iDeCoは企業型DCと併用はいつからできる?上限額やデメリットなどわかりやすく解説
最終更新日:
このページにはPRリンクが含まれています
また当サイトで得た収益は、サイトを訪れる皆様により役立つコンテンツを提供するために、情報の品質向上・ランキング精度の向上等に還元しております。※提携機関一覧
- 企業型DCに加入しているけれど、iDeCoも併用できるの?
- iDeCoにも加入するメリットはなんだろう?
2022年10月からiDeCoと企業型DCは併用可能になります。
iDeCoと企業型DCを併用すると、制度の限度額(月額5.5万円)までもれなく運用できるといったメリットがあります。
ただし、企業型DCの事業者負担額によってはiDeCoとの併用よりもマッチング拠出を利用したほうがお得なケースもあります。
この記事では、iDeCoと企業型DCを併用するメリット・デメリットや、iDeCoへの加入方法などを解説します。
2023年10月24日時点の情報を掲載しています。
スキラージャパン株式会社 代表取締役 / スキラージャパン株式会社
監修者伊藤亮太
伊藤亮太は「スキラージャパン株式会社」の取締役を務めるFP(ファイナンシャル・プランナー)。
慶應義塾大学大学院商学研究科経営学・会計学専攻を修了しており、在学中にCFP®を取得。
その後、証券会社にて営業・経営企画・社長秘書・投資銀行業務に携わる。
現在は富裕層個人の資産設計を中心としたマネー・ライフプランの提案・策定・サポート等を行う傍ら、資産運用に関連するセミナー講師や講演を多数行う。
▼書籍
図解即戦力 金融のしくみがこれ1冊でしっかりわかる教科書
ゼロからはじめる! お金のしくみ見るだけノート
株で勝ち続けるための 上がる銘柄選び黄金ルール87
などイーデス編集部 / 株式会社エイチームライフデザイン
編集者板橋 辰汰郎
1998年生まれ、兵庫県川西市出身。
大学卒業後、2021年に新卒として株式会社エイチームフィナジーに入社し、ナビナビ証券、イーデスの編集者に就任。
▼書籍
初心者でもわかる!お金に関するアレコレの選び方BOOK
気になる内容をタップ
2022年10月からiDeCoと企業型DCは併用可能
iDeCoの法改正により、2022年10月から無条件でiDeCoと企業型DCの併用が可能になりました。
これまでも併用は可能でしたが、一定条件を満たさないと併用できませんでした。
【確認】iDeCoと企業型DCとは?
- iDeCo
自分で老後資金を作るための年金制度
月額5,000円から設定でき、原則20歳~64歳まで加入できる
- 企業型DC
企業が掛金を拠出し、従業員が自ら運用する年金制度
企業ごとに掛金の拠出金額は異なり、加入が任意の場合と強制の場合がある
iDeCoと企業型DCの違い
名前 | iDeCo | 企業型DC |
---|---|---|
加入できる年齢 | 65歳まで | 最大70歳まで ※会社により異なる |
手続きの窓口 | 金融機関 | 会社 |
掛金の負担者 | 個人 | 会社 |
掛金の上限額(月) | 12,000円 20,000円 23,000円 68,000円 ※公的年金の被保険者種別により異なる | 27,500円 55,000円 ※その他の加入制度により異なる |
運用商品の種類 | 投資信託が中心 | 企業によるが、投資信託が中心 |
手数料の負担者 | 個人 | 会社 |
確定拠出年金制度であるiDeCoと企業型DCの大きな違いは、制度の運用を行う主体にあります。
iDeCoは、原則として個人が全ての費用負担を行います。
運用メニューやサービスなど自分が気に入った金融機関を自由に選べますが、資金の運用を行う金融機関の選択と手続きも全て個人で行わなければなりません。
