海外赴任で便利なクレジットカードは?必要な手続きや地域別おすすめブランドを解説
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海外支社のある企業に勤めている人にとって、海外赴任は大きなチャンスですよね。
海外赴任が決まった人からすると、
- 海外赴任にあたりクレジットカード会社に何か申請するべきか知りたい
- 海外赴任をする上でクレジットカードをどのように管理すればいいか知りたい
- 今後も海外赴任が長期化しそうな場合の上手なクレジットカード管理方法が知りたい
- 海外赴任に便利なクレジットカードが知りたい
と思われるのではないでしょうか?
慣れない国での、お金やクレジットカードにまつわる不安も払拭したいですよね。
この記事では、海外赴任が決まったあとにするべき手続き、海外赴任先別のおすすめクレジットカード、クレジットカード以外の選択肢などについてまとめてみました。
記事を読むことによって、海外赴任が決まったとのクレジットカードに関する手続きや管理、そして持つべきカードの判断をスムーズに行えるようになるでしょう。
アンカー海外でのクレジットカードについては、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

福岡大学法学部法律学科卒業。
1995年4月 情報通信会社入社。
2006年11月 ファイナンシャル・プランニング技能士1級取得。
2017年10月 独立。
コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)を行う他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に金融メディアへの執筆および監修も行い、現在年間200本以上の執筆および監修をこなしている。これまでの執筆および監修実績 は1,000本以上に及ぶ。
監修実績
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海外赴任が決まった!必要な手続きと注意点
海外赴任が決まったあとの手続きには、一体どのようなものがあるのでしょうか?
ここからは、海外赴任に関するクレジットカード手続きの中でも特に大切な、
- 住所変更をするべきかどうかの判断基準
- カード利用明細書の確認はオンラインがおすすめ
- カード更新が近ければ前倒しで更新しておく
- 1年未満の赴任なら家族に転送手続きをしておく
といった4つのポイントについて、それぞれ解説していきます。

新井智美 / トータルマネーコンサルタント
【専門家の解説】
海外赴任が決まった時に一番に確認してもらいたいのが、クレジットカードの更新時期です。
更新時期が近い場合は、相談して日本にいる間に受取れるよう発行してもらいましょう。
基本的に更新後のカードは本人でなければ受取れなくなっていますので、早めの対応が得策です。
発行カード会社の住所変更をするべきかどうかの判断基準
カード会社へ住所変更申請を行うかどうかは、「カードを国内で受け取れるかどうか」で決まってきます。
例えば、以下は三井住友カード株式会社の場合です。
(1)家族で住んでおり、一人だけ単身赴任で海外にいく場合
住所変更は必要ありません。理由は、登録している住所でカードやその他の郵送物が受けとれるからです。
(2)現在登録している住所では受け取りできなくなるが、国内の他の住所(実家など)であれば受け取りできる場合
住所変更が必要です。新しく国内の他の住所を登録してください。
(3)国内での受け取りが難しく、海外赴任先でカードを受け取りたい場合
海外生活ヘルプデスクへの申し込みが必要です。請求書や更新カードを赴任先に送付してくれます。
簡単にいうと、
- 今の住所で家族がそのまま住み続ける場合は、住所変更なし
- 今の住所に自分と家族ともに住まなくなる場合は、住所変更あり
となります。
ただ、海外生活ヘルプデスクはあくまで三井住友カード株式会社のサービスであり、カード会社によっては「海外へ請求書やカードを送付するのはNG」といった場合もあるので気をつけてください(例:NICOSカード)。
もし、そういったカードを使っており、かつ日本国内の家族に受け取ってもらうことが無理な場合は、カード解約になる可能性もあります。
カードの利用明細はオンラインチェックがおすすめ
海外赴任になる場合は、カードの利用明細をオンラインでチェックできるようにしておくのがよいでしょう(例:WEB明細書サービスなど)。
というのも、先に紹介したNICOSカードのように、「海外へ請求書やカードを送付するのはNG」といったカード会社もあるからです。
そのため、オンラインで利用明細をチェックできる状況を整えておけば、赴任先で明細を確認するのに困ることはありません。
逆にいうと、もし紙の明細書を毎月国内で受け取っており、赴任前に利用明細の確認方法を変更していなければ「海外赴任してから自分の利用明細が確認できない」といった事態に陥ってしまう可能性もあります。
更新に注意!カード更新が近ければ早めに更新しておこう
三井住友カード株式会社の海外生活ヘルプデスクのように例外もありますが、NICOSカードや楽天カードのように、更新されたカードは基本的に本人が日本で受け取る必要があります。
