新卒の貯金事情とは?社会人1年目からの貯蓄に成功する方法を徹底解説
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社会人1年目は、どれくらい貯金できていると良いのかご存知でしょうか。
ある調査では、4人に1人(全体の25%)は年間10~30万円を貯金しているという結果が出ています。毎月1~3万円ほど貯蓄に回していることになりますね。
ただ、どれだけ貯金できるかは、
- 初任給がいくらなのか
- 実家暮らしか1人暮らしか
- 奨学金の返済があるかどうか
といった、一人ひとりの事情によって大きく変わってきます。
手取り額から毎月の必要経費(家賃や光熱費など)を差し引き、現実的に貯金できる額を計算してみましょう。
ただ、使えるお金があるとつい使ってしまうもの…。ちゃんと貯金するためには、「お金を管理する工夫」が大事になってきます。
本記事では、貯金をするための工夫例も紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
ファイナンシャルプランナー / 株式会社タフ&テンダー
監修者松村勝宜さん
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新卒の初任給と社会人1年目の貯金額の実態
最初に、新卒社員の初任給と、社会人1年目の貯金額について解説します。
無理なく貯金できる金額はいくらぐらいなのかを考える目安にしましょう。
大卒の場合2019年度の初任給は約21万円
厚生労働省の賃金基本調査によると、2019年(令和元年)の新卒社員の平均初任給額は以下の通りです。
学歴 | 男女計 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
大学院修士課程修了 | 238,900円 | 239,000円 | 238,300円 |
大学卒 | 210,200円 | 212,800円 | 206,900円 |
高専・短大卒 | 183,900円 | 184,700円 | 183,400円 |
高校卒 | 167,400円 | 168,900円 | 164,600円 |
【参考】厚生労働省:「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給」
大学卒では、平均21万円が支給されますが、支給額そのままが使えるわけではありません。
社会保険料として厚生年金保険料と健康保険料、そして所得税が引かれるため、手取りはおおよそ80%で見積もって168,000円程度です。
ここから、生活費にかけられる金額と、貯金できる金額を検討することになります。
社会人1年目の貯金額は約25%が10~30万円
社会人1年目の貯金額について、ある調査では、約25%が10~30万円という結果が出ています。
その一方で、100万円以上の貯金額になったという人も8%程度いました。
この貯金額の差は、多くの場合実家暮らしまたは会社の寮があるかどうかや、奨学金の返済があるかどうかなどの違いが影響しているとも考えられます。
社会人でひとり暮らしをする場合、どれぐらいの費用が掛かるのかについて、自分でもおおよその目安を確認しておきましょう。
平均的な家計の項目を挙げますので、全体としていくらぐらいかかるのか、以下の表右側を使って自分で確認してみてください。
家計の支出項目 | 出費例 (手取り16万円) | 自分の生活費 (記入欄) |
---|---|---|
家賃 | 50,000円 | 円 |
食費 | 30,000円 | 円 |
携帯電話 | 8,000円 | 円 |
インターネット | 4,000円 | 円 |
水道 | 1,000円 | 円 |
ガス | 3,000円 | 円 |
電気 | 2,000円 | 円 |
衣類 | 10,000円 | 円 |
交際費 | 20,000円 | 円 |
雑費 | 10,000円 | 円 |
貯金 | 30,000円 | 円 |
このように考えると、毎月3万円の貯金で年間36万円の貯金が可能です。
アンケート調査でもボリュームゾーンとなっていた、年間貯金額10~30万円に近い数字になります。
しかし、奨学金を返済する人の場合、月額で約1~3万円の返済が必要になるため、上記に加えてその分も出費が増えることを考えておかなければなりません。
他の出費項目を減らし、その分を奨学金に充てるなど、家計のバランスを考えて検討してみてください。
以上で、大学新卒の初任給と社会人1年目の貯金額の実態について見てきました。
