公務員向きのマイカーローンは?選び方や審査に落ちる原因と対策を解説
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公務員が利用できるマイカーローンは、主に「共済組合」「銀行」「ろうきん(労働金庫)」「ディーラー」「自社ローン」の5つです。金利や審査の難易度・付帯サービス充実度などが異なり、マイカーローンを選ぶ際のポイントとなります。
各マイカーローンの特徴とメリット・デメリット、公務員ならどのマイカーローンがおすすめかを解説します。よりお得に満足度の高いローンを組めるよう、ぜひ参考にしてください。
塚越 一央 / 塚越FP社労士事務所 代表
【専門家の解説】
公務員がマイカーローンを選ぶ際には、金利と付帯サービスを比較するとよいでしょう。公務員は倒産で収入がなくなることがないので、審査は通りやすいと考えられます。金利が同じ場合には、付帯サービスの充実度がポイントになります。ロードサービスもさることながら、保険が付いていると、外部の保険料を下げられてお得になります。
ファイナンシャルプランナー / 塚越FP社労士事務所
監修者塚越 一央
東京都立大学法学部を卒業後、大手都市銀行および銀行系のシンクタンクに41年間勤務。
定年退職を機に1級ファイナンシャル・プランニング技能士および社会保険労務士のダブルライセンスで「塚越FP社労士事務所」を立ち上げ、現在に至る。
日本FP協会東京支部主催の「神保町FPフォーラム」に参加し、相続のセミナー講師および相談員を務める。
また、外部メディアへの記事執筆や監修、コンサルティング業務を手掛ける。
経営理念「お客様に喜んでいただき、信頼される仕事を目指します」株式会社エイチームライフデザイン
編集者イーデス編集部
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公務員がマイカーローンを選ぶ際のポイント
銀行やディーラー・ろうきんなど、公務員が利用できるマイカーローンはさまざまです。公務員がマイカーローンを選ぶ際には、以下のポイントを参考にすると満足度が高まると考えられます。
基本的に公務員の場合審査が通りやすい可能性があるため、金利や付帯サービスを意識して選ぶと自身に最適なカードを選ぶことに繋がりやすいです。
金利で選ぶ
銀行やディーラー・ろうきんなど、利用するマイカーローンにより金利は異なります。金利の相場は2.0%~10.0%と幅があるため、低い金利で借りられれば、支払い総額を抑えられることは明らかです。
さらに、金利の中でも、固定金利と変動金利があります。どちらが適用になっているかにより、支払い総額に差がでます。固定金利と変動金利の違いは、以下のとおりです。
- 固定金利:完済するまで借入れ時の金利が適用される
- 変動金利:定期的に金利の見直しがあり、完済までの間に月々の返済額が変わる場合がある
固定金利と変動金利はそれぞれのメリット・デメリットが異なるため「どちらかが優れている」と、一概にはいえません。特徴を理解し、どちらを選ぶか決定することが大切です。その中で、金利が低いマイカーローンを選べると、支払い総額も抑えられるうえ、納得してローン返済を続けられるでしょう。
審査の通りやすさで選ぶ
マイカーローンを組む際には、借入れできるかどうかの審査があります。公務員の場合は審査に通りやすい傾向にありますが、よりストレスなく安心してローンを組むためには、審査の通りやすいマイカーローンを選ぶことが重要です。
審査で重視されるポイントを知ることで、対策を立てることや通りやすいマイカーローンを選ぶことに繋げられるでしょう。特に銀行やろうきんといった金融系ローンで審査のポイントとなるのは以下のとおりです。
- 年収
- 信用情報
- 勤続年数
- 職業
ローンの商品により、年収などの条件が明記されている場合があります。また、勤続年数は「1年以上」が目安となり、これらを満たしていると審査を通りやすいと考えられるでしょう。
ご自身の状況とローンごとに出ている条件を比較し、審査に通りやすいと考えられるマイカーローンを選ぶことが大切です。
付帯サービスの充実度で選ぶ