一方、企業型DCは掛金・手数料を会社が負担し、従業員との窓口も会社が担います。
企業が掛金を拠出してくれますが、金融機関は自分で選べず、拠出金額も会社によって異なるためiDeCoと比べるとやや自由度は下がります。
iDeCoと企業型DCを併用したときの上限額
企業型DCとiDeCoの両方に加入する場合、掛金の月額上限は企業型DCとiDeCoをあわせて5.5万円まで、そのうちiDeCoは2万円が上限です。
ただし、企業年金基金などの確定給付型年金に加入している場合は上限が変わり、企業型DCとiDeCoを合計して2.75万円まで、うちiDeCoは1.2万円が上限になります。
企業型DCのみ | 企業型DC以外の 企業年金制度あり | |
---|---|---|
企業型DC | 55,000円 | 27,500円 |
iDeCo | 20,000円 | 12,000円 |
iDeCoと企業型DCを併用するメリット
iDeCoと企業型DCを併用するメリットは以下の通りです。
iDeCoと企業型DCを併用するメリット
メリット①上限いっぱいまで掛金を拠出できる
企業型DCの掛金は、原則として月間最大5.5万円までです。
掛金の拠出金額が企業によって異なるため、仮に事業主が拠出する掛金が3万円だった場合、残りの2.5万円の枠は無駄になってしまいます。
しかし、iDeCoとの併用が認められたことで、企業型DCの他に最大2万円までiDeCoで運用ができるようになりました。
仮に事業主が4万円掛金を拠出していた場合、残りの1.5万円の枠でiDeCoの運用が可能となります!
メリット②事業主掛金以上の拠出が可能なケースがある
企業によっては、企業型DCに対し任意で掛金を追加できる「マッチング拠出」というものがあります。
しかし、追加で拠出できる掛金は、事業主の掛金が上限とされています。
仮に事業主が1万円だけ掛金を拠出していた場合、マッチング拠出で拠出できる上限も1万円となります。
一方で、iDeCoの掛金上限に企業型DCの拠出額は影響しません。
事業主の拠出が1万円でも、iDeCoを利用する個人は2万円を上限に拠出が可能となりますので、将来に向け多くの積み立て投資を行えます。
メリット③希望にあった資産運用が可能になる
企業型DCは原則として企業が選出した運営管理機関でのみ利用できます。
そのため、投資対象となる金融商品は非常に限定的になります。
しかし、iDeCoは自分で自由に金融機関を選べるため、希望にあった金融商品で資産運用を行えます。
iDeCoと企業型DCを併用するデメリット
iDeCoと企業型DCを併用するデメリットは以下の通りです。
iDeCoと企業型DCを併用するデメリット
デメリット①複数の口座を管理する手間が発生する
企業型DCとiDeCoを併用する場合、それぞれ異なる運営管理機関に作った口座で資産を運用します。
ふたつの口座それぞれを管理する手間が生まれるため、人によっては大きな負担に感じてしまうでしょう。
なお、マッチング拠出は企業型DCの上乗せ制度であるため、企業型DCと同じ口座で管理・運用が可能です。
デメリット②マッチング拠出よりも拠出上限が下がるケースがある
企業型DCに合わせてマッチング拠出も行っていた場合、iDeCoとの併用はできません。
そのため、企業型DCをiDeCoと併用するにはマッチング拠出をやめる必要がありますが、場合によっては拠出上限が下がりかねません。
企業型DCと併用するときのiDeCoとマッチング拠出の上限額
- iDeCo
最大2万円
- マッチング拠出
最大2.75万円
(企業型DCで会社が拠出している額と同額まで拠出できる)
会社の拠出額が2万円まではiDeCo、2万円を超えるとマッチング拠出のほうがお得と覚えておきましょう!
