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住宅ローンの金利推移を金利タイプごとに振り返り!今もっともおトクな住宅ローンの金利タイプを毎月更新

2024年10月までの住宅ローンの金利推移を金利タイプごとに振り返り!今もっともおトクな住宅ローンの金利タイプを毎月更新

最終更新日:

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こんにちは公認会計士の千日太郎です。イーデスでは、金利タイプ別の来月の金利予想を毎月公表しています。

そして前月の予想に対して実績の金利がどうなったか?また、過去から今月までの金利推移を分析しています。

そして下表は前月と今月のオススメ度を5段階評価で評価したものです。

7月に日銀が追加利上げを決定すると、すぐにメガバンクをはじめとする民間銀行は短期プライムレート(短プラ)を0.15引き上げることを決めました。

多くの銀行の変動金利は短プラに連動するため、今後は変動金利が上昇していくことになります。

下表はここまでの動向を踏まえた上での住宅ローンのおススメ度です。

各金利タイプのおすすめ度評価
金利タイプオススメ度コメント
変動金利

9月:3.5点

10月:3.5点

10月の水準からさらに0.75%上昇する可能性も想定しておくべし。
30年超の固定金利

【フラット35】

9月:5.0点

10月:5.0点

フラット35はほぼ横ばいで推移。加えて子育てプラスで金利が下がる。

【民間】

9月:4.0点

10月:3.8点

9月から10月にかけて上げる銀行が多く趨勢としては上昇傾向。
20年固定金利

9月:3.0点

10月:3.0点

低下傾向だが、より固定期間の長い30年固定やフラット35の方が低金利。
10年固定金利

9月:4.0点

10月:4.2点

変動金利の今後の上がり代に鑑みるとお得な水準かも?

気になる内容をタップ

 金利タイプ別2024年10月までの金利推移

では、直近2024年10月までの、住宅ローン金利タイプごとの前月予想の答え合わせとこれまでの金利推移、おススメ度について詳しくお話します。

住宅ローン金利タイプごとのおススメ度など

変動金利

3月のマイナス金利政策の解除後も、多数派の金融機関で横ばいを維持していきましたが、7月の追加利上げに伴って多数の銀行が短プラを引き上げており、各銀行が定める変動金利の見直し月には変動金利の上昇が見込まれます。

変動金利はネット銀行から上がってきた

2024年7月8月9月10月
千日予想横ばい横ばい

横ばい又は
0.15上昇

横ばい又は
0.15上昇
実績

横ばい、

一部で上げる銀行

ほぼ的中!!

横ばい

的中!!

横ばい 

ほぼ的中!!

横ばい又は
0.15上昇

的中!!

10月には主要銀行が短期プライムレート(短プラ)の上昇に合わせて、住宅ローンの変動金利の基準金利を0.15%上昇させています。これに伴って、ほとんどの銀行では既存客の適用金利が上昇しています。

ただし、一部の銀行では新規借入の顧客向けに、基準金利を据え置く又は基準金利からの引下げ幅を増やすことによって、借入月の金利を9月から横ばいとする銀行も出てきています。

この点、千日太郎の予想が的中したことになります。

ただし、ウェブサイト上で新規顧客向けの基準金利を据え置いている銀行でも来年4月には上昇することになるケースが多いので、この点は銀行の担当者に納得のいくまで説明してもらってください。これについては「9月の民間銀行短プラ上げと長期金利の低下から2024年10月の住宅ローン金利を専門家が予想」でも書いています。

なお、多くの銀行では変動金利の5年ルールを採用しており、金利が上がっても5年間は直前の毎月返済金額が維持され、増額となるのは6年目からとなり増額後の返済額は直前の1.25倍が上限となります。

ただし、5年ルールを採用していない銀行もあるので注意が必要です。ご自身の借りている変動金利がどうか?については契約書または金融機関でご確認ください。

リーマンショックから利上げ開始までの推移とおススメ度

主な銀行の変動型の住宅ローン金利は短期プライムレート(短プラ)に連動するものです。

単プラは中央銀行(日銀)が民間銀行に融資する政策金利の影響を受けます。

そこでリーマンショックから直近9月までの日米の政策金利の動向をグラフにしました。

日米政策金利の比較

リーマンショックのときには、日米ともに政策金利を引き下げ(ゼロ金利政策)、2016年から米国では順次引き上げられていきました。

米国では2020年のコロナショックで0.25%まで下げましたが2022年3月からはインフレ抑制のため大幅利上げを断行し、5.25~5.5%とリーマン直前の水準を上回っています。

