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2024年7月までの住宅ローンの金利推移を金利タイプごとに振り返り!今もっともおトクな住宅ローンの金利タイプを毎月更新
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こんにちは公認会計士の千日太郎です。イーデスでは、金利タイプ別の来月の金利予想を毎月公表しています。
そして前月の予想に対して実績の金利がどうなったか?また、過去から今月までの金利推移を分析しています。
そして下表は前月と今月のオススメ度を5段階評価で評価したものです。3月の日銀政策決定会合ではマイナス金利政策が解除され、6月会合では国債買い入れ減額を決定しており、実質的に金融引き締めへ舵を切ろうとしています。
7月30日31日の会合では今後1~2年の国債買い入れ減額計画を決定するとしており、日銀の植田総裁は7月会合での追加利上げの可能性についても示唆しています。
下表は日銀の利上げを踏まえた上での住宅ローンのおススメ度です。
金利タイプ | オススメ度 | コメント |
---|---|---|
変動金利 | 6月:3.7点 7月:3.7点 | 3月利上げ後も横ばいで推移しているが、7月の会合後から上昇する可能性がある。 |
30年超の固定金利 | 【フラット35】 6月:5.0点 7月:5.0点 | 長期金利は上昇傾向だが、フラット35はほぼ横ばいで推移。加えて子育てプラスで金利が下がる。 |
【民間】 6月:3.5点 7月:3.7点 | 6月から7月にかけては下げる銀行も出てきた。 | |
20年固定金利 | 6月:3.0点 7月:3.0点 | 下げる銀行も出てきたが、より固定期間の長い30年固定やフラット35の方が低金利 |
10年固定金利 | 6月:3.5点 7月:3.7点 | 6月から7月にかけては下げる銀行も出てきたが、銀行によって対応が分かれる先読みの難しい金利タイプ。 |
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編集者イーデス編集部
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金利タイプ別2024年7月までの金利推移
では、直近2024年7月までの、住宅ローン金利タイプごとの前月予想の答え合わせとこれまでの金利推移、おススメ度について詳しくお話します。
見出し
30年超の超長期固定金利
30年超の超長期固定金利の代表はフラット35です。
住宅金融支援機構の証券化支援事業をもとに民間金融機関と共同で2003年から提供されている住宅ローンであり、民間銀行が金利を決める際にも参考になっています。
フラット35の金利予想と実績
2024年 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 |
---|---|---|---|---|
千日予想 | 上昇が抑えられる | 1.8%台前半 | 1.8%台前半 | 横ばい |
実績 | 1.82%に低下 的中!! | 1.83%に上昇が抑えられた 的中!! | 1.85%に上昇が抑えられた 的中!! | 1.84%に下がった |
日銀がマイナス金利政策を解除した直後の2024年4月と直近7月では長期金利が0.78%から0.95%へ0.17ポイントも上昇しているのに、フラット35の金利は1.82%から1.84%に0.02ポイントしか上がっていません。
今後も金利上昇は抑えられると予想しています。
詳しくは2024年8月金利予想の記事を読んでください。
2024年7月までの推移とおススメ度
(注)グラフのフラット35の金利は買取型としており、長期金利は住宅金融支援機構が販売する機構債の表面利率の発表日前日の新発10年国債利回りの終値としています。
2023年の前半は黄色のフラット35がオレンジ色の長期金利を大きく上回りましたが、その後政府が子育て世帯に対してフラット35の金利を引き下げる方針(子育てプラス)が公表されるとフラット35金利が再び下がり始めました。
2024年3月に日銀がマイナス金利政策を解除してからは、長期金利の急激な上昇に対してフラット35の金利はほとんど横ばいで推移しています。
住宅金融支援機構は営利を目的としない独立行政法人であり、国の政策を反映して住宅ローンの金利上昇を抑えていると見ています。
長期金利の急上昇に対して横ばいで推移しており、子育てプラスの適用で当初の期間最大1%の金利引き下げになるため、お勧め度はMAXの5を維持しています。
フラット35のオススメ度
- 5.0点満点の5.0点(先月:5.0点)
民間住宅ローンの超長期固定金利については、みずほ銀行、りそな銀行、三菱UFJ銀行というメガバンクが参入しています。
日銀がマイナス金利政策を解除した後の4月から6月にかけては、長期金利の上昇に合わせて適用金利を大幅に上昇させました。日銀による利上げを織り込んでいるものと見ています。
