ローソク足の見方・使い方を解説!株初心者のためのテクニカル分析
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ローソク足とは
1本の足で相場の一定期間の4本値(始値、高値、安値、終値)を示したもの。
並べて表示することで、相場の状態や流れが一目でわかる。
例えば、1時間足の場合、1時間の始値、高値、安値、終値を表示し、その間に値上がりしたか値下がりしたかによって、表示する色を変えるのが一般的。
ローソク足は、株の取引に欠かせないもので、視覚的に理解しやすいことからチャート分析に最適です。
ただし、ローソク足の見方をしっかり理解しなければ、分析を間違えてしまうことにもなりかねないので、気を付けましょう。
- ローソク足って何?
- ローソク足のどこを見ればシグナルがわかるの?
この記事では、上のような疑問にお答えするために、ローソク足の意味を解説します。
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スキラージャパン株式会社 代表取締役 / スキラージャパン株式会社
監修者伊藤亮太
伊藤亮太は「スキラージャパン株式会社」の取締役を務めるFP(ファイナンシャル・プランナー)。
慶應義塾大学大学院商学研究科経営学・会計学専攻を修了しており、在学中にCFP®を取得。
その後、証券会社にて営業・経営企画・社長秘書・投資銀行業務に携わる。
現在は富裕層個人の資産設計を中心としたマネー・ライフプランの提案・策定・サポート等を行う傍ら、資産運用に関連するセミナー講師や講演を多数行う。
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などイーデス編集部 / 株式会社エイチームフィナジー
編集者小林 梨沙
1989年生まれ、愛媛県松山市出身。
大学卒業後、株式会社ブリッジインターナショナルに入社。外資系教育サービス会社にて、薬機法や品質マネジメントシステムのインサイドセールスを担当。その後、スーパーバイザーとして、日系大手企業のインサイドセールスプロジェクトの立ち上げを行う。
2019年に株式会社エイチームフィナジーに入社。FX、新規事業開発部を経て、イーデスの編集者に就任。
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ローソク足って何?
ローソク足は、一定期間の株価等の動きを示したもので、形がローソクに似ているため、そう名付けられました。
ローソク足を集めたものを「ローソク足チャート」といい、これを見て分析すれば、一定期間中の株価の値動きはもちろん、今後の予想を立てることもできます。
短期の値動きや、長期の値動きを示すことができ、さらには視覚的にわかりやすいとあって、相場分析には欠かせないものといえるでしょう。
ただし、ローソク足だけを使用して相場を判断することは少なく、移動平均線や他のテクニカル指標と組み合わせて使うケースが多い、ということは覚えておきましょう。
ローソク足は、1分、30分、1日、1か月など、1本あたりの期間を変えることができ、大きく分けると、短期のものと長期のものがあります。
短期の ローソク足 | 1分足、10分足、30分足 など |
長期の ローソク足 | 日足、週足、月足 など |
1分足はその名のとおり、1分間の株価の値動きを表し、日足は1日の値動き、週足は1週間の値動き、そして、月足は1か月間の値動きを表します。
なお、ローソク足は、より短期の足を合わせると、長期の足と同じ意味になります。
例
5分足を2つ重ねると10分足、1時間足など短期の足を1日分重ねると日足と同じになる
そのため、期間によってローソク足の形は異なってきます。
補足:ローソク足の発祥は日本!?
