20年固定住宅ローンを借りる前に読むべき!比較して分かった損をしない選び方
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20年固定金利の住宅ローンは、全期間固定金利より低金利の金利タイプであることと、当初20年間は金利が変わらない安心感が大きな特徴です。
20年固定金利が向いている人
- 20年以内など早めの完済を計画している人
- 20年後に金利が上がっても無理なく返済できる人
20年固定金利を選ぶポイント
- 借入時の金利
- 21年目以降の金利優遇幅
- 付帯サービスの3つ
しかし20年固定金利は金融機関による違いが大きく、当初20年の金利だけで選んでしまうと損をする可能性も否めません。
選んだ住宅ローンによっては、固定期間終了後に大きく金利が上がり、返済が苦しくなってしまう可能性も。
そこで本記事では、当初金利・21年目以降の金利優遇幅・事務手数料から、20年固定金利で借りるべきかの判断ポイントまで徹底的に比較した上で、20年固定金利のおすすめ住宅ローンを解説していきます。
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20年固定金利の住宅ローンを徹底比較!人気銀行を3段階でランキング
20年固定の住宅ローン選びで後悔しないためには、以下の3つの点で住宅ローンを比較する必要があります。
とくに見落としやすいポイントとして、金融機関によっては固定期間終了後に返済額が大きく上がってしまうことがあるので注意しましょう。
上記のポイントをふまえ、主要金融機関の20年固定金利住宅ローンを比較し、それぞれA~Cの3段階で評価していきます。
借入時の金利
1.6%以上…★3.0
1.4%以上1.6%未満…★4.0
1.4%未満…★5.0
21年目以降の金利優遇幅
1%未満…★4.0
1%以上…★5.0
諸費用
事務手数料2.2%(税込)…★4.0
事務手数料が10万円以下…★5.0
団信
一般団信のみ…★3.0
一般団信のほかに1つ保障が付帯…★4.0
一般団信のほかに3つ以上保障が付帯…★5.0
金融機関 | 適用金利 | 事務手数料 (税込) | 保証料 | 無料団信 | |
---|---|---|---|---|---|
当初20年 | 期間終了後* | ||||
A評価 auじぶん銀行 | 年1.975%
| 年▲0.8% 2024年12月時点 固定期間終了後に変動金利を選択した場合 | 借入金額×2.2% | 無料 ※審査の結果、保証会社をご利用いただく場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが、別途お支払いいただく保証料はございません。 | ・一般団信 ・4疾病50%保障 |
A評価 SBI新生銀行 | 年1.450%
| 年▲1.27% 固定期間終了後に変動金利(半年型)タイプを選択した場合 | 借入金額×2.2% | 無料 | ・一般団信 ・安心保障付団信(団体信用介護保障保険) |
A評価 住信SBIネット銀行 | 年1.823%
| 年▲1.032% | 借入金額×2.2% | 無料 |
|
A評価 SBIマネープラザ | 年1.823%
| 年▲1.032% | 借入金額×2.2% | 無料 | ・一般団信 ・3大疾病50%保障 (40歳未満) ・全疾病保障 |
B評価 ソニー銀行 | 年2.070%
| 年▲0.65% | 4.4万円 | 無料 | ・一般団信 ・がん50%団信 |
B評価 PayPay銀行 | 年2.015%
| 年▲1.465% | 借入金額×2.2% | 無料 | ・一般団信 ・がん50%団信 |
C評価 三菱UFJ銀行 | 年2.140%
| 年▲1.55% | 借入金額×2.2% | 不要 | 一般団信 |
イオン銀行 | 固定20年金利の取り扱いなし | ||||
楽天銀行 | 固定20年金利の取り扱いなし | ||||
三井住友銀行 | 固定20年金利の取り扱いなし |
※▲:基準金利から引き下げる優遇金利幅
※固定期間終了後に変動金利タイプを選択した場合の優遇幅を記載
※期間終了後の優遇幅は、最大引下げ幅を記載
※一般団信とは、ローン契約者が死亡もしくは高度障害状態になったときに残った住宅ローンが完済される団信保障
[A評価]auじぶん銀行住宅ローン 当初期間引下げプラン
評価項目 | 編集部の評価 |
---|---|
総合評価 | 4.5★★★★★ |
借入時の金利 | 5.0★★★★★ |
21年目以降の金利優遇幅 | 4.0★★★★☆ |
諸費用 | 4.0★★★★☆ |
団信 | 5.0★★★★★ |
新規 | 借り換え |
---|---|
年1.975%
| 年1.975%
|
auじぶん銀行では当初20年間の金利が業界トップクラスに低く、無料で付帯する団信が充実している住宅ローンを取り扱っています。
auじぶん銀行住宅ローンの無料付帯の保障内容
- 「がん50%保障団信」
がんと診断されると住宅ローン残高が50%になる - 「4疾病50%保障」
4疾病(急性心筋梗塞、脳卒中、肝疾患、腎疾患)が所定の状態に該当・所定の手術を受けた場合、住宅ローン残高が50%になる - 「全疾病長期入院保障」
すべてのケガ・病気(※)で180日以上継続して入院すると住宅ローン残高が0円になる
※精神障害を除く - 「月次返済保障」
