Operated by Ateam Inc.

イーデス
フラット35の子育て支援型を徹底解説!適用条件やお得度はどれくらい?

フラット35の子育て支援型を徹底解説!適用条件やお得度はどれくらい?

最終更新日:

このページにはPRリンクが含まれています
イーデス』は、複数の企業と提携しており、当サイトを経由して商品への申込みがあった場合、各企業から報酬を受け取ることがあります。ただし、当サイトで紹介する商品・サービスは、イーデスが独自の基準で評価し掲載しております。
また当サイトで得た収益は、サイトを訪れる皆様により役立つコンテンツを提供するために、情報の品質向上・ランキング精度の向上等に還元しております。※提携機関一覧

子育て世帯であれば、2024年2月新登場の【フラット35】子育てプラスがお得&おすすめ!本記事で紹介している子育て支援型と併せて、ぜひチェックしてください。

長期固定金利で有名なフラット35には、子育て世帯が使える金利割引プラン「フラット35子育て支援型」があります。

フラット35「地域連携型(子育て支援)」は、地方公共団体と住宅金融支援機構が連携し、財政的支援に加えて金利引き下げも行われる魅力的な制度で2017年4月に始まりました。

「地域連携型(子育て支援)」の特徴

  • 子育て世帯や地方移住者等が家を買う際に補助金が受けられる
  • ローン金利の引き下げもおこなう
  • ただし、対象の自治体での住宅取得でなければ利用できない

たとえば、大阪府堺市では最大120万円の補助金が出る場合も*。2023年3月時点では、419もの自治体が連携しています**。

* 参考:堺市子育て世帯等空き家活用定住支援事業補助金|大阪府堺市ホームページ|2023年4月1日
** 参考:「フラット35(地域連携型)」の概要|国土交通省|2023年3月1日

フラット35では金利引き下げ方法が「ポイント制」になっています。地域連携型(子育て支援)を利用する場合は2ポイントを得られ、当初5年間年0.5%引き下げられます。

フラット35の基準金利が35年1.8%なら、当初5年間は1.3%になるということです。これだけ金利が引き下げられると、利息軽減効果は大きいと言えます。

ただし、地域連携型(子育て支援)を利用するためにはやや厳しい条件があり、条件を満たさない場合は利用できません

地域連携型(子育て支援)の利用条件

  • 住まいの自治体が、住宅金融支援機構と連携していなければならない
  • 自治体が「子育て世帯が住宅を取得するための事業」を実施していなければならない
  • 申込者が上記事業による補助金交付の対象でなければならない
  • 自治体から「フラット35地域連携型利用対象証明書」 の交付を受けなければならない

このほか、「フラット35」の住宅性能技術基準、その他の融資基準を満たす必要があります。

逆に、子育て支援型の条件を満たしていても、制度を知らなくて利用しなければ数十万円も損する可能性があるのです。これほどの差があるなら、最大限活用したいところ。

当記事ではそれらもふまえたうえで、子育て支援型の適用条件からお得度まで、徹底的に解説していきます。

ぜひ、フラット35を考える際の参考にしてみてください。

気になる内容をタップ

「フラット35子育て支援型」とは

フラット35子育て支援型とは、子育て支援に積極的な地方公共団体とフラット35の住宅金融支援機構が連携して生まれた金利引き下げプランです。

なぜこのようなプランが生まれたのかというと、少子化による深刻な高齢化が進む地方公共団体にとっては子育て世帯のマイホーム取得は重要な課題であるため、地域の次世代を支援することにより、地域を活性化したいという思いがあるからです。

そのため、フラット35子育て支援型の対象になる地方公共団体は、「若年子育て世帯に対して補助金を交付する等の財政的支援をしていること」が条件になっています。

フラット35子育て支援型の内容
金利フラット35の適用金利から年▲0.5%引き下げ
期間当初5年間
対象になる地方公共団体の一例
東京都文京区、台東区、墨田区、目黒区、福生市など
神奈川県横浜市、川崎市、相模原市、横須賀市、厚木市など
大阪府大阪市、堺市、高槻市、茨木市、枚方市など

※2024年4月1日時点のフラット35公式サイトの掲載情報を参考にしています。
※対象の地方公共団体はこちらで確認いただけます。
※地方公共団体において、予算金額に達する等により「利用申請書」の受付が締め切られた場合【フラット35】地域連携型は、ご利用いただけません。