次に、新卒の人が貯金をしにくい理由について解説します。
新卒が貯金をしにくい3大理由
新卒で働き始めた人が貯金につまずきやすい理由としては、主に以下の3点が挙げられます。
貯金をしにくい3大理由
それぞれについて、もう少し詳しく説明します。
会社用の服装など出費が多い
就職したばかりの場合、多くの人は、オフィス用のスーツや靴などの服装を買いそろえなくてはなりません。
ある程度は社会人になる直前に揃えますが、筆記具などこまごまとしたものは、就職後に気が付いて購入することになります。
就職のタイミングでひとり暮らしを始める場合は、生活に必要な家電や寝具なども必要です。
会社の寮がある場合はある程度出費が抑えられますが、会社の福利厚生が充実していない場合は、より多くのお金がかかります。
また、食費も、社会人1年目では変化の多い出費項目です。
大都市に就職した場合、昼食代が想定外にかかることが予想されます。
仕事が忙しいと自炊が難しく、外食に偏るとさらに食費がかさみます。
ボーナスの支給額が少なめ
毎月の家計が苦しい場合は、ボーナスで赤字を補てんすることとなります。
しかし、社会人1年目で最初のボーナスは、査定期間(前年10~3月)に働いていないため、支給があったとしても少額です。
そのため、新卒社員は、ボーナスを貯金に回すことも少々厳しくなりがちです。
単身生活の場合生活費がかかって余裕がない
単身生活の場合、実家通いの新卒社員に比べて、生活費が重くのしかかります。
家賃は数万円、水道・ガス・電気料金も無料ではありません。
新卒社員として働き始めてから数年は、可能なら実家暮らしの方が貯金はしやすくなります。
ここまでで、新卒社員が貯金をしにくい理由について解説しました。
次に、新卒からの貯金を成功させるポイントについて紹介します。
新卒からの貯金を成功させるポイント5つ
新卒社員が、社会人1年目からの貯金をうまく軌道に乗せるのには、以下5つのポイントがあります。
それぞれのポイントについて、順番に解説します。
家計の予算を見積もり貯金額の目標を立てる
まず、貯金を年間いくらするのかについて目標を立てましょう。
目標がなければ、貯金のやりがいも持てず、散財の元になります。
ただし、貯金の目標に無理があると、家計のやりくりがうまくいかずに貯金が長続きしません。
毎月の貯金を続けるためには、無理のない目標にすることも重要です。
無理のない貯金額を決めるためには、家計の予算を立てることが大きなポイントとなります。
実際に1ヵ月生活してみて、何にどれぐらいの金額がかかるかを把握した後、家計の予算を立てて、そこから毎月の貯金可能額を計算してみてください。
貯金額が少ない場合は、1ヵ月目の支出から、節約できる項目がないか検討しましょう。
生活費用の口座と貯金用の口座を分ける
生活費用の口座と、貯金用の口座は分けておくことで、貯金の使い込みはかなり防げます。
給与振込用の銀行口座は、会社で指定されるため変えられないという人もいるでしょう。
そのため、基本パターンとしては、給与振込口座は生活費用にしておき、貯金用の銀行口座は別途作成するという分け方がおすすめです。
目的別に貯金口座を分ける
貯金には、いくつかの目的があります。
例えば、将来子どもができた場合の教育費や老後の備えなどが、長期的に使用しない貯金です。
生活が急きょ苦しくなった場合の緊急事態用の貯金、旅行や欲しいものを購入するための貯金は、それぞれ使用する時期が異なります。
このように、目的・利用する時期が異なる貯金は、それぞれ別の口座に分け、利用する金融商品も目的別に使い分けることを検討してみてください。
長期的な資金は、長い期間の定期預金などに回して簡単に使い込めないようにします。
目的がある貯金は、使用する時期に満期が来る定期預金などがおすすめです。
緊急用の貯金については、いつでもすぐ使えるようにしておきたいため、あまり長期の定期預金にせず、引き出しなどが柔軟に行える口座が適しています。
ネット銀行の中には、1つの口座を作成し、その中で目的別に口座を分ける機能を持っているものもあるため、目的別にいくつも銀行口座を作りたくない人におすすめです。
給与振込と同時に貯金口座へ貯蓄額を振り込むようにする
給与振込と同時に貯金口座へ必要な金額を振り込むようにして、生活費を最初から決めてしまっておくのもおすすめです。こうすることで、気が付いたら貯金分を使い込んでいたということがなくなります。
さらに、毎月一定額を自動で他行に振り込む、など銀行口座の機能を活用すると、貯金分を天引きする感覚で、さらにお金が貯まりやすくなります。
