知っておきたい企業型確定拠出年金とは?!
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ニュースや政府の発表により、老後に不安を抱えている人は少なくありません。
特に、年齢を重ねた後では働いて得られる収入には限りがありますので、なおのこと不安に感じるのではないでしょうか?
もはや将来の生活保障は、人任せにすることはできません。
そのためには自らお金を運用する等して、将来使うことのできるお金を確保することが求められます。
まさに自助努力が必要な時代になっているのです。
自助努力の方法はいくつかありますが、今回は企業型確定拠出年金に絞って、商品内容を理解して頂き、どうやって将来に備えるべきかを考えて欲しいと思います。
本記事の執筆者について
飯田道子 / ファイナンシャルプランナー
金融機関勤務を経て1996年FP資格を取得。 現在は各種相談業務のほか、セミナー講師、執筆活動、独立支援などを活動は多岐に渡る。 どの金融機関にも属さない独立系FPとして、金融・保険情報が得意。 また海外移住の相談などにも対応しており、特にカナダや韓国への移住支援などを行っている。 「宅建資格を取るまえに読む本」「貯める!儲ける!お金が集まる94の方法」「介護経験FPが語る介護のマネー&アドバイスの本」「テラー必携‼ あなたのファンを増やす魔法の質問」などの著書もあり。
株式会社エイチームライフデザイン
編集者イーデス編集部
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初心者でもわかる!お金に関するアレコレの選び方BOOK
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■許認可
有料職業紹介事業(厚生労働大臣許可・許可番号:23-ユ-302788)
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確定拠出年金に知っておくべき日本の年金制度
まず知って理解しておくべきなのが日本の年金制度です。
日本の年金は、二階建てや三階建て構造になっているとも言われています。
なかには年金について詳しく知っている人もいるかと思いますが、知っている人も、そうでない人も、今一度、基本的な部分から理解して欲しいと思います。
日本の年金制度、いわゆる公的年金のベースとなるのは20歳以上の国民が加入しなければならない国民年金保険(以後、国民年金)があります。
国民年金の場合、学生ならば申請することで支払いの猶予を受けることができますし、生活が苦しい場合には申請により全額免除、一部免除を受けられるようになっています。
そして将来の受給額は加入期間の長さや免除期間の有無によって変わってきます。
国民年金の上乗せ部分と言われているのが、厚生年金保険(以後、厚生年金)です。
厚生年金は強制加入であり、サラリーマンや公務員が加入します。
フリーランスや自営業の場合には厚生年金に加入することができませんが、その代わりに任意加入でありますが、国民年金基金に加入することができます。
そしてここまでが、いわゆる二階建て部分となります。
三階建て部分にあたるのが、企業が独自に運営する企業年金制度があります。
加入できるのはその企業に勤める従業員のみです。
このように独自に年金制度を導入している会社は多くはないのですが、これらの制度があるおかげで、高額な年金を受給できる人もいます。
そして近年、これらの年金に加えて確定拠出型年金が誕生しました。
確定拠出年金ってどんな年金?!
確定拠出年金は、古くは日本版401kと言われており、アメリカの制度を模して日本でスタートしました。
事業者である企業や、個人がお金を拠出して(出して)資産を運用し、その運用結果で、将来、受け取ることのできる年金額が決まるというものです。
また「確定」という文字にも注目してください。
民間の個人年金の場合、確定と銘打っているものは受給額や受給期間が最初から決まっている保険のことを意味します。
一方の確定拠出年金の場合、確定しているのは「拠出」の部分のみ。
つまり、毎月拠出する金額は確定しているのですが、受け取ることのできる金額は確定ではありません。間違えないようにしてくださいね。
確定拠出年金には個人型と企業型の2つがあります。
個人型は、個人がお金(掛金)を出して自ら運用する制度で、加入できるのは専業主婦やフリーランスの人や自営業者等です。
そして、もうひとつが企業型となります。個人型は個人自らがお金を出して運用しますが、企業型の場合、お金を出すのは企業になります。
お金を出すのが個人なのか、企業なのかという違いこそが、個人型と企業型の最大の違いと言ってもいいでしょう。
企業型確定拠出年金ってどんな年金?!
