派遣社員でも住宅ローンを組める!5つのコツを知っておこう
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簡単にまとめると
- 派遣社員でも住宅ローンを借りられるが審査は厳しめ
- 審査に通過するには「勤続年数」や「借入金額」など5つのポイントを押さえておく
- フラット35なら派遣社員でも問題なく申し込みできる
マイホーム購入を検討していくなかで、「派遣社員は住宅ローン審査に通りづらい」と聞いたことがある方も多いかと思います。
残念ながら、正社員と比べると派遣社員のほうが住宅ローンの審査基準が厳しくなることは事実です。
しかし、派遣社員の人でも住宅ローンを借り入れることは可能です。
当記事では派遣社員の方が住宅ローン審査を通すための5つのコツを分かりやすく解説していきます。
「確実に審査を通したい」と考えている方は、ぜひ参考になさってくださいね。
オフィス千日合同会社 代表社員 公認会計士 / 公認会計士中村岳広事務所
監修者千日太郎
公認会計士として、本名である中村岳広の名を掲げた公認会計士 中村岳広事務所を設立・運営。
独自のノウハウと公認会計士としての金融商品の分析力を生かし、
2014年から「千日太郎」として住宅ローンの情報をブログ「千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える」で発信。
「千日の住宅ローン無料相談ドットコム」では一般の人からの匿名相談に無料で乗り、コンサル内容をネットに公開している。
住宅ローンの金利動向やリスク対策について著した『住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本』など、複数の著書を出版。
▼書籍一覧
住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本
家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本
初めて買う人・住み替える人 独身からファミリーまで 50歳からの賢い住宅購入
住宅破産株式会社エイチームライフデザイン
編集者イーデス編集部
「ユーザーが信頼して利用できるWEBメディア」を目指す編集部チーム。実際のユーザーの声や業界知識の豊富な専門家の協力を得ながら、コンテンツポリシーに沿ったコンテンツを制作しています。暮らしに関するトピックを中心に、読者の「まよい」を解消し、最適な選択を支援するためのコンテンツを制作中です。
■書籍
初心者でもわかる!お金に関するアレコレの選び方BOOK
■保有資格
KTAA団体シルバー認証マーク(2023.12.20~)
■許認可
有料職業紹介事業(厚生労働大臣許可・許可番号:23-ユ-302788)
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派遣社員でも住宅ローンを組める
最近は、非正規雇用の人が利用できる住宅ローンがあるため、派遣社員でも住宅ローンを借りることができます。
以前は派遣社員の数が少ないこともあり、「派遣社員が住宅ローンを借りるのはかなり難しい」と言われていました。
しかし、非正規雇用労働者の増加という社会的な背景や、フラット35やネット銀行の登場という業界の変化により、派遣社員が住宅ローンを借りられない時代は過ぎつつあります。
実際に、フラット35で人気のARUHIの公式ホームページでは以下のように「派遣社員でも申し込みできる」と明記されています。
雇用形態に制限はなく、安定した収入が見込めれば申し込み可能です。 契約社員・派遣社員・パートの方も、転職・就職・起業後間もない方も対象です。
そのため、「派遣社員だから住宅ローンは借りられない」と諦める必要はありません。
ただし正社員よりも審査が厳しい傾向にある
派遣社員でも住宅ローンは借りられるといっても、正社員に比べて審査に通過することが難しいのは変わりません。
派遣社員は基本的に有期雇用であり、収入が不安定だと金融機関から判断されやすいことが理由です。
金融機関が融資を行う際に考慮する項目
- 「年収を考慮する」と回答した金融機関は全体の94.0%
- 「勤続年数を考慮する」と回答した金融機関は全体の93.6%
- 「雇用形態を考慮する」と回答した金融機関は71.5%
住宅ローンは、20年~35年という長期に渡って返済を続けていく借り入れです。
金融機関としては完済するまで滞りなく返済を続けてくれる人に住宅ローンを融資したいので、住宅ローンの審査では契約者の職業や収入をチェックするのです。
派遣社員の場合は雇用契約がいつ終わるのかが分からず、長期にわたり安定した収入が見込めないことから、正社員よりも厳しく審査される傾向にあります。
派遣社員が住宅ローンに通過するための5つのコツ
雇用形態が派遣社員であるために、住宅ローン審査で不利になるのは事実です。
しかし、ちょっとしたコツを押さえておけば、住宅ローン審査に通る可能性をグッと上げることができます。
住宅ローン審査に通過する5つのコツ
ここからは、住宅ローン審査に通過するための5つのコツについて詳しく解説します。
審査通過のコツ①勤続年数が1年以上経過してから申し込む
現在の勤務先において、一定以上の勤続年数があると住宅ローンの審査に有利に働きます。
具体的には、現在の派遣先で1年以上働いてから住宅ローン審査に申し込むと良いでしょう。
