SOXLとは?株価チャートの推移や買い方をわかりやすく解説
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- SOXLとはなに?
- SOXLの買い方は?
SOXLとは、米国のETF運用会社「Direxion Investments」が運用するETFです。
米国株式市場に上場する30の半導体セクター銘柄で構成されており、半導体市場の成長を担う企業へ投資することができます。
また、SOXLはレバレッジという機能により、ベンチマークの指数よりも3倍大きく値動きする性質を持っています。
そのため、値上がり局面では大きな利益を生む可能性が高まる一方で、値下がり局面では大きな損失を出す可能性もある点には注意しましょう。
この記事では、SOXLとはどのようなETFなのか、SOXLに投資するメリット・デメリットと今後の展望について解説します。
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スキラージャパン株式会社 代表取締役 / スキラージャパン株式会社
監修者伊藤亮太
伊藤亮太は「スキラージャパン株式会社」の取締役を務めるFP(ファイナンシャル・プランナー)。
慶應義塾大学大学院商学研究科経営学・会計学専攻を修了しており、在学中にCFP®を取得。
その後、証券会社にて営業・経営企画・社長秘書・投資銀行業務に携わる。
現在は富裕層個人の資産設計を中心としたマネー・ライフプランの提案・策定・サポート等を行う傍ら、資産運用に関連するセミナー講師や講演を多数行う。
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などイーデス編集部 / 株式会社エイチームライフデザイン
編集者板橋 辰汰郎
1998年生まれ、兵庫県川西市出身。
大学卒業後、2021年に新卒として株式会社エイチームフィナジーに入社し、ナビナビ証券、イーデスの編集者に就任。
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SOXLとは
SOXLとは、米国株式市場に上場する半導体セクター銘柄で構成された「ICE半導体指数」に連動し、運用実績の3倍の投資成果を目指して運用されるETFです。
1997年設立の米国のETF運用会社「Direxion Investments」が運用しています。
ベンチマークしている指数よりも大きな値動きをする「レバレッジETF」の一種です。
以下はSOXLの基本情報です。
名称 | Direxion Daily Semiconductor Bull 3X Shares |
運用会社 | Direxion Investments |
市場 | NYSE ARCA |
ベンチマーク | ICE半導体指数 (ICE Semiconductor Index) |
資産総額 | 41.74億米ドル |
基準価額 | 11.7337米ドル |
配当利回り | 1.36% |
トータルリターン (3年) | -7.84% |
取扱証券会社 | SBI証券、楽天証券、マネックス証券 |
SOXLが連動している「ICE半導体指数(ICE Semiconductor Index)」は、次のような特徴を持っています。
ICE半導体指数とは
ICE半導体指数とは米国株式市場の半導体セクターに分類される30銘柄との連動を目指した指数。
フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)と構成銘柄は非常に似通っていますが、ICE半導体指数は浮動株比率(※)を考慮して算出される点が特徴です。
※発行済株式数から固定的に保有されている株式を減算した「浮動株」が占める割合のこと。実際に市場で流通・売買されている株式の量を示す。
米国株式市場に上場された株式の中でも半導体に絞った銘柄が組み込まれていることから、他のETFとは異なる値動きを見せる傾向があります。
また3倍のレバレッジが効いているETFであるため、上昇・下落ともに値動きが非常に大きいのが特徴です。
レバレッジETFとは
レバレッジETFとは、連動する指数の動きよりも大きな幅で基準価額が変動するように設計されているETFです。
SOXLはレバレッジ3倍に設計されていることから、ベンチマークであるICE半導体指数の3倍の値動きを生むことを目標としています。
レバレッジETFのメリットは、大きな値上がり幅を活かして資産を効率よく増やせる点にあります。
指数が10%上がれば、レバレッジ3倍のETFは30%の上昇が見込まれるため、指数が上昇する局面においては大きな利益を生む可能性があるのです。
一方で、下落幅にもレバレッジが効くため、小さな値下がりで大きな損失が生まれやすいというデメリットもあります。
予想通りに相場が動くとは限りませんので、レバレッジによって大きなリスクを抱える可能性がある点には注意が必要です。
SOXLの主要構成銘柄
SOXLの主要構成銘柄は以下のようになっています。
SOXLの主要構成銘柄
- インテル
- ブロードコム
- エヌビディア
- テキサス・インスツルメンツ
- アドバンスト・マイクロ・デバイセズ
- クアルコム
- KLAコーポレーション
- アナログ・デバイセズ
- ラムリサーチ
- マイクロチップ・テクノロジー
SOXLの主要構成銘柄には、インテルやエヌビディアといった日本でもお馴染みの企業を含む半導体メーカーが多く名を連ねています。
組み入れ銘柄は半導体メーカーが79.43%、半導体製造に関わる半導体製造装置メーカーが20.57%という割合です。
需要が伸びる半導体業界の成長に伴い、いずれも株価の上昇が期待できます。
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SOXLはNISAでは買えない
SOXLをNISAで購入することはできません。
2023年末までは一般NISAで購入できましたが、2024年から始まった新NISAではレバレッジ型ETFは投資対象から除外されています。
※参照元:新しいNISA:金融庁
また、つみたて投資枠(旧つみたてNISA)は原則として投資信託商品を対象としており、海外ETFは投資対象に含まれていません。
チャートで見るSOXLの株価推移
引用:Google Finanse
※2022年8月24日現在
SOXLはレバレッジETFのため、非常に株価変動が大きな商品です。
2020年1月には20ドル台だった株価が、コロナショックの影響を受け同年3月には4ドル台まで下落しています。
その後は米国の景気回復を受け、2022年1月には74ドル台と大幅に上昇したものの、世界的に収束の兆しを見せないコロナ禍の影響により、2022年7月には10ドル台まで急落しています。
未だに株価は回復していませんが、半導体を必要とするメタバースやAIの拡大、EV自動車といったテクノロジーの普及に伴い、SOXLが復活するシナリオは大いに考えられるでしょう。
【予想】SOXLの今後の株価はどうなる?
