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ビジネスローン(事業ローン)の審査に通過するための大事なポイントは4つ!

ビジネスローン(事業ローン)の審査に通過するための大事なポイントは4つ!

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住宅ローンやカードローン、ビジネスローンといったローンの種類によって、審査で重視されるポイントが変わります。

本稿では、ビジネスローン(事業ローン)の審査を通過するために大事なポイントについて、詳しくご説明します。

審査の視点や審査の原理原則が分かれば、「必ず借りられる」などの謳い文句はワナであることも見抜けるようになり、ビジネスに必要な事業資金を確実に借りることができます。

本記事の執筆者について

田中 裕晃さん

田中 裕晃 / 大峰FP事務所 代表

京都市出身、京都府立大学 文学部史学科卒業、京都府立大学大学院 文学研究科史学専攻 博士前期課程修了(文学修士(歴史学))、大手賃貸仲介業者に就職、新人賞獲得。店長職を経験後、売買仲介業者として独立。その後、株式会社大峰の代表取締役に就任、大峰FP事務所を開設し、現在に至る。

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ビジネスローンの審査で重視されるのは4つのポイント

ビジネスローンの審査で重視されるのは、次の通りです。

ポイント

それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

ポイント1.ビジネスローンの審査に必要な書類に関して

ビジネスローンの審査は申込書に記載した内容と添付する必要書類こちらが申し込み条件似合うのか判断されますので、書類が揃うまでは審査は始まりません。

審査申込をする際には、必要書類をしっかりと揃えておくようにしましょう。

申込むビジネスローンにより差はありますが、一般的には次の書類が求められます。

ビジネスローン審査の必要書類
個人事業主

・本人確認書類
(運転免許証、国民健康保険証、マイナンバーカード、パスポートなど)

・収入証明書
(確定申告書(税理士印あるいは税務署印のあるもの)2期分)
・事業計画書

法人・代表者の本人確認書類決算書(2期分)
・事業計画書

その他、履歴事項全部証明書や印鑑証明書(法人及び代表者)が申込時に必要な場合もありますが、基本的には審査通過後のローン契約時に求められることが多いです。

確定申告書や決算書は税務署に提出されたものであることを証明するために、税務署印、あるいは税理士印の押印(電子申告の場合は受付メール)があるものを2期分用意してください。

事業開始から2年経過していない場合は、それに対応するビジネスローンでないと利用できない可能性が高いでしょう(次節参照)。

ローン事業者によって必要書類は変わりますので、申し込み前に上記以外に必要な書類はないか、ホームページや電話などで確認することをおすすめします。

ビジネスローンの必要書類に関してもっと詳しく知りたい人は「ビジネスローンの申込方法から必要書類まで徹底解説」も参照してください。

ポイント2.ビジネスローンの審査では事業実績2年以上が基本

ビジネスローンの利用には、一般的に2年以上の事業実績が必要とされます。

2年以上事業を継続していれば、決算書あるいは確定申告書が2期分用意できるはずですので、必要書類で困ることもないでしょう。

では事業開始から2年に満たない場合は、ビジネスローンの利用はできないのかと不安になるかもしれませんが、融資利用条件に

「事業開始後2年以上経過していること」あるいは「2期分の決算書(確定申告書)が必須」

という記載がなければ、2年未満であっても融資を受けられる可能性があります。

その場合、事業開始から1年以上経過していれば1年分の決算書・確定申告書と、次節でご紹介する資金計画書や経営計画書などで審査されます。

また1年未満の場合は、代表者の職歴や資産、事業開始から現在までの売上、利益の推移、今後の経営計画などをもとに審査されます。

ただし事業開始から1年未満の審査はやや厳しくなる傾向があることを念頭に置いておく必要があるでしょう。

事業開始から間もない場合には、創業者支援型の融資を取り扱っている金融機関がおすすめです。

ビジネスローンより審査に時間を要しますが、事業開始から1年未満(あるいは2年未満)の方に特化した融資商品があります。

もしくは、決算書を不要としているビジネスローンを利用するのもいいでしょう。

決算書不要のビジネスローンを探したい人は「決算書不要のビジネスローンは7社ある!決算書を出せない理由別の対処法」のページを参照してください。

ポイント3.融資金の利用目的や資金計画について

ビジネスローンの特徴として、事業資金の利用目的が自由であるということが挙げられます(※事業用途以外に利用することは不可)