勤続年数は住宅ローン契約者の返済能力を推し量る指標のひとつですが、派遣社員で勤続年数が数か月の場合、今後も雇用が継続するかは断定できません。
しかし、同じ勤務先に長く勤めていれば「収入が安定している」と判断されやすくなるため、審査にプラスの影響を与えるのです。
※金融機関によっては「勤続年数3年以上」といった借入条件を定めているところもあります。
審査通過のコツ②住宅ローンの借入金額を減らす
住宅ローンの借入金額を減らすことで、派遣社員でも住宅ローン審査に通過できる可能性があります。
借入金額が少なくなれば、毎月の返済額の減額・返済期間の短縮につながるため、「収入が安定しにくい立場でも問題なく返済できる」と金融機関が判断しやすくなります。
借入金額を減らす方法は、以下の2種類が挙げられます。
住宅ローンの借入金額を減らす方法
- 頭金を多く用意する
物件価格の1割~2割を目安に、頭金を貯めましょう。
その際、予備の生活費も貯蓄することをおすすめします。 - 購入する物件を見直す
当然ですが、購入を予定している物件価格が高額であれば、借入金額も増えます。
借入金額を減らしたいときは、駅から遠い物件や古い物件なども視野に入れましょう。
住宅ローン審査では、頭金の有無や借入金額の設定も重要視されます。
派遣社員で得られる収入を踏まえて、頭金の貯金や物件価格の見直しを進めるようにしてください。
審査通過のコツ③申し込み先の銀行口座を早めに作っておく
借入先となる金融機関の口座を長く利用することで、住宅ローン審査を有利に進められるケースもあります。
住宅ローン審査の際、金融機関は住宅ローン契約者の返済能力をチェックします。
しかし、派遣社員は雇用契約の性質上、安定した収入があることをアピールしにくい勤務形態です。
そのため、定期的な給与の振り込みや十分な貯蓄があるとわかる口座があれば、金融機関に好印象を与えられます。
派遣社員でも返済能力があると示すために、借り入れを予定している金融機関で口座を早めに作っておきましょう。
審査通過のコツ④他の借り入れは完済しておく
住宅ローン以外の借り入れがあると、住宅ローン審査に通過することは難しくなります。
カーローンやカードローン、教育ローンなど、他に借り入れがある場合、住宅ローン審査にも影響を及ぼします。
もし、住宅ローン以外の借り入れの返済を遅滞・延滞したことがあれば、審査に落ちる可能性のほうが高くなるでしょう。
住宅ローン審査の際は、既存の借り入れを必ず申告したうえで、完済すべきかどうか金融機関担当者と相談しましょう。
また、住宅ローンを借りる可能性がある場合は、カーローンやカードローンなどを利用しないことも大切です。
審査通過のコツ⑤雇用形態を問わない住宅ローンを利用する
派遣社員の人が住宅ローン審査に通過するためには、借入条件に雇用形態を含めない住宅ローンを利用する方法もあります。
一般的な住宅ローンの場合、「勤務形態が正社員」「勤続年数が3年以上」といった借入条件を設定していることが多く、これらの住宅ローンに派遣社員の人が申し込んでも、審査に通りづらいのが現実です。
しかし、フラット35のように借入条件に雇用形態に関する項目を設けていない住宅ローンであれば、問題なく申し込み出来るのです。
ここからは、派遣社員の人におすすめしたい住宅ローンとして、ARUHIと住信SBIネット銀行のフラット35を紹介します。
ARUHI「スーパーフラット」
ARUHIは、フラット35の取り扱いでトップクラスのシェアを誇る「住宅ローン専門」の金融機関です。
ARUHIのフラット35には、勤務形態や勤続年数に制限はないため、安定した収入が見込める派遣社員の人も申し込めます。
また、ARUHIのフラット35は業界最低水準の金利(※)となっていることも特徴です。
※【フラット35】業界最低水準(ただしスタンダードタイプの場合)。ARUHI 調べ。
借入割合 | 適用金利 |
---|---|
80%以内 | 年1.730%
|
90%以内 | 年1.850%
|
ただし、ARUHIスーパーフラットを新規借り入れで利用するためには、物件価格に対して1割以上の自己資金が必要です。
自己資金の割合が多くなると適用金利が優遇されるため、自己資金に余裕のある方におすすめです。
- フラット35
- ARUHI スーパーフラット
- 年
1.230
%
金利についての注意事項をみる
- ※2025年1月適用金利
- ※フラット35S(金利Aプラン)
- ※当初5年間引下げ
- ※自己資金20%以上
- ※一般団信加入
おすすめポイント
- 01スーパーフラットは一般のフラット35より低金利
- ARUHIのスーパーフラットは従来のフラット35より金利が低く、頭金を多くしてさらに低金利にすることも可能です。
- 02引き落とし口座を自由に決められる
- 引き落とし口座を自由に設定できるため、口座管理がしやすいです。
- 03勤続年数が短い人や個人事業主でも申し込める
- 借り入れ要件に「職業」が含まれていないため、審査が不安な人にも向いています。
- 04審査スピードが早い
- 事前審査は最短即日、本審査は最短3営業日と早いため、お急ぎの方にもおすすめです。
- 052024年2月より「子育てプラス」が新登場
- 家族構成等に応じて、金利を最大年1.00%引き下げられます。ご夫婦のどちらかが40歳未満なら、子どもがいなくても対象!