マイカーローンの種類によっては、付帯サービスの利用が可能です。利用できる付帯サービスの内容はさまざまで、レッカー急行や故障時の緊急修理対応といったロードサービス・各種保険サービスがつく場合があります。
金利などの条件が同じようなローン会社で悩んだ場合には、付帯サービスの充実度で選ぶのがおすすめです。特に保険の付帯サービスがついている場合は、外部の保険は必要最低限の契約で済みやすくなります。結果的に保険料を下げられ、よりお得にマイカーローンを利用できるでしょう。
塚越さん
公務員がマイカーローンを金利で選ぶ場合は、当然金利が低いマイカーローンを選ぶべきです。金利には固定金利と変動金利があります。どちらを選ぶかは金利情勢によるので、慎重に検討してください。一般的に、金利が上昇局面にあるときには固定金利を選び、下降局面では変動金利を選ぶとよいでしょう。
公務員におすすめのマイカーローン
公務員におすすめのマイカーローンをご紹介します。マイカーローンを比較するために、ローンの種類や金利相場・審査期間・審査の難易度によって、わかりやすく表にまとめました。
共済組合の貸付制度 | 銀行マイカーローン | ろうきん(労働金庫) マイカーローン | ディーラーローン | 自社ローン | |
---|---|---|---|---|---|
金利の相場 | 1.26% | 約1.0%~6.0% | 約1.7%~5.0% | 約4.0%~8.0% | 0.0% |
審査期間 | 2週間前後 | 即日~10日ほど | 約1週間 | 即日~3日ほど | 即日~数日 |
審査の難易度 | 比較的易しい | 厳しい | 厳しい | 普通 | 比較的易しい |
それぞれにメリット・デメリットがあるため、個人の状況により適切なマイカーローンの種類は異なります。マイカーローンの種類ごとにおすすめの人も解説するため、ぜひ参考にしてください。
共済組合の貸付制度
共済組合は、教員をはじめとする公務員を対象にした社会保険組合です。共済組合には、都道府県の公務員や公立の教育職員などが加入する「地方職員共済組合」や、行政職員など国家公務員が加入する「国家公務員共済組合連合会」があります。
貸付制度として資金を借りられるようになっており、自動車の購入だけでなく、マイホームや医療・教育・冠婚葬祭などといったさまざまな用途で借入れが可能です。
大きなメリットとして挙げられるのは、自動車ローンの中でも金利が低いという点です。地方職員共済組合では、借入れ時の連帯保証人や保証料・抵当権の設定が必要ありません。返済回数の上限は120回で、繰り上げ返済の手数料も必要ないことからマイカーローンの中でも条件が良いといえます。
ただし、審査の期間は長くて2週間前後かかります。さらに貸付の限度額は給料月額の6倍の範囲内で、限度額としては200万円です。これらは、状況によってはデメリットになり得る部分でしょう。
共済組合の貸付制度がおすすめの人
- 共済組合に加入している公務員の人
- 審査期間が2週間前後かかっても問題ない人
- 借入れの限度額に納得できる人
銀行系マイカーローン
銀行系マイカーローンとは、メガバンクや地方銀行・ネット銀行・信託銀行・信用金庫など、さまざまな銀行から提供されているローンのことです。全国の銀行でマイカーローンが提供されているため、住んでいる場所を問わず借入れを相談できます。金利の幅も広く、中古車や新車・車種などを問わず同一の金利である場合も多いのが特徴です。
銀行によって、借入れ時に提示している条件は異なります。返済期間は最長10年、事前審査の結果は最短即日回答・繰り上げ返済の手数料が無料など、メリットとなる条件も多くあり、ご自身で納得できる銀行に借入れの申し込みが可能です。
ただし、審査基準が高い銀行がある点は、注意が必要です。勤続年数や他社借入れの金額・信用情報といった内容を審査されることになります。公務員という時点で返済能力に関しての信頼は高いといえますが、場合によっては審査に通らないことはデメリットになり得る部分でしょう。
銀行系マイカーローンがおすすめの人
- 勤続年数が1年以上の人
- 他社借入れや信用情報に問題がない人
- 自分に合う借入れ条件を選びたい人
- 車が決まる前でも申込OK!