実は、ローソク足は日本で生まれました。
諸説ありますが、一般的には、江戸時代に稀代の相場師である本間宗久によって生み出されたとされています。
ローソク足の誕生とともに、日本では江戸時代からテクニカル分析が行われるようになりました。
そのため、本間宗久は後のチャールズ・ダウと並ぶテクニカル分析の先駆者といわれています。
シンプルながら情報量が多いローソク足は、株以外に、FXや先物取引のトレードでも使われています。
また、海外でも「キャンドルチャート」という名で知られ、今では世界中で活用されています。
※参照元:知っておきたいテクニカル分析のキホン(講師:土信田 雅之)
ローソク足の見方
ここでは、初心者が覚えておきたいローソク足の基本的な見方として、以下を解説します。
これらの見方は分かっているから、早く分析方法を知りたい!という人は、「ローソク足の使い方①1本で相場を分析」に進みましょう。
ローソク足の見方①実体、ヒゲ
ローソク足を構成しているのは、次の2つです。
実体 | 始値と終値の範囲を四角く囲んだもの。 |
ヒゲ | 始値と終値を超える値動きを示したもの。 |
ヒゲと実体の長さを見ることで、相場がどんな状態だったのか一目で判断できるのが、ローソク足の特徴です。
例
実体が長くヒゲがない:
売りもしくは買いの強いトレンドが発生したことがわかる長い上ヒゲ:
買いの勢いが強かったものの、売りの勢いも同様に強かったことがわかる長い下ヒゲ:
売りの勢いが強く、同じくらい買いの勢いも強かったことがわかる
ローソク足の見方②高値、安値、始値、終値
ローソク足には、次の4つの値が示されています。
高値 | 1本のローソク足の中で最も高い価格。 |
安値 | 1本のローソク足の中で最も低い価格。 |
始値 | ある期間の最初に取引された価格。値上がりした期間のローソク足なら、実体の下辺が始値となる。 |
終値 | ある期間の最後に取引された価格。 |
上ヒゲがない場合は、上辺が高値と同じ値であることを示し、終値=高値だとわかります。
反対に、下ヒゲがない場合は、下辺が安値と同じ値で、始値が上辺で上ひげがない場合は、始値=高値となるのです。
ローソク足の見方③陽線、陰線
陰線 | ローソク足で示す期間中、買いが多く値上がりしたことを示す。 |
ヒゲ | ローソク足で示す期間中、売りが多く値下がりしたことを示す。 |
ローソク足が表す期間は、1分や1時間、1日など自由に決めることができます。
証券会社が提供しているチャートの中には、陽線や陰線の色を自由に変えられるものもあり、自分が見やすい色にカスタマイズできます。
ローソク足の使い方①1本で相場を分析
ローソク足の集合体であるチャートを見て、正しく相場を判断できるようになるには、ローソク足の形とそれぞれの意味をまずは理解する必要があります。
ローソク足は基本的に1本で使うことはなく、数本を組み合わせるのが一般的ですが、1本であっても相場を分析できるケースがあります。
ここでは、ごく一部となりますが、トレンド転換のシグナルと見なされる特に代表的な9つのローソク足を取り上げます。
ローソク足 | 呼び名・特徴 | |
強い買いサイン | 実体が長くヒゲが短い陽線「大陽線」 ヒゲがない大陽線「陽の丸坊主」
| |
下降トレンドへの転換 | 陽線の実体が短く、上ヒゲの長いローソク足「陽のトンカチ」または「上影陽線」
天井が近いことを意味し、下降トレンドへの転換シグナル。 | |
下値抵抗 | 実体が短く、下ヒゲの長いローソク足「陽のカラカサ」または「下影陽線」
| |
強い買いサイン | 実体が長くヒゲが短い陰線「大陰線」
| |
トレンド転換 | 陰線の実体が短く、下ヒゲの長いローソク足「陰のカラカサ」または「下影陰線」
| |
上値抵抗 | 陰線の実体が短く、上ヒゲの長いローソク足「陰のトンカチ」または「上影陰線」
下降トレンドへの転換シグナル。 | |
相場転換 | 十字型のローソク足「十字線」 始値と終値が同じ(あるいはほぼ同じ)になった時に出現。 上昇トレンド中に天井付近で出た場合、下降トレンドへの転換シグナル。 | |
相場転換 | アルファベットの「T」を逆さにしたようなローソク足「トウバ」
| |
相場転換 | アルファベットの「T」の形のローソク足「トンボ」
|
ローソク足は形も大切ですが、それと同時に「どのような状態の時にそのローソク足が出現したのか」も大切になります。
つまり、上昇トレンドで出現したのか、下降トレンドで出現したのか、ということも同じくらい重要なのです。
どのようなトレンドの時にそのローソク足が出現したのかによって、意味合いが変わることもあります。
そのため、ローソク足の形に注目するだけでなく、トレンド発生の有無についても確認した上で、トレンド転換のサインであると判断しましょう。
ローソク足の使い方②2本で相場を分析