子育て支援型を利用しない場合との比較

子育て支援型を利用するとどれくらいお得になるのか、実際にフラット35でローンを組んだ事例で比較してみましょう。

借入金額:2,500万円
借入期間:30年
返済方式:元利均等返済(ボーナス返済なし)
借入金利:年1.82%(2024年10月現在)
自己資金割合:1割以上

フラット35通常版と子育て支援型の比較
商品名フラット35(買取型)フラット35(買取型)
子育て支援型
借入金利全期間:年1.82%当初5年間:年1.32%
6年目以降:年1.82%
毎月の返済額全期間:90,170円当初5年間:84,137円
6年目以降:89,211円
総返済額①32,461,366円②31,811,366円
フラット35
との差額
①-②=▲650,000円

30年間で2,500万円を借りた場合で比較すると、通常のフラット35(買取型)より子育て支援型は約65万円もお得

当初5年間は毎月の返済額が6,000円ほど抑えられるため、子どもが小さい時期だからこそありがたいですよね。

0.5%の金利差は返済初期の金利引き下げは利息削減にかなり効果的なので、得られるメリットも非常に大きいといえるでしょう。

「フラット35子育て支援型」を利用できる条件

子育て世帯にとってありがたいフラット35子育て支援型ですが、冒頭でも適用条件が厳しいということをお伝えしました。

フラット35子育て支援型の利用条件は下記のとおりです。

フラット35子育て支援型の利用条件

  1. 次のいずれかの場合における補助金交付などの財政的支援に該当していること
    ① 若年子育て世帯が住宅を取得する場合(※)
    ② 若年子育て世帯と親世帯が同居または近居するために住宅を購入する場合(※)
    ※詳細要件は各地方公共団体が個別に定める
  2. フラット35子育て支援型を提供している地方公共団体事業の補助金交付対象者であること

上記のうち、特に厳しい要件だとされる点が、「フラット35子育て支援型を提供している地方公共団体の対象者に該当すること」です

対象になる地方公共団体は都道府県によってばらばら。必ずしも人口規模だけが対象の要件ではなく、各地方公共団体の子育て支援への取り組み方の違いによります。

市区町村が「フラット35子育て支援型」に対応しているか確認する方法

自分が住んでいる市区町村がフラット35子育て支援型に対応しているかどうかを確認するには、住宅金融支援機構のサイトを見るのが1番確実です。

下記フラット35公式サイトからお住まいの市区町村を探し、対象になっていれば各市区町村のページで詳細を確認しましょう。

対象の地方公共団体はこちらから確認

ここで気をつけたいのが、自分の住んでいる市区町村がフラット35子育て支援型に対応していても、実際の適用条件は地方公共団体によって異なるということ。そして、募集件数には限りがあるということです

たとえば、大阪市の場合、小学校6年生以下の子どもがいる世帯、もしくは、両親の年齢が40歳未満で婚姻後5年以内の子育て世帯でない世帯という制限があります。一方、横須賀市の場合、中学3年生までの子供がいるか、夫婦ともに50歳未満の世帯という条件です。

このように、自治体によって条件は異なるため、お住まいの自治体の条件をよく確認しましょう。

「フラット35子育て支援型」の申請タイミングは、事前審査の後!

フラット35子育て支援型の申し込みは通常のフラット35と同様、フラット35の販売金融機関を通じて行います。

一般的な申請のタイミングは事前審査(仮審査)の後で、借入れ申し込み(本審査)をする際にフラット35子育て支援型の利用申請書を提出することになっています。

なお、販売金融機関によってはフラット35の事前審査をせず、本審査のみを受け付けている場合や、事前審査の必要可否が任意で選べる場合もあり、事前審査は強制ではありません。

事前審査はもともと、販売金融機関が独自で行うものなので、できるかぎり早く手続きを進めたい場合はその意思を担当者に相談しましょう。

「フラット35子育て支援型」の申請方法

フラット35子育て支援型の申請は、フラット35の販売金融機関に借入れ申し込みをするとき、金融機関の指定する申込関係書類に加えて、「【フラット35】子育て支援型・地域活性化型利用希望の申出書」を提出することで手続きを行ないます。

詳細は販売金融機関に確認し、できるだけ書類に不備がないように用意して申し込みましょう

  1. STEP.1

    事前審査

    フラット35販売金融機関にて事前審査(事前審査がない場合もあり)

  2. STEP.2

    本申込(本審査)

    フラット35の申し込み(本審査)。合わせて、フラット35子育て支援型の利用申請書を提出

  3. STEP.3

    契約

    利用申請の決定通知と本審査の結果を持って、借り入れの契約、不動産売買契約や工事契約を締結

  4. STEP.3

    入居

上記は一般的な流れを記載していますが、ポイントはフラット35の本審査(住宅金融支援機構にて審査)とフラット35子育て支援型の利用申請(地方公共団体で審査)がそれぞれ異なることです。