- 新車でも中古車でも同じ金利
- 繰り上げ返済の手数料は無料
ろうきん(労働金庫)マイカーローン
ろうきん(労働金庫)とは、生協や労働組合などが運営する金融機関のことです。労働組合員などでなくても、働く人であれば誰でも利用できます。マイカーローン事業として、自動車の購入はもちろんのこと、車の用品や運転免許の取得費用まで幅広く対応していることが多くなっています。
比較的低い金利で借入れできるのが特徴です。また、国家公務員や地方公務員などの団体は「団体会員の構成員」として区分され、金利の優遇が大きい場合があります。融資の金額や期間などは各ろうきんにより異なりますが、2,000万円の融資金額・25年の融資期間でマイカーローンを組めるところもある点は、メリットといえるでしょう。
ただし、ろうきん(労金)は銀行に比べて店舗が少なく、相談しづらいと感じる人がいるかもしれません。さらに、基本的には周辺地域に住んでいる人が利用対象となるため、特徴によって借入れするろうきん(労金)を選べない点は、デメリットです。
ろうきん(労働金庫)マイカーローンがおすすめの人
- 自動車購入だけでなくバイク・車用品の購入や免許取得のローンを組みたい人
- 公務員の優遇ローンで借入れしたい人
- 長い年数をかけて返済していきたい人
ディーラーローン
ディーラーローンとは、自動車のディーラー(特定のメーカーや販売会社などと契約している店舗)が提供しているローンのことです。信販・信託会社やクレジットカード会社・保証会社と提携し、ディーラー経由でローンを組めるようになっています。
販売した車を担保にローンが組めるという仕組みとなっている場合が多くあります。車が担保になる場合は、ローンの返済が終わるまで、自動車の名義がディーラーになっているのが特徴です。
銀行やろうきん(労金)などのマイカーローンと比べると、審査の基準が低い傾向にあります。ディーラーが提携しているローン会社と直接のやりとりとなるため、審査完了までにかかる日数も短く、手続きの手間も少ないのが大きなメリットです。
一方で、返済完了まではディーラーの所有物扱いになることから自動車の売却や譲渡ができないことや、比較的高い金利であるといったデメリットもあります。ローンは自動車やオプションのみにしか使用できないため、利用用途も限られます。
ディーラーローンがおすすめの人
- 銀行などのローン審査に不安がある人
- ローンを利用してできる限り早く自動車を購入したい人
- 自動車とそのオプションの利用しか考えていない人
自社ローン
自社ローンは、主に中古車販売店で利用できるカーローンです。信販会社などと提携せず、購入者と自動車の販売店が直接ローン契約を結ぶことになります。販売店独自の審査を通過すればローンを利用できるという点が、大きな特徴です。
独自審査によってローンを利用できるか否か決まることから、比較的に審査に通りやすいのがメリットだといえます。また、審査の期間が即日~数日であり、金利は0%という部分も魅力です。
ただし、金利の代わりに利用手数料や保証料が追加費用でかかり、一般的なカーローンと比較して支払い総額が高くなる場合があります。支払い回数も12回~24回などと短めの設定であることが多く、ひと月の支払額が高くなるといった部分がデメリットになり得るでしょう。
中古車販売店が扱っていることが多いことから、基本的に中古車の購入になるという点も注意が必要です。
自社ローンがおすすめの人
- 銀行などのローン審査に不安がある人
- ローンを利用してできる限り早く自動車を購入したい人
- 購入できる車種が限られても問題ないという人
自動車のローンは、それぞれ特徴やメリット・デメリットが大きく異なります。金利が低いと審査も厳しくなる傾向にあります。しかし、なかでも「共済組合の貸付制度」は、審査の難易度が比較的低めで条件も良いため、公務員の人におすすめです。借入れ限度額の低さや審査が長い点に問題がなければ、ぜひ検討してはいかがでしょうか。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
監修者 塚越 一央の一言コメント!
公務員におすすめのマイカーローンとしては、金利が低いことと審査が易しいことから、共済組合の貸付制度をおすすめします。中でも地方職員共済組合は、借入れ時の連帯保証人や保証料・抵当権の設定の必要がなく、返済回数の上限が120回で、繰り上げ返済の手数料も不要と条件がよいのでおすすめです。
塚越さん
公務員がマイカーローンの審査に落ちる原因と対策
公務員がマイカーローンの審査に落ちるのには、原因があります。以下のような事情は、審査に通らない原因になり得るでしょう。
- 金融事故情報(ブラックリスト)や延滞履歴が信用情報機関に登録されている
- 他社借入れが多い、総量規制を超えている
- 申込み書類に不備がある
これらについて詳しく解説するとともに、対策方法も紹介します。
金融事故情報(ブラックリスト)や延滞履歴が信用情報機関に登録されている
金融事故情報(ブラックリスト)や延滞履歴が「信用情報機関」に登録されていると、マイカーローンの審査に落ちる原因になり得ます。