引用:Google Finanse
※2022年8月24日現在
SOXLのベンチマークであるICE半導体指数は、2022年初頭をピークに下落し、8月現在も軟調に推移しています。
この背景には、欧米を中心にコロナ後に発動した量的緩和政策を終了させる動きの影響があり、利上げによるICE半導体指数上昇の抑制が働いていると考えられます。
また、長期化するウクライナ情勢の影響を受け、欧州での半導体需要が抑制されていることも少なからず影響を与えているでしょう。
一方で、米国では2022年8月9日に「半導体支援法案」が成立し、520億ドル以上の補助金・奨励金の投入が決まりました。
海外企業に外注していた半導体製造の拠点を国内に建設することが狙いとされています。
「半導体支援法案」により米国の半導体製造能力が高まり、不足がちな半導体の供給促進が予想されるため、今後のSOXLの値上がりにも期待が持てるでしょう。
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SOXLを購入するメリット
SOXLに投資するメリットは以下の通りです。
SOXLを買うメリット
メリット①短期投資で利益を得やすい
SOXLはレバレッジ3倍のETFであるため、ベンチマークである指数の3倍の値動きをするよう運用されています。
わずかな指数の動きが大きな値動きに繋がるため、短期的な売買で利益を出しやすい銘柄であるといえます。
これまでの実績において、数日で数十%の上昇をしたケースは少なくありません。
メリット②少額から投資できる
日本の株は100株単位でしか売買を行えませんが、ETFを含む米国株式は1株単位での売買が可能です。
SOXLの価格は11.7337米ドル(約1,700円)で購入できることから、少額から投資を行えます。
少ない金額で無駄なく投資を行えるのは、米国株の大きなメリットです。
メリット③半導体業界の長期的な成長の恩恵を受けられる
半導体市場は現在こそ軟調に推移しているものの、今後大きな成長を見込めるマーケットであることは間違いありません。
今後アメリカの経済政策や国際情勢の変化により半導体関連企業が長期的に成長していくなら、SOXLの価格上昇も大いに期待できるでしょう。
3倍のレバレッジが有効に働くなら、現在の価格から数倍へ跳ね上がることも決して夢ではありません。
SOXLを購入するデメリット
SOXLに投資するデメリットは以下の通りです。
SOXLを買うデメリット
デメリット①暴落のリスクがある
レバレッジは上昇時にだけ効くわけではなく、下落時にも影響します。
数日で数十%の上昇があり得るのと同時に、同様の下落もまた考えられます。
一晩で暴落することも決して珍しくないのがレバレッジETFの特徴のため、生活に影響しない余裕資金での投資を徹底するとよいでしょう。
デメリット②経費率が高い
レバレッジETFは経費率が比較的高く、SOXLも0.95%とある程度のコストがかかります。
例えば日本でも人気が高いETF「VTI」の経費率は0.03%です。
長期運用を目的とした投資においては経費率は重要な要素のひとつですので、SOXLを長期運用するなら経費率の影響を十分に理解しておきましょう。
デメリット③配当はほぼない
SOXLの決算は年4回行われ、それぞれの決算で分配金が発生する可能性があります。
しかしこれまでの運用において、SOXLは分配金が配られた実績はほとんどありません。
レバレッジETFはあくまで、レバレッジを効かせた運用によって売買差益を生むことが狙いのため、分配金を期待した運用には向かない銘柄であるといえます。
この特徴はSOXLに限らず、他のレバレッジETF全般も同様です。
SOXLの買い方
SOXLは以下の手順で買うことができます。
SOXLの買い方
- SOXLを取り扱っている証券会社で口座開設する
- 外国株式口座を開設する
- 口座に入金する
- 外国株式口座に資金を振り替える
- 注文を出す
SOXLを購入するためには、まず証券会社の口座を開設しなければなりません。
