
病気やケガで会社を休んだときに頼れる制度&もらえるお金
最終更新日:
このページにはPRリンクが含まれています
また当サイトで得た収益は、サイトを訪れる皆様により役立つコンテンツを提供するために、情報の品質向上・ランキング精度の向上等に還元しております。※提携機関一覧
もしも思わぬ病気やケガで会社を休むことになったら、身体のことはもちろん、これから必要になる医療費や働けないことによる収入減など、お金のことも心配だという方は多いのではないでしょうか。
そんなときに使える制度や受け取れるお金について解説します。

AFP(日本FP協会認定)
執筆者馬場愛梨
株式会社エイチームライフデザイン
編集者イーデス編集部
「ユーザーが信頼して利用できるWEBメディア」を目指す編集部チーム。実際のユーザーの声や業界知識の豊富な専門家の協力を得ながら、コンテンツポリシーに沿ったコンテンツを制作しています。暮らしに関するトピックを中心に、読者の「まよい」を解消し、最適な選択を支援するためのコンテンツを制作中です。
■書籍
初心者でもわかる!お金に関するアレコレの選び方BOOK
■保有資格
KTAA団体シルバー認証マーク(2023.12.20~)
■許認可
有料職業紹介事業(厚生労働大臣許可・許可番号:23-ユ-302788)
気になる内容をタップ
病気やケガで会社を休んだら
病気やケガで会社を休む必要が出てきたら、まず思い付くのは会社の「有給休暇」を利用することでしょう。
休んでもしっかり給与が保障されていますので安心です。ただ、日数に限りがあります。
有休を使い切ってもまだ治らない場合、次は「休職」という選択肢があります。
勤務先によっては休職期間中も一定の給与が支給されることがありますが、一般的には無給ということが多いようです。
会社の就業規則を確認してみましょう。
でも、もし病気やケガで働けないからといって、いきなり収入が途絶えてしまったら困りますよね。
そんなときのために、次のような公的な保障制度が用意されています。
労働者災害補償保険
いわゆる「労災」です。
病気やケガの原因が仕事にあれば、対象になります。
たとえば、
- 通勤途中に交通事故に巻き込まれた
- 仕事用の機械に手をはさんで負傷した
- 劣悪な職場環境のせいで精神疾患を発症した
などの場合です。
仕事が原因の病気・ケガで働けないときは、最初の3日間は会社側に休業補償する義務があります。
4日目からは労災の「休業(補償)給付」で、お給料の約80%にあたる金額を受け取ることができます。
労災にはこのほか、
- 無料で治療を受けられる「療養(補償)給付」
- なかなか治らず長期化した場合の「傷病(補償)年金」
- 介護状態になれば「介護(補償)給付」
- 障害が残れば「障害(補償)給付」
- 亡くなってしまったら遺族が受け取れる「遺族(補償)給付」
などもあります。
傷病手当金
では、仕事に関係がない病気やケガで働けなくなった場合はどうなるのか見ていきましょう。
その場合は、労災ではなく「傷病手当金」の対象になります。
連続して3日休んだ後、4日目から受け取ることができ、その金額はお給料の約3分の2です。
期間は、支給を開始した日から数えて最長1年6か月です。
加入している健康保険(保険証に書いてあります)もしくは会社の担当部署に連絡して、お金を受け取るための手続きをしましょう。
提出が必要な申請書は、加入している健康保険のホームページでダウンロードすることもできます。
自分が書く欄、会社が書く欄、担当医が書く欄の3つがありますので、早めに手配しておくとよいでしょう。
傷病手当金は、派遣社員やパートでも健康保険に加入していれば支給対象になります。
また、一定の条件を満たしていれば、もしその病気やケガが原因で会社を辞めることになったとしても引き続き受け取ることができます。
民間の保険に入っている方は忘れずに請求を
公的な保障制度だけではありません。
民間の保険会社が提供する医療保険、がん保険、所得補償保険(就業不能保険)などに加入している方は、
- 支給対象になるかどうか
- 保険金はいくらもらえるのか
- 請求手続きには何が必要か
を早めの段階で確認しておくとよいでしょう。
住宅ローンを契約したときに加入した団体信用生命保険(団信)に、一定の病気などになった場合にローン残高の返済が免除される特約が付いていることもありますよ。
医療費が高額になったら
そのほかにも、頼れる制度はたくさんあります。
