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FOMCは利上げを停止する?日銀の利上げは来年以降か?2023年7月の住宅ローン金利を予想

最終更新日:

2023年7月の金利予想
住宅ローン金利
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こんにちは公認会計士の千日太郎です。

前回の予想どおり5月から6月にかけて住宅ローンの金利は大きく下がりました。

主な理由としては、日銀の植田総裁が緩和継続の必要性を一貫して表明するハト派的姿勢から、利上げ観測がかなり後退していることや、政府の少子化対策でフラット35の金利が下がっていることなどが挙げられます。

また米国ではこれまで利上げを続けてきましたが、経済統計の結果によっては、いよいよ政策金利を据え置く公算が高まっています。

この記事では、執筆時点で公開されている「金融市場の動向」と千日太郎が公認会計士として培ってきた金融ビジネスに対する知見をもって推理する「銀行の営業方針」から2023年7月のローン金利動向を金利タイプごとに予想します。

※当記事の金利や情報は2023年6月11日時点のものを記載しております。
最新の金利情報は、必ず金融機関等の公式サイトをご確認ください。

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    長期金利の低下した背景と今後の動向

    こちらは2023年3月1日から2023年6月9日までの日本と米国の長期金利の推移です。

    2023年7月住宅ローンの金利予想 長期日米長期金利

    3月に米シリコンバレーバンクの経営破綻とスイスのクレディ・スイスの経営危機が起こるまでの日本の長期金利は、米国の金利上昇も波及して、上限の0.5%に張り付き推移していました。

    米欧の銀行破綻で急降下した日本の長期金利ですが、その後は再び上昇しています。

    この背景にあったのは、植田新総裁の就任後初となる4月の金融政策決定会合で植田総裁が金融政策を引き締め方向に転換し、それによって国債価格が下がることを見越して儲けるために主に海外投資家が空売りを仕掛けたためです。

    しかし、植田新総裁は拙速な政策転換が2%の物価安定目標の達成の芽をつんでしまうコストは極めて大きいと述べるなど、早期の緩和修正に慎重な見方を一貫して示しており、さらに国債の貸付料を値上げするなどの対策も相まって海外投資家の空売りを抑えこみました。

    さらに、米国では5月にファースト・リパブリック・バンクが経営破綻し、米国史上2番目の規模の銀行破綻となりましたが、直後のFOMCで0.25%の利上げを決行しており、米長期金利は再び上昇しています。

    しかし、これまでのように日本国債が売られることはなく、日本の長期金利は0.4%台で安定的に推移しています。

    日銀による金融政策の引き締め観測は後退したが?

    前回の金利予想でも述べているのですが、植田総裁が引き締めに関して安定的な2%の物価上昇目標を掲げている以上は、年内に政策転換する可能性は低いと考えています。

    では他のエコノミストはどのように考えているのでしょうか。

    ブルームバーグがエコノミスト47人を対象に6月1日から6日まで実施した調査によると、政策修正のタイミングとしては来月の7月会合と回答している人が35%で最多となり、10月会合が13%、来年4月会合が11%となっています。

    後ズレしているとは言え、早期の政策修正観測は引き続き根強くあるようです。私としては来年を予想しているので少数派ですね。

    そして今後の政策修正の具体的な手段(複数回答可)としては、27人がイールドカーブ・コントロール政策の廃止と回答しており、現在マイナス0.1%としている短期政策金利について、2023年内の引き上げを見込むとの回答はわずか2人、最多の20人が2025年以降と予想しています。

    つまりエコノミストの予想をまとめると、まずイールドカーブ・コントロール政策が廃止され、その後に利上げとなるということですね。

    彼らの予想が当たるとして、イールドカーブ・コントロール政策が廃止されたら、すぐに変動金利から固定金利に借り換えることで今の低い固定金利に乗り換えることができるのでしょうか?答えは「No」です。

    銀行の営業方針~変動金利が上がる前に固定金利が上がる

    日銀がイールドカーブ・コントロール政策を廃止すれば、すなわち利上げが近いということですから、今の米国のように長期金利がまず上がっていきます。

    住宅ローンの固定金利は長期金利と連動するという建前ですから、まず固定金利が上がるというわけです。

    さらに住宅ローンの固定タイプはその固定期間にわたっては金利を固定するものです。

    そのため銀行の営業方針としても、将来的に日銀が利上げして変動金利を上げられる見込みが高くなれば固定タイプの住宅ローン金利を上げるということになります。

    つまり、日銀の政策転換よりも先に動かなければ間に合わないのです。

    銀行が利上げを察知して固定金利を上げても、政策金利が上がっていない以上は、変動金利は上がらず、前の月と同じ水準で推移することになります。

    4月に公開した5月の金利予想では、固定金利を上げて、変動金利に顧客を誘導しようとする銀行が出てくると予想したのですが、まさにそれが的中しました。

    長期金利の低下を反映して固定タイプの金利を下げる銀行がある一方で、一部のネット銀行は固定タイプの住宅ローン金利を上げて、変動金利をさらに下げるという対応をとっています。

    こうした銀行の住宅ローン金利の変更は、目立たず、少しずつ行われていくので、ある程度推移を見ていく必要があります。私は主要銀行の金利推移を分析し、毎月お勧めの住宅ローン金利タイプを紹介していますので、良かったら参考にしてください。