ローソク足の並びの中には、トレンド転換シグナルとしてトレーダーに知られているものもあります。
特に酒田五法と呼ばれるものは、複数のローソク足の並びから先の相場展開が予想できるため、現在も多くのトレーダーに使用されています。
酒田五法では、3本以上のローソク足を使用するのが基本形ですが、まずは、2本のローソク足から相場の状態を読み取れるシグナルを3つ紹介します。
以上は代表的なものですので、ぜひ覚えて活用しましょう。
2本のローソク足①はらみ線・抱き線
はらみ線
大陽線の後に小陽線または小陰線、あるいは、大陰線の後に小陰線または小陽線がくるもの。
大陽線の後に小陽線や小陰線が出た場合は、買いの勢いが失速してきたことを表す。
大陰線の後に小陰線や小陽線が出た場合は、売りの勢いが失速してきたことを表す。
この並びのローソク足が出現した後、実際に相場が転換することもありますが、しばらくもみ合いが続いてから、トレンド転換するケースもあります。
そのため、この並びが出た場合はトレンド転換が近いと考えて、その後の相場の動きを注視しましょう。
はらみ線は、大陽線や大陰線の後に極線や十字線が来た場合の方が、より強いトレンド転換シグナルになります。
抱き線
小陽線や小陰線の後に大陽線または大陰線が来る形のこと。
トレンド転換シグナルと見なされるのは、小陽線の後に大陰線が来た場合や、小陰線の後に大陽線が来た場合をいう。
抱き線で注意したいのは、ローソク足チャートのどこで出現したのか、ということです。
上昇相場の時に、小陽線の後で大陰線が出た場合は、そこが天井になる可能性が高いことを意味します。
一方、下降相場の時に、小陰線の後で大陽線が出た場合は、そこが底になる可能性が高い、ということを意味するのです。
2本のローソク足②かぶせ線
かぶせ線は、陽線→陰線、または、陰線→陽線というローソク足の並びのうち、次のもののことをいいます。
- 陽線:
陰線の終値が前の陽線の中心を割り込む形になる - 陰線:
陽線の終値が前の陰線の中心を上回る形になる
ただし、①と②のローソクの並びになっているだけで、かぶせ線だとすぐに判断するのは早計です。
どのようなトレンドの中で出たかが、かぶせ線では重要になります。
①(陽線)の場合は、上昇トレンドの中で出ていれば天井を打った可能性が高いと見なします。
②(陰線)の場合は、下降トレンドの中で出ていれば、底を打った可能性が高いと見なします。
①も②も、トレンド転換あるいは、トレンド転換が近いことを表すサインになっているのです。
2本のローソク足③上放れタスキ・下放れタスキ
上放れタスキ
窓を開けて陽線が出現→窓を開けず、安寄りした陰線が出現というローソク足の並びのこと。
上昇トレンド中に出現した場合は、上昇トレンドが続くと判断。
上放れタスキで、窓を開けた陽線の後に陰線が出るのは一時的に利益改定売りが増えるためです。
ただ、窓を埋めるような下落になっていないことから、一時的な反落と判断し、そのまま上昇トレンドが続くと考えます。
上放れタスキとは反対の意味を持つ、「下放れタスキ」というシグナルもあります。
下放れタスキ
上放れとは反対に、窓を開けて陰線が出現→窓を開けず、高寄りした陽線が出現というローソク足の並びのこと。
下放れタスキが下降トレンド中に出現した場合は、さらなる下落のサインとみなされる。
下放れタスキが出た場合には注意が必要です。
2本のローソク足④星
星とは、以下のような状態のことをいいます。
- 大陽線の後に小陰線または十字線が高値に出現
- 大陰線の後に小陽線または十字線が底値に出現
ただし、星の場合も、この並びのローソク足が出ただけでシグナルであると考えるのは早計です。
なぜなら、どんなトレンドの中で出現したのかが重要だからです。
①で確認したいのは、上昇トレンドの中で出ているのか、ということです。
また、②で確認したいのは、下降トレンドの中で出ているのか、ということです。
もしもそうなのであれば、相場に迷いがある状態ということなので、トレンド転換が近いと考えられます。
なお、①が出た後に陰線が出た場合は、「三川宵の明星」と呼ばれる並びになります。
また、②が出た後に陽線が出た場合は、「三川明けの明星」と呼ばれる並びになります。
いずれも、相場転換を示すシグナルとしてよく知られています。この2つの詳細については、この後で説明します。
ローソク足の使い方②3本以上で相場を分析
先に書いたように、ローソク足の並びから相場展開を予想する酒田五法は、並びの基本形の多くは3本以上のローソク足を使用します。
ここでは、酒田五法の基本形である「五法」の中から、3本のローソク足を使用している次の5つを説明します。
3本のローソク足①三山
三本以上の複数のローソク足の並びから判断するのが、三山です。
上昇の後、下落のパターンが3回続き、その形が3つの山のようであることから、三山と呼ばれています。