すべてのケガ・病気(※)で連続して31日以上入院し、以降に入院が継続して30日に達するごとに毎月返済額が保障される
※精神障害を除く
上記の充実した保障を上乗せ金利なしで付帯できる金融機関は少なく、auじぶん銀行の強みとなっています。
働けなくなった時のことも考えた上で住宅ローンを選んでおくと、もしもの場合でも家族への負担を抑えやすいでしょう。
21年目以降の金利優遇幅は少ないため、早めに住宅ローンを完済させようと考えている人に向いています。
- 当初20年固定
- 当初期間引下げプラン
- 年
1.975
%
金利についての注意事項をみる
- ※2024年12月適用金利
- ※新規借入の場合
- ※物件価格の80%超で借入れの場合
- ※審査結果によっては異なる金利となることがあります。
おすすめポイント
- 01がん50%保障団信+4疾病保障+全疾病長期入院保障が無料付帯
- がんと診断、または4疾病(急性心筋梗塞、脳卒中、肝疾患、腎疾患)が所定の状態に該当・所定の手術を受けた場合、住宅ローン残高が半分になります。さらに全疾病長期入院保障も無料で付帯されます。
- 02がん100%保障の上乗せ金利が低い
- がん100%保障は上乗せ金利年0.2%一般的。auじぶん銀行では100%保障が+年0.05%で付帯できるのでお得。さらに全疾病長期入院保障も無料で付帯されます。
- 03定額自動入金サービスが無料
- メインバンクからauじぶん銀行の口座に毎月自動で入金できるので、返済額を入金する手間がなく、手数料無料でとても便利。
- 04月次返済保障が無料で付帯
- すべてのけが・病気で連続して31日以上入院した場合、住宅ローンの月々の返済が保障される「月次返済保障」も無料付帯。
[A評価]SBI新生銀行住宅ローン 当初固定金利タイプ
評価項目 | 編集部の評価 |
---|---|
総合評価 | 4.3★★★★☆ |
借入時の金利 | 4.0★★★★☆ |
21年目以降の金利優遇幅 | 4.0★★★★☆ |
諸費用 | 5.0★★★★★ |
団信 | 4.0★★★★☆ |
新規 | 借り換え |
---|---|
年1.450%
| 年1.500%
|
SBI新生銀行住宅ローンは当初固定金利タイプが低く、トータルコストを抑えやすい商品です。
新規の場合、物件金額の10%以上の頭金(自己資金)を用意することで、金利がさらに0.05%優遇されるため、他銀行(メガバンク・ネット銀行j)と比べてもトップクラスの金利の低さになります。
ただし、「一般団信」に加入することで付帯できる「安心保障付団信」は「所定の要介護状態が180日以上継続した場合」もしくは「要介護3以上に認定された場合」でないと受けられないため、保障を受けられる条件がやや厳しめな点には注意しましょう。
20年固定金利を検討していて、コストを抑えたい方にピッタリの住宅ローンです。
- 当初20年固定
- 住宅ローン(定率型)
- 年
1.450
%
金利についての注意事項をみる
- ※2024年12月適用金利
- ※自己資金10%以上
おすすめポイント
- 01ガン団信の上乗せ金利が低い
- 所定のがんと診断された場合に住宅ローン残高が0円になるガン団信の一般的な上乗せ金利は年+0.2%。新生銀行の「ガン団信」なら上乗せ金利が年+0.1%で加入できます。
- 02転職直後でも柔軟に審査してもらえる
- 転職歴の確認や年収見込証明書の提出などの対応をすることで、転職直後でも柔軟に審査してもらえる
- 03つなぎ融資に対応
- つなぎ融資が利用できるので注文住宅にも対応
- 04ペアローンの取り扱いもあり
- ペアローンが可能なため、夫婦で住宅購入資金を出し合いたい共働き世帯にもおすすめ。
[A評価]住信SBIネット銀行 WEB申込コース
評価項目 | 編集部の評価 |
---|---|
総合評価 | 4.3★★★★☆ |
借入時の金利 | 4.0★★★★☆ |
21年目以降の金利優遇幅 | 4.0★★★★☆ |
諸費用 | 4.0★★★★☆ |
団信 | 5.0★★★★★ |
新規 | 借り換え |
---|---|
年1.823%
| 年1.855%
|
住信SBIネット銀行の住宅ローンは、20年固定金利ネット銀行の中でも低金利です。
40歳未満なら3大疾病50%保障と全疾病保障が0円で付帯するなど金利以外の魅力も多い住宅ローンです。
- 当初20年固定
- WEB申込コース(当初引下げプラン)
- 年
1.823
%
金利についての注意事項をみる
- ※2024年12月適用金利
- ※自己資金20%以上の場合
- ※審査結果によっては、表示金利に年0.1%~0.3%上乗せとなる場合があります
- ※借入期間が35年超~40年以内の場合は住宅ローン金利に年0.07%、40年超の場合は年0.15%が上乗せされます
おすすめポイント
- 0140歳未満なら3大疾病50%保障が基本付帯
- 40歳未満のかたなら「3大疾病50プラン」が金利上乗せなしで加入できます。がん診断時、急性心筋梗塞または脳卒中で所定の手術を受けた場合に住宅ローン残高の50%が保障されます。
- 02全疾病保障が無料で付帯
- すべての病気やケガで働けなくなった場合に住宅ローンの返済が一定期間免除されたり、働けない期間が一定を超えて続いた場合に住宅ローン残高が0円になる「全疾病保障」が無料付帯。
- 03定額自動入金サービスが無料