そして2024年9月からは景気後退懸念から0.5%の利下げを開始しました。

日本では政策金利を上げることなく金融緩和政策が続いてきましたが、2024年3月会合でマイナス金利政策が解除され、7月の会合では0.25%への追加利上げが行われています。

直近の9月会合では政策金利を据え置きましたが、会合の主な意見では『早ければ2025年度後半の1.0%という水準に向けて段階的に利上げしていくパスを考えている』と記録されており、今後さらに0.75%の上昇を想定しているとのことです。

今後の日銀による政策金利の引き上げについては、記録的な下落となった株式市場への配慮と米国の利下げ開始もあってこれまでよりもペースが鈍化すること、石破政権の誕生に米国大統領選など変動要素が多いです。

日銀の思惑通りに進むとは限りらないため予想としては、あえて日銀の目標を反映させず前月のお勧め度を維持して3.5としています。

変動金利のオススメ度

  • 5.0点満点の3.5点(先月:3.5点)

30年超の超長期固定金利

30年超の超長期固定金利の代表はフラット35です。

住宅金融支援機構の証券化支援事業をもとに民間金融機関と共同で2003年から提供されている住宅ローンであり、民間銀行が金利を決める際にも参考になっています。

フラット35の金利予想と実績

2024年7月8月9月10月
千日予想横ばい1.85%1.83~1.84%1.80~1.85%
実績 1.84%に下がった

1.85%で

的中!!

 1.82%

1.82%

的中!!

10月のフラット35は9月から横ばいで予想の範囲内に収まっています。

これまで金利上昇の局面でフラット35の上昇を抑えており、同時に金利低下の局面でも下がりにくい状況にあるため概ねレンジ内で推移すると見ています。

詳しくは2024年11月金利予想の記事を読んでみてください。

2024年10月までの推移とおススメ度  

フラット35と長期金利
(注)グラフのフラット35の金利は買取型としており、長期金利は住宅金融支援機構が販売する機構債の表面利率の発表日前日の新発10年国債利回りの終値としています。

2023年の前半は黄色のフラット35がオレンジ色の長期金利を大きく上回りましたが、その後政府が子育て世帯に対してフラット35の金利を引き下げる方針(子育てプラス)が公表されるとフラット35の金利は目に見えて抑えられています。

特に2024年3月に日銀がマイナス金利政策を解除した後にその傾向は顕著となっており、長期金利の急激な上昇に対してフラット35の金利はほとんど横ばいとなっており、同じ理由から長期金利が下がってきてもフラット35の金利は下がりにくくなっています。

特に10月からは変動金利が上昇し始めており、後述する民間の固定金利タイプが上がる中で横ばいで推移しており、子育てプラスの適用で当初の期間最大1%の金利引き下げになるため、お勧め度はMAXの5を維持しています

フラット35のオススメ度

  • 5.0点満点の5.0点(先月:5.0点)

民間住宅ローンの超長期固定金利については、みずほ銀行、りそな銀行、三菱UFJ銀行というメガバンクが参入しています。

日銀がマイナス金利政策を解除した後の4月から6月にかけては、長期金利の上昇に合わせて適用金利を大幅に上昇させました。

日銀による利上げを織り込んでいるものと見ています。

利下げの始まった米国の景気後退懸念から長期金利が下がり、8月から9月にかけては多くの銀行で0.1~0.2ポイント下げていますが、9月から10月にかけては再び上昇しており、下げ幅よりも上げ幅の方が大きいため趨勢として緩やかな上昇傾向が見て取れるため、前月よりお勧め度を下げて3.8としました

民間住宅ローンの超長期固定金利のオススメ度

  • 5.0点満点の3.8点(先月:4.0点)

20年固定金利

米国のインフレ抑制のための利上げを契機として、主要銀行の20年固定金利の適用金利は軒並み1%を超え、主要銀行で主力商品から外れる傾向にあります。

20年固定の金利予想と実績

2024年7月8月9月10月
千日予想上昇傾向上昇を抑える銀行により分かれる低下傾向
実績

SBI新生は横ばい、

他行は下げた

SBI新生は横ばい、

他行は対応が分かれた

多数の銀行で低下傾向

SBI新生は横ばい、

他行は下げた

ほぼ的中!!