たとえば、医療費が高額になってしまって支払うのが難しいときは、次のような制度が役立ちます。
高額療養費
医療費の自己負担額が大きくなりすぎないようにするための制度で、一定の限度額を超えた分は「高額療養費」として健康保険から支給してもらえます。
この限度額(自己負担の上限額)は年齢や収入などによって違いますが、
たとえば70歳未満で年収300万円の方なら1ヶ月あたり57,600円です。
加入している健康保険によっては、国の基準よりさらに加入者に優しい設定になっているところもありますよ。
通常はいったん医療費を全額支払ってあとから超過分を取り戻す形になります。
ですが、先に手続きして「限度額適用認定証」を入手しておけば、病院の窓口で支払う金額を限度額までに抑えることもできます。
医療費控除
実際に負担した医療費が、家族みんなで年間10万円を超えていたら「医療費控除」の対象になるかもしれません。
確定申告をすることで、税金の負担が軽くなります。
念のため、病院や薬局の領収書・レシートは捨てずに保管しておきましょう。
自立支援医療
精神疾患の方や身体障害がある方など、所定の状態であると認められれば、高額療養費よりもさらに医療費負担が抑えられる「自立支援医療」の対象になります。
メモ
たとえば、精神疾患のため通院中で医療費3割負担という方の場合、この制度を利用すれば1割負担で済むようになります。
高額医療費貸付
多額の医療費がかかって支払いが難しい、高額療養費を受け取るまで家計がもたない、といった場合は、各健康保険が行っている貸付制度をチェックしてみましょう。
全国健康保険協会では、高額療養費の支給見込額の8割まで無利子で借りることができます。
まだある!病気やケガでお金が心配なときに使える制度
あまり知られていませんが、病気やケガで困ったときに利用できる社会保障制度はまだあります。
「お金がない」と治療をあきらめることがないよう、根気よく情報収集してみましょう。
もし心身に障害が残ったら
障害年金
障害年金の対象になるほど重度の状態でない方でも「障害手当金」「障害一時金」の対象になることがあります。
介護保険
40歳以上の人が加入しています。介護が必要な状態になってしまった場合、1~3割負担で訪問介護やデイサービスなどの各種介護サービスを受けられます。
ちなみに、家族の介護のために会社を休んだときは「介護休業給付金」の対象になりますよ。
児童扶養手当
子育て中の親が一定の障害状態になった場合など、子どもの数に応じて支給されます。
その他、特別障害者手当、心身障害者福祉手当、市町村など自治体独自で用意している支援制度もあります。
病気やケガで会社を退職したら
雇用保険
退職したら、ハローワークで基本手当(いわゆる失業手当)を受け取る手続きをしましょう。
基本手当はすぐに働ける状態で仕事を探している場合に支給されるものです。
ですが、病気やケガによって退職後30日以上働けない状態が続くようなら、働ける状態になるまで基本手当の受給を延期する手続きもできます。
生活が困窮してしまったら
生活困窮者自立支援制度
生活保護まで行く前の段階でも、数ヶ月分の家賃相当額が支給される住宅確保給付金や就労訓練などの支援を受けることができます。
まとめ:困ったときは制度を活用して負担を軽減しよう
ここまでご紹介したように、病気やケガで会社を休むことになってもお金に困らないようにするためのしくみは多数あります。
自分がどの制度の対象になるのかわからない場合は、大きな病院や市役所の窓口で相談に乗ってもらうこともとしてできますよ。
うまく活用して、お金の心配をせずに治療に専念できる状態を作りましょう。

AFP(日本FP協会認定)
執筆者馬場愛梨
お金の知識の関連記事
人気カードローンランキング
- ※プロミス:※融資時間:申込時間や審査により希望に沿えない場合があります。無利息期間:30日間無利息サービスを利用するには、メールアドレス登録とWeb明細利用の登録が必要です。新規契約時の融資上限:本審査により決定となります。18歳、19歳の申込みについて:申込時の年齢が19歳以下の場合は、収入証明書類の提出が必須となります。高校生(定時制高校生および高等専門学校生も含む)は申込できません。
- ※アコム:※審査時間・融資時間:申込時間や審査により希望に添えない場合があります。
- ※アイフル:※申込の状況によっては、希望に沿えない場合があります。