法人カードは複数枚持つべき?2枚以上保有するメリット・デメリットとカード選びのポイント
最終更新日:

『イーデス』は、複数の企業と提携し情報を提供しており、当サイトを経由して商品への申込みがあった場合には、各企業から報酬を受け取ることがあります。ただし当サイト内のランキングや商品の評価に関して、提携の有無や報酬の有無が影響を及ぼすことはございません。
また当サイトで得た収益は、サイトを訪れる皆様により役立つコンテンツを提供するために、情報の品質向上・ランキング精度の向上等に還元しております。※提携機関一覧
法人カードを保有している人の中には、
「もう1枚作りたい」
「他のカードにも興味がある」
と考えている方もいるのではないでしょうか。
限度額を増枠したり、従業員用の追加カードやETCカードを増やせたりなど、法人カードを複数枚保有するメリットはたくさんあります。
しかし、中には法人カードを複数枚所有するのに向いていない法人カードもいくつかあります。どうせならメリットの多い法人カードを選んだほうがお得ではないでしょうか。
そこで本記事では、法人カードを複数枚保有するメリット・デメリットと2枚目以降のカードを選ぶ際のポイントを解説します。
複数枚持ちでも使いやすいカードもご紹介するので、法人カードを追加したいと考えている方はぜひ最後までチェックしてください。
法人カードについては、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。

1998年に法政大学工学部を卒業後、同年日本電信電話株式会社(現NTT東日本)に入社。社内システムの開発、Lモードの料金システム開発、フレッツ網の機器検証等に携わり2002年に退社。同年、友人と共に起業し、システムの設計・開発・運用を行う。
2006年、ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年3月代表取締役に就任。ポイント探検倶楽部に掲載されているポイントは約230種類。ポイントやマイルを中立の立場で語れる数少ない専門家として知られる。
約100枚のクレジットカードを保有、年間約150万円の年会費を支払っている、まさにクレジットカードの専門家。
一般カードからプラチナカードまで幅広い層のカードを実際に保有・利用し、日々様々なメディアにて、使った人にしか分からない信用できる情報提供を行っています。所有されているすべてのカードを月に1度は必ず利用しながら、おトクな使い方、おすすめの使い方を日々研究中。
三児の父であり家計のやりくりをすべて担当。ポイントのみならず、クレジットカードや保険なども守備範囲で、近年は投資にも挑戦している。
【主な著書】
新かんたんポイント&カード生活 (自由国民ムック)
気になる内容をタップ
便利で安心!法人カードを複数枚保有する5つのメリット
そもそも「法人カードは複数持っておいた方がお得」と聞いたことはあるけれど、その理由を知らない方もいるのではないでしょうか。
主な理由を以下にまとめました。
- 限度額を増やしたい
- 従業員の追加カードやETCカードが必要になった
- 国際ブランドが1種類では不便
- 他の特典に惹かれた など
上記の理由を解決してくれる、法人カードを2枚以上保有するメリットは主に以下の5つです。
メリット
それぞれ詳しく見ていきましょう。
利用できる加盟店が増える
法人カードを複数枚保有していると、カード決済できるお店が増えてより便利になります。
なぜなら、クレジットカードに付帯している国際ブランドは1種類のみだからです。偶然入ったお店が、所有する法人カードのブランド加盟店でなければ、カード決済ができません。
複数枚保有していることで、海外でも心配することなくカード決済ができます。
限度額を増枠できる
限度額を増やせるところも複数枚持ちの利点です。
クレジットカードにはカード決済できる上限額が設定されていて、希望額を申込み時に申請できます。
しかし、審査しだいではかなり低く設定されることがあります。限度額はカードの利用実績をある程度積めば増やせますが、増枠されるまで半年から1年以上かかることも。
その点、新たな法人カードを追加すれば限度額もプラスされ、1枚目の限度額が近づいてきたら2枚目で決済するといった使い分けが可能になります。
例えば、2枚とも限度額が100万円なら、合計200万円まで利用できるというわけです。