そのため、カード更新の日付が迫っている場合は、カスタマーセンターに電話して相談してみましょう。
事前に発行に対応してくれる場合もあります。
1年未満の赴任ならば家族に転送手続きもおすすめ
もし、海外赴任が「確実に1年未満」とあらかじめわかっている場合は、郵便局の「転居・転送サービス」を利用して、実家の家族へ請求書など転送してもらうのもひとつの手です。
この方法であれば、住所変更をせずに海外赴任に行くことができるでしょう。
ただ、転居・転送サービスは「転送期間は届出日から1年間」と決まっています。そのため、1年以上赴任する可能性のある人は、この方法は避けてください。
また、カード更新時は基本的に本人でないと受け取れないので、転送・転送サービスを使っても意味がありません。
このように、海外赴任となった場合のクレジットカードに関する手続きは、
- 「家族は同行するのか」
- 「日本国内で明細の受け取りはできるのか」
- 「カード会社ごとの規定はどうなっているのか」
といった点が重要になってきます。
次の項からは、海外赴任先別おすすめのクレジットカードを紹介していきます。
海外赴任先別、おすすめクレジットカード
おすすめのクレジットカードは、どこに赴任するかによっても変わってきます。
ここからは、各国別おすすめのクレジットカードや国際ブランドをみていきましょう。

新井智美 / トータルマネーコンサルタント
【専門家の解説】
赴任先の国によってはクレジットカードが作りにくいケースもありますので、赴任先に応じて、日本でクレジットカードを作っておくことも考えましょう。
北米に行くなら、本文でおすすめしているとおり、「LAL USA CARD」もしくは「ANA USA CARD」を日本で申し込み、赴任先で受け取ることをおすすめしますし、中国に赴任するなら、銀聯カードでしょう。
また、海外赴任の場合、国際ブランドの選び方にも注意が必要です。
JCBは日本発祥の国際ブランドですので、日本国内での利用には非常に便利ですが、海外では使いにくいケースがあります。
世界中で利用することを考えるなら、世界的なシェアを誇るVISAもしくはMastercardを選ぶといいでしょう。
さらに海外事務手数料がどのくらいかかるのかも、赴任先で利用するクレジットカードを選ぶ際のポイントになります。
最後に、現在保有しているクレジットカードの特典が海外でも利用できるのかを確認しておくことも大切です。
基本的にVisaやMastercard®が世界中で使える
カード決済業界の有名専門誌「ザ・ニルソン・レポート」によると、2015年の国際ブランド別総購入取引件数の割合は以下のようになっています(デビットカードを含む)。
- Visa…55.5%
- Mastercard®…26.3%
- Union Pay(銀聯カード)…12.79%
- アメリカン・エキスプレス…3.21%
- JCB…1.23%
- ダイナースクラブ、ディスカバー…合わせて0.98%
このように、世界的にみるとVisaとMastercard®が総購入取引件数全体の約8割を占めています。
もし国際ブランド選びに迷っているのであれば、VisaもしくはMastercard®を選んでおけば間違いないでしょう。
また、日本では使い勝手のよいJCB、高級志向でステータス性の高いアメリカン・エキスプレスやダイナースクラブは世界シェアを見るとかなり小さく、使える場所は限られてきます。
各国別おすすめクレジットカード
海外赴任する国によっておすすめのクレジットカードは異なってきます。
ポイントとして、クレジットカードには「外貨取引手数料」といって、現地通貨以外で取引されたすべての購入やキャッシングについて手数料が上乗せされる仕組みがあります。
そのため現地通貨で決済できるカードは手数料がかからずお得です。
また、日本で発行したカードを海外で使うとクレジットカード会社の手数料が支払いに上乗せされる場合があるので、可能であれば現地のカードを発行してもらうとよいでしょう。
ここからは、世界の各地域ごとにおすすめのクレジットカードを紹介していきます。
北米
アメリカではクレジットカード社会が発達していますが、カード発行の審査には一部のカードを除き日本のクレジットカードヒストリーは考慮されません。
いわば、「クレヒスがゼロ」の状態なのです。そのため、中々クレジットカードを作れない傾向にあります。
※クレヒスについて詳しい情報は、下記のページを参考にしてみてください。
そこでおすすめなのが、JALが発行している「JAL USA CARD」と、ANAが発行している「ANA CARD USA」のふたつです。
このふたつのカードは、日本の航空会社がアメリカ現地の銀行と提携して発行しており、ドル決済はもちろんアメリカでのクレジットカードヒストリー作成も可能となっています。
アメリカでクレジットカードの審査に落ちた人は、まずこのふたつのカードのどちらかを作り、地道にクレヒスを磨いてみてはいかがでしょうか。
東アジア
中国は何といっても「銀聯カード」がおすすめです。
というのも、中国では銀聯カードが多くのシェアを占めており、非常に使い勝手がよいのです。