- 住信SBIネット銀行の口座へ自動で毎月の返済額の入金ができるので、メインバンクを変更しなくてもOK。
- 04金利がネット銀行の中でも特に低い
- 変動金利はネット銀行の中でもトップクラスに低く、フラット35(保証型)も従来のフラット35よりも低金利。
[A評価]SBIマネープラザ 当初引き下げプラン
評価項目 | 編集部の評価 |
---|---|
総合評価 | 4.3★★★★☆ |
借入時の金利 | 4.0★★★★☆ |
21年目以降の金利優遇幅 | 4.0★★★★☆ |
諸費用 | 4.0★★★★☆ |
団信 | 5.0★★★★☆ |
新規 | 借り換え |
---|---|
年1.823%
| 年1.855%
|
SBIマネープラザは、上で解説した住信SBIネット銀行の住宅ローンを取り扱っています。
SBIマネープラザでは、住信SBIネット銀行の住宅ローンを店舗で対面相談ができることが強みです。低金利な住信SBIネット銀行を利用したいけど、店舗で相談しないと不安だという人には心強いでしょう。
- 当初20年固定
- 住信SBIネット銀行 住宅ローン(対面相談コース)
- 年
1.823
%
金利についての注意事項をみる
- ※2024年12月適用金利
- ※当初引下げプラン
- ※自己資金20%以上の場合
おすすめポイント
- 01ネット銀行の住宅ローンが対面で相談できるので安心
- 対面で相談で金利の低いネット銀行の住宅ローンの申込みができて安心です。
- 0240歳未満なら3大疾病50%保障が基本付帯
- 40歳未満のかたなら「3大疾病50プラン」が金利上乗せなしで加入できます。がん診断時、急性心筋梗塞または脳卒中で所定の手術を受けた場合に住宅ローン残高の50%が保障されます。
- 03全疾病保障が無料で付帯
- すべての病気やケガで働けなくなった場合に住宅ローンの返済が一定期間免除されたり、働けない期間が一定を超えて続いた場合に住宅ローン残高が0円になる「全疾病保障」が無料付帯。
- 04定額自動入金サービスが無料
- 住信SBIネット銀行の口座へ自動で毎月の返済額の入金ができるので、メインバンクを変更しなくてもOK。
[B評価]ソニー銀行 固定セレクト住宅ローン
評価項目 | 編集部の評価 |
---|---|
総合評価 | 4.0★★★★☆ |
借入時の金利 | 3.0★★★☆☆ |
21年目以降の金利優遇幅 | 4.0★★★★☆ |
諸費用 | 5.0★★★★★ |
団信 | 4.0★★★★☆ |
新規 | 借り換え |
---|---|
年2.070%
| 年2.070%
|
ソニー銀行住宅ローンは、がん50%団信を0円で付帯できることが魅力です。
がん50%団信では、がんと診断されると住宅ローン残高の50%が保障されるため、「金利を上乗せしたくないけど、がんへの保障だけでも備えておきたい……」という方におすすめです。
また「ワイド団信」の上乗せ金利が低めに設定されているため、高血圧症や糖尿病など持病がある方が利用する場合でも負担を抑えることが出来ます*。
*健康状態によっては審査に通過できないこともあります。
[B評価]PayPay銀行 住宅ローン
評価項目 | 編集部の評価 |
---|---|
総合評価 | 4.0★★★★☆ |
借入時の金利 | 3.0★★★☆☆ |
21年目以降の金利優遇幅 | 5.0★★★★★ |
諸費用 | 4.0★★★★☆ |
団信 | 4.0★★★★☆ |
新規 | 借り換え |
---|---|
年2.015%
| 年2.080%
|
PayPay銀行住宅ローンは、保障が充実した「がん50%保障団信」へ無料で加入できます。
PayPay銀行「がん50%保障団信」の特徴
- がん(所定の悪性新生物)と診断確定されたら住宅ローン残高が「50%(半分)」になる。
- がん(所定の悪性新生物)と診断確定されたら100万円の一時給付金を受け取れる。さらにがん先進医療を受けた際の治療費を給付。(通算2,000万円限度 / 1回あたり2,000万円限度)
- 上記のがん保障だけでなく、全疾病保障もついてくる。(※)
※精神疾患など、一部保障の対象外となるものがあります。
変動金利と10年固定金利は、ネット銀行の中でも際立って金利が低く設定されていますが、20年固定金利も比較的低金利で利用できます。
審査期間が早く、返済の利便性も高いなどのメリットに魅力を感じるかたは利用を検討してみると良いでしょう。
- 当初20年固定
- 住宅ローン
- 年
2.015
%
金利についての注意事項をみる
- ※2024年12月適用金利
- ※自己資金10%以上の場合
- ※自己資金なしの場合、記載の金利+0.065%
おすすめポイント
- 01がん50%保障(全疾病保障付)が無料
- がんと診断確定された場合に住宅ローンの残高が半分となる「がん50%保障」が無料付帯。さらに、がん保障団信にはすべてのけがや病気をカバーする全疾病保障つき!(※1)
- 02がん100%保障団信(全疾病保障付)が割安
- がんと診断確定された場合に住宅ローンの残高が0円となる「がん100%保障団信」に、金利上乗せ年+0.1%で加入できて割安です。
- 03審査完了までの期間が短い
- PayPay銀行の審査にかかる期間は事前審査は当日~5営業日、本審査は3~10営業日。
- 04ペアローン&連生団信を利用できる
- ペア連生団信加入ならペアで保障を受けられます。本人・相手の住宅ローン残高が0円に!
