マイカーローン10年は長い?後悔しない組み方のポイントを解説
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新車購入の費用が一括で支払えない場合、活用したいのがマイカーローンです。返済期間にある程度の柔軟性があるのが特徴ですが、10年間で契約することはできるのでしょうか。仮に10年でマイカーローンを組むことができる場合でも、そのメリットとデメリットを覚えておいたほうが、のちのち後悔することもなくなるかもしれません。
本記事では、マイカーローンは10年で契約できるのかどうかと返済期限を10年間にするメリット・デメリット、マイカーローンで後悔しないためのローン年数の決め方について解説します。これからマイカーローンを組んで車を購入しようと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
この記事を読んでわかること
- マイカーローンの一般的な返済期間がわかる
- マイカーローンを10年で組むことのメリットとデメリットがわかる
- マイカーローンの返済期限を決めるポイントがわかる
塚越 一央 / 塚越FP社労士事務所 代表
【専門家の解説】
マイカーローンを組むときに悩むのが、マイカーローンの返済期間を何年にするか、という点です。マイカーローンの返済期間は、借入機関によって異なりますが、申込者の信用情報や返済能力によっても異なります。乗り換え時期をいつにするのかも関係してくるので、しっかり検討してから決めてください。
ファイナンシャルプランナー / 塚越FP社労士事務所
監修者塚越 一央
東京都立大学法学部を卒業後、大手都市銀行および銀行系のシンクタンクに41年間勤務。
定年退職を機に1級ファイナンシャル・プランニング技能士および社会保険労務士のダブルライセンスで「塚越FP社労士事務所」を立ち上げ、現在に至る。
日本FP協会東京支部主催の「神保町FPフォーラム」に参加し、相続のセミナー講師および相談員を務める。
また、外部メディアへの記事執筆や監修、コンサルティング業務を手掛ける。
経営理念「お客様に喜んでいただき、信頼される仕事を目指します」株式会社エイチームライフデザイン
編集者イーデス編集部
「ユーザーが信頼して利用できるWEBメディア」を目指す編集部チーム。実際のユーザーの声や業界知識の豊富な専門家の協力を得ながら、コンテンツポリシーに沿ったコンテンツを制作しています。暮らしに関するトピックを中心に、読者の「まよい」を解消し、最適な選択を支援するためのコンテンツを制作中です。
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マイカーローン10年は長い?
結論として、マイカーローンを10年で組むことが長いかどうかは、契約者の価値観によって異なります。車の乗り換え頻度が高ければ10年間は長くなりますし、逆に1台を大事に乗り続けたい人であれば長いとは思わないでしょう。仮に短期間で車を乗り換えたいとなった場合、残債を繰り上げ返済しなければならないため、時期によっては現実的でない可能性もあります。
車の技術は日進月歩であり、昔よりも製造技術や搭載される機能の移り変わりが早くなっています。いわゆる新しいもの好きの人であれば、ローンが残っていても乗り換えたいと思うこともあるかもしれません。一方で、技術の進化に伴って、以前は廃車を検討するラインであった10年落ち・10万km超えの走行距離でも乗り続けられる車が増えています。
結局のところ、購入者の価値観によるところであるため、一概に10年のマイカーローンが長いとも短いとも言えないのが現実です。
そもそもカーローンは10年で組めるのか
マイカーローンが10年で組めるのは、銀行系のマイカーローンのみです。ディーラーが提供しているローンもありますが、こちらは最長でも7年であり、10年間で返済期間を設定することができません。
以下は、銀行系とディーラー系のマイカーローンの返済期間と金利をまとめた一覧表です。
ローン | 年数 | 金利 |
---|---|---|
銀行系ローン | 1年~10年 | 年1.0%~年4.0% |
ディーラー系ローン | 5年~7年 | 年3.0%~年8.0% |
※ネット銀行のマイカーローンは、銀行ごとにかなり金利のバラツキがあります
なお、銀行によっては10年の返済期間を設定できない場合があります。詳しくは、申込みを検討している銀行に問い合わせてみてください。
もし、銀行に行く時間がないなどの理由でマイカーローンの手続きをディーラーで完結させたいのであれば、ディーラー系ローンを申込んでも良いでしょう。金利負担が気になる、ディーラー系ローンよりも長期の返済期間を設定したい場合、マイカーローンはどこがいいとなったら、銀行系の低金利マイカローンをおすすめします。
5年での返済が一般的
マイカーローンの返済期間については、5年での完済が一般的です。続いて3年が多いとされていますが、これには車検が深く関係しています。新車購入から3年後と5年後には、車が安全に運航できるように点検・整備する車検が義務付けられています。このタイミングで残債をゼロにし、手放せるようにしておくことで、車検代を払わずに車を手放すことができるのです。
こう考えると10年という返済期間は長い気もします。しかし、繰り返しているとおり、車をどの頻度で乗り換えるかによって10年が長いのか短いのかは違います。大事に長期間乗るのであれば、10年でも乗り続ける人はいるでしょう。マイカーローンも同じで、10年以上乗り続けることを想定しているのであれば、10年の返済期間は決して長くないはずです。
