3年固定の住宅ローンは借り換えが有利!借り換えor引き下げ交渉の判断基準
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簡単にまとめると
- 3年の固定期間終了時は借り換えた方がコストメリットを得られるケースは多い
- 残りの返済期間が長いほど借り換えの効果は大きくなる
- 変動金利への借り換えでは金利上昇リスクに注意
当初3年固定金利タイプの住宅ローンを借入していて、「固定期間が終了する前に借り換えを検討しよう」と考えている方も多いと思います。
しかし、住宅ローンを組んでまだ3年しか経っていない状況だからこそ、
- 本当に借り換えすべきなのか?
- 諸費用を考慮したら、今の銀行で継続したほうが良いのでは?
- 今の銀行で継続するなら、金利タイプはどうすれば良い?
などの不安や疑問が出てきますよね。
結論から言えば、借り換えしたほうがメリットのある方が多いです。
ただし当然ながら、借り換えによるメリットはケースバイケースで、中には今のプランを続けたほうが良い方もいるわけです。
当記事では、3年の固定期間が終了する方向けに、借り換えするべきかどうかの判断基準を詳しく解説していきます。
ファイナンシャルプランナー / ジョインコントラスト株式会社
監修者中野良唯
大手ハウスメーカーでの営業所長を経て、生命保険会社へFPとして転職。
その後、独立系FPとしてコンサルティングの幅を広げるためジョインコントラスト株式会社へ移籍。
現在は「家計教師.com」に所属するFPとして、家計の個別コンサルティングや各種セミナー、企業や学校などで講演会なども行なっている。
▼講演会実績
2022年12月13日 ライフプランセミナー「我が家の教育資金はいくら必要?進路別教育費と資金準備の話」(主催:神戸市職員共済組合)
2019年6月15日 ハウジングセミナー「時代に流されない住まいづくりのコツ」(主催:国家公務員共済組合連合会)
▼保有資格
AFP
宅地建物取引士株式会社エイチームライフデザイン
編集者イーデス編集部
「ユーザーが信頼して利用できるWEBメディア」を目指す編集部チーム。実際のユーザーの声や業界知識の豊富な専門家の協力を得ながら、コンテンツポリシーに沿ったコンテンツを制作しています。暮らしに関するトピックを中心に、読者の「まよい」を解消し、最適な選択を支援するためのコンテンツを制作中です。
■書籍
初心者でもわかる!お金に関するアレコレの選び方BOOK
■保有資格
KTAA団体シルバー認証マーク(2023.12.20~)
■許認可
有料職業紹介事業(厚生労働大臣許可・許可番号:23-ユ-302788)
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3年固定が終わったあとは借り換えるべきか
住宅ローンの当初3年固定期間が終わったあとは、
- 他の銀行に借り換える
- 今の銀行でローンを継続
(同じ金利タイプまたは他の金利タイプ)
という2つの選択肢があります。
冒頭でも触れたように、基本的には他の銀行へ借り換えるほうが、メリットのある人は多いです。
ただ、今の銀行で契約を継続する場合でも、金利の引き下げ交渉ができれば状況は変わってきます。
借り換えでメリットが得られる理由や、借り換えるべきかどうかの判断基準、注意点について詳しく解説していきますね。
借り換えしたほうがコストメリットのある人は多い
3年固定期間終了後は、他の銀行へ借り換えするほうが、コストメリットのある人は多いです。
理由は簡単で、ローンを組んでから3年しか経過していないため、ローンの残存年数が長く、借入残高も沢山残っているからです。
住宅ローンの借り換えでは、よく「金利差が1%以上あること」が判断基準と言われています。
しかし実際には、金利差0.5%程度でもメリットが生じる人もたくさんいるのです。
なぜなら借り換えのメリットは、金利差に加えて
- ローンの残存年数が長い
- 借入金額が多い
という要素で決まるからです。
借り換えでどれだけお得になるかは、当サイトの借り換えシミュレーションを活用してみてください。
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さらに、当初3年固定タイプを選択している方の場合、借入期間が短く、現契約の保証料がたくさん戻ってくるケースが多いです。
この戻ってくる保証料を「戻り保証料」といいます。
通常、借り換えでは諸費用を支払うことがネックになりますが、当初3年固定タイプを選択している人は「戻り保証料」が多い分、多少の金利差でもメリットが出やすいのです。
ただし注意点として、この「戻り保証料」は、もともと保証料の支払いがないネット銀行や、保証料を利息に組み込んで支払っている場合には発生しません。
「戻り保証料」があるのは、借入れ年数に応じた保証料を一括で前払いしているケースだけです。