「中国だけに限るのであればVisaやMastercard®より使える」といっても過言ではありません。
また、香港、台湾、韓国などはVisaやMastercard®など、世界シェアの高い国際ブランドのものを持っておけば、支払いに困ることはないでしょう。
東南アジア、ヨーロッパ、南米、その他の地域
東南アジア、ヨーロッパ、南米、中東などには「これは絶対におすすめ!」といったカードは特になく、カードというよりも国際ブランドで選んだ方がよいでしょう。
そこでおすすめの国際ブランドはやはり、VisaとMastercard®のふたつです。
各地域に滞在・赴任している人や世界一周旅行を経験した人達の情報を総合すると、やはりこのふたつの国際ブランドのうち、どちらかひとつを持っておくことをおすすめしています。
逆に、JCBやアメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブ、銀聯カードなどは、利便性などを考えると、「最初の1枚」「メインの1枚」として利用するのは避けておいた方がよいでしょう。
このように、おすすめのクレジットカードは世界の各地域によって異なりますが、VisaとMastercard®は国際ブランドとして圧倒的な使い勝手のよさを誇ります。
次の項からは、クレジットカードではなく「海外プリペイドカード」という選択肢についてみていきましょう。
海外プリペイドカードもおすすめ
クレジットカードではなく、海外プリペイドカードを使うのもひとつの手です。
ここからは、
- クレジットカードとの違い
- 各国通貨に対応していて便利
のふたつについて解説していきます。
クレジットカードとの違い
まず、クレジットカードとプリペイドカードの違いをまとめると、以下のようになります。
クレジットカード | プリペイドカード | |
---|---|---|
支払い方法 |
|
|
支払い回数 |
| 1回払いのみ |
利用可能額 |
|
|
キャッシング | 設定金額内で可能 | キャッシング機能はない |
キャッシュカード機能 | 一体型もある | あり |
入会審査 | あり | なし |
申込資格 |
| 13歳や15歳で持てるものもあり |
年会費 | 無料〜数千円。高いものであれば数万円〜数十万円の場合もあり | 無料 |
特典等 | 施設の優待利用、旅行保険、ラウンジ利用、コシェルジュサービスなど各種優待がある | 特典はなし |
こうした特徴をふまえると、それぞれにおすすめな人は以下のようになります。
クレジットカードがおすすめな人
- 入会審査に通るだけの返済能力などがある人
- 優待サービスを受けたい人
- 旅行やショッピングの保険に加入したい人
- キャッシング機能を利用したい人
- 支払い方法を状況に応じて使い分けたい人
- 高額な買い物をする人
プリペイドカードがおすすめな人
- クレジットカードの審査に落ちた人
- 優待サービスなどにはあまり興味がない人
- 保険やキャッシング機能を利用しない人
- クレジットカードだとついつい使いすぎてしまう人
- 高額な買い物をしない人
プリペイドカードは、クレジットカードよりも「電子マネー」のようなものだと理解しておきましょう。
また、あらかじめ入金した分しか利用できないため、使いすぎで困ってしまうこともありません。
ただし、クレジットカードに比べて利用可能額が少ない点や、特典がないなどのデメリットもあります。
各国通貨に対応していて便利
海外用プリペイドカードは各国通貨に対応しており、世界数百万台あるATMを使えば、必要なときに現地通貨を引き出せます。
事前に入金してさえいれば、海外旅行や海外赴任でわざわざ両替所に並ぶ必要はありません。
また、「必要なときに必要なだけ」引き出せるので、大金を持ち歩いたり、それをなくす心配をしたりすることもなくなるでしょう。
もちろん、紛失や盗難などした場合は、発行会社がサポート対応してくれます。
まとめ
それでは、これまでの内容を振り返ってみましょう。
海外赴任が決まったあとのクレジットカード関連の手続き
- 住所変更は「国内に家族がいるかどうか」「クレジットカード会社の規約」などによって必要・不必要が変わってくる
- 海外へのカードや明細書送付に対応していないカード会社もある
- 海外赴任が決まったらWEB明細書に切り替え、更新日が近いなら事前に更新しておく
- 赴任期間が1年未満なら転居・転送サービスも有効
地域別おすすめカード
- アメリカはJAL USAとANA USA
- 中国は銀聯カード
- VisaとMastercard®はどの国でも使い勝手抜群
プリペイドカードも選択肢のひとつ
- 審査不要かつ低年齢で持てるので使い勝手がよい
- 現地通貨をATMから引き出せるため便利
- 使い過ぎ防止にはなるが、優待や利用可能枠などはクレジットカードに比べ見劣りする
海外赴任の決まった人、もしくはその可能性がある人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
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イーデス編集部
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