保険会社は教えてくれない!生命保険や医療保険に入る前に知っておきたいこと
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「一生涯に、2人に1人はがんになる時代です!」
「日本では、500万人が認知症と診断されています!」
テレビで流れる保険会社のCMを見ると、健康への不安が深刻そうなデータとともに切迫感をもって語られています。
そんなCMを見て「自分も備えなければ」と、保険への加入を急ぐ人も多いと思います。
今回は、保険に加入する前に知っておきたい「保険を上手に活用するための考え方」についてお伝えしていきます。
本記事の執筆者について
スタジオポルテ夙川公園FPオフィス代表。株式会社タフ&テンダー代表取締役。
1974年、京都府生まれ。広島大学教育学部卒業。住宅メーカーでの営業職、スポーツクラブのインストラクター、介護老人保健施設勤務を経て、2011年に起業。通所介護施設(デイサービス)を兵庫県西宮市にて開設、現在に至る。
介護に携わる中で、公的制度に過度に依存することなく豊かな人生を送るためには、生活者が適切なお金の知識を持つことが欠かせないと強く考えるようになり、独立系FPとしての活動を並行して行っている。
株式会社エイチームライフデザイン
編集者イーデス編集部
「ユーザーが信頼して利用できるWEBメディア」を目指す編集部チーム。実際のユーザーの声や業界知識の豊富な専門家の協力を得ながら、コンテンツポリシーに沿ったコンテンツを制作しています。暮らしに関するトピックを中心に、読者の「まよい」を解消し、最適な選択を支援するためのコンテンツを制作中です。
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初心者でもわかる!お金に関するアレコレの選び方BOOK
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■許認可
有料職業紹介事業(厚生労働大臣許可・許可番号:23-ユ-302788)
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宝くじと自動車保険に学ぶ保険の本質
みなさんは宝くじを購入されたことはありますか?
宝くじの販売予想額は1,380億円として計算してみると、1等の当たる確率は2000万分の1となるため、買っても当たることはほとんどないと言えます。
なぜ超高額の当選金が設定できるのかというと、ほとんどがハズレくじだからです。
ではもしも、買った人全員に必ず1万円が当たる宝くじがあるなら、1枚いくらで売られるでしょうか。
集めたお金以上に当選金を支払うことはできないこと、宝くじの運営では集めたお金のうち半分以上が差し引かれてから配分されることを考えると、全員に1万円当たる宝くじが存在するなら、それは1枚あたり2万円を超えるはずです。
この仕組みは、民間の保険商品を正しく活用する際に、実は大きなヒントとなります。
まずはこの宝くじを踏まえ、自動車保険を考えてみましょう。
普段どんなに安全運転を意識していても、事故を起こしてしまう可能性はゼロではありません。
場合によっては1億2億の賠償額では済まないケースもあります。
このとき、自己資金から数億円をすぐに用意できる人は、なかなかいないでしょう。
だからこそ、もしものときのためにと車を運転する人のほとんどは自動車保険に入っているのです。
月々数千円の保険料で数億円の賠償に対応できるのは、ほとんどの人が宝くじで1億円が当たらないのと同じく多くの人は大きな事故を起こさないからです。
これは、生命保険や医療保険にも同じことが言えます。次から、もう少し詳しく保険に関して説明していきます。
保険に向いている商品、向いていない商品
民間の生命保険会社の商品について考えていきましょう。
「定期保険」あるいはその一種である「収入保障保険」など、若くて健康な人が一定期間の死亡保障をもつような場合は、保険金支払いの確率がとても低いため、安い保険料で大きな保障を得ることができます。
世帯主に万一のことがあったとしても大丈夫なようにと、1,000万円単位で貯蓄しているというケースはそう多くはないと思います。
金融広報中央委員会発表の『家計の金融行動に関する世論調査』によると、貯蓄がない人を除いた二人以上の世帯の平均貯蓄額の中央値は、20代で250万円、30代で500万円なのだそうです。
そういう家庭でもし、世帯主に万一のことがあり収入が途絶えた場合に、保険がとても大きな威力を発揮します。
しかし、以下のような場合もあります。
高齢化の進展とともによく売れているという「認知症保険」に、認知症と診断されると一時金として100万円が受け取れるプランがあります。
60歳で加入するときの保険料が月々6,000円だとします。
75歳で認知症と診断されると、その時点での払込総額は、108万円(6,000円×12カ月×15年)となってしまいます。