家計の収支を一括管理する
ここまで貯金できるように工夫をしても、家計の支出管理ができていなくては結局月末に近づくと貯金に手を付けてしまう、ということを繰り返す可能性が高まります。
浪費を抑えるには、毎月の家計管理で、何にいくら出費したかを把握することが重要です。
そのために便利なツールとしておすすめしたい方法は、家計簿アプリの活用です。
家計簿アプリの中でも、銀行口座やクレジットカードなどと連携して、全データが自動的に取りこまれるタイプを選びましょう。
そして、支払いを可能な限りキャッシュレス決済にすると、毎月の家計が把握しやすくなります。
ここまでで、新卒からの貯金を成功させるポイントを5つ紹介しました。

松村勝宜 / スタジオポルテ夙川公園FPオフィス
「収入-貯蓄=生活費」。
これこそが、着実にお金を貯めるための、黄金の公式です。
ついつい、「給料-生活費=貯蓄」になってしまわないようご注意を。
特に社会人1年目は何かと出費も多く、「余れば貯蓄に回せばいいや」というおおらかな気持ちでは、なかなか貯まらないものです。
手元にお金があれば、いつの間にか使ってしまいます。
そもそも人間は、意志が弱い生き物。
だからこそ、それを逆手にとって、簡単にはお金を引き出せない「仕組み」を初期設定しておけばよいのです。
もし勤務先に、給料から天引きで貯蓄できる福利厚生制度があれば、迷わず利用しましょう。
そのような制度がなくても、記事を参考にして、クレジットカードも必要に応じて上手に活用しながら、給料が出たら毎月強制的に入金される貯蓄用の口座を、今すぐ作ってみてください。
生活費にどのくらいとっておけばよいかわからなければ、最初は5,000円でも1万円でも、少額の積み立てでよいのです。
最初から力を入れ過ぎることなく、無理のない金額から始めましょう。
貯蓄グセさえついてしまえば、あとはほったらかしでOK。
気が付けば、それなりのまとまった金額になっているはずですから。
もちろん、本業を一所懸命がんばることこそが、お金を貯めるための王道であることを忘れずに。
どうか皆さんが、お金の不安なく、充実した人生を歩まれることを願っています。
ここで紹介したしポイントをうまく取り込むためには、3つの生活習慣を身に付けるのが近道です。
次に、新卒からの貯金を成功させる3つの習慣について解説します。
新卒からの貯金を成功させる3つの習慣
新卒社員として働き始めた人が、貯金を成功させるには、以下3つの習慣を身に付けることをおすすめします。
貯金を成功させる3つの習慣
具体的にはどのような習慣かについて順番に見ていきましょう。
支出はクレジットカードで管理
支出はできる限りクレジットカード払いで管理します。
クレジットカードを使いすぎないよう、利用限度額を毎月の予算×3倍程度に制限しておくと安心です。
家賃など、クレジットカード払いでは無理な場合は、銀行口座からの直接引き落としにしておくと管理しやすくなります。
現金払いは可能な限り抑えたほうがよいのですが、現金で支払った場合はこまめに家計簿アプリに入力することを習慣づけてください。
手入力はかなり面倒なので、可能な限りクレジットカード払いにするのがおすすめです。
PayPayなどのスマホ決済は、家計簿ソフトと連携していないケースもあります。
この場合は、スマホ決済にお金を移すタイミングを管理するか、現金と同じように手入力で管理するかを検討しましょう。
手間がかからないのはスマホ決済の入金額のみの管理ですが、細かい支出は把握しづらくなります。
スマホ決済とクレジットカードを紐づけて支払う場合は、クレジットカードで支出を管理できるので問題ありません。
家計簿アプリで複数口座、クレジットカードの管理
銀行口座やクレジットカードとの連携が可能な家計簿アプリの中から、自分が利用している銀行やカード会社と連携ができるものを選びます。
生活費用・貯金用・クレジットカードを家計簿アプリで一括して参照できるようにすると、家計の見える化が一気に進むのでおすすめです。
お金の動きや現在の残高を一括で確認できるようになると、今月の生活費が足りなくなりそうだという予想も立ち、浪費を未然に防ぐこともできます。
さらに、毎月の収入や支出が比較できるようになり、どこを節約すればいいのかなどを検討する材料にもできます。
クレジットカードと相性の良い銀行口座で賢く貯める
上記2つの習慣を身に付けるには、クレジットカードと貯金用の銀行口座が必要です。
これらは、自分の自由に決められるため、できる限り「お得」になる組み合わせを検討しましょう。
