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日本の貧困問題に挑む。情報格差を埋めるCOMPASSプロジェクトの取り組み

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日本の貧困問題は深刻化してきており、特に、生活保護を受けるべき人々がその存在や申請方法を知らないことが大きな課題となっています。

このような背景の中で、認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい(以下、もやい)が提供する『COMPASSプロジェクト』は、革新的な解決策を提供しています。

本記事では、日本の貧困問題と「COMPASSプロジェクト」についてご紹介します。

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    日本の貧困問題について

    貧困は絶対的貧困と相対的貧困の2つに分類されます。

     絶対的貧困は主に途上国にみられますが、相対的貧困は先進国でも問題視されています。

    なかでも日本の相対的貧困率は高く、OECD(経済協力開発機構)によると日本の相対的貧困率は15.4%とG7(主要7か国)のなかで最も高くなっており、特にひとり親家庭や高齢者世帯でその傾向が顕著です。

    このような家庭では、経済的な困難だけではなく、社会的孤立や心身へのストレスも高く、世代を超えて貧困が連鎖することが問題視されています。

    貧困や、その連鎖断ち切るためには、様々な働きかけが必要ですが、なかでも『情報格差』をなくすことで、今ある支援を必要な人に届けることが重要です。

    絶対的貧困と相対的貧困とは

    • 絶対的貧困:国や地域の生活レベルに関わらず、生活に必要最低限の物資を手に入れることができない状態
    • 相対的貧困:等価可処分所得の中央値の半分の額を下回る等価可処分所得しか得ていない状態

    COMPASSプロジェクトの取り組み

    もやいが取り組む『COMPASSプロジェクト』では、社会的支援を必要とする人々をサポートするために3つのWebサービスを提供しています。

    もやいが2024年6月25日に発表した、COMPASSプロジェクトの報告(2023年度)を参照しながら各サービスについてご紹介します。

    1.PASS(生活保護申請書作成サービス)

    PASSは生活保護申請書をオンラインで作成できるサービスです。

    一部の自治体においては申請書の入手自体が困難であることや、心身に障がいがあ複数回役所に出向くことが負担になる人にとって、申請のハードルを下げることが期待できます。

    2023年度には3,386人がアクセスし、そのうちの574人が申請書を出力しており、2022年度より大幅に利用者を増やしています。

    PASSのように、困っていると勇気を出してあげた声を適切に届けるためのサービスが広がっていくことで、貧困率の改善は進んでいくのではないでしょうか。

    2.支援検索ナビ

    支援検索ナビは、自身が置かれている状況をチェックリスト形式で入力すると、受けることのできる支援制度や関連する支援情報にアクセスできるサービスです。

    検索できる支援制度は経済的なものだけではなく、虐待やDVなどの被害に合ってしまった場合に受けることのできる支援についても網羅されています。

    日本には様々な支援制度がありますが、そもそもその支援制度自体を知らないという人も多いでしょう。

    必要な人に必要な支援を届けるためには、まずは支援の存在を知ってもらうことが重要といえるでしょう。

    3.チャット相談サービス

    PASS、支援検索ナビ以外にも、もやいではチャットで相談ができるサービスも展開しています。

    ボットによる自動応答以外にも、毎週金曜日の13時~16時、第2、第4月曜日の18時~21時の時間帯には相談員に直接相談できるため、面談や電話での相談に抵抗がある人を支援に繋げるきっかけになっています。

    実際に2023年度には3,144人のチャットサービス利用者のうち、287件はもやいの相談員が直接対応を行っており、オンライン上ではありますが、人が対応することで柔軟性や迅速性を担保することのできる相談手段の一つとして有効に働いているようです。

    COMPASSプロジェクトの今後の展開

    現在、国は生活保護行政のシステムの標準化を進めています。もやいは、これと併せてオンラインでの申請ができるシステム整備するよう厚生労働省に求めています。

    「申請権を保障するためには、国がそのための仕組みづくりに積極的に取り組む必要がある」と、もやいの生活相談・支援事業コーディネーターの結城翼さんは述べています。

    その第一歩として、男女共同参画センターなどの一部公的機関にCOMPASSプロジェクトのサービスが記載されているCOMPASSカードの配布を行っており、2024年度も引き続きCOMPASSプロジェクトが広まるよう活動を続けていくようです。

    まとめ

    日本の貧困問題は想像よりもずっと深刻です。

    その要因は多岐にわたりますが、まずは『情報格差』を無くすことによって、支援を適切に受けることが、貧困やその連鎖を止めるきっかけになるでしょう。

    『情報格差』を無くすためには、誰もが必要な支援情報に簡単にアクセスできること、そして支援を受けるためのハードルを無くすことが重要です。

    もやいが進めるCOMPASSプロジェクトが拡大することは、日本の貧困問題解決のきっかけになるでしょう。

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