※参照元:上場審査基準 | 日本取引所グループ

    上場して資金を集めて成長していこうという企業がこの市場に上場します。

    今後の成長可能性に期待される企業が多いので、中には設立間もない企業や赤字の企業も上場しています。


    株価が数年で何倍にもなる企業も珍しくなく、成長性に期待するならマザーズ市場に注目しましょう。
    ただし、上場基準が緩い分、倒産リスクも高くなります。

    また、株式の流通量は企業によって大きく異なります。

    中には、ほとんど取引されない株もあり、流動性リスクが高くなるのも難点です。

    銘柄選びが非常に重要となるので気を付けましょう。

    JASDAQ

    マザーズと同じく、新興企業向けの市場で日本初の新興企業向け市場として1963年に設立されました。

    日本証券業協会が創設した店頭登録制度から始まった市場で、正式に市場として整備されたのは1983年です。

    日本版NASDAQとしてJASDAQという名称がつけられ、東証の管理下に入ったのは2013年のことです。

    上場している銘柄の中には、初期から登録されて50年を超えている企業もあります。

    市場内でさらにスタンダードとグロースという区分があり、グロースの場合は将来性を重視して上場の可否が決められるので、本当の新興企業でも上場するチャンスがあります。

    まだ無名のうちに株を買っておけば、将来は数百倍になるという期待を持てるのもこの市場の大きな魅力でしょう。

    しかし、上場してから長い企業もあるので成長性にはあまり期待できない企業も含まれており、期待しても成長できずに倒産する可能性もあります。

    玉石混合の市場なので慎重に見極めたほうがいいでしょう。

    TOKYO PRO Market

    特定投資家が、直接買い付けることができる市場として2009年に設立された市場で、ロンドンのAIMという市場を参考にして設立されました。

    特定投資家とは、機関投資家や非上場の株式会社、3億円以上の金融資産を持つ個人などが対象となるため、一般の投資家にはあまり関係ないかもしれません。

    上場の基準は調査結果をもとにした審査によるもので明確にはされていません。

    現在、上場している企業は30社ほどですが、上場しやすいのでこちらを選んで上場する企業もあります。

    まとめ:各取引所の特徴を把握して銘柄を選ぼう!

    一口に証券取引所といっても、いくつかの種類があります。

    そして、その中はさらに複数の市場に分かれているのです。

    証券取引所の役割や、各市場の特徴、証券会社との違いについて、お判りいただけたでしょうか?
    特に、市場ごとの違いというのは大きいので、各市場の特徴はしっかりと覚えておきましょう。

    現在、証券取引所の中でも、ほとんどの取引が東京証券取引所で行われています。

    しかし、将来的にはそれ以外の、地方の証券取引所が独自の路線を打ちだしてくるかもしれません。

    現状ではそれほど関係ないかもしれませんが、それぞれの証券取引所についても把握しておくことをおすすめします。

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