審査の早さはそのときの申し込み者の多さや書類の準備状況、個人の属性によっても変わりますし、どちらが早い、遅いとは一概にいえません。担当者に相談し、書類の不備がないようにしながら、手続きを進めていきましょう。

「フラット35S」や「フラット35リノベ」との併用でさらにお得に

フラット35子育て支援型は、フラット35S」や「フラット35リノベ」といった金利引き下げプランと併用できるのが大きな魅力です

用語説明

フラット35Sとは、フラット35の基準よりさらに高い基準で質の良い住宅と認められた際に利用できる金利プランで、当初5年間の金利が▲0.25%~0.75%引き下げられる。

フラット35リノベとは、指定の性能向上リフォームが行われた物件に利用できる金利プランで、当初5年間の金利が▲0.5%~1.0%引き下げられる。

購入、建築する物件が「フラット35S」か「フラット35リノベ」いずれかに該当する場合、子育て支援型との併用でどれだけお得になるのか、具体的な比較例を見てみましょう。

【前提条件】
借入金額2,500万円
借入期間30年
返済方式元利均等返済(ボーナス返済なし)
借入金利年1.82%(2024年10月時点の金利)
自己資金割合1割以上

「フラット35S(金利Aプラン)」と併用した場合

フラット35S(金利Aプラン)は、当初5年間の金利が年▲0.5%引き下げられるプラン。フラット35子育て支援型と併用すれば、当初5年間はトータルで年▲1.0%引き下げとなります。

  • フラット35S(金利Aプラン):当初5年間、年▲0.5%引き下げ
  • フラット35子育て支援型:当初5年間、年▲0.5%引き下げ
フラット35(買取型)フラット35子育て支援型+
フラット35S Aプラン併用
借入金利全期間:年1.82%当初5年間:年0.82%
6年目以降:年1.82%
毎月の返済額全期間:90,170円当初5年間:78,359円
6年目以降:88,211円
総返済額①32,461,366円②31,164,867円
フラット35
との差額
①-②=1,296,499円

通常のフラット35(買取型)との返済総額の差は約130万円にもなります

またフラット35Sの対象物件であるということは住宅の質が良いということなので、将来的にも安心できますね。

「フラット35S(金利Bプラン)」と併用した場合

フラット35S(金利Bプラン)は、当初5年間の金利が年▲0.25%引き下げられるプラン。フラット35子育て支援型と併用すれば、当初5年間はトータルで年▲0.75%引き下げとなります。

  • フラット35S(金利Bプラン):当初5年間、年▲0.25%引き下げ
  • フラット35子育て支援型:当初5年間、年▲0.5%引き下げ
フラット35
(買取型)
フラット35子育て支援型+
フラット35S Bプラン併用
借入金利全期間:年1.82%当初5年間:年1.07%
6年目以降:年1.82%
毎月の返済額全期間:90,170円当初5年間:81,216円
6年目以降:88,716円
総返済額①32,461,366円②31,487,657円
フラット35
との差額
①-②=973,709円

通常のフラット35(買取型)の返済総額との差は約97万円です。

金利Aプランより金利引き下げ幅は小さいですが、それでもトータルコストは大きく変わってきますね。

「フラット35リノベ(金利Aプラン)」と併用した場合

フラット35リノベ(金利Aプラン)は、当初5年間の金利が年▲1.0%引き下げられるプラン。

  • フラット35リノベ(金利Aプラン):当初5年間、年▲1.0%引き下げ
  • フラット35子育て支援型:当初5年間、年▲0.5%引き下げ

フラット35の金利引下げ幅は最大1.0%となっており、超える分は6年目以降の5年間に充てられます。

つまり、フラット35子育て支援型と併用すれば、当初5年間はトータル年▲1.0%、6年目~10年目は年▲0.5%引き下げとなります。

フラット35
(買取型)
フラット35子育て支援型+
フラット35リノベのAプラン併用
借入金利全期間:年1.82%当初5年間:年0.82%
6年目以降:年1.32%
11年目以降年:1.82%
毎月の返済額全期間:90,170円当初5年間:78,359円
6年目以降:83,194円
11年目以降:87,244円
総返済額①32,461,366円②30,631,811円
フラット35
との差額
①-②=1,829,555円

通常のフラット35(買取型)の返済総額との差は約183万円で、お得度の高い組み合わせといえます。

「フラット35リノベ(金利Bプラン)」と併用した場合

フラット35リノベ(金利Bプラン)は、当初5年間の金利が年▲0.5%引き下げられるプラン。フラット35子育て支援型と併用すれば、当初5年間はトータルで年▲1.0%引き下げとなります。