デメリット③口座管理手数料が一部自己負担になる
企業型DCの運用に関わる口座管理手数料は、原則として企業が負担します。
しかし、iDeCoは個人で加入する関係から、口座管理手数料は自己負担です。
基本的に運用益から自動的に年数千円程度が支払われるため、あまり負担が増えている実感はないかもしれません。
とはいえ、少額でも長年積み重なると大きな金額になりますので、口座管理手数料が安い金融機関を探すとよいでしょう。
iDeCoへの加入方法
iDeCoに加入する際は、以下の順序で手続きを行います。
iDeCoに加入する流れ
- iDeCoへの加入資格を確認する
- 掛金を決める
- 金融機関を選ぶ
- 加入手続きを行う
- 運用商品を選ぶ
詳しい手順は「iDeCo(イデコ)の始め方6ステップをまとめて解説!会社員・公務員の注意点は?」で解説していますので、ぜひ参考にしてください。
iDeCoのおすすめ証券会社
iDeCoに加入するなら、以下の証券会社がおすすめです。
iDeCoのおすすめ証券会社
おすすめ①SBI証券
SBI証券をおすすめできる理由は、以下の3点です。
SBI証券のおすすめポイント
- 日本最大級の運用可能商品87本
※2023年10月24日時点 - 運営管理手数料・買付手数料0円
- 「SBI‐iDeCoロボ」が商品を選んでくれる
SBI証券は、日本最大級の運用可能商品87本(元本確保型4本含む)という豊富なラインナップが特徴です。
※2023年10月24日時点
安定した運用を目指す国内債券からハイリスクハイリターンを目指す新興国株式まで、多様な選択肢を取りそろえています。
さらに全ての銘柄で運営管理手数料および買付手数料が0円と、ローコスト運用を実現できます。
商品選びに困った時にはロボアドバイザー「SBI‐iDeCoロボ」の手を借りられますので、投資が初めてという方も安心です。
SBI証券の公式サイトはこちら
おすすめ②楽天証券
楽天証券をおすすめできる理由は、以下の3点です。
楽天証券のおすすめポイント
- 購入可能商品は32本
※2023年10月24日時点 - 人気ファンド「楽天・バンガード」シリーズに投資可能
- 豊富なガイドとコメントで初心者でも安心
楽天証券のiDeCoで運用できる金融商品は32本(元本確保型1本含む)です。
※2023年10月24日時点
その中には大人気投資信託である「楽天・バンガード」シリーズ2本が含まれており、高い投資成果が期待できます。
また、さまざまなサービスを展開する楽天グループらしく、初心者でもスムーズにiDeCoの運用をはじめられるようなガイドやアナリストコメントを豊富に用意しています。
投資の知識が全くなくても不安なくiDeCoをスタートできるでしょう。
楽天証券の公式サイトはこちら
よくある質問
iDeCoは複数の金融機関で加入できますか?
A.複数の金融機関では加入できません。
iDeCoは1利用者につき1金融機関のみ利用が可能です。
何らかの理由で現在の金融機関でiDeCoを運用したくない場合には、一定の手数料を支払えば他の金融機関へ変更ができます。
iDeCoと企業型DCの併用はいつから始まりますか?
A.2022年10月から併用が可能です。
iDeCoと企業型DCの併用は2022年10月から原則併用が可能となりました。
2022年9月以前もiDeCoと企業型DCの併用はできましたが、会社側でiDeCo併用を認める規約の設定や企業型DCの事業主掛金上限の引き下げなど、いくつかの条件が必要でした。
2022年10月以降は規約による拘束や事業主掛金の上限引き下げといった条件は不要のまま、iDeCoと企業型DCの併用が認められます。
まとめ
同じ確定拠出年金の仲間である企業型DCとiDeCoは、原則として併用が認められていませんでした。
しかし2022年10月より条件不要のまま併用が認められるようになり、老後に向けた資産形成の選択肢が大きく広がることが期待されます。
ただし、企業型DCとiDeCoの併用は必ずメリットを生むとは限りません。自己資金で企業型DCの掛金を増やすマッチング拠出の割合やiDeCoの運用に係る手数料など、デメリットに繋がる要素も多くあるのが現状です。
企業型DCの事業者負担分の掛金額などを考慮し、効率よく運用できる制度を選択しましょう。