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9月FOMCの大幅利上げでどうなる?2022年10月住宅ローン金利動向

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2022年10月の金利予想
住宅ローン金利
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こんにちは公認会計士ブロガーの千日太郎です。

一時の長期金利は景気後退懸念から低下傾向で推移しましたが、パウエル議長のタカ派発言によって米中央銀行の大幅利上げが見込まれるようになると、再び米長期金利は急上昇し、その波及によって再び24年ぶりの円安水準となり、国内金利も上昇してきています。

この記事では、執筆時点で公開されている「金融市場の動向」と千日太郎が公認会計士として培ってきた金融ビジネスに対する知見をもって推理する「銀行の営業方針」から2022年10月の住宅ローン金利動向を金利タイプごとに予想します。

※当記事の金利や情報は2022年9月10日時点のものを記載しております。
最新の金利情報は、必ず金融機関等の公式サイトをご確認ください。

※最新の金利予想は「米FRBの4会合連続利上げで住宅ローンの金利はどうなる?2022年12月住宅ローン金利動向」で紹介しています。

気になる内容をタップ

FRBパウエル議長はタカ派姿勢を維持

9月の米長期金利は上昇傾向です。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、インフレ抑制の任務が完了するまで、利上げを継続すると表明しました。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は6月7月と連続で通常の3倍となる0.75%の利上げを実行しましたが、この発言によって9月にも0.75%の利上げを決定するとの見方が強まりました。

こちらは、7月1日~9月9日までの米長期金利とダウ平均株価の推移グラフです。

利回りの低い国債を売りに出す投資家が増えており、これによって債券価格が下がり、利回り(金利)が上がるという動きになっています。

株価は少し上がっていますが、大幅な利上げによる景気後退懸念は根強くあるようです。

2022年10月住宅ローンの金利予想(ダウ平均株価と米国の長期金利)

さらに欧州中央銀行(ECB)は9月8日に0.75%の利上げを決定しましたが、その後も米国の大幅利上げ観測は継続しているようです。

中央銀行による利上げの効果がどの程度でているのかは、プロの投資家の間でも認識が分かれます。

今後も各種の経済統計や中央銀行のコメントが出るたび、楽観、悲観のどちらにも振れる可能性があると思います。

国内金利は上昇そして円安も進行

米長期金利の上昇が波及して日本の長期金利も上昇しました。こちらは7月1日から9月9日までの長期金利の動向です。

日銀は米欧とは対照的に金融緩和政策を堅持しており、長期金利の上限を0.25%と定める指し値オペを継続しています。

2022年10月住宅ローンの金利予想(長期金利はふたたび急上昇)

7月は海外投資家による空売りに対する買戻しによって、国債価格が上昇し利回りは急低下しています。

6月に米FOMCの0.75%という大幅利上げによって、日銀の金利引き上げが近いのではないかと考えた海外投資家が大量の日本国債の「空売り」を行ったのですが、その買戻しです。

8月で海外勢による国債空売りは一巡したと思われます。

その後は前述したパウエル議長のタカ派姿勢によって米長期金利が上昇し、その波及を受けて日本の長期金利も上昇しています。

ただし日銀は長期金利の上限を0.25%と定める指し値オペによって金利上昇を抑えていますので、0.25%で頭打ちとなっています。

利上げを加速する米欧に対して日本だけが金融緩和政策を継続しているため、為替市場では円だけが急激に安くなるという現象が起きています。

これを受けて財務省・日本銀行・金融庁の3者会合が設けられ、日銀の黒田東彦総裁は会合後のインタビューで急激な為替レートの変動は好ましくなく、市場の動向を今後とも十分注視していきたいと言っています。

6月のFOMCの大幅利上げで円安が進行したときには、日銀が政策転換する可能性に注目が集まったのですが、黒田総裁は繰り返し金融緩和の重要性を強調しており、実際に指し値オペを続けているので少なくとも年内に動きは無いだろうというのが市場の見方となっています。

銀行の営業方針:長期金利よりも営業方針で動くことがある

民間銀行は金融市場から資金を調達してわたしたちに住宅ローンとして貸しているので、固定金利については長期金利の影響を受けるという建前があります。

8月末にかけては長期金利が上昇傾向にあったのですが、8月から9月にかけて住宅ローンの固定金利は若干の低下となりました。

金利の動きとは反対に固定金利を上げた理由としては、住宅ローンは民間銀行にとって商品だという実態があり、その金利は商品の価格であるためです。

仕入価格が上がっていても営業方針から目玉商品については売価を下げるということは、一般の他の業種でも十分にあり得ることです。

民間銀行は来春の黒田総裁任期満了後の新体制で金融政策が変わる可能性を折り込んでいると見ています。

将来の日銀の利上げ時期に向けて、固定金利を上げるときは大きく上げ、下げるときには小さく下げることによって、目立たぬようにベースの金利水準を引き上げて行こうとしています。

金利タイプ別2022年10月の金利予想

では、金利タイプ別に2022年10月の金利がどうなっていくのか予想していきます。

9月11日までの公開情報を前提とした予想になります。

【金利タイプ別】
2022年10月の金利予想

公的融資フラット35の金利動向

こちらは、公的融資で30年超の超長期固定金利であるフラット35(買取型)の金利と長期金の推移を2022年7月から2022年9月までとったものです。

8月から9月には長期金利が0.04ポイント下がったのに、フラット35の金利は0.01ポイントしか下がりませんでした。

2022年10月住宅ローンの金利予想(フラット35(買取型)と長期金利)