- 05定額自動入金サービスが無料
- メインバンク変更不要。メインバンクからPayPay銀行の口座に返済額を毎月自動で入金できます。
- ※1.精神疾患など、一部保障の対象外となるものがあります。
[C評価]三菱UFJ銀行 住宅ローン
評価項目 | 編集部の評価 |
---|---|
総合評価 | 3.8★★★★☆ |
借入時の金利 | 3.0★★★☆☆ |
21年目以降の金利優遇幅 | 5.0★★★★★ |
諸費用 | 4.0★★★★☆ |
団信 | 3.0★★★☆☆ |
新規 | 借り換え |
---|---|
年2.140%
| 年2.140%
|
三菱UFJ銀行の住宅ローンは、固定期間終了後の金利優遇幅が大きい商品です。
ネット銀行では21年目以降の金利優遇幅は「年▲0.8%前後」がほとんどですが、三菱UFJ銀行は「最大年▲1.55%」となっています。
(2024年12月時点)
「ゆっくり返済していきたいから、固定期間終了後に返済額が増えてしまうのは困る……」と感じている方は、三菱UFJ銀行のように固定期間終了後の金利優遇幅が大きい住宅ローンが向いているでしょう。
ただし当初20年間の金利はやや高めの水準なので、必ず返済額のシミュレーションをしておいてくださいね。
- 当初20年固定
- 住宅ローン
- 年
2.140
%
金利についての注意事項をみる
- ※2024年12月適用金利
- ※適用金利や引下幅は、お申込内容や審査結果等により決定いたします。
おすすめポイント
- 013大疾病保障充実タイプは保障充実
- 「7大疾病保障付住宅ローン ビッグ&セブン〈Plus〉3大疾病保障充実タイプ」は他行より保障充実。
- 02各提携会社の特典が利用できる
- ビックカメラやコジマでの家電購入特典やホームセキュリティなどの特典利用ができます。(※1)
- 03毎月Pontaポイントがたまる
- 完済まで毎月50ポイントのPontaポイントが貯まります。(※2)
- ※1. 各提携会社の特典:特典の利用には条件があるため、詳細は三菱UFJ銀行の公式HPをご確認ください。
- ※2. Pontaポイント:月末時点でお借入残高がある場合が対象。勤務先を通じてお借入れされたローン等、優遇適用の対象外となるケースもあるため、詳細はお取引店に確認ください。
- ※2. Pontaポイント:Pontaポイントをためるには、「スーパー普通預金(メインバンク プラス)」のご利用・「三菱UFJダイレクト」のご利用(ログインパスワード・Eメールアドレス登録)・「ポイントサービスのお申し込み」が必要です。詳細は、三菱UFJ銀行の公式HPをご確認ください。
[評価なし]20年固定金利を取り扱っていない銀行
下記の銀行は20年固定金利を取り扱っていないため、この記事では「評価なし」として記載しています。
- イオン銀行
- 楽天銀行
- 三井住友銀行
20年固定金利で借りるべきか判断するポイント
20年固定金利がおすすめなのは、以下のどちらかにあてはまっている人です。
20年固定金利で借りるべきかの判断ポイント
- 20年以内など早めの完済を計画している
- 金利上昇後でも無理なく返済を続けられる
20年固定では固定期間終了後に金利が上がり、返済負担が増えてしまう可能性が高いです(詳細は後述)。
そのため、20年の固定期間の間に完済するか、もしくは21年目以降でも余裕を持って返済を続けられることが重要になるのです。
金利が上がった際の返済額
次の表は20年間の固定期間中の金利上昇幅によって、21年目以降の毎月返済額にどれくらいの影響が出るのかを表にしたものです。
この表を見ると、金利が4%上昇した場合では、毎月返済額は約2万6000円ほど高くなることが分かりますね。
金利上昇 | 21年目以降の 金利 | 21年目以降の 毎月返済額 |
---|---|---|
なし | 0.65% | 82,147円 |
+0.50% | 1.15% | 85,230円 (+3,083) |
+1.00% | 1.65% | 88,385円 (+6,283) |
+1.50% | 2.15% | 91,614円 (+9,467) |
+2.00% | 2.65% | 94,914円 (+12,767) |
+2.50% | 3.15% | 98,287円 (+16,140) |
+3.00% | 3.65% | 101,731円 (+19,584) |
+3.50% | 4.15% | 105,246円 (+23,099) |
+4.00% | 4.65% | 108,831円 (+26,684) |
※借入金額3000万円、返済期間35年、元利均等返済として計算
※借り入れ当初20年間の金利は年0.95%、金利変動がなかった場合の21年目以降の基準金利1.55%、期間終了後の引下げ幅は-0.9%として計算