信用情報機関とは、クレジットカードの支払い状況などの信用情報を確認できる機関のことです。過去にクレジットカードやローンなどの支払い滞納があったり、債務整理の経験があったりすると、金融事故情報(ブラックリスト)に情報が登録されます。金融事故情報(ブラックリスト)に登録されていると支払い能力に問題がある判断され、ローンが通らない原因となるのです。
心当たりのある人は、金融事故情報(ブラックリスト)に載っているかを確認できます。消費者金融・カード会社や信販会社・金融機関などにより、情報を管理している団体が異なるため、情報が載っている可能性のある団体に問い合わせて確認してください。
信用情報機関
- CIC:クレジットカード会社や消費者金融・携帯会社など
- JICC:クレジットカード会社や消費者金融など
- KSC:銀行や信用金庫・保証会社など
万が一、金融事故情報(ブラックリスト)に載っていた場合、金融機関などのローンを利用することは難しいと考えられます。ディーラーローンや自社ローンであれば、自動車のローンを組める可能性があるでしょう。
他社借入が多い、総量規制を超えている
検討しているマイカーローン以外に、他社での借入れが多い場合や総量規制を超えている場合は、審査に落ちる可能性があります。
まず、総量規制とは「貸金業社からの借入れ残高が年収の3分の1を超える場合、新たな借入れができない」という決まりです。貸金業法に定められています。総量規制の内容に該当する場合、自動車ローンを含め、新規でローンは組めません。
他社での借入れが多い場合もローンに通らない原因になり得ますが、明確に「何社以上はダメ」といった決まりはありません。しかし、金融系のローンでは、カードローンや消費者金融などといった自由にお金を使えるところから3社以上の借入れがあると、通過しづらい傾向にあります。
一方で、ディーラーや自社ローンの場合は、総量規制で定義されている貸金業社にあたりません。そのことから、他社借入れや総量規制で不安がある人でも、ディーラーや自社ローンであれば自動車ローンを組める可能性があります。
申込み書類に不備がある
マイカーローンに申し込む際の書類に不備があると、審査に落ちる可能性があります。特に審査に影響があると考えられるのは「氏名」「生年月日」といった、個人情報の部分です。本人であれば間違えるはずがないと考えられる情報に誤りがあると、第三者に情報を不正利用されていると疑われる可能性があるためです。
また「電話番号」「メールアドレス」に誤りがあると、審査中に連絡を取りたくても連絡がつかないといった状況になりかねません。確認の連絡などを受けられないと、審査に落ちる原因になり得るでしょう。
さらに、書類に不備があると、審査まで余計に時間がかかってしまいます。スムーズに審査を進めるためにも、書類不備がないようにしっかりと確認することが大切です。
公務員がマイカーローンに落ちるのには、必ず原因があります。ご自身の状況と照らし合わせて、原因を探っていきましょう。信用情報機関や他社借入れ・総量規制に心配があるなら、ディーラーローンや自社ローンを検討してみるのがおすすめです。ただし金利が高い傾向にあるため、納得のうえローンを組むようにしてください。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
監修者 塚越 一央の一言コメント!
公務員がマイカーローンの審査に落ちる原因の一つは、信用情報に債務整理や長期延滞の履歴が記録されている場合です。一度記録されると、他のローンの審査も通らなくなるので、延滞などは決してしないでください。また、他社からの借入が多い場合、総量規制を超えて借りている場合も審査に通らないので注意が必要です。
塚越さん
まとめ
公務員が検討できるマイカーローンは「共済組合の貸付制度」「銀行マイカーローン」「ろうきん(労働金庫)マイカーローン」「ディーラーローン」「自社ローン」の、主に5種類です。金利や審査の通りやすさ・付帯サービスの充実度などの内容がそれぞれ異なります。
特におすすめなのは「共済組合の貸付制度」であり、金利の低さや審査の通りやすさが魅力です。また、銀行やろうきんは審査が厳しい反面、金利が比較的低い・付帯サービスが充実している・バイクや車用品の購入など自動車購入以外にも利用できるといったメリットがあります。しかし、信用情報機関や他社借入れ・総量規制に不安がある場合、金融系ローンの審査が通りづらいと考えられるでしょう。
一方で、ローン審査に不安がある場合でも、ディーラーローンや自社ローンはローンが通りやすい傾向にあります。事情がある場合は、金利が比較的高い・借入れたお金の利用用途が限られるなどデメリットを理解したうえで、利用を検討してみてはいかがでしょうか。
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※EV・FCV購入の人向け金利特典と住宅ローン利用の人向け金利特典は併用できません。
※限度額:借りかえの場合は、現在利用中の他社自動車ローンの残高の範囲以内(1万円単位)で、かつ上記の融資金額以内。
マイカーローンを選ぶ際は、金利と通りやすさが大きなポイントです。同じ金利条件の場合、付帯サービスが充実しているほうが、満足度も高まりやすいでしょう。保険の付帯サービスがついていると、外部の保険料を下げられるため、おすすめです。
イーデス
編集部