ただし、同じカード会社の法人カードだと限度額が上乗せされず、合算となる場合があるので、追加するなら1枚目と違うカード会社にしましょう。
法人カードの限度額については、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。
特典やサービスの幅が広がる
法人カードには会員限定の特典やサービスが付帯していますが、その内容はカードによって異なります。
複数枚持っていれば、それぞれの付帯サービスを利用できるようになり、利便性もさらに高まるでしょう。
例えば、メインカードは決済専用にし、2枚目以降は特典が充実したカードを選んで活用するといった使い分けもできます。
海外旅行傷害保険の補償を強化できる
海外旅行傷害保険の補償内容をさらに手厚くすることも可能です。
海外旅行傷害保険の補償内容は法人カードのランクや種類によって異なります。
そのため、複数枚持っていれば補償内容を強化できるのです。
なお、補償条件としては、旅行代金をカード決済しないと補償されない「利用付帯」と、カードを保有しているだけで補償される「自動付帯」があります。
そこでよく使うメインカードの補償内容に不安がある場合、例えば2枚目は手厚い補償内容が自動付帯するものにしておくことで、海外でトラブルに見舞われたときでも安心でしょう。
従業員用の追加カードやETCカードを増やせる
法人カードを2枚以上持っていると、従業員用の追加カードやETCカードを増やしやすくなります。
追加カードの発行可能枚数はカードによって異なり、手持ちの法人カードでは人数が合わない場合も。
そんなとき、2枚目以降は追加カードの発行可能枚数が多いものにすれば、より多くの従業員が法人カードを使えるようになります。
同様にETCカードも発行できる枚数を増やせるので、社用車が多い会社におすすめです。
ETCカードを複数発行したいと考えている方は以下の記事も参考にしてみてください。
次章では、デメリットや注意点について紹介していきます。
複数枚持ちの4つのデメリットと注意点
法人カードを複数枚保有するメリットは多いですが、以下のようなデメリット・注意点もあります。
デメリット
それぞれ詳しく見ていきましょう。
年会費の支払いがかさむ
当然ですが、法人カードを複数枚持っていれば年会費も上乗せされます。
事業の支出が多い時期と年会費の支払い時期が重なっている場合、負担に感じるかもしれません。
とはいえ、法人カードの年会費は事業のための支出とみなされるため経費計上が可能です。
一時的な出費はかさみますが、確定申告の際に経費は収入から差し引くことができるので節税にもつながります。
法人カードの会員費については、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。
管理の手間がかかる
クレジットカードを持つとパスワードや明細をきちんと管理する必要があるので、2枚以上あるとその分だけ管理の手間もかかります。
また、カード会社からはメールや郵便物が随時送られてくるので、それらに目を通しつつ情報を取捨選択する必要があります。
普段は問題なく管理できていても、忙しくなると管理がおろそかになるかもしれないので注意しておきましょう。
盗難や紛失に気づきにくくなる
法人カードを何枚も持っていると、盗難に遭ったり紛失したりしたときに気づくのが遅れる可能性があります。
頻繁に使用するメインカードなら、失くしたことにすぐ気づけますが、普段あまり使わないサブカードが複数枚あると、不正利用されて初めて紛失に気づくという場合も。
また、同時に複数枚盗まれたらカード会社への連絡にも時間がかかり、不正利用のリスクが上昇してしまうところは懸念点です。
審査で不利になることがある
短期間に法人カードに何枚も申込むと、入会審査で不利になる場合があります。
なぜなら、複数枚申込む人はカード会社に「お金に困っている人」という印象を持たれやすいからです。
クレジットカードの申込み履歴や使用状況は「個人信用情報機関」に登録され、各カード会社が審査時に参照できるしくみになっています。
その際、申込み者に延滞などのネガティブな履歴があると「うちのカードでも延滞されるかもしれない」と思われ、審査落ちさせる場合があるのです。
カード会社が敬遠する「申込みブラック」に気をつけよう
短期間で複数枚申し込むことは「申込みブラック」と呼ばれています。
