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他社の借入があっても大丈夫?カードローン審査のポイント

他社の借入があっても大丈夫?カードローン審査のポイント

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「他社の借入があると審査で不利になる」「他社借入は何件まで審査に通る?」など、他社の借入に関する情報をいたるところで見かけます。

実際、カードローンの審査においては、他社借入額や件数が多すぎると、審査に落ちてしまう可能性があります。

しかしながら、どの程度の借入金額なら借入可能で、どの程度の借入件数なら問題なく審査に通過できるのでしょうか。

この記事では、他社借入についての基礎知識を解説していきます。

武藤 英次

武藤 英次 / ファイナンシャルプランナー

【専門家の解説】

基本的にカードローンは短期の借入に特化したサービスです。
カードローンの金利は比較的高めの設定のため、長期間の借入をしてしまうと支払利息が大変な金額となってしまいます。
また毎月の生活費の赤字を穴埋めするのにカードローンは向いていません。
自分の収入から短期で完済できる見通しがなければ近い将来に返済計画が破綻してしまいます。
安易な新規の借金に頼って、あなたの人生に暗い影を落とすことのないようにしてください。
あくまでも短期で確実に完済できる見通しがある場合にのみ、新規の借金を検討可能なことを忘れてはなりません。

  • ファイナンシャルプランナー / 美樹ライティングオフィス

    監修者武藤 英次

    成蹊大学経済学部経営学科卒。地方銀行勤務中にカードローンを含む個人・法人の融資業務などを幅広く担当。
    2016年3月に美樹ライティングオフィスを開業し代表を務める。
    趣味は一眼レフでの写真撮影、5人家族でのおでかけ、ピアノ演奏、甲子園を目指す長男の高校野球応援など。
    カナヘイのピスケ&うさぎグッズを大量コレクト中。

    • 株式会社エイチームライフデザイン

      編集者イーデス編集部

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    他社借入についての基礎知識

    他社借入とは、「借入しようとしている商品とは別の商品で既に借入残高がある状態」のことです。

    カードローンの審査では、他社の借入残高に併せて、他社の借入件数も審査結果に影響します。ここでは、他社借入の基礎知識について解説します。

    他社借入件数の報告は「審査」において重要なポイント

    カードローンの審査において、他社借入件数の報告は非常に重要なポイントです。なぜかというと、「信用情報との照会」が行われるからです。

    信用情報とは、信用情報機関が管理している、クレジットカードの利用履歴やキャッシング残債等の「個人の信用に関わる情報」のことです。

    この信用情報には、以下のように多くの情報が記載されています。

    • 個人を特定するための情報(氏名や生年月日、住所など)
    • 契約内容に関する情報(取引日、契約の種類など)
    • 返済状況に関する情報(入金日、残高など)
    • 取引事実に関する情報(債務整理の有無など)
    • 申し込みに関する情報(申し込みのあった利用者情報、生年月日、申込商品情報など)

    カードローンの審査では、信用情報機関に対して信用情報の照会を行うことで、貸付しても問題がないかを判断しています。

    この信用情報の中に、他社の借入件数も記載されているのです。つまり、他社の借入件数を利用者本人にも記載してもらうことで、信用情報と申告内容の相違をチェックしています。

    したがって、他社の借入件数の報告は、審査においても重要なポイントなのです。

    例えば、他社の借入件数が2件のAさんが、「少しでも審査に通りやすくしたい」と思い、借入件数を0件と記載したとしましょう。

    申し込みのあった業者はAさんの信用情報をチェックした際に、「本当は2件の借入件数があるはずなのに、この利用者は嘘をついている」と判断します。嘘の申告のことを「虚偽の記載」といい、虚偽の記載をされた業者は、当然ながら審査の結果も厳しい判断を下します。

    このように、他社の借入件数をごまかして申告したとしても、信用情報を照会されれば、ほぼ間違いなくバレてしまいます。したがって、絶対に他社の借入件数をごまかして記載するのは辞めましょう。