現状の当初3年固定住宅ローンを、都市銀行や地方銀行・信用金庫などで契約している場合は、「戻り保証料」が発生するケースも多いです。
銀行によって保証料の返金率は異なりますので、どの程度返金される可能性があるのか、契約書であらかじめ確認しておきましょう。
借り換えor金利引き下げ交渉のどちらが有利かを計算
借り換えすべきかどうかは、
- 総返済額がどれだけ軽減できるか
- 今の銀行で金利引下げ交渉が可能かどうか
を見て判断するのが良いでしょう。
借り換えか引き下げ交渉かを判断する流れとしては、
STEP1
現銀行「戻り保証料」の有無、概算の金額を確認
STEP2
借り換え先となる銀行を複数ピックアップし、諸費用を含めた総返済額の見積もりを取る
STEP3
諸費用を含めた総返済額が、今よりお得になる銀行で借り換えの仮審査を申込する
STEP4
借り換えの仮審査が通ったら、現銀行に金利引き下げ交渉をする
STEP5
金利引下げ交渉ができたら、借り換え後の総返済額と金利引下げ後の総返済額を比較し、お得なほうを選択する
という5つのステップです。
金利引下げ交渉は、銀行間での顧客獲得競争が激化している今だからこそ実現できる可能性があります。
ただし注意点として、住宅ローン契約にはあらかじめ定められた金利のルールがあります。
当然、やみくもに「金利を下げてくれ」と言っても、簡単にルールを変更してくれるわけではありません。
金利引下げ交渉をする場合は、まず他行での見積もりを見せましょう。
そのうえで、下記2点を端的に伝えることです。
金利交渉する際に伝えること
- 他の銀行で借り換えしたほうが金利割引幅も大きいため、総返済額を下げられる
- しかし、固定期間終了後の金利割引幅を見直してもらえるなら、借り換えせずに契約を続けたい
金利交渉に応じてもらえるかどうかは銀行によって異なります。
もちろん、延滞や返済中のトラブルがあると金利交渉は難しくなります。
端的に伝えて、銀行側の意見もしっかり聞くようにしましょう。
同じ金利タイプに借り換える
借り換え&金利交渉のメリットを試算した結果、他の銀行で同じ金利タイプ(固定期間選択型)に借り換えるときは、以下の点を参考にしつつ検討してください。
3年固定タイプから他行の固定期間選択型に借り換える際にチェックすること
- 適用金利だけでなく、固定期間終了後の金利割引幅も見て条件の良い商品を選ぶ
- 固定期間は10年以上のプランにする
固定期間選択型は、固定期間終了後の金利割引幅が銀行によって大きく異なります。
再度固定期間が終了したときに、また借り換えできるとは限りません。
万一のことも考えて、できるかぎり金利割引幅の大きい銀行で借り換えるようにしましょう。
また、3年固定から再度固定期間選択型を選ぶなら、当初10年、当初15年など、10年以上のプランを選択すべきです。
最近では、当初10年タイプでも、年1%以下の金利で提供する銀行が増えています。
3年だけ固定金利が約束されるプランと、10年もの長期間固定金利が約束されるプランとでは、「期間に対するお得度合い」が全然違います。
3年固定タイプから借り換えるなら、固定期間は10年以上にすることをおすすめします。
固定期間終了後に変動金利へ借り換えるときは上昇リスクを検討
固定期間選択型から変動金利に借り換えるときは、金利上昇リスクをふまえたうえで返済計画を立てましょう。
実は、変動金利で金利が約束される期間は半年だけなのです。
つまり、どれだけ最初の適用金利が低くても、その後短期間で金利が上昇する可能性も否定できないということです。
変動金利へ借り換える場合は金利上昇リスクをふまえて
変動金利へ借り換える場合のリスク対策
- 返済期間を短くする
- 借入額を少なめにする(頭金を多く入れる)
- 金利上昇時に繰上返済をする準備をしておく
などのリスク対策が必要です。
金利動向を予測することはできませんが、金利が上昇した後も安心して返済できるような計画にすることは、誰にでもできます。
変動金利を選択する場合は、必ずリスク対策込みで借り換えを検討してくださいね。
借り換えメリットを最大限引き出す方法
当初3年固定タイプで固定期間終了後に借り換えする場合、下記の4点が重要になります。
最大限メリットを出すため、必ず目を通しておいてくださいね。
3年固定タイプからの借り換えでメリットを最大限挽き出すためのポイント
それぞれ重要なポイントなので、詳しくご説明していきますね。
ポイント①焦らずに借り換え先を決める
借り換えをする人は、万一他行で借り換えできない場合でも、現契約を継続するという逃げ道があります。
すでに住宅ローンを組んでいるので、初めて借入れするときに比べると、時間的・精神的な余裕もありますよね。
これはじっくりと借り換えを検討できる大きなメリットです。