住宅ローンであれば個人の居住用住宅の購入あるいは建築資金、マイカーローンであれば車の購入資金と、利用目的を限定されている目的ローンとは対照的な特徴です。

一方で、ビジネスローンの場合はどういった目的で利用するのかが申込書だけでは明確には伝わりません。そこで、事業計画書の出番です。

事業計画書では現在の状況を踏まえたうえで、今後どのように売上が立ち、粗利はいくらで、どれくらいの利益を見込めるのか、そのためにどれくらいの資金が不足しているのかなど、とりわけ資金面での計画を伝えるようにしましょう。

同時に、返済についても期間や金額などを想定し、毎月のキャッシュフローの中でキッチリ返済できる計画であることをアピールするとなおよいでしょう。

利用目的を一言で「運転資金」というよりも、上記のように根拠を明示したうえで借入申込金額を設定した方が、ローン事業者にとっても伝わりやすいと言えます。

これを貸し手側、つまり金融機関やローン事業者の側から見るとどうなるでしょうか。

ぶっきらぼうに「運転資金として1000万円貸してくれ」と言われるのと、こういう計画で使い、こうやって利益を上げ、こうして返済しますというプレゼン付きで申し込みされるのでは、どちらに融資しますか?

もちろん、申込者の属性や事業・業績の履歴、過去の取引履歴、担保の有無など、さまざまな視点から判断することは言うまでもありません。

▼ビジネスローンの担保についてはこちらで紹介しています。

ただしあまりにも空理空論、現実味のない事業計画書を出すと、返って経営能力を疑われる可能性もありますので、「絵に描いた餅」にならないように注意が必要です。

▼ビジネスローンの利用限度額についてはこちらで紹介しています。

ポイント4.保証人の信用情報に金融事故などはないか

先の民法改正で連帯保証人の保護が厚くなるなど、従来に比べて保証人への過重な負担は避けられる傾向にあります。

ビジネスローンにおいても連帯保証人の重要性は少なくなっていますし、実際に連帯保証人不要のローンの方が主流になっています。

ただし法人が借入する場合に代表者が連帯保証人になる、いわゆる「代表者保証」は相変わらず健在です。

これは、仮に法人が倒産した場合でも代表者個人は責任を免れないということです。この仕組みがないと無責任経営が横行するのは想像に難くないでしょう。

またローン申込者の状況と借り入れ金額が釣り合わない場合(借入金額が過大な場合)、第三者の連帯保証人を用意することで評価を上げることができます。

これら連帯保証人を必要とするとき、連帯保証人個人の信用情報にキズがあると審査は通りません。個人事業主や法人など、申込者の信用情報にキズがあるのと、連帯保証人の信用情報にキズがあるのは同じ扱いになってしまうからです。

代表者の信用情報にキズがある場合は法人、個人どちらであってもローン審査は難しくなってしまいますが、第三者の連帯保証人の信用情報に問題がある場合は、連帯保証人を変更すれば、借り入れできる可能性はあります。

連帯保証人を第三者に依頼する場合は、事前に信用情報についても確認する方が望ましいでしょう。

聞きにくいかもしれませんが、

「ローン会社が連来保証人の方の信用情報問題ないですよね?って言ってましたけど大丈夫ですよね?」

というように、人のせいにして聞くのが無難です。

また、連帯保証人になるというのはかなりリスクのあることです。自分が頼まれたらどういう場合に納得するのかを考えたうえで、対ローン事業者以上に丁寧に資金計画や返済計画を理解してもらうように努力してください。