つまり、毎月3万円以上の貯蓄をできる人や、20年間で毎月の収入が3万円以上増える見込みがある人であれば、金利が4%上昇したとしてもローンを返済していけるということになります。
徐々に金利が上昇していく可能性を考えた上で、無理なく返済を続けられるのかを判断基準として20年固定金利を利用してくださいね。
将来の金利が心配なら全期間固定がおすすめ
上で解説した内容を踏まえても金利上昇が不安な場合には、全期間固定金利を選ぶほうが安心です。
「もし金利が上昇したらどうしよう……」と考えながら返済を続けていくのは、精神的なストレスも大きいもの。
全期間固定金利では、完済まで金利が変わらないため、将来の金利変動への心配がなくなります。
ただし金利が上がった場合でも、金利の上昇幅やタイミングによっては20年固定金利のほうがお得になるケースもあります(後述)。
金利が上がると返済額がどれくらい上がるのかを確認した上で、金利タイプを検討してみて下さいね。
20年固定金利の3つのデメリット
20年固定金利は変動と固定のメリットをバランスよく受けられる点にありますが、言い換えれば「どちらのメリットも中途半端である」という事でもあります。
ここでは20年固定金利のデメリットについて、詳しく見ていきましょう。
20年固定金利のデメリット
デメリット①固定期間終了後に返済負担が大きくなる可能性がある
20年固定金利のもっとも大きなデメリットは、金利状況によっては固定期間終了後に返済負担が大きくなってしまうことです。
固定期間選択型の住宅ローンでは、固定期間が終わったあとは基本的に変動金利へと移行します。
そのため借り入れから20年の間で金利が上昇していた場合は、21年目以降の返済負担が大きくなり、想定以上に家計を圧迫してしまう可能性も考えられます。
さらに20年固定金利では、「変動金利の125%ルール」が適用されないことにも注意が必要です。
20年固定では125%ルールが適用されない
変動金利の住宅ローンには「金利が上昇した場合でも、直前の毎月返済額の125%までしか返済額が増加しない」というルールがあります。
しかし、20年固定を含む固定期間選択型の住宅ローンでは、この125%ルールが適用されません。
そのため、借り入れから20年間の金利状況によっては、21年目以降の返済額が大幅に増加してしまう可能性があるのです。
20年固定金利で住宅ローンを借りる際は、「金利が上昇した場合でも無理なく返済を続けられるかどうか」を判断ポイントのひとつとしておきましょう。
125%ルールについては、下記の記事で詳しく解説しています。
デメリット②変動金利や10年固定よりも金利が高い
20年固定金利は、変動金利や10年固定金利と比べると利率が高めに設定されています。
金利が高ければ毎月の返済額や完済までの総返済額も大きくなってしまうため、20年固定金利のデメリットのひとつです。
例えば変動金利「年0.525%」と固定20年「年0.900%」で、3,000万円の住宅ローンを返済期間35年で組んだ場合では、総返済額では200万円以上のが生まれます。
毎月の返済額 | 総返済額 | |
---|---|---|
変動金利 年0.525% | 7万8,207円 | 3,284万6,960円 |
20年固定金利 年0.900% | 8万3,294円 | 3,498万3,630円 |
差額 | 5,087円 | 213万6,670円 |
ただし、上記表はあくまでも返済中に金利変動がなかった場合の例です。
変動金利では半年に一度の金利見直しがあるため、金利状況によっては変動金利のほうが返済負担が大きくなる可能性ももちろんあります。
金利の低さと安心感はトレードオフになっているため、「金利の低さ」と「金利上昇に対する安心感」のどちらを優先したいのかを考えた上で金利タイプを選びましょう。
デメリット③固定期間終了の時期を忘れやすい
多くの金融機関では固定期間終了後の「金利優遇幅」が小さめに設定されているため、21年目以降の金利は高くなります。
21年目以降の金利の決まり方
20年後の基準金利 - 金利優遇幅
= 適用金利
そのため20年後の金利状況に合わせて住宅ローンの見直しが必要になるのですが、固定期間が20年と長期に渡るため、見直しをするタイミングを忘れてしまいやすいのです。
将来の金利状況にもよりますが、見直しをしなかったことで適用金利と返済額が上がってしまう可能性も十分に考えられます。
「20年後に見直そう」と考えていると忘れてしまいやすいため、以下2つのポイントを日頃から意識しておくと良いでしょう。
固定期間終了時に失敗しないためのポイント
- 当初20年の間も金利状況をチェックする
- 定期的に住宅ローンの見直しをする
20年固定金利の2つのメリット
デメリットを知ると「20年固定金利って微妙かも……」と感じてしまったかも知れませんが、もちろん20年固定金利にはメリットも多く存在します。
20年固定金利で借りるメリット