    ちなみに、これは借入件数だけに限ったことではありません。当然ながら、借入残高も同様のことがいえます。本来100万円の借入残高があるにもかかわらず、それよりも少ない数値で申告した場合、同じような判断を受けることになります。

    なぜ他社の借入件数が増えると審査で不利になるのか

    そもそも、なぜ他社の借入件数が増えると審査で不利になるのでしょうか。

    その要因は、「返済額」と「総量規制」にあります。通常、カードローンやキャッシングの返済額は、借入件数が増えれば増えるほど高額になります。例えば、消費者金融3社から30万円ずつをそれぞれ借入したとします。

    この例では、各社それぞれに毎月の返済額が発生することになります。仮に、それぞれ1万円ずつの返済額が規定されていた場合、毎月最低でも3万円もの返済額が発生することになるのです。

    これがもし1社での借入であれば、ここまで高額な返済額になるケースは少ないです。つまりわかりやすくいえば、通常のケースに比べると、滞納に繋がる可能性が非常に高くなってしまうのです。

    したがって、貸付する業者から見ると、大きなリスクを背負うことになってしまいます。

    また、「総量規制」も大きく関係しています。総量規制とは、貸金業法によって定められている制度のことを指し、対象業者の「年収の3分の1以上の貸付」を禁止しています。

    他社の借入件数が多くなればなるほど、総量規制ギリギリの貸付になってしまう可能性があるため、貸付する業者側もシビアにならざるを得ません。

    このような事情から、他社の借入件数が増えると、審査面で不利になってしまうのです。

    ファイナンシャルプランナー
    監修者 武藤 英次の一言コメント!
    複数以上の多数の借入がある状態のことを「多重債務」と言います。 基本的に多重債務は金融機関から厳しい目で見られるのは避けられません。
    借入件数が3件4件と増えるにしたがい、返済不能に陥るリスクは急激に高まってしまうためです。
    実際に3件以上の借入がある場合には月に何回も返済しなければなりません。
    返済日がバラバラなことも多く、1件も延滞せずに全て完済するのは相当難しいのです。
    すでに複数の借入がある状態では借り入れが難しくなるのは当然ですし、新規借り入れは止めるべき時なのは間違いありません。
    安易に借入に頼らずに「法テラス」のような信頼できる公的窓口に相談するのがおすすめです。

    武藤 英次さん

    武藤さん

    他社借入件数に含まれる、含まれないローンの紹介

    「他社借入」と一言で表現するケースも多いですが、全てのローンが含まれるわけではありません。他社借入に含まれるローンと含まれないローンをまとめてみましょう。

    【他社借入に含まれるローン】


    • 貸金業者が扱うキャッシング、カードローンの残高
    • クレジットカードのキャッシング枠の借入残高

    【他社借入に含まれないローン】



    • 住宅ローンの借入残高
    • 自動車ローンの借入残高
    • 銀行が取り扱うカードローンの借入残高
    • クレジットカードのショッピング残高
    • クレジットカードのリボ払い残高

    他社借入に含まれるローンを簡単に捉えるなら、「貸金業法の対象かどうか」がポイントです。

    例えば、同じカードローン商品であっても、消費者金融の取り扱うものは他社借入件数に含まれます。対して、銀行が取り扱うカードローン商品は他社借入に含まれません。なぜかというと、銀行は貸金業者でないため、貸金業法の対象にならないからです。

    注意点として、クレジットカードの残高に関しては取り扱いが少し異なります。

    通常のショッピングやリボ払いでの残高は「割賦販売法」の対象になり、他社借入には含まれません。

    対してクレジットカードのキャッシング残高は、「貸金業法」の対象になり、他社借入に含まれます。同様の理由で、自動車ローンや住宅ローンの借入残高も他社借入には含まれません。

    このように、他社借入に含まれるローンと含まれないローンがあります。

    ただし、これはあくまでもカードローン・キャッシングの利用を前提とした場合です。住宅ローンの審査や銀行融資などを受ける場合には、全く異なる取り扱いになる場合がありますので、注意してください。