  • フラット35リノベ(金利Bプラン):当初5年間、年▲0.5%引き下げ
  • フラット35子育て支援型:当初5年間、年▲0.5%引き下げ
フラット35
(買取型)
フラット35子育て支援型+
フラット35リノベのBプラン併用
借入金利全期間:年1.82%当初5年間:年0.82%
6年目以降:年1.82%
毎月の返済額全期間:90,170円当初5年間:78,359円
6年目以降:88,211円
総返済額①32,461,366円②31,164,867円
フラット35
との差額
①-②=1,296,499円

通常のフラット35(買取型)の返済総額との差は約130万円。リノベ金利Aプランに次いでお得度の高い組み合わせです。

条件を満たしていないなら「地域活性化型」が適用できないかをチェック

フラット35子育て支援型で条件を満たしていない場合、「地域活性化型」が適用できないかを確認してみましょう。

地域活性化型は、子育てや子どもの独立などを契機に特定の地域に移住する世帯が対象です

子育て支援型のように若年層といったくくりがないので(地域によって細かい適用条件は異なります)、年齢制限などの理由で子育て支援型が合わなかった人でも利用できる可能性があります。

地域活性化型の金利引き下げ条件は子育て支援型と同じで、当初5年間の金利が年0.25%引き下げられます。

なお、子育て支援型と地域活性化型は併用できませんのでご注意ください。

フラット35地域活性化型の内容
金利フラット35の適用金利から年▲0.25%引き下げ
期間当初5年間
対象になる地方公共団体の一例
北海道室蘭市、夕張市など
神奈川県足柄上郡山北町など
埼玉県秩父郡長瀞町など

地域活性化型の対象となる地方公共団体は、上記のHPより確認できます。

ただ、地方公共団体によって若年者子育ての支援に力を入れている場合と、移住者支援に力を入れている場合の2パターンがあり、子育て支援型はあるけれど、地域活性化型の提供はないという地域もあります。

地域活性化型については性質上、過疎化が深刻な地方に集中する傾向があるので、細かく確認するようにしてくださいね。

なお、地域活性化型も子育て支援型と同様、予算の上限があります。

もし移住を考えている場合は地方公共団体に問合せを行い、募集状況などを確認するようにしましょう。

まとめ

フラット35の子育て支援型は、適用条件さえ満たせば当初5年間の金利を引き下げできるうえ、フラット35Sやフラットリノベと併用できるのが大きな魅力です。

しかし住んでいる地域、住みたい地域で必ずこのプランがあるわけではなく、たまたま住んでいる地域が対象であっても、子どもや親の年齢、住み方、物件によっては対象外になるケースもあります。

マイホームの購入は今後の人生を大きく左右するもので、子育て世帯では特に子どもの人生に深く影響するため、学校や地域の環境など、さまざまな要素を考えて決めることになると思います。

いくら金利がお得になるからといって、「子育て支援型の対象地域だからここに住む!」なんていうように住む場所を決める世帯は少ないでしょう。

つまり、子育て支援型は「適用条件に当てはまればラッキーだし魅力的だけど、当てはまらない可能性が高いので要注意」ということです。

フラット35を考えている人は、子育て支援型の対象地域やその取り組みもあわせて確認し、子どもと住む将来について改めて考えてみることをおすすめします。

千日太郎

千日太郎 / オフィス千日合同会社 代表社員 公認会計士

【専門家の解説】

2024年2月からフラット35の金利引き下げ制度が改正になり、「子育てプラス」という制度がスタートしています。

従来の「子育て支援型」が地方公共団体の単位で行っていたのですがこれが国単位、つまり全国で行われるようになりました。ただし従来の「子育て支援型」も廃止されておらず継続しています。

「子育て支援型」では当初の5年間0.5%の引き下げというものですが、「子育てプラス」では1ポイント=5年間0.25%引き下げで、合計ポイント制となっています。

従来の「子育て支援型」を適用できる地方公共団体でフラット35を借りると2ポイント獲得できることになり、2ポイントは5年間0.5%引き下げに相当します。つまり改正前と同じメリットがあります。

「子育てプラス」と「子育て支援型」はどちらも子育て世帯の住宅取得を応援する制度でありその趣旨は同じですが、運用主体は前者が国、後者は地方という違いがあります。そのため、申請にあたって条件が異なることがあります。

「子育てプラス」の方が対象を広くとっている傾向があるように思いますので、「子育て支援型」にあたらなくてもあきらめないようにしてくださいね。

フラット35の関連記事

  • Facebook
  • x
  • LINE