一言で簡単に説明すると、低金利のメリット・固定金利の安心感の両方をバランスよく受けられる金利タイプと言えますね。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
メリット①当初20年の金利が固定されるため安心感がある
住宅ローンの借入当初から20年間は適用金利が固定されているため、市場の金利が上昇しても毎月の返済額は変わりません。
そのため具体的な返済計画が立てやすく、金利上昇のストレスがないことによる安心感も得られます。
子どもの受験費用や仕送りなど、将来の支出に備えておきたい方は特にメリットを感じやすいでしょう。
メリット②全期間固定金利よりも利率が低い
20年固定金利の住宅ローンは、全期間固定金利やフラット35と比べて金利が低く設定されています。
金利が低ければ毎月の返済額が少なくなり、以下の例では完済までに必要なトータルコストでは約260万円もの差が生まれています。
適用金利 | 毎月の返済額 | 総返済額 (諸費用は含めない) | |
---|---|---|---|
固定20年 | 当初20年間…0.90% 21年目以降…0.65% | 当初20年間…8万3,294円 21年目以降…8万1,770円 | 3,470万9,103円 |
固定35年 | 35年間…1.30% | 35年間…8万8,944円 | 3,735万6,564円 |
差額 | ー | 当初20年間…5,650円 21年目以降…7,174円 | 264万7,461円 |
上記はあくまでも金利変動がなかった場合の例ですが、200万円もあれば古くなってきた住宅のリフォームもできますし、家族旅行なども可能です。
繰り上げ返済を活用するなど、早い段階で完済する予定で考えている人にとって特に大きなメリットとなります。
当初固定が選ばれる理由は「金利の低さ」
当サイトで当初固定金利タイプを利用している方に「全期間固定ではなく当初固定を選んだ理由」を聞いたところ、「金利の低さ」を理由とする人が65%と圧倒的でした。
全期間固定金利のほうが安心感は上ですが、やはり金利の高さが気になる方は多いようです。
金利変動による返済負担額への影響
ここまでの説明をうけて「金利が上昇するかどうかが重要になっているな……」と感じているでしょう。
そこでここからは『借入金額3,000万円・返済期間35年』で住宅ローンを借りた場合に、金利変動によってどれくらいの金額差が生まれるのかをシミュレーションをしてみましょう。
借入金額3,000万円/返済期間35年
金利変動による返済負担額の比較
金利変動①変動金利との比較
20年固定金利と変動金利を比べると、金利上昇による影響は以下のようにまとめられます。
- 金利上昇のタイミングが早い場合
→20年固定金利がお得になりやすい - 金利上昇のタイミングが遅い場合
→変動金利がお得になりやすい - 金利上昇がなかった場合
→変動金利がお得
※それぞれ金利上昇後に、再度金利変動がないものとして計算しています
【変動】金利上昇のタイミングが早い場合
次の表は返済開始から10年後に、金利が+1.5%された場合のシミュレーション結果です。
完済までの総返済額を見ると、10年後に金利が+1.5%された場合では20年固定金利のほうが約31万円安くなっていることが分かります。
適用金利 | 毎月の返済額 | 総返済額 (諸費用は含めない) | |
---|---|---|---|
固定20年 | 当初10年間…0.95% 11~20年目…0.95% 21年目以降…2.15% | 当初20年間…8万3,988円 11~20年目…8万3,988円 21年目以降…9万1,614円 | 3,664万7,559円 |
変動金利 | 当初10年間…0.45% 11~20年目…1.95% 21年目以降…1.95% | 当初10年間…7万7,214円 11~20年目…9万2,313円 21年目以降…9万2,313円 | 3,695万9,379円 |
差額 | ー | 当初10年間…6,674円 11~20年目…▲8,425円 21年目以降…▲699円 | ▲31万1,820円 |
※固定金利20年の当初期間終了後は、基準金利より-0.9%で算出
※借り入れ金額3000万円、返済期間35年、元利均等返済の場合。
※変動金利は、基準金利より-1.1%で算出
※住宅保証機構株式会社の住宅ローンシミュレーションを使用して算出。
【変動】金利上昇のタイミングが遅い場合
金利上昇のタイミングが遅く、20年後に1.5%上昇した場合では20年固定金利の方が高くなります。
また、毎月の返済額についても完済するまで20年固定金利の方が高くなります。
適用金利 | 毎月の返済額 | 総返済額 (諸費用は含めない) | |
---|---|---|---|
固定20年 | 当初20年間…0.95% 21年目以降…2.15% | 当初20年間…8万3,988円 21年目以降…9万1,614円 | 3,664万7,559円 |