住信SBIネット銀行「フラット35(保証型)」
住信SBIネット銀行は、三井住友信託銀行とSBIホールディングスが共同出資しているネット銀行です。
継続的な収入があれば、派遣社員の人でも、住信SBIネット銀行のフラット35に申し込み可能です。
ネット銀行は少ない固定費で運営できることから、住宅ローンを低金利で貸し出していることが魅力です。
借入割合 | 適用金利 |
---|---|
80%以内 | 年1.790%
|
90%以内 | 年1.850%
|
さらに、住信SBIネット銀行のフラット35には「全疾病保障」が付いていることも特徴です。
「全疾病保障」では、がん・脳卒中・急性心筋梗塞・高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎を含む、すべての病気やけがによって就業不能状態が続いた場合、住宅ローン残高が0円となります。*精神障害を除く
金利の低さと保障の両方で妥協したくないという方は、住信SBIネット銀行を検討してみましょう。
- フラット35
- フラット35(保証型)
- 年
1.290
%
金利についての注意事項をみる
- ※2025年1月適用金利
- ※フラット35S(金利Aプラン)
- ※当初5年間引下げ
- ※自己資金20%以上
- ※団信加入
おすすめポイント
- 01全疾病保障が無料で付帯
- すべての病気やケガで働けなくなった場合に住宅ローンの返済が一定期間免除されたり、働けない期間が一定を超えて続いた場合に住宅ローン残高が0円になる「全疾病保障」が無料付帯。
- 02通常のフラット35より低金利
- 住信SBIネット銀行のフラット35(保証型)は一般的なフラット35(買取型)よりも低金利。
- 03自己資金20%以上でさらに低金利になる
- フラット35(保証型)の新規借入には住宅購入価格に対して自己資金20%以上でさらに適用金利が下がります。
- 04定額自動入金サービスが無料
- 住信SBIネット銀行の口座へ自動で毎月の返済額の入金ができるので、メインバンクを変更しなくてもOK。
【注意】派遣社員が申し込みできない金融機関もある
近年は派遣社員でも利用できる住宅ローンが増えているものの、一部の金融機関では派遣社員による住宅ローン申し込みを受け付けていない場合もあります。
例えば、SBI新生銀行住宅ローンの借入条件には「前年度税込年収が300万円以上の正社員または契約社員」と明記されているため、派遣社員の人がSBI新生銀行から住宅ローンを借りることは不可能です。
このように、各金融機関のホームページには、勤務形態に関する借入条件を掲載していることがあります。
派遣社員でも住宅ローンを借りられるかどうか知りたいときは、まず各金融機関の借入条件を確認してみてください。
まとめ
「派遣社員は住宅ローンを借りられない」というイメージを抱いている人は多いでしょう。
しかし、近年は派遣社員にも住宅ローンを貸し出している金融機関が増えています。
正社員と比べて厳しく審査される傾向にはありますが、以下のコツを押さえて事前に対策をしておきましょう。
住宅ローン審査申し込みのコツ
- 勤続年数が1年以上経過してから審査に申し込む
- 頭金を増やしたり安い物件を選んだりして借入金額を減らす
- 借入先となる金融機関の口座を早めに作っておく
- 現在ある他の借り入れを完済しておく
- 雇用形態・勤続年数があまり重視されない住宅ローンを選ぶ
派遣社員でも住宅ローンは利用できるため、自信をもって住宅ローン審査に申し込みましょう。
千日太郎 / オフィス千日合同会社 代表社員 公認会計士
【専門家の解説】
住宅ローンは最長35年の超長期にわたって借りたお金を返済する契約です。
そのため、派遣社員の住宅ローンの審査では「派遣社員は同じ派遣先の同じ部署で3年以上は働けない」ことを定めた派遣の3年ルールがネックになるのです。
今どれだけ多くの収入を得ていたとしても、3年ごとにリセットされてしまうと判断されるからです。
3年ルールがハンデとなりますが、国家資格などの保有や高い専門性によって、安定して収入を得ることができることをアピールできれば、いくらかハンデを挽回することが可能だと思います。
しかし同じキャリア同じスキル同じ年収であったなら、雇用契約が正社員の場合よりも派遣社員は相対的に低い融資枠、高い金利とならざるを得ないでしょう。
特に民間銀行は営利を目的としているため、貸倒れのリスクが融資可能額や融資金利にダイレクトに反映します。
そのため、より多額の融資と金利面で不利にならない住宅ローンを希望する場合は、公的融資の住宅ローンを選択することをお勧めします。つまりフラット35ですね。
ただし、フラット35の場合は金利タイプを全期間固定金利しか選ぶことが出来ません。
また、頭金を最低1割は入れないと、かなり割高な金利が適用されることになります。