しかし、6月から7月にかけては長期金利の上昇に反して金利を下げる銀行が多数派となりました。
民間の超長期固定金利はフラット35と比較して子育てプラスを鑑みると少し高いですが多数の銀行が金利を下げてきているため、前月よりお勧め度を上げて3.7とします。
民間住宅ローンの超長期固定金利のオススメ度
- 5.0点満点の3.7点(先月:3.5点)
20年固定金利
米国のインフレ抑制のための利上げを契機として、主要銀行の20年固定金利の適用金利は軒並み1%を超え、主要銀行で主力商品からも外れる傾向が続いていました。
20年固定の金利予想と実績
2024年 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 |
---|---|---|---|---|
千日予想 | SBIは下がる傾向 | SBIは下がる期待 | 一部を除き上昇 | 上昇傾向 |
実績 | SBIは下げたが他行は対応が分かれた 的中!! | SBI新生は横ばい、 住信SBIは上げた | SBI新生は横ばい、 他行は上げた 的中!! | SBI新生は横ばい、 他行は下げた |
6月から7月にかけては、SBI新生銀行は横ばいを維持していますが、多数の銀行では超長期固定金利と同様に下がる結果となりました。
今後の予想については2024年8月金利予想の記事を読んでみてください。
2024年7月までの推移とおススメ度
![20年固定金利とフラット35の金利推移グラフ](https://image-media.www.a-tm.co.jp/uploads/integrated_media/path/35142/image-latest-rate-trend_24-7_20th.png)
(注)グラフのフラット35の金利は買取型としており、20年固定金利は低金利を出している金融機関の金利で直近までの金利推移を模式的に表したものとなっています。
20年固定金利は、35年全期間固定のフラット35(買取型)よりも低金利を維持してはいるのですが、フラット35には子育てプラスで当初の期間最大1%の引き下げがあることを鑑みると、十分に低金利とは言えない水準です。
今のところ20年固定で1%未満の低金利の商品を出しているのはSBI新生銀行のみ、競争相手がいない状態であるため、7月の日銀会合で決定される政策内容によっては金利を上げてしまうリスクも否めません。
ただし現状では20年固定できる住宅ローンとしては低金利のメリットがあるため、前月のおススメ度を維持し3.0としました。
20年固定金利のオススメ度
- 5.0満点の3.0点(先月:3.0点)
10年前後の中期固定金利
主要銀行の10年固定金利は2023年の後半から上昇傾向となっていますが、各行が主力商品としていることもあり、長期の固定金利タイプと比べて金利は低く、また上昇も抑えられる傾向がありました。
10年固定金利の金利予想と実績
2024年 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 |
---|---|---|---|---|
千日予想 | 上昇が抑えられる | 横ばいか若干の上昇 | 上昇傾向が続く | 上昇傾向 |
実績 | 上げた銀行と下げた銀行 | 上がった | SBI新生は横ばい、 他行は上げた | SBI新生は横ばい、 他行は対応が分かれた |
最近の10年固定金利は日銀の追加利上げが意識されるに従い、民間銀行それぞれの金利の先読み観によって対応が分かれる局面が増えてきました。
直近の6月から7月にかけてSBI新生銀行は横ばい、三菱UFJ銀行は上げ、その他の銀行は下げるということで銀行によって対応が分かれています。
2024年7月までの推移とおススメ度
![10年固定金利の金利推移グラフ](https://image-media.www.a-tm.co.jp/uploads/integrated_media/path/35144/image-latest-rate-trend_24-7_10th.png)
(注)グラフは過去から10年固定金利を主力商品としている金融機関の直近までの最低金利の推移を模式的に表したものとなっています。
10年固定金利は日銀総裁が植田氏に決まった2023年2月から金融政策の正常化が意識され始めると徐々に上がり始め、1%を超える水準とする銀行が増えています。直近ではSBI新生銀行だけが1%未満を維持しています。
2024年7月の金利水準は、過去2年でも高い方の水準で推移しており、唯一1%未満としているSBI新生銀行も7月の日銀会合の決定内容によっては、上昇に転じてもおかしくない状態です。
固定タイプの中では低い水準で6月から7月にかけて下がっているため、前月よりお勧め度を上げて3.7としますが、銀行によって対応が分かれる先読みの難しい金利タイプです。
おススメ度の高いフラット35や後述する変動金利でも審査を通しておくことをお勧めします。
10年固定金利のオススメ度
- 5.0点満点の3.7点(先月:3.5点)
変動金利