フラット35の金利は前月の中旬に決まります。

その時点に青い棒グラフのフラット35(買取型)金利を立てています。

(機構債発表日)7月金利
(2022年6月22日)
8月金利
(2022年7月21日)
9月金利
(2022年8月19日)
長期金利0.23% 0.24%0.20%
機構債の
表面利率
0.50%0.53%0.50%
フラット351.51%1.53%1.52%

フラット35は、下図のように住宅金融支援機構が民間金融機関から債権を買い取って証券化し、機関投資家に債券市場を通じて機構債という形で販売するという仕組みになっています。

フラット35の仕組み

この機構債は毎月20日前後に表面利率を発表し募集します。

投資家たちは機構債を安全資産という考えで購入しますので、その表面利率は10年国債の利回り(長期金利)に連動する傾向があるのです。

しかし、ここ最近のフラット35の金利は長期金利の動向というよりも、政策的に上昇傾向となっています。

このような上昇傾向の理由は、2022年10月からフラット35S(ZEH)が開始されることに加え、金利引下げ制度の併用ルールが改正になり、当初の5年又は10年間に大幅な金利引下げを受けられる人が増えるからかもしれません。

フラット35S(ZEH)では当初5年間年0.5%、6年目から10年目まで年0.25%引き下げとなります。

また併用ルールがポイント制に整理されることで従来よりも複数の引下げ制度を利用できる人が増えることが予想されるのです。

そのため、金利引下げを適用しない素のフラット35金利としては上昇傾向にあるのですが、拡大された金利引下げ制度を併用するなどして実際にフラット35で借りる人の適用金利としては下がる傾向が出てくると思います。

ここ最近のフラット35の金利上昇が2022年10月の金利引下げ制度改正を見込んだものだとすれば、セオリーから外れた金利上昇は10月までで終了するということになりますね。

そのことから、10月のフラット35金利は若干上昇する可能性が高いと予想しています

民間の超長期固定金利の動向

民間住宅ローンの30年以上の超長期固定金利については、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、りそな銀行の3行が低金利商品を出しています。

ただし8月までは金利を上昇させた銀行もありましたが、9月にはどの銀行も下げてきています。

民間銀行が来春以降の日銀の利上げを見込んでいるならば、今後大きな低下は無いかもしれません。

しかし、会計年度の下半期に入ったことで主要行が年度末に向けて住宅ローン獲得のスパートをかけ10月は少し下がる可能性もあります

20年前後の長期固定金利の動向

20年固定は去年までは複数の主要銀行で低金利競争が行われていたのですが、米利上げに伴って長期金利が上昇すると、20年固定から撤退する銀行が相次ぎました。

今は事実上auじぶん銀行だけとなっています。

そのauじぶん銀行も9月には金利を上げており、今後も銀行間の競争が乏しいため大幅な低下は期待できません

10年前後の中期固定金利の動向

10年固定金利は、各民間銀行で主力商品としている金利タイプで競争によって下がりやすい傾向のある商品です。

8月と9月には久しぶりに下がりましたが、長期金利の下がり幅と比べると小幅なものとなっています。

日銀が政策金利を上げても10年は金利を固定しなければならないため、来春以降の日銀の利上げ可能性を意識している民間銀行としては、あまり大幅には下げられないというジレンマがあるのです。

10月も獲得競争によってある程度下がる可能性はあると思いますが、日銀の利上げ可能性がくすぶっている限り、大幅な低下は期待できません

変動金利の動向

変動金利は、長期金利ではなく中央銀行の政策金利に影響を受けます。

政策金利とは、中央銀行が民間銀行に融資するときの金利です。景気後退時には政策金利を下げ、好景気時には政策金利を上げます。

民間銀行としては、日銀の利上げ可能性を意識していますが、現時点では金融緩和政策の継続を表明しており、少なくとも年内は日銀が政策金利を上げる可能性は低いと思います。

基本的に横ばいで推移すると予想しています。

まとめ~複数の金融機関、金利タイプでリスクヘッジできる

3月に米FOMCが利上げを開始してからは、ほぼ毎月のように住宅ローンの金利が上がってきたのですが、8月と9月の固定金利(特に長期の固定)は一転して下がりました。

しかし、ここ最近の国内金利の動向は米中央銀行のコメントによって大きく振れやすく、不安定な状態です。

もともと金融市場の金利動向は誰にもコントロールできませんが、米国の経済情勢の影響を受けて大きく振れる傾向が強くなってきました。

さらに、長期金利によって決まるとされる住宅ローンの金利は債権者である金融機関が決めるものです。

ここ数か月は金融機関ごとの営業方針によっても対応が分かれるケースが増えてきています。

早い段階から一つの銀行に決めてしまうと、直前に金利を上げられてしまった場合に他行で実行するという手だてがありません。

2つか3つくらいの銀行で、金利タイプも変えて本審査を通しておけば、1か月前なら契約、実行に間に合うのです。

複数の金融機関、金利タイプで審査を通すことでリスクヘッジすることをお勧めします。

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