ただしSOXLを取り扱っていない証券会社もあるので、事前に取り扱っているか調べて口座開設をしましょう。
また、米国ETFを取引するには、証券総合口座に加えて外国株式口座も開設しなければなりませんので、同時に申し込むようにしましょう。
証券会社によっては、証券総合口座から外国株式口座に資金を振り替えないと、外国株式が購入できないところもあるので注意してください。
SOXLが買えるおすすめネット証券
SOXLを取り扱っている主な証券会社は、以下のとおりです。
証券会社名 | マネックス証券 | SBI証券 | 楽天証券 |
---|---|---|---|
米国株 取扱銘柄数 | 4,905銘柄 | 5,333銘柄 | 4,799銘柄 |
米国ETF 取扱銘柄数 | 372銘柄 | 376銘柄 | 389銘柄 |
取引手数料 (税込) | 約定代金の0.495% 最低手数料:0米ドル 上限手数料:22米ドル | ||
為替手数料 | 買付時:0銭 | 買付時:0銭 売却時:0銭 | 買付時:0銭 売却時:0銭 |
取引時間 | 21:00~翌9:00 (夏時間) | 22:30~翌5:00 (夏時間) | 22:30~翌5:00 (夏時間) |
口座開設 | 公式 | 公式 | 公式 |
※取扱銘柄数は2023年10月24日時点、為替手数料は2023年12月6日時点。
3社ともSOXLの取り扱いだけではなく、米国株や米国ETFの取扱が多くあります。
また、取引手数料の水準が同じで、一部の銘柄ではSBI証券と楽天証券が買付手数料無料、マネックス証券が手数料キャッシュバックのキャンペーンを行っています。
為替手数料については、マネックス証券は購入時のみ0銭、さらにSBI証券と楽天証券は購入時・売却時どちらも0銭になりお得に取引することができます。
また、マネックス証券は取引可能時間が他の2社より長く、夏時間であれば夜9時から翌朝9時までの取引が可能なので、時間の少ない人でも取引がしやすくなっています。
SOXLが買えるネット証券
SOXLはCFDでも購入できる
SOXLは現物取引だけでなく、CFDでも購入できます。
CFD(差金決済取引)とは
証券会社に証拠金を預け、現物のやり取りは行わず、価格や指数を参照して買値と売値の差を決済する金融商品
CFDはレバレッジがかけられるため、保証金を証券会社に預けることで、自分の資金以上の金額で取引することが可能です。
また、現物のやり取りは行わないため、売り注文から出すことができるという点も特徴的です。
売り注文を出せば、コロナ禍のよな株価が急落した時でも利益をあげることができます。
ただし、レバレッジをかけるとその分損失も大きくなるというリスクもあります。
CFDでSOXLを購入する際は、リスクを理解した上で、無理のない範囲で行うようにしましょう。
CFDでSOXLが買える証券会社
公式サイトはこちら
よくある質問
SOXLは長期保有に向いているの?
A.経費率が高く分配金も期待できないため、不向きといえます。
SOXLはレバレッジETFのため、通常のインデックスファンドと比べると経費率が高く、分配金もほとんど出ないため、長期保有には不向きといえます。
また全てのレバレッジETFには、指数が横ばいの時に価格が下がるという特性があるため、上昇局面でない時期のETF保有は避けた方がよいでしょう。
とはいえSOXLは、今後半導体市場の成長に伴う価格上昇が期待できる銘柄です。
短期取引で大きなリターンを狙いたい方に向いているETFといえます。
まとめ
SOXLは米国市場を中心とした半導体市場の指数と連動するETFです。
米国の半導体市場は、世界的な半導体需要の高まりや半導体支援法案の成立を受け、今後大きな成長が見込まれています。その恩恵を受けられるETFです。
また3倍のレバレッジが効くことから、通常のETFよりも大きなリターンが期待できます。
一方で大きな値下がりが起こる可能性がある点や、経費率が比較的高い点など、いくつか注意が必要なポイントもあります。
運用時のリスクを正しく理解し、値動きが見込める局面で短期的に投資したり、余剰資金の分散投資先として活用したりするとよいでしょう。