変動金利 | 当初20年間…0.45% 21年目以降…1.95% | 当初20年間…7万7,214円 21年目以降…8万6,162円 | 3,404万491円 |
差額 | ー | 当初20年間…6,674円 21年目以降…5,452円 | 260万7,068円 |
※固定金利20年の当初期間終了後は、基準金利より-0.9%で算出
※借り入れ金額3000万円、返済期間35年、元利均等返済の場合。
※変動金利は、基準金利より-1.1%で算出
※住宅保証機構株式会社の住宅ローンシミュレーションを使用して算出。
【変動】金利が変動しなかった場合
変動金利はもともとの適用金利が低いため、金利が上昇しなかった場合は最終的な返済額では20年固定金利のほうが約250万円も高くなります。
適用金利 | 毎月の返済額 | 総返済額 (諸費用は含めない) | |
---|---|---|---|
固定20年 | 当初20年間…0.95% 21年目以降…0.65% | 当初20年間…8万3,988円 21年目以降…8万2,147円 | 3,494万3,603円 |
変動金利 | 当初10年間…0.45% 21年目以降…0.45% | 当初20年間…7万7,214円 21年目以降…7万7,214円 | 3,242万9,893円 |
差額 | ー | 当初20年間…6,774円 21年目以降…4,933円 | 251万3,710円 |
※固定金利20年の当初期間終了後は、基準金利より-0.9%で算出
※借り入れ金額3000万円、返済期間35年、元利均等返済の場合。
※変動金利は、基準金利より-1.1%で算出
※住宅保証機構株式会社の住宅ローンシミュレーションを使用して算出。
しかし、これからの35年間ずっと金利が変動しない可能性は、現実的に考えるとかなり低いでしょう。
下記はフラット35の金利推移のグラフですが、11年前(2008年)の旧団信金利は3%を上回っていました。
現在の金利は1%を下回っているため、この11年で2%ほど金利が動いていることが分かります。
10年足らずでこの金利変動なので、35年の返済期間中に大きな金利変動が起こる可能性も十分にありえます。
金利変動②全期間固定金利との比較
20年固定金利と全期間固定金利を比べると、金利上昇による影響は以下のようにまとめられます。
- 金利上昇のタイミングが早い場合
→20年固定金利の方が安くなりやすい - 金利上昇のタイミングが遅い場合
→20年固定金利の方が安くなりやすい - 金利上昇がなかった場合
→20年固定金利の方が安くなる
※それぞれ金利上昇後に、再度金利変動がないものとして計算しています
【全期間固定】金利上昇のタイミングが早かった場合
金利上昇のタイミングが遅く、10年後に1.5%上昇した場合では20年固定金利の方が約70万円安くなります。
適用金利 | 毎月の返済額 | 総返済額 (諸費用は含めない) | |
---|---|---|---|
固定20年 | 当初20年間…0.95% 11~20年目…0.95% 21年目以降…2.15% | 当初20年間…8万3,988円 11~20年目…8万3,988円 21年目以降…9万1,614円 | 3,664万7,559円 |
全期間固定 | 当初20年間…1.30% 11~20年目…1.30% 21年目以降…1.30% | 当初20年間…8万8,944円 11~20年目…8万8,944円 21年目以降…8万8,944円 | 3,735万6,564円 |
差額 | ー | 当初10年間…▲4,956円 11~20年目…▲4,956円 21年目以降…2,670円 | ▲70万9,005円 |
※固定金利20年の当初期間終了後は、基準金利より-0.9%で算出
※借り入れ金額3000万円、返済期間35年、元利均等返済の場合。
※変動金利は、基準金利より-1.1%で算出
※住宅保証機構株式会社の住宅ローンシミュレーションを使用して算出。
【全期間固定】金利上昇のタイミングが遅かった場合
金利上昇のタイミングが遅く、20年後に1.5%上昇した場合では20年固定金利の方が約70万円安くなります。
適用金利 | 毎月の返済額 | 総返済額 (諸費用は含めない) | |
---|---|---|---|
固定20年 | 当初20年間…0.95% 21年目以降…2.15% | 当初20年間…8万3,988円 21年目以降…9万1,614円 | 3,664万7,559円 |
全期間固定 | 当初20年間…1.30% 21年目以降…1.30% | 当初20年間…8万8,944円 21年目以降…8万8,944円 | 3,735万6,564円 |
差額 | ー | 当初10年間…▲4,956円 21年目以降…2,670円 | ▲70万9,005円 |
※固定金利20年の当初期間終了後は、基準金利より-0.9%で算出