もっとも大事なことは、乗り換えたいと考えたタイミングとその時の金銭的事情が釣り合っているかどうかです。マイカーローンの返済期間を決める際は、次に乗り換えを検討するであろうタイミングを見定めたうえで、貯金などをしてお金を貯めておく必要があります。そのスパンが10年以内なのであれば10年以内で、10年以上なのであれば最長の10年で組んでも良いでしょう。
マイカーローンを10年で組むメリット
マイカーローンを10年で組むことのメリットはいくつかあります。人によって何をメリットとするかは異なりますが、代表的なものは次の3つです。
- 毎月の支払額を減らせる
- 十分な資金がなくても車を購入できる
- ワンランク上の車を購入できる
それぞれ詳しく見てみましょう。
毎月の支払額を減らせる
マイカーローンを10年で組むことで、毎月の返済額を小さくすることができます。例えば新車価格300万円の車を、3年・5年・10年で支払う場合、次のようになります。なお、金利負担は本計算では考慮しないものとします。
支払い年数 | 回数 | 月額 |
---|---|---|
3年 | 36回 | 83,334円 |
5年 | 60回 | 50,000円 |
10年 | 120回 | 25,000円 |
実際には金利が上乗せされるため、月間の支払額はもう少し大きくなるでしょう。しかし、返済期間が長ければ長いほど月々の負担が軽減できるため、毎月の支払額を抑えたい場合は10年でローンを組むと良いかもしれません。
十分な資金がなくても車を購入できる
手元に十分な資金がなくても、ほしい車を購入できるというメリットもあります。先述した通り、まとまった資金がなくても返済を長期にすれば月々の支払額が小さくなるため、資金的に無理することなく車を購入できます。場合によっては頭金が必要になる可能性もありますが、それでも一括や短期ローンで購入するよりも車が購入しやすくなる点は変わりません。
ワンランク上の車を購入できる
購入を検討している車の上位車種や高級車でも、10年などの長期ローンを組むことで購入しやすくなります。回数にして返済が120回と多いため、1回あたりの負担が少ない状態でワンランク上の車を購入することができるようになるのです。
もちろん、大前提として、月々の支払いができる範囲で車を選択する必要はありますが、購入時の予算を超えても検討できる車種が増えるのは大きなメリットでしょう。
マイカーローンを10年で組むデメリット
主に購入時に大きなメリットがある10年でのマイカーローンですが、反面デメリットがあることも忘れてはいけません。具体的には次の3つが考えられます。
- 金利が高い
- 車の買い替えタイミングが伸びる
- 他ローンが組みづらくなる可能性がある
デメリットは購入時ではなく、購入後に響いてくるものがほとんどです。それぞれの詳細を見てみましょう。
金利が高い
マイカーローンの返済期間を10年で設定すると、高い金利負担を負わなければなりません。「毎月の支払額を減らせる」で紹介した金額はあくまでも本体価格のみの場合であり、実際には金利が上乗せされます。実際に金利が上乗せされた場合の月々の返済毎月の支払額を減らせる額と支払総額の例は以下の通りです。なお、金利は一律5%とします。
支払い年数 | 回数 | 月々の返済額 | 支払総額 |
---|---|---|---|
3年 | 36回 | 89,912円 | 3,236,856円 |
5年 | 60回 | 56,613円 | 3,396,820円 |
10年 | 120回 | 31,819円 | 3,818,350円 |
一番多いとされる5年間でのマイカーローンと比較すると、10年のマイカーローンとの差は約50万円にもなります。月々の支払額が小さかったとしても、最終的には年数が長いほうが金利負担は大きくなることを覚えておきましょう。
車の買い替えタイミングが伸びる
10年という長期ローンを組んだ場合、車の買い替えタイミングが伸びてしまう恐れもあります。一度ローンを組んでしまうと途中解約ができず、月々の返済を続けるか、繰り上げ返済をしなければなりません。繰り上げ返済をする場合はまとまった資金が必要になることが多いため、お金が用意できずに買い替えタイミングが先延ばしになってしまいやすいのです。
一般社団法人 日本自動車工業会が公表した「2021年度 乗用車市場動向調査」によると、1台の車を保有している期間の平均は7.8年とされています。10年の長期ローンを組んでしまうと平均以上に同じ車に乗らなければならなくなるため、もし7年~8年での乗り換えを検討しているのであれば、10年でのローンはおすすめできません。
他ローンが組みづらくなる可能性がある
マイカーローンの返済が長期で設定されている場合、銀行がほかのローンの審査で厳しくチェックすることになり、ほかのローンが組みにくくなる可能性があります。教育ローンや住宅ローンがそれに該当し、必要なタイミングでお金が借りられないという事態が発生しかねません。
ローン審査は、申込者本人が滞りなく返済できるかどうかを判断するために返済比率と呼ばれる指標を確認します。返済比率とは、年収に占める年間のローン返済額を割合で示したものです。銀行などの金融機関では、年収の25%~35%の返済比率を基準に融資するかどうかを判断しています。
もしマイカーローンの残債がある場合、別のローンの審査に悪影響を及ぼす可能性があります。仮に借りられたとしても希望額に満たない可能性もあるため、別のローンを利用する前に残債を可能な限り繰り上げて返済しておくと良いでしょう。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
監修者 塚越 一央の一言コメント!