8月から9月にかけては多数の銀行で0.1%前後の低下となりましたが、9月から10月にかけては一部の銀行を除き上昇しています。

今後の予想については2024年11月金利予想の記事を読んでみてください。

2024年10月までの推移とおススメ度

20年固定とフラット35

(注)グラフのフラット35の金利は買取型としており、20年固定金利は低金利を出している金融機関の金利で直近までの金利推移を模式的に表したものとなっています。

20年固定金利は、35年全期間固定のフラット35(買取型)よりも低金利を維持してはいるのですが、フラット35には子育てプラスで当初の期間最大1%の引き下げがあることを鑑みると、お勧めできる人はちょっと限定されます。

今のところ20年固定で1%台前半の低金利としているのはSBI新生銀行のみ、競争相手がいない状態であるため、いつ金利を上げてしまってもおかしくない状況です。

ただし現状では20年だけ金利を固定したい、子育て世帯ではない人にとっては低金利のメリットがあるため、前月のおススメ度を維持し3.0としました。

20年固定金利のオススメ度

  • 5.0満点の3.0点(先月:3.0点)

10年前後の中期固定金利

主要銀行の10年固定金利は2023年の後半から上昇傾向となっていますが、各行が主力商品としていることもあり、長期の固定金利タイプと比べて金利は低く、また上昇も抑えられる傾向がありました。

10年固定金利の金利予想と実績

2024年7月8月9月10月
千日予想上昇傾向上昇が抑えられる上昇が抑えられる低下傾向
実績

SBI新生は横ばい、

他行は対応が分かれた

SBI新生は横ばい、

他行は対応が分かれた

多数の銀行で低下傾向

SBI新生は横ばい、

他行は対応が分かれた

最近の10年固定金利は9月までは全体的に低下傾向が見られたものの、10月にかけては、最低金利のSBI新生銀行は横ばいですが、他の主要行は上げる銀行と下げる銀行に分かれました。

2024年10月までの推移とおススメ度

10年固定金利

(注)グラフは過去から10年固定金利を主力商品としている金融機関の直近までの最低金利の推移を模式的に表したものとなっています。

10年固定金利は日銀総裁が植田氏に決まった2023年2月から金融政策の正常化が意識され始めると徐々に上がり始め、10月では大半の主要銀行が1.2%前後で団子状態となっており、SBI新生銀行だけが一つ抜けて1%未満で据え置いています。

10年固定については金利が上がってしまってはいますが、前述した変動金利の今後の上がり代が0.75%あることに鑑みるとけして悪くはない水準です。

さらに10月から変動を上げると同時に10年固定を下げる銀行が出てきており、前月よりもおススメ度を上げて4.2とします。ただし、金利ある世界への過渡期において10年固定1本でいくのは危険です。

10年固定金利のオススメ度

  • 5.0点満点の4.2点(先月:4.0点)

金利上昇を抑える傾向のあるフラット35でも審査を通しておくことをお勧めします。

まとめ~変動金利が上がり固定金利が下がる傾向

10月はとうとう横並びでの変動金利上昇となりましたが、まだ0.15%という小幅な上昇です。

銀行ごとの対応の違いはあるものの、日銀の9月会合での主な意見にあるように段階的に利上げが続けば概ね同じような水準に収束していくものと考えられます。

ただし、最初についている0.15%の金利差は今後に埋まらない可能性が高いので、少しでも金利を上げにくい銀行で借りるのが得策でしょう。イーデスのランキングを参考にしてください。

また引き続き10年固定を下げている銀行があるというのも興味深いです。

これも金利ある世界への過渡期に特有の珍しい状況ですね。 変動金利が上がることを想定していなかった人にとって今の状況は厳しいものですが、固定金利が下がっているタイミングであるため、変動から固定へ借り換えることで損をしにくい環境になっていると思います。 

▼各金融機関の金利タイプごとの金利増減は、下記記事で紹介しています。

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