    他社借入での注意ポイント

    他社借入を行う際の注意点として、以下3点があります。

    • 毎月の返済負担が増える
    • 返済に関する管理が複雑になる
    • 審査に通りにくくなる

    特に、毎月の返済管理が複雑になる点には注意しなければなりません。なぜかというと、利用する商品によって「約定返済日」が異なるからです。

    約定返済日とは、契約によって定められた返済日のことです。他社借入の件数が増えると、その数だけ約定返済日が生じることになり、返済状況を把握するのが大変になってしまいます。

    また先述したように、借入件数が増えれば増えるほど、毎月の返済額も増えてしまいます。返済額が増えると滞納に繋がる可能性が高くなりますので、この点にも注意が必要でしょう。

    また、もう1つ注意が必要なのは、「他の審査に通りにくくなる」という点です。

    これは他社借入に含む、含まないにかかわらず、収入に対する借入割合が大きくなればなるほど、住宅ローンや自動車ローンなどの大きな金額を取り扱う審査に通りにくくなります。この点は盲点になりやすいため、注意しておきましょう。

    他社借入がある際の審査通過のポイント

    「他社の借入もあるけど、審査に通過したい」という方も中にはいらっしゃると思います。ここでは、既に他社借入がある際に審査を通過するためのポイントについて触れていきます。

    【他社借入がある際の審査通過ポイント】



    • 借入件数の虚偽申告はしない
    • 借入合計額が総量規制内に収まっているかどうか
    • しっかりと返済を行っているかどうか
    • 中小の消費者金融での借入があるかどうか

    他社借入がある状態での審査通過ポイントは多数ありますが、特に重要になるのが、「借入件数の虚偽申告はしない」「借入合計額が総量規制内に収まっているかどうか」というポイントです。

    これらの条件を満たせなかった場合、高い確率で審査に落ちてしまいます。先述したとおり、借入件数の虚偽申告は、信用情報を照会する過程でほぼバレてしまいますので、必ず正直に記載するようにしましょう。

    総量規制内の金額は、銀行が取り扱う商品以外での「キャッシング(クレジットカード含む)、カードローンの借入合計額」で計算してください。これらを計算すると同時に、ご自身の総量規制枠を試算してみましょう。

    総量規制は、「年収の3分の1以上の貸付」を禁止しています。したがって、例えば年収300万円の方であれば、総量規制の対象となる業者から借入できるのは、100万円までということになります。

    つまり、年収300万円で既に100万円の他社借入があるのであれば、審査に通過するのは非常に難しいということなのです。

    また、審査に大きく影響するポイントではありません。ただし、既に借入している業者が中小規模の消費者金融である場合は、「この利用者は大手消費者金融で借入できない事情があるのかもしれない」と捉えられてしまう可能性があり、場合によっては、審査結果にマイナスの影響を与える可能性があります。

    この点も、他社借入がある状態で審査に通過する際のポイントだといえるでしょう。

    ▼こちらで中小消費者金融について詳しく紹介しているので、ご参考にしてください。

    ファイナンシャルプランナー
    監修者 武藤 英次の一言コメント!
    銀行カードローンには総量規制が適用されないというのは事実です。 銀行は貸金業法ではなく銀行法が適用されるため、総量規制が直接影響することはありません。
    実際に過去には総量規制を大きく上回るような過剰な貸し出しが社会問題となったこともありました。
    しかし近年は銀行にも金融庁の厳しい目が向けられるようになり、銀行業界内でも「自主規制」が行われるようになっています。
    自主規制の内容は各銀行がそれぞれに自主的に設定するもので、銀行ごとに大きく異なります。
    規制内容は公表されていませんが、金融庁の公表している資料によれば、総量規制に近いものから、結構緩いものまで幅広くなっています。

    武藤 英次さん

    武藤さん

    他社借入が可能な事業社を紹介

    基本的には、審査に通過できる借入件数を明記している事業社はありません。

    審査に関しては社内基準で定められており、その情報が外部に漏れることはありません。したがって原則的には、どのような事業社でも、他社借入が可能になる可能性があります。