それでは、具体的に企業型確定拠出年金はどのような制度なのか? 掘り下げていきます。
企業型という名称から、会社員であれば誰でも利用できると思えるかもしれませんが、企業型年金規約の承認を受けた企業に勤めている従業員のみが利用できます。
会社員だから誰でもOKという訳ではないので、注意してくださいね。
また、いくら自分が勤めている企業が企業型確定拠出年金制度を導入しているからと言って、無条件に従業員が利用しなければならないわけではありません。
企業型確定拠出年金制度では従業員であれば無条件に加入する企業と、加入するかどうか選択できる企業があります。
利用したいと考えているとき、制度の導入が決まったとき等で不明なことがあれば、必ず総務担当者に確認しておきましょう。
掛金について
また、拠出金には限度額が設けられています。
既に厚生年金基金等が導入されている企業の場合の拠出限度額は、月額2万7,500円です。
厚生年金基金等が導入されていない企業の場合の拠出限度額は、月額5万5,000円です。
さらに確定拠出年金を導入している企業のなかには、企業が拠出してくれるお金に上乗せして従業員が拠出できる「マッチング拠出」という制度もあります。
マッチング拠出を利用するには条件があり、
- 従業員が拠出する掛金の金額が、企業が拠出する掛金の金額を超えてはならない
- 企業が拠出する掛金と、従業員が拠出する掛金の合計金額が、決められた拠出限度額を超えてはならない
という決まりがあります。
企業が拠出してくれたお金に上乗せして拠出できるマッチング拠出は、老後の生活に不安を抱える人にとっては心強い制度なのですが、すべての企業で実施している訳ではありません。
自分が勤めている企業では利用できるかどうか、あらかじめ確かめておきましょう。
税制優遇措置がある
企業型確定拠出年金には、税制優遇措置が設けられています。これこそが、企業型確定拠出年金の最大の魅力と言ってもいいでしょう。
具体的には3つの優遇措置があります。
運用で得た利益は、全額非課税扱いになる
一般的に金融商品を運用して利益を得た場合には、運用益として約20%の税金が課されることになっているのですが、この20%が全額非課税になります。
せっかく運用して利益が得ても税金が引かれてしまい、思っていたよりも増えなかったという不満とはサヨナラできそうですね。
積み立てたお金は年金として60歳以降に受け取ることができ、税制控除が受けられます
受け取るときには、一時金として受け取るのか、年金のように分割して受け取る年金形式かのいずれかを選ぶことができます。
一時金として受け取る場合は、退職金所得控除が受けられます。年金形式で受け取る場合では、公的年金等控除が受けられます。
マッチング拠出を利用した場合にも税額控除の対象になる
マッチング拠出を利用した場合には、従業員が自ら拠出した掛金の部分は、全額所得控除の対象になります。
したがって所得税および住民税が軽減されます。
掛金の運用について
企業型確定拠出年金と公的年金の違いとして、掛金の運用者の違いがあります。
みなさんご存知の通り、公的年金の場合、私たちが納めた年金保険料を運用するのは国です。
よって、将来、受け取れる年金の増減は、ある意味、国の責任とも言えなくはありません。
一方の企業型確定拠出年金の場合、掛金を運用する運用指図者となるのは加入者自身、つまりお金を出している私たちが、直接、運用することになります。
投資可能な商品は、預貯金、投資信託、保険商品等です。また一度選んだ金融商品は、変更することも可能になっており、これをスイッチングと言います。
とはいえ、いきなり運用なんてできないと思う人もいるのではないでしょうか? でも、心配はいりません。
投資教育について
企業型確定拠出年金を導入した企業は、従業員に向けて投資教育をする義務を負っていますので、投資に関する知識を学んで運用することができます。
投資教育の方法は企業によって違いがありますが、企業型確定拠出年金の制度とともに、基本的な金融商品に知識、金融商品に関するリスク、メリットやデメリット等を定期的に教育する機会を設けています。
またこの投資教育は、一度だけで終わりと言うのでなく、定期的に開催されることになっていますので、安心してください。
ポータビリティ性について
ここまで読んできて気になるのは、「定年を迎える前に退職したらどうなるのか?」ということなのではないでしょうか?
