
2025年1月までの住宅ローンの金利推移を金利タイプごとに振り返り!今もっともおトクな住宅ローンの金利タイプを毎月更新
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こんにちは公認会計士の千日太郎です。イーデスでは、金利タイプ別の来月の金利予想を毎月公表しています。
そして前月の予想に対して実績の金利がどうなったか?また、過去から今月までの金利推移を分析しています。
下表は前月と今月のオススメ度を5段階評価で評価したものです。
1月20日の米大統領就任を前に長期金利は上昇に振れており、日銀の金融政策については2025年度末までに政策金利1%を目指すことを加味してスコアを付けています。
金利タイプ | オススメ度 | コメント |
---|---|---|
変動金利 | 1月:3.8点 2月:3.8点 | 日銀に逆行して下げる傾向あり。ただし今後0.75%上昇する可能性も想定しておくべし。 |
30年超の固定金利 | 【フラット35】 1月:5.0点 2月:5.0点 | フラット35はほぼ横ばいで推移。加えて子育てプラスで金利が下がる。 |
【民間】 1月:3.8点 2月:3.8点 | 長期金利の上昇に伴い、趨勢としては上昇傾向。 | |
20年固定金利 | 1月:2.5点 2月:2.5点 | 上昇傾向、より固定期間の長い30年固定やフラット35の方が低金利 |
10年固定金利 | 1月:3.8点 2月:3.8点 | 長期金利の上昇に伴い上昇傾向だが変動金利の今後の上がり代に鑑みるとお得な水準かも? |
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編集者イーデス編集部
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金利タイプ別2025年1月までの金利推移
では、直近2025年1月までの、住宅ローン金利タイプごとの前月予想の答え合わせとこれまでの金利推移、おススメ度について詳しくお話します。
住宅ローン金利タイプごとのおススメ度など
変動金利
日銀が2024年7月に決めた0.25%の利上げに伴って、民間銀行が定める変動金利の見直し月に変動金利を上げました。
ただし、一部の銀行では新規借入の顧客向けに、基準金利を据え置く又は基準金利からの引下げ幅を増やすことによって、借入月の金利を抑える銀行があり、その数を徐々に増やしています。
新規向けには低金利を維持しようとする銀行が増加中
2024年10月 | 11月 | 12月 | 2025年1月 | |
---|---|---|---|---|
千日予想 | 横ばい又は 0.15上昇 | 横ばい | 新規向けに下げる傾向が波及 | 横ばい、 新規向けに下げる傾向が波及 |
実績 | 横ばい又は 的中!! | 横ばい、 ほぼ的中!! | 横ばい、 ほぼ的中!! | 横ばい ほぼ的中!! |
2024年10月には主要銀行が住宅ローンの変動金利の基準金利を0.15%上昇させました。
これに伴って、ほとんどの銀行では既存客新規客ともに適用金利が上昇していますが、三菱UFJ銀行は新規客の金利引き上げを抑えることで、預金者を集める動きに出ました。
三菱UFJ銀行の、新規顧客向けに低金利を維持する傾向はさらに他行へ波及しています。
2024年11月にはりそな銀行が新規客の適用金利を0.1%引下げ、SBI新生銀行は既存客向けに0.15%上げたのですが、新規客に対しては引下げ幅を0.14%増やすことによって適用金利の上昇を0.01%に抑えました。
2024年12月にはPayPay銀行とauじぶん銀行が新規向けに適用金利を下げています。
ただし日銀は2025年には1月、3月、4月、6月、7月、9月、10月、12月に金融政策決定会合を予定しており1回あたり0.25%で3回、合計0.75%の利上げを展望している状態にあります。
今後の日銀の利上げによって自身の住宅ローンの金利が上がることは想定しておく必要があります。
この変動金利の引下げは新規で借りる人又は他行から借り換える人を対象としており、既存客は対象外となっている点に注意が必要です。
リーマンショックから利上げ開始までの推移とおススメ度
主な銀行の変動型の住宅ローン金利は短期プライムレート(短プラ)に連動するものです。
単プラは中央銀行(日銀)が民間銀行に融資する政策金利の影響を受けます。