ビジネスローンの審査に「スコアリングシステム」が活用され始めている

福岡銀行の「フィンディ」など、ビジネスローンの審査に「スコアリングシステム」が活用され始めています。

少しスコアリングシステムに関して説明します。

スコアリングシステムとは

スコアリングシステムとは、申込者の情報を項目ごとに点数化し、その合計点で貸出しの可否、金額、その他貸出条件を決めるシステムです。

個人事業主であれば年齢、収入、事業継続年数、居住形態、居住年数、信用情報など、法人であれば事業継続年数、資産業況、決算状況などが主な項目です。

主にクレジットカードや消費者金融のカードローンの審査等で利用されていて、審査回答のスピードが速いことが特徴です。

スコアリングシステムで判断される場合は、事業計画や資金計画といったアナログな情報はあまり必要とされません。

実際、福岡銀行のフィンディでも

「面倒な事業についてのご説明、煩雑な資料作成なども必要なし」

と謳われています。

スコアリングで高得点が見込める場合に限って言えば、手続きが簡単というメリットを享受できることになります。

他方、スコアリングであまり点数が望めない状況であれば、面倒でもアナログな部分を勘案してくれるローン事業者の方がいい結果を得られるかもしれません。

審査はスピードが速く、手続きが簡単で、必要書類もできるだけ少ない、というのが理想ですが、こういう場合はスコアリングシステムを採用しているケースが多いでしょう。

※初回申込時は決算書・確定申告書類の提出は原則不要です。審査状況に応じて決算書等の提出を求められる場合があります。

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ビジネスローンの審査に落ちる人の特徴とは

審査である以上、通る場合もあれば落ちることもあります。

では、どういった人が審査に落ちるのがというと、下記の5つが挙げられます。

審査に落ちる5つの理由

  • 信用情報にキズがある
  • 必要書類や申込書記載事項に不備がある
  • 借入申込金額が過大
  • 申し込み先が合っていない
  • 事業計画がずさん

審査に落ちる人の特徴を考えてみましょう。

信用情報にキズがある

上記でも少し触れましたが、過去に延滞や債務整理をしているなどいわゆる金融事故を起こしている場合、基本的に審査は通りません。支払いが数日遅れただけなど、信用情報に登録されない程度であれば問題ありません。

また、金融事故からある程度時間が経っていれば審査に通過する可能性もありますが、どのくらいの期間で大丈夫と判断されるかはローン事業者によってまちまちです。

ご自身の信用情報が心配な方は、信用情報機関に開示請求をすれば現在の状況が分かりますので、一度お試しください。

ビジネスローンの信用情報などに関しては、「金融ブラックでもビジネスローンは借りられる?赤字とブラックの違いや資金調達方法を紹介」の記事の「個人事業主が金融ブラックかどうかの確認方法」の項目を参考にして下さい。

必要書類や申込書記載事項に不備がある

こういった場合は審査に落ちるというより、審査が始まらないケースの方が多いでしょう。

早急に不備を解消してください。

ビジネスローンの必要書類に関しては「ビジネスローンの申込方法から必要書類まで徹底解説」の記事を参考にしてください。

借入申込金額が過大

事業の状況や業績などから考えて、借入申込金額が過大な場合は審査に通りません。

とくに運転資金目的で借入する場合、過去の売上規模との比較で判断されます。

運転資金であれば2~3カ月分の必要経費、設備投資資金であれば設備の必要性や売上への貢献、回収の見込みなど、必要性や申込金額算出の根拠などを明確に説明できるようにしておきましょう。

ビジネスローンの申し込み先が合っていない

審査の厳しさと金利は反比例します。

審査が厳しいほど低い金利で借入が可能です。できれば金利は低いに越したことはありませんが、その分厳しい審査に耐えられるのかどうかは考えた方が良いでしょう。

一般的には銀行系ビジネスローンの方がノンバンク系ビジネスローンよりも審査は厳しいです。

銀行系の中にもメガバンクや都市銀行、地銀、信金など違いがあり、規模が大きいほど厳しくなる傾向があります。

場合によっては消費者金融のスコアリング審査よりも、すでに取引のある地銀、信金などで申し込む方が状況を正確に判断してくれる可能性もありますので、一度地銀や信金なども試してみてください。

事業計画がずさん

ビジネスローンの審査で重視されるポイント」の「ポイント3」の項でもご説明しましたが、事業計画がずさんであれば信用を得ることは難しいでしょう。

これは借入以前の問題かもしれませんが、「どうやって売上を上げ利益を得るのか」を第三者に伝える力は経営者にとって必須の能力です。

ローン事業者や金融機関が「是非この会社に投資してみたい」と思うような事業計画書を作ることが望ましいでしょう。

事業計画書の書き方が分からないという場合は、まず家族に見せて相談してみたり、税理士や中小企業診断士など専門家に相談したりするのもおすすめです。

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まとめ

ここまでのおさらい

  • ビジネスローンの審査で重視されるポイントは4つある
  • 必要書類は事前に確認し準備することが大切
  • ビジネスローンの審査では事業実績2年以上が基本
  • 事業計画書で資金計画や返済計画を明確に伝えるとよい
  • 申込者も連帯保証人も信用情報には気を付けること
  • 審査に落ちる人の特徴に当てはまっていないかチェックしよう

資金繰りは事業継続にとって最も重要な要素の一つです。

事業経営がスムーズにできるようにまずはしっかりとした計画を立て、その上でビジネスローンの審査に臨むようにしてください。

本記事の執筆者について

田中 裕晃さん

田中 裕晃 / 大峰FP事務所 代表

京都市出身、京都府立大学 文学部史学科卒業、京都府立大学大学院 文学研究科史学専攻 博士前期課程修了(文学修士(歴史学))、大手賃貸仲介業者に就職、新人賞獲得。店長職を経験後、売買仲介業者として独立。その後、株式会社大峰の代表取締役に就任、大峰FP事務所を開設し、現在に至る。

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