中には、「3年固定期間が終了する前に、借り換え先を決めなきゃ」と焦っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかしながら、たとえ固定期間が終了しても、そのまま住宅ローンは継続できるのですから、焦って借り換え先を決める必要はありません。
時間と気持ちの余裕があるのですから、慎重に検討して、可能なかぎり金利が低く、最適な住宅ローンを探して申し込みましょう。
審査に通れば借り換えれば良いですし、通らなければ現契約を継続すれば良いのです。
ただし借り換え時の注意点として、多数の金融機関に本審査を申し込むのはおすすめしません。
なぜかというと、個人信用情報機関に銀行の照会履歴が残るからです。
本審査を何回も繰り返すと「他の銀行で借り換えできなかったからうちの銀行に申し込んだのかな」というネガティブな印象を持たれる可能性があります。
仮審査の段階なら複数申し込んでも問題ありませんが、本審査は本命の銀行だけで申し込むようにしてくださいね。
ポイント②安心感を求めるならフラット35も検討する
多少金利は上がっても、当初3年固定タイプから全期間固定金利のフラット35へ借り換えるという選択肢もあります。
「当初は金利重視で固定期間選択型にしたけど、やっぱり金利変動が不安。金利が低いうちに、全期間固定金利に借り換えたい」という方もいらっしゃいますよね。
フラット35へ借り換えるには、住宅金融支援機構が定める独自の住宅基準を満たさなければなりません。
さらに、どれだけ低金利なフラット35を選んだとしても、現契約より金利も上がることになります。
しかしながら常に金利上昇の不安がある変動金利や、固定期間終了後に借り換え先を探さなければならない固定期間選択型と違い、フラット35は完済まで金利が変わりません。
この安心感は大きな魅力ですよね。
最近では、従来のフラット35(買取型)よりも低金利で自由度が高い「フラット35(保証型)」の人気も高まってきています。
「金利は多少上がっても安心を優先したい」という方は、フラット35への借り換えで安心を買うのも一つの方法です。
ポイント③借り換える前に金利交渉をする
他行への借り換えを決めているケースでも、現契約の銀行に金利交渉してみるのがおすすめです。
先ほどもお伝えしたように、銀行側も顧客数を確保しておきたいため、顧客離れはできるかぎり避けたい状況なのです。
他行へ借り換える旨を伝えれば、金利の引き下げに応じてくれる可能性はゼロではありません。
しかも住宅ローンの借り換えには、融資事務手数料や保証料、登記費用といった諸費用がかかりますし、書類の記入も大変です。
現状の銀行で「戻し保証料」が得られる場合は諸費用を相殺できますが、もし戻し保証料が無い場合は、まとまった諸費用を支払わなければならないのです。
現状の銀行が少しでも金利を引き下げてくれるのなら、借り換えにかかるお金と手間は不要になります。
固定期間終了後の住宅ローンを少しでも有利にするためにも、金利交渉は必ずしておきましょう。
ポイント④借り換えは何度でもできる
住宅ローンの借り換え回数に制限はなく、何回でもすることができます。
2019年10月現在は住宅ローンの顧客獲得競争が盛んなので、借り換え利用者にとって非常に有利な状況です。
もちろん、借り換えのたびに銀行の審査に通ることが大前提なので、よく延滞する人は要注意ですよ。
住宅ローン返済を含め、クレジットカードなどの支払いを期日内に返済できている人は、誠実な返済記録が個人信用情報機関に登録されます。
したがって、しっかり返済できている人は、個人信用情報を閲覧されても逆に良いアピールに繋がりますので、誠実に返済するようにしましょう。
まとめ
当初3年固定タイプの固定期間が終了したあと、借り換えするべきかどうかの判断基準について解説してきました。
当記事で重要なポイントをまとめると、
簡単にまとめると
- 当初3年の固定期間終了後に、借り換えしたほうがコストメリットのある人は多い
- 借り換えのコストメリットが出やすいのは、以下の3要素
①戻り保証料がある場合
(保証料を前払いで支払っているケース)
②住宅ローンの残存年数が長い場合
③住宅ローンの借入金額が多い場合 - 借り換えは、借り換え先の仮審査結果と金利引き下げ交渉の結果を見て判断しよう
- 借り換えは何度でも可能。焦って借り換え先を決めず、余裕を持って検討しよう
- フラット35へ借り換えて安心というメリットを得るのも1つの選択
の5点です。
幸い、2024年現在も超低金利状態で、銀行の顧客獲得競争も続いています。
借り換えをするにしても、金利引き下げ交渉をするにしても、利用者にとって有利な状況であることは事実です。
当初3年固定タイプの借り換えで悩んでいる人は、お伝えした判断基準を参考に、最適なプランを選択してください。
借り換えで最大限メリットを得るポイントもご紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。