    その前提のもと、大まかな件数のラインを設けるのであれば、下記のようになります。

    【他社借入があっても借入可能なキャッシング、カードローン】



    • 消費者金融が取り扱う商品…4件まで
    • 銀行が取り扱う商品…4件まで(※おまとめに利用する際はそれ以上の場合も有り)

    このように、消費者金融が取り扱う商品であっても、銀行が取り扱う商品であっても、基本的に審査に通過できるのは4件までといわれています。

    もちろん、状況的に問題のない利用者であればそれ以上でも審査に通過できる場合もあり、一概に全てのケースに当てはまるわけではありません。

    注意点として、借入件数が5件以上になると、審査に通過できる確率が格段に低くなります。

    もちろん、全く審査に通らなくなるわけではありませんが、通常のケースに比べると審査通過が厳しいと言わざるを得ません。

    比較的他社借入しやすい事業社をピックアップするならば、下記のような借入先があります。他社借入を検討中の方は、下記を参考にしてください。

    他社借入可能な借入先

    • 消費者金融カードローン:アコム、アイフル、プロミス、SMBCモビット
    • 銀行:三井住友銀行 カードローン、オリックス銀行カードローン

    ※他社を利用している場合でも審査可能ですが、状況によって利用できない場合もあります。

    銀行の取り扱う商品は低金利なものも多く、消費者金融商品から銀行の商品へ契約を変更することで、利息が少なくなったり、毎月の返済が楽になったりと、大きなメリットを得られる場合があります。

    複数の借入がある方は、借り換えも視野に入れつつ検討しましょう。

    他社借入を上手に活用する方法(一例)

    先述したように、他社借入は審査で不利になりやすいです。

    しかしながら、他社借入と上手く付き合うことができれば、そのような不利を軽減することができます。ここでは、他社借入件数別の対処方法をいくつかピックアップしてご紹介したいと思います。

    【他社借入と上手く付き合う方法】



    1. 他社借入件数が1~2件で、すぐにお金が必要な方…消費者金融キャッシング・カードローン
    2. 他社借入件数が2~4件で、追加の借入または返済を効率化したい方…低金利の銀行カードローン
    3. 他社借入件数が5件以上…返済に専念する、またはおまとめローンを検討

    上記は、他社借入と上手く付き合うための一例です。当然ながら、借入件数は多く借入金額が少ないケースと、借入件数は少なく借入金額が多いケースでは、付き合い方も異なります。

    したがって、「継続的に返済を行い、完済できそうかどうか」が非常に重要だといえます。

    万が一、返済の負担が大きく、完済できそうにない場合は、低金利な銀行カードローンでおまとめするのも選択肢の1つでしょう。他社借入を増やす前には必ず返済シミュレーションを行い、無理なく返済できるかどうかを確認の上、利用してください。

    ファイナンシャルプランナー
    監修者 武藤 英次の一言コメント!
    そもそもですが、複数のカードローン系の借入がある時点で「イエローカード状態」であることを自覚する必要があります。 無責任に新規借り入れを勧めるような悪質なネット情報があふれていますが、安易に信じ込むのは非常に危険と言わざるを得ません。
    ネット情報の発信者は、あなたの人生に責任を持ってくれることは決してありません。
    どうしても「もっと借金したい」と考えてしまいがちなのですが、別の解決方法を冷静に模索する必要があります。
    借金問題を新たな借金で解決することは決してできません。
    甘い言葉に惑わされず、自分の人生を守るために正しい判断をしてください。

    武藤 英次さん

    武藤さん

    まとめ

    通常、銀行や消費者金融を問わず、他社借入には対応可能です。

    しかしながら、ご自身の返済能力を超えた借入に陥ってしまうと、完済するのが困難な状態になってしまいます。ご自身の返済能力を正確に把握しつつ、無理のない範囲で借入してください。

    ▼カードローンの審査に通るためのポイントをまとめたこちらの記事も参考にしてください。

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