    金利タイプ別2023年7月の金利予想

    では、住宅ローンの各金利タイプ別に2023年7月の金利がどうなっていくのか予想していきます。6月11日までの公開情報を前提とした予想になります。

    【金利タイプ別】
    2023年7月の金利予想

    公的融資フラット35の金利動向

    公的融資の超長期固定金利であるフラット35(買取型)は4月を境に下がりはじめ、5月から6月にかけても下がりました。

    下のグラフはフラット35の金利と長期金利を2023年3月から2023年6月までとったものです。

    2023年7月住宅ローンの金利予想 フラット35(買取型)と長期金利

    フラット35の金利は前月の中旬に決まります。その時点に青い棒グラフのフラット35(買取型)金利を立てています。

    (機構債発表日)3月金利
    (2023年2月16日)
    4月金利
    (2023年3月17日)
    5月金利
    (2023年4月20日)
    6月金利
    (2023年5月19日)
    長期金利0.50%0.30%0.47%0.38%
    機構債の
    表面利率
    1.09%0.95%1.04% 0.96%
    フラット351.96%1.76%1.83%1.76%

    フラット35は下図のように独立行政法人である住宅金融支援機構が民間金融機関から債権を買い取って証券化し、機関投資家に債券市場を通じて機構債という形で販売するという仕組みになっています。

    フラット35の仕組み

    この機構債は毎月20日前後に表面利率を発表し募集します。投資家は機構債を安全資産という考えで購入しますので、その表面利率は10年国債の利回り(長期金利)に連動する建前となっています。

    3月から4月にかけては米欧で発生した相次ぐ銀行の経営破綻よって長期金利が下がり、フラット35の金利も下がりました。

    しかし、4月から5月には上昇しましたが、長期金利の大幅な上昇に対してフラット35の金利上昇は抑えられており、グラフからもベースが下がっていることが見て取れます。5月から6月にかけても同様です。

    4月から見られるベースの低下は3月から政府が子育て世帯を対象としてフラット35の金利引き下げを行う議論をスタートしたことが関係していると思います。

    既にフラット35の金利引き下げ制度の中には「子育て支援」というカテゴリーが設けられているのですが、おそらくこれが拡充されることになります。

    しかしこの制度がスタートする前は子育て世帯であっても金利引き下げにならないのですね。

    住宅購入のタイミングによって生じる不公平を和らげるために全体的にフラット35の金利のベースを下げている可能性があると見ています。

    このまま長期金利が今の水準で推移するとすれば、7月もおおむね横ばいで1.75%~1.8%程度の水準と予想しています。

    民間の超長期固定金利の動向

    前の6月の金利予想では、民間の全期間固定金利は公的融資であるフラット35がライバルとして存在するため超長期固定金利に力を入れている銀行は下げるだろうと予想しました。

    その予想が的中し、みずほ銀行、りそな銀行や三菱UFJ銀行は35年固定金利を下げています。

    今のところは、その傾向が続くと考えており、7月の民間の超長期固定金利は横ばいかフラット35を意識した低下傾向をみせると予想しています。

    20年前後の長期固定金利の動向

    20年固定は去年までは複数の主要銀行で低金利競争が行われていたのですが、米国の利上げが始まったあたりから20年固定から撤退する銀行が相次ぎました。

    5月から6月にかけては長期金利の低下に伴い下げてはいますが、30年以上の超長期固定金利の方が依然として低金利です。

    長期金利が横ばいで推移するならば、おおむね横ばいで推移すると予想しています。

    10年固定金利の動向

    10年固定金利は、各民間銀行で主力商品としている金利タイプで、競争によって下がりやすい傾向のある商品です。

    特に5月から6月にかけては、多くの主要銀行が10年固定金利を下げています。
    中でも三菱UFJ銀行は審査の結果によってはさらに引き下げした適用金利で融資することを打ち出しており、他行もそれに追随する可能性があります。

    銀行間の競争によってさらに下がる可能性があると見ています。

    変動金利の動向

    変動金利は、政策金利の影響を受けます。植田新総裁は一貫して金融緩和の継続を明言しており、多くのエコノミストの予想によると年内に利上げとなる可能性は低そうです。

    そのため変動金利については基準金利、引き下げ幅ともに横ばいで推移すると予想します。

    ただし、年内に政策修正がある可能性は十分にあるので、近い将来の利上げについては想定したうえで選ぶ必要があると思います。

    まとめ~FOMCが利上げを停止することによる住宅ローンへの影響は?

    この記事を書いている時点では6月のFOMCで政策金利が引き上げられるか、据え置かれるかはわかりません。

    しかし、FOMCまでに各種の経済統計が公表され、取引材料が出尽くした後の決定となるため、政策金利の決定によってそれほど金利は動かないのではないかと見ています。

    また、国内金利への波及も少ないでしょう。同時期に日銀の金融政策決定会合が予定されていますが、こちらは金融緩和の継続が見込まれており、過去のように海外勢が空売りを仕掛けてくる可能性は低いですね。

    今回のFOMCの決定は住宅ローンにあまり影響しないと見ています。

    6月から7月の住宅ローン金利の動向としては、金融市場よりも各銀行の営業方針の方が影響しそうですね。

    ただしこれは、あくまで現時点で公開されている情報に基づいて千日太郎個人が予想していることにすぎませんし、これから想定していないことが起これば、当然結果は違ってきます。

    エコノミストの予想も千日太郎の予想も大幅に外す可能性が十分にあるのです。

    早い段階で一つの金利タイプ、一つの金融機関に決めてしまい、その後の情報収集を怠っていると、割高な金利で住宅ローンを借りざるを得なくなってしまいます。

    複数の金利タイプ、金融機関で審査を通しておき、住宅ローンの実行月まではしっかり情報収集するよう努めてください。

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