真ん中の山が一番高いものが「三尊天井」(海外ではヘッド・アンド・ショルダーといいます)と呼ばれており、大天井を作った後、下落する形とされています。
一方、三尊天井を下にひっくり返したW型のものを「逆三尊」といい、3つの谷のうち、真ん中の谷が一番深くなっているのが特徴です。
逆三尊の場合は、三番底を確認します。
大底から上昇した後、反落したものの一番底より高いところで反発していれば、底入れし、トレンド転換する可能性が高いと考えます。
3本のローソク足②三川
「五法」のうち、バリエーションが多いのが、「三川」です。
相場の天井や底を判断するのに使うローソク足の並びですが、この中でも特に有名なのが、先ほども触れた「三川明けの明星」と「三川宵の明星」です。
それぞれ、以下の並びで出現します。
- 三川明けの明星:
大陰線→小陽線または十字線→陽線 - 三川宵の明星:
大陽線→小陰線または十字線→陰線
しかし、単にこの並びのローソク足が出ただけでは、三川明けの明星や三川宵の明星であるとは判断しません。
どちらも、どんなトレンドで出現したかが重要です。
見分け方
下降トレンドの中で三川明けの明星が出た場合:
底を打ち、上昇トレンドに転換した可能性が高い上昇トレンドの中で三川宵の明星が出た場合:
天井を打ち、下降トレンドに転換した可能性が高い
三川明けの明星も三川宵の明星も、トレーダーにはなじみ深いローソク足の並びなので、覚えておいた方が良いでしょう。
海外でも、このローソク足の並びは有名で、三川明けの明星は「モーニングスター」、三川宵の明星は「イブニングスター」と呼ばれています。
3本のローソク足③三空
三空というのは、以下の状態のことです。
- 三空踏み上げ:
陽線が窓を開けて4本連続する - 三空叩き込み:
陰線が窓を開けて4本連続する
これがどういうことを意味するかというと、①の場合、最初のローソク足で買い優勢となった後、2番目と3番目のローソク足の時にさらに買いが集まり、人気となったことを示しています。
ただし、4番目のローソク足が出現した時には、人気は一服しつつあると考えられます。
②の場合は、最初のローソク足で売り優勢となった後、2番目と3番目のローソク足の時にさらに売りが殺到したことを示しています。
そして、4番目のローソク足が出た時には、売りが一服しつつあると考えます。
三空のポイントは、その名のとおり「空」、すなわち窓を開けていることです。
陽線ないし陰線が窓を開けて連続しているかを重視しているため、三空が出た場合に酒田五法では「三空踏み上げは売り向かうべし」「三空叩き込みは買い向かうべし」としています。
このことから分かるように、三空が出たということはトレンド転換が近い可能性があるので、4本目のローソク足が出た時には注意が必要です。
窓を開けて出現した4本目のローソク足が①の場合は陰線に、②の場合は陽線になれば、トレンド転換したと考えられます。
4本目のローソク足が窓を開けて出現したものの、①の時にさらに陽線が続く、②の時にさらに陰線が続くようであれば、トレンド転換は近いが今すぐではないということになります。
その場合は、トレンド転換が近いことを念頭に置き、その後の相場の展開に注視しましょう。
3本のローソク足④三兵
陽線が3つ、または陰線が3つ、同じ方向に並んでいる状態が三兵で、次のように呼ばれています。
- 陽線3つは「赤三兵」
- 陰線3つは「三羽烏」
また、陽線が3本連続するものの、2本目と3本目の陽線に長い上ヒゲがあると「赤三兵先詰まり」と言います。
三兵では、赤三兵は買いシグナル、三羽烏は売りシグナルと判断します。
注意したいのが、赤三兵先詰まりです。
赤三兵先詰まりは、長い上ヒゲがあるため売り圧力が強く、目先の買い圧力が弱いということを意味します。
そのため、買いシグナルにはならないので注意が必要です。
三兵は一見すると三空と似ていますが、三空とは違い、連続した陽線や陰線が窓を開けずに出現しています。
三兵についても、相場のトレンドを考慮する必要があります。
赤三兵が上昇トレンドに転換した直後に出ていれば買いシグナル、三羽烏が下降トレンドに転換した直後に出ていれば売りシグナルとなります。
また、赤三兵が高値圏で出た場合は売りシグナル、三羽烏が底値圏で出た場合は売りシグナルとなります。
3本のローソク足⑤三法
三法は、以下のような状態のことを言います。
- 大陽線→小陽線または小陰線が続く
- 大陰線→小陰線または小陽線が続く
この状態は、大きな上昇や下落があった後、利益確定売りや買い戻しが入ってもみ合いになっていることを表しているため、様子見する必要があります。
①の状態から大陽線が出現し、最初の大陽線の高値を上抜けた状態を「上げ三法」、②の状態から大陰線が出現し、最初の大陰線の安値を下抜けた状態を「下げ三法」といいます。