75歳での認知症の発症はあまり多くはありませんが、若年での死亡と比べると圧倒的に確率が高いのはたしかです。
発生リスクが高いことに保険で備えるのは、当たりが出やすい宝くじを買うようなものです。
保険料と保険金の額が近づいていくばかりとなり、保険で備える意味が薄れていきます。
「医療保険」や「がん保険」も、数万~100万円単位の給付金を受け取るために、100万円前後の保険料をトータルで払い込むことになるとすれば「保険でしかできないこと」ではなさそうです。
公的医療保険では、加入者の自己負担が原則3割で済むだけではなく「高額療養費制度」により自己負担額には上限が設定されています。
10万円単位のお金なら公的医療保険を利用して用意できるという人が、入院1日につき1万円が支払われる医療保険に積極的に入る理由はありません。
もちろん、若いうちは一定の貯蓄ができるまで期間限定で民間の保険を利用するのは良いと思います。
しかし、若いうちは保険料がいくら安いとはいえ、想定されるさまざまなリスクに対し保険で幅広く、長期的に備えようとすればするほど、それに伴い保険料負担もどんどん膨らんでいくばかりです。
そのうえ、加速する高齢者の増加と現役世代の減少、止まらない少子化を背景として、将来にわたって公的保険制度を維持するための保険料や税金負担が今後も上昇していくのは避けられないと考えられます。
民間の保険商品に使うお金は極力抑えていかなければ、ますます家計が圧迫されていくでしょう。
宝くじは、集めたお金からその半分以上が運営費として差し引かれますが、民間の保険も、(開示されていないため正確にはわかりませんが)宝くじほどではないにしろ、相当な運営経費が差し引かれてから配分される高コスト商品です。
できる限り控えるに越したことはありません。
「保険で貯蓄」はとても非効率
加入者が負担するコストが大きいという意味では、貯蓄機能がついた保険も入る前に考える必要があります。
例えば「学資保険」や「個人年金保険」など、「元本確保」の文言につい惹かれてしまう人も多いかもしれません。
しかし保険ではなく自分の口座で運用すれば、少なくとも保険会社に持っていかれるコスト分は有利に増やすことができます。
解約返戻金が積みあがっていく商品や、一定期間経過後に健康なら「お祝い金」がもらえる商品なども、結局それまでに自分で負担した保険料の一部が戻ってくるだけです。
保険は、期間満了時に払い戻されるお金がない「掛け捨て」が基本なのです。
世の中には、決してうまいだけの話はありません。
そもそも、保険の本来の意義は、みんなで少しずつお金を出しあって貯めておき、不運な出来事が起こった人に必要なお金を届けるという、助け合いの仕組みです。
自力で確保するのが困難な、大きな費用負担が生じるかもしれないリスク(世帯主の死亡など)に対してのみ民間の保険で対応し、それ以外のリスクには、自分でコツコツ積み立てて貯蓄で対応していくことこそが、人生における数多くのリスクに幅広く備えるための最適解です。
保険料として保険会社に毎月支払うお金は、その保険の対象となる事態が発生したときにしか役に立ちません。
しかし、自分の口座に毎月積み立てたお金に色はないのです。
不運にも病気などにかかればそこから引き出せばいいし、幸い元気で過ごせれば好きなように使えます。
(賛否はあるかもしれませんが)世界的にみれば日本にはトップクラスで手厚い公的な社会保障があるのです。
だから、コスト面で不利な民間の保険はなるべく最小限の利用にとどめ、払わなくて済んだ保険料相当分は、自分の口座にコツコツ貯蓄していきましょう。
安心を求めて広い範囲のリスクに保険で備えようとすると、コストも膨らむ一方です。
保険は長期間、広い範囲のリスクに備えるものでは決してありません。
期間限定で、保険でしか対応できないリスクに対してのみ保険を活用するのが、適切な使い方です。
保険は、非常時に預貯金では準備できないお金を調達するためにあるのです。
まとめ
上記のように考えると、保険選びは決して難しいものではないですよね。
「滅多に起こることはないけれど、もし起こってしまったときの経済的損失がとてつもなく大きいこと」
に対して、民間の保険は最大限に効果を発揮するのです。
逆に言えば、それ以外のことには、積極的に保険に入る理由は見当たりません。
「そのリスクは本当に保険でないと対応できないのか」
と自問していくと、結局はシンプルな商品に限られてくるはずです。
貴重なお金を保険料にあてるのは最小限にとどめ、浮いた分はコツコツ貯蓄して自由に使えるお金を増やしていけば、その額は数百万円単位に及ぶことも決して珍しいことではありません。
保険の本質を知り、過信しないで上手に活用することで、結果としてみなさんがお金の不安なく、より豊かな人生を送られることを願っています。
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