銀行の中には、同じ系列のクレジットカードを持つことで、普通預金や定期預金の金利を優遇する銀行もあります。
同じクレジットカードを作るなら、相性の良い銀行とセットで作るようにするのがおすすめです。
以上で、新卒からの貯金を成功させる3つの習慣を解説しました。
最後に、新卒で働き始める人が貯金の習慣を身に付けやすい、おすすめのクレジットカード、さらに相性の良い銀行の組み合わせについて紹介します。
新卒からの貯金におすすめのクレジットカードとネット銀行の組み合わせ
新卒からの貯金におすすめのクレジットカードとネット銀行の組み合わせとして、以下の3パターンを紹介します。
おすすめクレジットカード
それぞれの特徴から自分にとって相性の良さそうな組み合わせを選んで、早速利用してみてください。
住信SBIネット銀行&ミライノカード(JCB)
※30歳未満でランク2(ATM利用手数料月5回無料、振込手数料月3回無料)
※目的別に子口座が作れる
住信SBIネット銀行は、貯金しやすい目的別口座の作成や定時定額自動入金などのサービスが充実した銀行です。
住信SBIネット銀行のおすすめポイントは以下の3つです。
- 若い新卒社員だとお得なランク制度
- 目的別口座で貯金しやすい
- 定額自動振込と定時自動入金で銀行間のやり取りを自動化
住信SBIネット銀行には、利用度合いによってATM出金手数料と他行宛振込手数料が最大15回無料になる「スマートプログラム」を用意しています。
スマートランクは4段階ありますが、30歳未満の人は、無条件でランク2までアップ。
ランク2だと、ATM利用手数料月5回無料、振込手数料月3回無料とお得です。
さらに、ミライノカード(JCB)で毎月利用金額が3万円以上かつ引落口座を当社に設定かつ当月確定(翌月引落)金額が1万円以上あれば、ランク3にアップ。
ランク3では、どちらの手数料も月7回まで無料とさらにお得です。
貯金面では、代表口座の下に、目的別の子口座を作ることができます。
目的別口座は、円預金しか利用できませんが、定期預金などの利用は可能です。
海外旅行用の預金を外貨預金でしたい場合は代表口座での貯金となりますが、円預金で良い場合は、目的別口座を活用することで、貯金を明確に分けることができるようになります。
定額自動振込は、家賃の振込など決まった日に決まった金額を自動的に振り込むサービスです。
登録件数は10件までで、他行宛の振込手数料は、ランク制度によって決まっている回数まで無料となります。
定時自動入金は、他行から住信SBIネット銀行宛に一定額を入金するサービスです。
引き落としは毎月5日または27日で、入金日は4営業後となります。
毎月25日に給料日の場合、給与振込口座から27日に引き落としとなり、住信SBIネット銀行には4営業日後の入金に。
定額自動振込と定時自動入金を組み合わせて利用すると、各銀行口座のやり取りを自動化でき、ATMを何度も利用する手間も省けます。
楽天銀行&楽天カード
楽天銀行と楽天カードの組み合わせも、新卒社員におすすめの組み合わせです。
楽天市場でのポイント大量ゲットが主なメリットですが、そのほかにも翌月の普通預金金利が増えるメリットもあります。
楽天カードの引落口座に楽天銀行を指定すると、楽天市場での買い物で得られるポイントが、通常ポイント1倍+期間限定ポイント3倍で合計4倍となります。
期間限定ポイントは、楽天ペイを経由すると、コンビニなど日常生活で利用可能です。
日常生活で利用しやすいので、期限切れを避けて使い切れます。
さらに、普通預金金利が優遇される点もこの組み合わせのメリットです。
楽天カードの引落日である27日に、遅れなく楽天銀行から引き落としできた翌月は、楽天銀行の普通預金金利が通常の2倍になります。
まとめ
新卒社員の間は、元々収入もあまり多くはなく、注意しないと支出が多くなりがちです。
そのような状態でも貯金習慣を身に付けるためには、支出の総額を把握して、無理のない貯金から始めることが重要です。
現在では、便利なツールや銀行口座、クレジットカードなどを駆使することで、支出を把握することがとても楽になってきました。面倒な手間を少なくしながら、支出を管理する習慣をつけてください。
社会人1年目から貯金習慣を身に付けることで、将来の備えもできるようになります。
自分に合った方法を見つけて上手にお金を貯めてくださいね。
本記事の編集者について

イーデス編集部
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