大規模な金融緩和政策下で変動金利は低金利で推移してきましたが、3月のマイナス金利政策の解除後も、多数派の金融機関で横ばいとなっています。
一部のネット銀行では基準金利を0.1ポイント上げましたが、業界内でも例外的でイレギュラーな対応と受け止められています。
変動金利はネット銀行から上がってきた
2024年 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 |
---|---|---|---|---|
千日予想 | 横ばい | 横ばい | 横ばい | 横ばい |
実績 | 横ばい 的中!! | 横ばい、 一部に下げる銀行 ほぼ的中!! | 横ばい、 一部で上げる銀行 ほぼ的中!! | 横ばい、 一部で上げる銀行 ほぼ的中!! |
変動金利は概ね横ばいの水準ですが、マイナス金利政策解除後の4月には三井住友信託銀行とSBI新生銀行が変動金利を下げました。これは基準金利を変えずに引き下げ幅を増やして金利を下げる、従来型の金利引き下げです。
そして5月には住信SBIネット銀行とイオン銀行が変動金利の基準金利を0.1ポイント上げました。
これにより既存の利用者の金利は0.1ポイント上がりますが、新規向けには引き下げ幅を0.1ポイント増やすことで、前月から横ばいとする対応となっています。
6月の日銀会合で国債の買い入れ減額の方針が決まり、実質的な金融引き締めの兆候が見えると、7月にはauじぶん銀行が基準金利からの引き下げ幅を0.01ポイント減らし、新規向けの適用金利を0.01ポイント上げています。
ネット銀行から徐々に変動金利を上げる銀行が増えてきています。
今後の日銀会合で政策金利の追加利上げが行われれば、多数派の銀行が横並びで変動金利を上げる可能性もあります。
詳しい予想については2024年8月金利予想を読んでみてください。
リーマンショックから今までの推移とおススメ度
変動金利は銀行間で資金の融通を行うと市中金利に連動し、これは中央銀行(日銀)が民間銀行に融資する政策金利の影響を受けると言われます。
リーマンショックから直近までの日米の政策金利の動向をグラフにしました。
![10年固定金利の金利推移グラフ](https://image-media.www.a-tm.co.jp/uploads/integrated_media/path/35143/image-latest-rate-trend_24_7-japan-us.png)
リーマンショックのときには、日米ともに政策金利を引き下げ(ゼロ金利政策)、2016年から米国では順次引き上げられていきました。
米国では2020年のコロナショックで0.25%まで下げましたが2022年3月からはインフレ抑制のため大幅利上げを断行し、5.25~5.5%とリーマン直前の水準を上回っています。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は7月9日の議会証言で米経済は「もはや過熱していない」と述べ、利下げを探る局面に入ったことを示唆しました。
これによって利下げへの期待が広がり、投資家のリスク選好によって株価は高騰し円安が進行しています。
日本では政策金利を上げることなく金融緩和政策が続いてきましたが、植田氏が日銀総裁に就任し2024年3月会合でマイナス金利政策が解除されました。
6月の会合で国債の買い入れ減額を決めており、実質的な金融引き締めへ舵を切ったことで7月の会合では追加利上げを予想する声もあります。
追加の利上げから全ての銀行が横並びで変動金利を上げる可能性がありますが、お勧め度は前月の3.7を維持します。
変動金利のオススメ度
- 5.0点満点の3.7点(先月:3.7点)
まとめ~銀行でも対応の分かれる難しい局面
個人的には10年固定金利タイプは各銀行が持っている、今後の金利予想を反映するものと見ています。
10年という固定期間は長期金利の10年国債と同じ期間です。
また住宅ローンというのは、債務者の生活拠点である住居に第一順位の抵当権を設定するため、極めて回収可能性の高い優良債権です。国債ほどではないにしても、元本を下回る可能性が極めて低い債権です。
6月から7月にかけては、その10年固定金利タイプの動向が銀行によって大きく分かれました。
金融市場のプロである銀行間で、今後の金利動向の読みが逆方向に分かれているということです。それほどに、今の市況は先が読めないということなのですね。
そのようなタイミングで住宅ローンの実行を控えている皆さんは、正解の見えないなかで重要な判断をせざるを得ない状況ということです。
早い段階で、一つの銀行、一つの金利タイプに決めてしまうのではなく、必ず複数の金融機関、金利タイプで審査を通しておくことをお勧めします。
特に金利の上昇局面で住宅ローンの金利を抑えてくれるフラット35はリスクヘッジとなりますので、これを軸に据えることをお勧めします。
▼各金融機関の金利タイプごとの金利増減は、下記記事で紹介しています。
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