※借り入れ金額3000万円、返済期間35年、元利均等返済の場合。
※変動金利は、基準金利より-1.1%で算出
※住宅保証機構株式会社の住宅ローンシミュレーションを使用して算出。
お気づきの方もいるかと思いますが、先ほどの「10年後に金利が上昇したパターン」と金額差は同じです。
20年固定金利では、10年後に金利が上昇した場合でも返済額に影響が出るのは20年後です。
そのため10年後に金利が上昇した場合でも、20年後に金利が上昇した場合でも返済負担に違いは生まれません。
【全期間固定】金利が変動しなかった場合
金利が上昇しなかった場合は、20年固定金利のほうが約250万円安くなります。
全期間固定金利は利率が高いため、金利上昇がない場合には負担が大きくなってしまうのです。
適用金利 | 毎月の返済額 | 総返済額 (諸費用は含めない) | |
---|---|---|---|
固定20年 | 当初20年間…0.95% 21年目以降…0.65% | 当初20年間…8万3,988円 21年目以降…8万2,147円 | 3,494万3,603円 |
全期間固定 | 当初10年間…1.30% 21年目以降…1.30% | 当初20年間…8万8,944円 21年目以降…8万8,944円 | 3,735万6,564円 |
差額 | ー | 当初20年間…▲6,774円 21年目以降…▲4,933円 | ▲251万3,710円 |
※固定金利20年の当初期間終了後は、基準金利より-0.9%で算出
※借り入れ金額3000万円、返済期間35年、元利均等返済の場合。
※変動金利は、基準金利より-1.1%で算出
※住宅保証機構株式会社の住宅ローンシミュレーションを使用して算出。
ここまでの計算で分かるように年1.5%ほどの金利上昇であれば、いずれの場合でも20年固定金利のほうが安くなっています。
年1.5%というのはあくまでも例になるので、ご自身でも金利上昇の影響を計算してみてくださいね。
20年固定金利についてよくある質問
- 20年の固定期間が終わった後はどうなるの?
基本的に変動金利へと移行します。
20年固定金利を含めた「固定期間選択型」の住宅ローンでは、固定期間が終わったその後は基本的に変動金利になり、以降の返済を続けていきます。
また金融機関によっては、変動金利に移行するか、固定期間選択型のまま返済をするか選べる場合もあります。- 固定期間が終わった後にみんなが選んでいる金利タイプは?
変動金利を続ける人が多く、借り換えは少数派です。
当サイトで固定期間選択型の住宅ローンを利用している方にアンケートを実施したところ、「変動金利として返済をする」と回答した人は35%、「わからない」と回答した人は29%、「固定金利として返済する」と回答した人は27%となっていました。
まとめ
20年固定金利は、低金利と安心感のバランスの良い住宅ローンです。
20年固定金利で借りようか迷っている方は、以下2つのポイントから判断しましょう。
20年固定金利が向いている人
- 20年以内など早めの完済を計画している人
- 20年後に金利が上がっても無理なく返済できる人
また、20年固定金利でお得な住宅ローンを見つけたい場合は、
20年固定金利を選ぶポイント
- 借入時の金利
- 21年目以降の金利優遇幅
- 付帯サービスの3つ
という3つの費用を確認した上で比較していくことで、完済までのトータルコストが安い住宅ローンを見つけられますよ。
ただし将来の金利を予測するのは非常に難しいため、「金利が上昇した場合でも問題なく返済を続けられるのか」というポイントを忘れずに検討してみてくださいね。
千日太郎 / オフィス千日合同会社 代表社員 公認会計士
【専門家の解説】
20年固定金利については、「20年しか金利を固定しない」と考えるか「20年も金利を固定してくれる」と考えるかによってそのありがたみが変わってくるでしょう。
そして多くの人は後者に当てはまります。
住宅ローンの期間は最長で35年間であるため、本当の意味で金利が固定されているのは35年固定金利です。
しかし、実のところ最初に借りた35年の住宅ローンを最後まで借り続ける人は少数派です。
住宅金融支援機構の調査によると、住宅ローンの完済債権の平均経過期間は14年から15年くらいなのです。
住宅ローンが完済されるのは、家を売却して完済するケースと、住宅ローンを借り換えて完済するケースがありますね。
つまり、マイホームを購入するときにはこの家に終生住むんだ!という覚悟で決める人が多いものの、そのうち少なくない割合の人が家を住み替えているということです。
また、住宅ローンの金利が低くなり、借り換えて利息負担を減らす人も多いのですね。
つまり20年固定金利は統計的な住宅ローンの平均完済期間よりも長い期間にわたって金利が固定されるので、実質的に35年の全期間固定とそう変わらない金利固定の効果があるとも言えるのです。