銀行が見る決算書(審査)のポイント

【お金の知識】銀行が 見る決算書(審査)の 3つのポイント解説
お金の知識

2022-06-23

「コロナショックで資金繰りが悪化してしまった……」

この難局を乗り切るために政府は助成金や持続化給付金、無利子無担保融資など特別な対策を打ち出して企業支援を打ち出しております。

しかしそれは一時しのぎの資金、つまりコロナショックで凹んだ現状の売上収益を補うもの。

それだけではなく、その後の本来的な資金調達が必要になってきます。

そんな現状の収入減への支援ではなく、将来に向けての建設的な資金調達のためには、金融機関に審査査定される資料である(月次)決算状況を見直しておくことが大事です。

なぜなら、結果として自社事業を安全に継続させていく重要なポイントになってくるからです。

ではコロナのことは特殊要因として、そもそも金融機関は与信判断において、決算資料ベースではどのようなところに注目していくべきなのでしょうか?

そんな注目するべきポイントについて解説いたします。

本記事の執筆者について

望月 良友さん

望月 良友 / AFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、証券外務員一種内部管理責任者生保募集人損保募集人仲人カウンセラー(IBJ日本結婚相談所連盟 認定)、 SDGsビジネスアソシエイト(非営利型一般社団法人Beyond SDGs 認定)

自身は現在2児の父で夫婦共働き世帯です。子育て環境と時間、そして仕事を両立するため、27年勤めた銀行を2018年末に退職。それまでの知識と経験を活かせる道を進むためFP/IFAの事業者へ転職いたしました。銀行員時代に出来なかった、転勤のない中長期的なお客様サポート、そして四半期ごとの銀行決算期に振り回されないお客様へのアドバイスを的確に行えることに現状のやりがいを感じております。 そして個人相談のなかでも親御さんの結婚への心配や気にかけの話も多くあり、また実際結婚は人生の大きなイベントの一つであり転換期でもあることから、お金に係る課題や悩みも出てくることがあります。その部分をお金のことだけではなく、これまでたくさんのご家庭を見てきた経験からアドバイスを行う婚活事業を始めました。 一方で、銀行員時代に培った法人の資金調達や財務面でのサポートは、いわゆるFP/IFA事業所ではほぼ行っていないことから、法人コンサルをメインとしたFP事業を個人で立上げて、現在は法人個人問わずに対応できる総合コンサルタントFPとして活動しております。/ HORIZON FP事務所

目次

注目ポイント1:まずは決算書の概要をつかもう!

最近は金融機関担当者も若年化やシステム化が進んだこともあり、その場で決算書の中身を見る力が落ちてきているとも言われます。

そんな傾向にあるので、まだ決算書によく触れたことのないという担当者は、損益計算書(Profit and Loss Statement以下P/L)から見ようとします。

すると中小会社経営者も利益を挙げることばかり注力してしまい、現在の資産と負債のバランスを把握していないことはありませんか?
しかしそれは間違いです!

ポイント

  • 決算書のつづりでは、貸借対照表(Balance Sheet:以下B/S)が前記P/Lよりも前にあるのをご存知でしょうか?

それにはきちんと理由があるからです。

B/Sの右側には『純資産』と『負債』が、左側には『資産』が掲載されています。

『純資産』を自己資本、『負債』を他人資本という言い方をすることがある通り、【自己+他人】資本を使って、どれくらいの【資産】を作ったのか?