基準はカード会社によって異なりますが、目安として1〜2ヶ月間に3枚以上申込むと申込みブラックとみなされる可能性が。
ですから、法人カードを3枚以上持ちたい場合は、まとめてではなく数ヶ月期間をおきながら申込むことをおすすめします。
ここまで、法人カードを複数枚保有するメリット・デメリットを確認しました。
次章では、2枚目以降のカードを選ぶポイントについて紹介していきます。

菊地崇仁 / クレジットカード専門家
クレジットカードなどは個人でも法人でも、基本的に少ない枚数で利用するのがお勧めです。明細が分散するため、何にいくら使ったのかがわかりにくく、ポイントが分散してしまいます。「お得」になったと思っていても、ポイントが失効すると結局「損」となります。
しかし、1枚だけではおさまらない場合もあり、国際ブランドや限度額なども関係してきます。例えば、アメックスブランドをメインで使っている場合、JCB加盟店で利用する事ができますが、やはりVisaやMastercardよりは使えるお店が少ないでしょう。
法人カードでマイルを貯めることを考えた場合、JCBやアメリカン・エキスプレス、ダイナースなどがメインカードとなる可能性が高いです。利用できない場合を考えて、サブカードはメインカードと別の国際ブランドのカードを選ぶようにしましょう。
また、国税や地方税もクレジットカード納付できる場合もあり、これらを支払うと限度額オーバーしてしまう場合もあります。 メインカードとは別の特徴を持ったカードとしてサブカードを保有するのが良いでしょう。
2枚目以降のカードをかしこく選ぶポイント
2枚目以降の法人カードを選ぶ際、意識しておきたいのは以下の点です。
それぞれについて見ていきましょう。
国際ブランドを分散させる
メリットの章でも紹介したように、異なる国際ブランドの法人カードを保有していると利用できるお店が増えて便利です。
なので、例えば1枚目のカードがJCBなら、2枚目以降はそれ以外のブランドを選びましょう。
以下に、それぞれの場合でのおすすめの国際ブランドについてまとめましたので参考にしてみてください。
- 海外でもよく利用する場合…Visa、Mastercard®
- 国内でよく利用する場合…JCB
- ステータス性を重視する場合…アメックス、ダイナースクラブ
法人カードの国際ブランドについては、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。
1枚目のカードにはないサービスが付帯している
国際ブランドを分散させるのと同様に、利用できる特典やサービスの幅が広がるカードを選ぶようにしましょう。
似たようなサービスが付帯するカードを選ぶと、複数枚持ちのメリットをあまり感じられなくなってしまいます。
基本的に、手持ちの法人カードの不満点や「もっと、こういうサービスを利用したい」といった要望を洗い出し、それを満たしてくれるカードを選ぶのがおすすめです。
ワンランク上の法人カードを選ぶのもおすすめ
2枚目以降のカードは、1枚目よりワンランク上のものを選んでみてもいいかもしれません。
法人カードは主に一般・ゴールド・プラチナという3つのランクに分けられ、付帯サービスのグレードも異なります。
ゴールドランク以上の法人カードはビジネス実務や出張、接待に便利なサービスが充実している場合が多いです。
ワンランク上の法人カードを持つことでより便利になり、高いステータス性も得られるでしょう。
最後の章では、複数枚持ちでも使いやすい法人カードについて紹介していきます。
複数枚持ちでも使いやすいおすすめ法人カード5選
2枚目以降のカードを選ぶ際に、ぜひ選択肢に加えてほしいものを5枚ご紹介します。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
ステータス性・利便性を両方強化したい場合におすすめなのが、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードです。
意識の高いビジネスパーソンに人気があり、知名度も権威性もあるので会食などで見られても安心でしょう。
空港ラウンジサービスなどの出張に役立つサービスの他、全国約200店舗のレストランで1名分のコース料金が無料になる優待サービス「ビジネス・ダイニング・コレクション by グルメクーポン」、年中無休のヘルスケア無料電話相談など多彩な特典が利用できます。
アメックスならではの特典が満載なので、さまざまなビジネスシーンに役立つでしょう。