そこでリーマンショックから2024年12月までの日米の政策金利の動向をグラフにしました。

リーマンショックのときには、日米ともに政策金利を引き下げ(ゼロ金利政策)、2016年から米国では順次引き上げられていきました。
米国では2020年のコロナショックで0.25%まで下げましたが2022年3月からはインフレ抑制のため大幅利上げを断行し、5.25~5.5%とリーマン直前の水準を上回っています。
そして2024年9月からは景気後退懸念から0.5%の利下げを開始し、トランプ氏が大統領選で勝利した直後の11月12月にはそれぞれ0.25%の追加利下げを決定しています。
日本では長らく金融緩和政策が続きましたが、2024年3月会合でマイナス金利政策が解除され、7月の会合では0.25%への追加利上げ、直近の9月と10月の会合では政策金利を据え置きました。
早ければ2025年度末を目途に中立金利の1%まで政策金利を引き上げたいとしています。
直近では2025年1月23日と24日に金融政策決定会合を控えており、このタイミングで0.25%の追加利上げを予想するエコノミストもいます。
しかし、民間銀行は日銀に逆行して変動金利を下げる(上げない)銀行が増えていること、またトランプリスクによって日銀の思惑通りに進むとも限りらないことから、お勧め度は前月の3.8を維持します。
変動金利のオススメ度
- 5.0点満点の3.8点(先月:3.8点)
30年超の超長期固定金利
30年超の超長期固定金利の代表はフラット35です。
住宅金融支援機構の証券化支援事業をもとに民間金融機関と共同で2003年から提供されている住宅ローンであり、民間銀行が金利を決める際にも参考になっています。
フラット35の金利予想と実績
2024年10月 | 11月 | 12月 | 2025年1月 | |
---|---|---|---|---|
千日予想 | 1.80~1.85% | 1.80~1.85% | 1.83~1.85% | 横ばい |
実績 | 1.82% 的中!! | 1.84% 的中!! | 1.86% | 1.86% 的中!! |
2025年1月のフラット35は長期金利の上昇にもかかわらず前月と同じ1.86%となり、予想が的中しています。
今後も上昇が抑えられると予想しています。詳しくは2025年2月金利予想を読んでみてください。
2025年1月までの推移とおススメ度

(注)グラフのフラット35の金利は買取型としており、長期金利は住宅金融支援機構が販売する機構債の表面利率の発表日前日の新発10年国債利回りの終値としています。
2023年の前半は黄色のフラット35がオレンジ色の長期金利を大きく上回りましたが、2024年2月から子育て世帯に対してフラット35の金利を引き下げる子育てプラスが開始されると、長期金利の急激な上昇に対してフラット35の金利はほとんど横ばいとなっており、同じ理由から長期金利が下がってきてもフラット35の金利は下がりにくくなっています。
2024年11月のトランプ氏再選以降は米国の長期金利の上昇が日本に波及し、日銀の追加利上げも意識されて長期金利に上昇圧力がかかっています。
そのため民間の固定金利タイプは上昇傾向がありますが、フラット35は横ばいで推移しており、子育てプラスの適用で当初の期間最大1%の金利引き下げになるため、お勧め度はMAXの5を維持しています。
フラット35のオススメ度
- 5.0点満点の5.0点(先月:5.0点)
民間住宅ローンの超長期固定金利については、みずほ銀行、りそな銀行、三菱UFJ銀行というメガバンクが参入しています。
これら民間の超長期固定金利は長期金利の上昇に伴って上昇傾向に入っており、フラット35よりも高い銀行が大半となっています。
そのため、住宅性能が低い場合や1割の頭金を用意できないためフラット35を利用できないが金利を全期間固定したい場合に選ぶ、フラット35の下位互換となっている状況は変わらず、前月のお勧め度を維持し3.8としています。
民間住宅ローンの超長期固定金利のオススメ度
- 5.0点満点の3.8点(先月:3.8点)
20年固定金利
主要銀行の20年固定金利は主力商品から外れる傾向が続いています。
20年固定の金利予想と実績
2024年10月 | 11月 | 12月 | 2025年1月 | |
---|---|---|---|---|
千日予想 | 低下傾向 | 上昇傾向 | 上昇傾向 | 上昇傾向 |