いわば企業活動でどれだけの資産(お金を生んでくれるもの)をつくったのかを見るためにB/SがP/Lよりも先にあるのです。

また、自己資本の源は何かと言いますと、P/Lの税引後当期純利益となります。

B/Sは決算日の『一時点だけ』の会社の状態を現し、いわば体調です。

対してP/Lは、決算期間(通常12か月)の損益に係る数字の累積結果を示したもの、という違いがあります。

つまり決算期間の12か月間の途中の業績の凸凹に関係なく、まとまった実績が出ているだけで、B/Sの【体調】に対してP/Lは【体質】を示しています。

注目ポイント2:短期的な支払能力を大枠でつかむ

銀行などの担当者が決算書を見て、企業の大枠をその場で把握しようとするのは、まずは『純資産』。もっと言うとその内訳の『利益剰余金』になります。

そこで利益の積み上げ、つまり内部留保がしっかり出来ているのかを判断します。

例えば、B/Sのさらに前のページである『表紙』を見ると、必ず『第●●期』と表記されています。

これは会社の継続年数ですね。

これが例えば第10期だとすると、「10年かけてこの利益の積み上がりなのですね」と心の中で確認。

そして『利益剰余金』と比べることで、1年あたりの積上げ利益(税引後当期純利益)をなんとなく把握します。

次に見るのは

  • 『当座資産』~現預金や売掛金など
  • 『流動負債』~短期借入金と買掛金など

をみます。

要するに(足下の)短期的な支払能力を大枠でつかみます。

当然『当座資産』≧『流動負債』でなければ本来なりません

その概要をつかんだうえで損益計算書を見ていくことになります。

注目ポイント3:P/Lは下から読め!見るべきは四箇所

P/Lを見るのはまず、『1:税引後当期純利益』の確認です。

これは黒字なのかの確認はもちろんですが、それよりも

ポイント

  • B/Sの『利益剰余金』のところに直結しているので、数字が合致しているかがポイントです。

次に見るのが『2:営業利益』です。

ある時期は「経常利益を確認しろ」と言われていた時代もありますが、今はそもそも本業で儲かっているのかを確認します。

理由は簡単!

いくら黒字決算でも、本業の儲けが無い場合は、ビジネスモデルに直接影響してくる話なので、最重要利益と言えるでしょう。

そして次に把握するのは、

  • 『3:売上高』
  • 『4:減価償却費』

ですね。

売上高を金融機関が見るのは、その数字自体はもちろんですが、数字実績よりも収益率を判断する基になるために見ます。

『減価償却費』を見るのは、この費用は実際に現預金が動いて無くなっているわけではないので、営業利益に「加算」して、お金を基準にした大まかな利益(キャッシュフローベース)を把握します。

その(営業利益+減価償却費=)修正後営業利益が、売上に対してどれくらいの比率の実績なのかが重要です。

この比率は業種によって違いはありますが、2~5%程度は確保したいところでしょう。

また、ここで計算された数字の修正後営業利益に現預金を加えた数値(A)は、長期の借入金等負債への返済原資になります。

つまりこの(A)が維持されるとするならば、長期借入金を何年で返済できるか?を押さえておきます。

その結果について、10~15年程度になってくれることを金融機関としては望むところでしょう。

まとめ

ここまでのおさらい

  • まずB/Sは純資産(特に利益剰余金)、当座資産、流動負債の状況を押さえましょう!
  • 次にP/Lは本業の儲けである営業利益計上の要因を語れるように!
  • 金融機関をうまく味方につけるには最低限の彼らの活動を逆に把握しておくこと

ここまで見てきておわかりいただけたでしょうか?

金融機関から資金を調達するために金融機関が見るべきポイント。

さらにその理由をしっかり把握したうえで、今後の事業計画と借入希望金額を語りましょう。

銀行員等お金を貸す担当金融機関は、決算書を手元にもらい、ほんの数か所を見るだけで今は御社を把握します。

もしかすると、今なら金融機関も短期間で実績をつかみたいから、その場で【判断】をしてしまうかもしれません!

また銀行員も今は駆け込み資金相談も多く、とにかく案件を捌かなくてはいけません。

本記事の編集者について

ナビナビ編集部

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専門知識がないと難しい金融商品を、正確で詳しく、わかりやすく伝えるために、記事企画・推敲・構成・編集・情報の更新を行っております。

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