年会費は36,300円(税込)です。
三井住友カード ビジネスオーナーズ
年会費をかけずに社員用の追加カードやETCカードを用意したい場合におすすめなのが、三井住友カード ビジネスオーナーズです。
実績のある老舗カード会社が発行しているうえ、国際ブランドも世界シェア率が高いVisaとMastercard®から選べます。
さらに、券面に番号が記載されない完全ナンバーレス仕様のため盗み見される心配もなく安心して利用できます。
他にも、オフィス用品をスピーディに届けてもらえるネット通販サービスや、レンタカーなどのビジネスサポートサービスも充実しています。
登記簿謄本や決算書の提出が不要なので、起業1年未満の方も気軽に申込むことができます。
三井住友カード ビジネスオーナーズ ゴールド
三井住友カード ビジネスオーナーズ ゴールドは上記のゴールドカードになります。
年会費は5,500円(税込)とゴールドカードの中では比較的手ごろですが、年間100万円以上の利用をすることで翌年以降の年会費が永年無料になります。
ゴールドカードだけあって国内空港ラウンジ無料利用をはじめ、最高2,000万円の海外・国内旅行傷害保険(※)や国内・海外対象のお買物安心保険(年間300万円まで) と手厚い補償まで付帯しています。
※2022年4月14日より開始された「選べる無料保険」により、「旅行安心プラン(海外旅行傷害保険)」を選択された場合。
JCB CARD Biz一般
VisaやMastercard®の法人カードを持っている場合は、JCB法人カードを追加するのがおすすめです。
JCBは国産ブランドだけあって提携パートナーが多く、国内向けのお得なサービスが充実しています。
海外での使い勝手は他のブランドに劣りますが、日本人が多いハワイでは手厚い現地サポートが受けられます。
一般ランクの年会費は1,375円(税込)とリーズナブルです。
オリコ EX Gold for Biz
EX Gold for Bizはオリコカードのゴールド法人カードで、法人向けの「Mタイプ」と個人事業主向けの「Sタイプ」があります。
ゴールドランクでありながら年会費2,200円(税込)と格安なコスパ良好な1枚です。
年会費がリーズナブルにもかかわらず、社員用追加カードは3枚まで発行可能です。
各カードに対してETCカードを1枚ずつ発行することができます。
国際ブランドはVisaまたはMastercard®から選ぶことができ、それぞれのビジネスサポートサービスが利用できます。
ポイント還元率は最大1%以上と法人カードの中では高水準なので、メインカードとしても便利です。
法人カードのコスパについては、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
楽天ビジネスカード
楽天ビジネスカードは個人向けの楽天プレミアムカードの子カードという位置づけです。
汎用性の高いVisaブランドが付帯し、ETCカードが何枚でも発行可能です。
ただし、ETCカードの年会費は1枚目は無料ですが、2枚目より1枚につき550円(税込)かかります。
保有するには楽天プレミアムカードへの入会が必須となりますが、プレミアムには世界中の空港ラウンジが利用できるプライオリティ・パスなどのワンランク上のサービスが付帯しています。
年会費は楽天ビジネスカードが2,200円(税込)、プレミアムカードが11,000円(税込)なので合計13,200円(税込)かかります。
まとめ
本記事で紹介した法人カード複数枚保有についてのポイントを以下にまとめました。
- 法人カードを複数枚保有すると、利用できる店舗や特典・サービスの幅が広がる
- 限度額を増やせたり、保険の補償内容を強化できたりする
- 2枚目以降は、国際ブランドや付帯サービスは重複しないものを選ぶ
- 審査で不利にならないよう、2枚目以降の申込みは期間をおいた方が良い
法人カードは1枚で十分な場合もありますが、仕事のスタイルに合わないなど何らかの不満点が出てくることも。
そんなとき、不満点を補えるカードを追加すればビジネスのさらなる効率化にも役立つでしょう。
ご自身に合ったカードを選び、複数の法人カードをかしこく使い分けてみてはいかがでしょうか。
本記事の編集者について

イーデス編集部
専門知識がないと難しい金融商品を、正確で詳しく、わかりやすく伝えるために、記事企画・推敲・構成・編集・情報の更新を行っております。