マイカーローンを10年で組むことのメリットは、毎月の返済額が少なくて済むことです。これにより、返済に余裕ができて、普段は手が届かないワンランク上の高級車も購入することが可能になります。ただし、返済期間が延びれば、その分支払う利息が増え、返済総額が膨らむので、その点はよく注意する必要があります。
塚越さん
後悔しないローン年数の決め方
マイカーローンの返済の年数を決める際は、次の3つのポイントを意識して決定しましょう。
- そのランクの車が必要か
- 毎月の返済額から逆算する
- 買い替えのタイミングと合わせる
仮に10年でローンを組むと想定している場合、長期ローンでも後悔しないかどうかをしっかりと考えておく必要があります。マイカーローンは一度契約してしまうと、解約や変更はできません。後悔しても遅いため、契約前にローン年数の決め方を覚えておき、それを活用してローンの年数を決めるようにしてください。
そのランクの車が必要か
ローンの前に検討したいのが、購入を考えているその車が本当に生活や仕事で必要かどうかを再度考えてみることです。機能やステータスなど、満足度が高い1台を購入したいと思うのは不思議なことではありません。
しかし、その機能やステータスが、想定している使い方などにマッチしているか、費用面的に支払いができるのかを再考してみても良いでしょう。
そもそも、車の買い方は新車購入だけではありません。中古車やカーリースなど、昔よりも選択の幅が広がり、なおかつリーズナブルに車に乗れる方法が登場しています。本当にその車が必要なのか、オーバースペックになっていないか、そもそも新車である必要があるのかなどを総合的に判断してみてください。
毎月の返済額から逆算する
購入前に見積書をもらうなどして、月々の返済額を逆算すると無理のない返済期間を決めやすくなります。例えば、300万円の車を購入して月々5万円で返済していくと考えた場合、300万円÷5万円=60回となり、5年間で返済できることが分かります。単純に月々の負担を減らすことだけを考えるのではなく、1カ月でいくらまで払えるのかから逆算してください。
なお、注意点として、維持費がいくらかかるかを含んでおくことです。具体的には法定点検や車検の費用を指します。車の状態などによっていくらの維持費が必要かは変わりますが、ディーラーと相談して相場を聞いておくだけでもシミュレートしやすくなるため、ぜひ一度ディーラーに訪ねてみると良いでしょう。
買い替えのタイミングと合わせる
一般的には5年~7年が車の買い替えタイミングと言われていますが、これらのタイミングに合わせてローン期間を設定するのもありです。ただし、この年数は昔の車のスペックで考慮した場合の話であり、現代では少々事情が異なっています。技術の進歩に伴って車の耐久性は上がっているため、年数だけを基準にするのはあまり良くないかもしれません。
ひとつの指標としてライフイベントが考えられます。結婚や出産によって家族の有無が変わるタイミングや、子どもの成長具合に合わせて車の買い替えができるようにローンを組むもありでしょう。また、転勤で車の使用頻度が変わるなどの事情もあるのであれば、それらも考慮してローンの年数を考えても悪くありません。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
監修者 塚越 一央の一言コメント!
10年のマイカーローンを組んで後悔しないためには、まず購入しようとしている車が、生活や仕事に必要なもので、費用の面からも問題ないかをよく考えてみてください。その上で、毎月の返済可能な金額を出してから期間を逆算したり、買い替えのタイミングに合わせたりして、理想的な返済期間を決めるようにしてください。
塚越さん
まとめ
10年のマイカーローンは、月々の返済額を小さくできる代わりに返済総額が大きくなるデメリットを抱えています。1回あたりの負担が少ないため上位車種や高級車も購入の選択肢に入ってくるのはメリットですが、本当にその車を10年のローンで購入する必要があるかどうかを冷静に判断しても良いでしょう。
もっとも重要なのは、購入者自身の利用方法に適した1台を、できるだけ負担を少なくして購入することです。安直に10年ローンなどの長い返済期間を選択せず、ライフサイクルや月々の返済額から逆算した数字を考慮して返済期間を決めるようにしてください。
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※EV・FCV購入の人向け金利特典と住宅ローン利用の人向け金利特典は併用できません。
※限度額:借りかえの場合は、現在利用中の他社自動車ローンの残高の範囲以内(1万円単位)で、かつ上記の融資金額以内。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
監修者 塚越 一央の一言コメント!
マイカーローンを10年で組むことが長いかどうかは、購入者の価値観によるので、一概には言えません。マイカーローンの返済期間は5年にする人が多く、次に3年が多いのですが、これは車検の時期にローンの残債をゼロにして、乗り換えを考えるからです。一般的に7・8年で車を乗り替える人が多いことを考えますと、長くて7・8年でマイカーローンを組むことを推奨します。
塚越さん