実績 | SBI新生は横ばい、 他行は下げた ほぼ的中!! | SBI新生は横ばい、 他行は上げた ほぼ的中!! | SBI新生も含め上昇した 的中!! | 銀行により対応が分かれた |
直近では長期金利の上昇に伴い上昇傾向が続き、2024年12月にはこれまで横ばいとしていたSBI新生銀行も金利を上昇させました。
2025年1月には金利を上げた銀行と下げた銀行に分かれ、最低金利のSBI新生銀行は横ばいとしています。
今後の予想については2025年2月金利予想を読んでみてください。
2025年1月までの推移とおススメ度

(注)グラフのフラット35の金利は買取型としており、20年固定金利は低金利を出している金融機関の金利で直近までの金利推移を模式的に表したものとなっています。
20年固定金利は、35年全期間固定のフラット35(買取型)よりも低金利を維持してはいるのですが、フラット35には子育てプラスで当初の期間最大1%の引き下げがあることを鑑みると、お勧めできる人はかなり限定されます。
さらにこれまで低金利で維持していたSBI新生銀行が金利を引き上げており、あえて20年固定金利タイプを選ぶ合理的な理由がほとんどなくなっていることから、最も低いおススメ度の2.5を維持しています。
20年固定金利のオススメ度
- 5.0満点の2.5点(先月:2.5点)
10年前後の中期固定金利
主要銀行の10年固定金利は2023年の後半から上昇傾向となっていますが、各行が主力商品としていることもあり、長期の固定金利タイプと比べて金利は低く、また上昇も抑えられる傾向が続いています。
10年固定金利の金利予想と実績
2024年10月 | 11月 | 12月 | 2025年1月 | |
---|---|---|---|---|
千日予想 | 低下傾向 | 銀行による | 上昇傾向 | 上がる又は 横ばい |
実績 | SBI新生は横ばい、 他行は対応が分かれた | SBI新生は横ばい、 他行は上げた | SBI新生を含め上昇した ほぼ的中!! | 銀行により対応が分かれた |
最近の10年固定金利は9月までは低下傾向が見られたものの、その後は上昇傾向が続き、12月にはこれまで最低金利で横ばいとしていたSBI新生銀行も金利を上昇させました。
そして2025年1月は上げる銀行、下げる銀行、横ばいの銀行と対応が分かれています。
今後の予想については2025年2月金利予想の記事を読んでみてください。
2025年1月までの推移とおススメ度

(注)グラフは過去から10年固定金利を主力商品としている金融機関の直近までの最低金利の推移を模式的に表したものとなっています。
10年固定金利は日銀総裁が植田氏に決まった2023年2月から金融政策の正常化が意識され始めると徐々に上がり始め、SBI新生銀行だけが一つ抜けて1%未満で据え置いていたのですが、12月にはSBI新生銀行も金利を1%に引き上げました。
ただし、前述した変動金利の今後の上がり代が0.75%あることに鑑みると、まだ悪くはない水準です。
ただし目下の長期金利は上昇傾向にありますが、1月のように営業方針で下げる銀行もあることから変動金利と同じ3.8としています。
10年固定金利のオススメ度
- 5.0点満点の3.8点(先月:3.8点)
今後下がる可能性がゼロではないのですが、2025年のトランプ政権下では不確定要素が大きく、10年固定1本でいくのは危険です。
金利上昇を抑える傾向のあるフラット35でも審査を通しておくことをお勧めします。
まとめ~第2次トランプ政権が始まる
2025年1月のトピックは、何といってもトランプ大統領の就任です。
第一次政権よりも数の力を得たトランプ氏は、就任前から関税のみならず領土拡張への野心を隠さず、これらの目的達成ために軍事的経済的威圧も辞さない姿勢を示しています。
地政学リスクを専門に扱うアメリカのユーラシア・グループが発表した2025年の世界の「10大リスク」の上位リスクに何等かの形でトランプ氏が関わっています。
こうしたトランプ氏のリスクが日本にどこまで影響するのか?専門家の間でも見解が大きく分かれる部分もあります。
住宅ローンの金利は市場の動向に影響を受けますが、リスクに対してヒステリックに反応し、極端な動きをすることもあります。
適時に正しい判断をするには日ごろからの情報収集が欠かせません。ぜひイーデスの千日太郎のコンテンツをお役立てください。