今や働き方は多様化しており、新入社員として入社した企業に定年まで働くという人も減少傾向にあります。
企業型確定拠出年金では加入者が企業を退職した場合には、それまでに積み立てたお金を持ち運ぶことができるように決められており、このことをポータビリティと呼んでいます。
たとえば退職して国民年金の加入者になった場合等には、個人型の確定拠出年金へ移すことが可能です。
転職して転職先にも企業型確定拠出年金が導入されている場合には、転職先へ資産を移すことが可能です。
また、転職先が企業型確定拠出年金を導入していない場合には、個人型の確定拠出年金の口座を開設して、移管することができます。
企業型確定拠出年金のメリットとデメリットについても知っておこう
ここまでどのような制度なのかについて、ふれてきましたが、ここからは企業型確定拠出年金のメリットとデメリットについて理解しておきましょう。
メリット
最大のメリットと言えるのが、掛金が税額控除の対象になることです。その他、運用が上手くいけば将来受け取る年金受給額を増やすことが可能になります。
また、今いくら貯まっているのか、どれくらいの利益が出ているのかを自分で把握できること等もあげられます。
デメリット
物事には良いことばかりではなく、悪いこともあります。当然のことながら企業型拠出年金にもデメリットがあります。
最大のデメリットとしては、投資リスクを加入者が負わなければならないということ。
運用が上手くいかなければ、将来受け取る年金受給額が減ってしまう。一定の知識がないと、自ら運用するのが難しい、受け取れる年金額が確定しない等があげられます。
ここに掲げたメリットとデメリットは一例です。企業型拠出年金のメリットとデメリットについて以下にまとめましたので、参考にしてください。
確定拠出年金のメリットとデメリット
メリット
- 個人で運用の方法を決めることができる
- 社員の自立意識が高まる
- 経済・投資等への関心が高まる
- 運用が好調であれば年金額が増える
- 年金資産が加入者ごとに管理されるので、各加入者が常に残高を把握できる
- 一定の要件を満たせば、離転職に際して年金資産の持ち運びが可能
- 拠出限度額の範囲で掛金が税控除される
デメリット
- 投資リスクを各加入者が負うことになる
- 老後に受け取る年金額が事前に確定しない
- 運用するために一定の知識が必要
- 運用が不調であれば年金額が減る
- 原則60歳までに途中引き出しができない
- 勤続期間が3年未満の場合には、資産の持ち運びができない可能性がある
- 加入者ごとに記録の管理が必要になるため、管理コストが高くなりやすい
※厚生労働省のHPより抜粋
まとめ
運用を成功するために必要なこと 自ら運用責任を負うことは、私たちにとって負担に感じる人は少なくありません。
そのために必要なことは、自ら金融商品知識、商品の運用知識を得ることに尽きます。
もちろん企業では勉強会等を通して投資教育を行ってくれますが、どのような金融商品を選ぶのか、どのように運用するのは自分自身なのです。
人任せにはしていられません。
日頃からニュースや新聞等を読み、世の中の流れ、トレンドをつかむことが大切です。
また、金融商品を選ぶときには、その商品にはどのようなリスクがあるのかを充分に理解しておく必要があります。
企業型確定拠出年金では、元本保証のない投資信託も選択肢に入っています。
それまでに元本保証のない金融商品に慣れている人なら問題はないかもしれません。
ですが、初めて投資信託を利用する場合には、元本割れをすると不安になってしまうのではないでしょうか?
そもそも企業型確定拠出年金では、ひとつの商品を一気にまとめて購入するのではなく、毎月コツコツと積み上げていく商品です。
投資信託のような元本保証のない金融商品の場合、その価格が高いときには少しだけ、価格が低いときには多く購入する。
これはドルコスト平均法といって、リスクを回避することができるようになっています。
目先の値動きに戻和されることなく、じっくりと将来を見据えた運用を心がけていきましょう。
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