上げ三法が出現すれば、利食いが一巡したとして買い、下げ三法が出現すれば、買い戻しが一巡したとして売りと判断します。
実際の株価チャートを使ってローソク足を読もう
すでに書いたとおり、ローソク足だけを見て売買をするトレーダーは少なく、一般的には他のテクニカル指標と組み合わせて使用します。
ただし、ここでは話をシンプルにするため、ローソク足だけを見て売買シグナルを判断する方法について、事例を挙げて説明します。
今回使用するシグナルは、「上放れタスキ」です。
復習になりますが、上放れタスキとは、
窓を開けて陽線が出現
→窓を開けず、安寄りした陰線が出現
というローソク足の並びのことで、上昇トレンド中に出現した場合は、上昇トレンドが続くと判断します。
では、実際に過去の丸三証券(8613)の日足チャートを例に確認してみましょう。
画像引用元:YAHOO!JAPANファイナンス
水色の線で囲んであるところが、上放れタスキとその後の株価上昇です。
わかりやすいよう、拡大したものを見てみましょう。
画像引用元:YAHOO!JAPANファイナンス
上図の水色の線で囲んでいるところが、上放れタスキです。
陽線が出た後、窓を開けてヒゲ付きの陽線が出現しています。
そして、その後、窓を開けずに安寄りした陰線が出現していることが分かるのではないでしょうか。
上図は典型的な上放れタスキの形であると言えるでしょう。
上放れタスキが上昇トレンドの中で出現した場合、そのまま上昇トレンドが継続すると判断する、ということを先ほど書きました。
上図を見ると、丸三証券は、徐々に下値を切り上げて、上昇トレンドに入りつつあったことがわかります。
それが、上放れタスキが出現したことにより、窓を開けて急騰し、そこからさらに上昇が続いている、という展開になっています。
ここから先の展開についても考えてみましょう。
上図でいう直近の高値(2020年6月9日)である489円が意識されると考えられます。
実際9月18日の取引では、489円に到達することなく取引を終えていますので、もしかしたら、いったん利益確定売りが入るかもしれません。
それでも急騰を埋める程の急落にはならず、底堅く推移するようなら、再び陽線が出た時に、買いを入れると良いかもしれません。
売りが一服すれば、また上昇トレンドに入り、489円が改めて意識されるでしょう。
ここで489円を超えるようであれば、さらなる上昇が続く可能性があります。
一方、利益確定売りに押されることなく買い注文が入れば、再び窓を開けて上昇する可能性もあります。
その場合は、489円を簡単に越えてしまうかもしれません。
その時に意識されるのは、500円ではないかと考えられるため、500円を超えた時に買い注文を入れます。
反対に、利益確定売りが予想以上に強く、急騰を埋めるほどの急落が起きた場合は、ポジションをクローズさせてしまいましょう。
実際のローソク足チャートからは、ローソク足の並びとともに、このような情報が読み取れます。
情報を読み取ることも大切ですが、それ以上に大切なのは、シナリオを立てることです。
何パターンかシナリオを立て、その時にどうするべきか決めることで、高値掴みや損失の拡大を避けることができます。
まとめ
ローソク足はシンプルですが、非常に役立つものです。
ローソク足だけでも様々な情報が含まれていますが、チャートにして複数表示することで、真価を発揮します。
ローソク足チャートの分析は、初心者からベテランまで、投資家であれば誰にとっても重要なものです。
その分析ができるかどうかで、投資の成績は大きく変わります。
今後、投資をする中でローソク足チャートを何種類も見て、精度の高い相場分析ができるようになりましょう。
監修者コメント
ローソク足の見方は、記事にあるとおり様々あります。
こうした見方を知ることで、どのような場合に上がりやすいのか下がりやすいのかを確認でできるようになります。
相場は、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析の両面から動いています。
そのため、必ずしもテクニカル分析であるローソク足がわかればすべてが判断できるというわけではないものの、短期的な見方ではかなり有効となる場面もあると思います。
どちらかといえば、ローソク足は短中期的な見方で利用し、大局的な視点はファンダメンタルズ的な見方から確認していくとよいでしょう。
なお、ローソク足を見て売買の判断をする人も多いのは事実です。皆が同じように見れば、自ずからそのように動きます。
特に短期売買、日計りなどでは有効です。ローソク足は見るだけではなく、実践の売買で利用し、経験を積むことが大切です。
是非ローソク足が使える投資家となり、分析力を高めてください。
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