2022年4月までの住宅ローンの金利推移を金利タイプごとに振り返り!今もっともおトクな住宅ローンの金利タイプを毎月更新
2022-05-12
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こんにちはブロガーの千日太郎です。
ナビナビ住宅ローンでは、金利タイプ別の来月の金利予想を毎月公表しています。
そして前月の予想に対して実績の金利がどうなったか?
また、過去から今月までの金利推移を分析し、現時点でのおススメ度を5段階評価で評価してみました。
変動金利 | |
---|---|
オススメ度 4.0点 | もともと低金利で、今後さらなる下がり代は少ない。 米利上げが日銀への利上げ圧力になる可能性は否定できない。 |
30年超の固定金利 | |
フラット35 オススメ度 4.0点 | 米金利上昇が波及し、日銀が抑えこんでも実質的な長期金利が上がると上がらざるを得ない。 |
民間 オススメ度 4.5点 | 金利上昇局面であるが、2メガバンクが低金利競争に入りかけている。 |
20年固定金利 | |
オススメ度 4.0点 | 控除率1%の適用がある人にとっても、0.7%の人にとっても魅力が減少傾向。 |
10年固定金利 | |
オススメ度 3.5点 | 米金利上昇に伴い大幅に上昇しており、今後も上がる可能性がある。 |
目次
金利タイプ別2022年4月までの金利推移
では、直近2022年4月までの、住宅ローン金利タイプごとの前月予想の答え合わせとこれまでの金利推移、おススメ度について詳しく見ていきましょう。
金利タイプごとの金利推移・
おススメ度
30年超の超長期固定金利
30年超の超長期固定金利の代表はフラット35です。
住宅金融支援機構の証券化支援事業をもとに民間金融機関と共同で2003年から提供されている住宅ローンであり、民間銀行が金利を決める際にも参考になっています。
フラット35の金利予想と実績
2022年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 |
---|---|---|---|---|
千日予想 | 1.3% に下がる | 1.3~1.35% に上がる | 1.37~1.42% に上がる | 1.37~1.43% 横ばいか下がる |
実績 | 的中!! | 的中!! | 1.43%に上昇 | 1.44%に上昇 |
FRBパウエル議長は今後の0.5%利上げを支持し、急激にタカ派寄りにシフトしていることを受けて米長期金利が急上昇し、フラット35の金利も予想を上回り、上昇し続けています。
5月の予想については1.5%前後まで上がる可能性もあると見ています。
詳しくは下記記事を読んでみてくださいね。

グラフのフラット35の金利は買取型としており、長期金利は住宅金融支援機構が販売する機構債の表面利率の発表日前日の新発10年国債利回りの終値としています。
2022年に入ってからの長期金利の急上昇はすさまじく、これに伴ってフラット35の金利も大きく上昇しています。
しかし、フラット35は公的融資であることから、長期金利の急上昇に対して適用金利の上昇は抑えられているのです。
特にコロナ後にその傾向が顕著に出ており、コロナ前はオレンジの折れ線グラフ(フラット35金利)が青い折れ線グラフ(長期金利)よりも上にあったものが、コロナ後には上下関係が逆転しています。
このようにフラット35は長期金利が急上昇する場面で利用者に配慮した対応を行うことがあるので、特に金利が上昇している今のような局面では保険になります。
しかし、後述する民間の超長期固定金利は、4月に入ってからみずほ銀行と三菱UFJ銀行という2つメガバンクが目玉商品を打ち出す状態となっており、これから低金利競争が行われる可能性があります。
そのため、お勧め度は前月よりも0.5下げて4.0 とします。
フラット35のオススメ度
5点満点の4点
民間金融機関の超長期固定金利については、2022年3月に「便乗利上げ」かと思うような大幅上昇となりました。
しかし、4月は三菱UFJ銀行が35年固定金利に低金利の商品を打ち出しており、従来はみずほ銀行1強であったところから2つのメガバンクの競争が始まりました。
そのため、今後の低金利の期待を込めてお勧め度は前月から0.5上昇させて4.5とします。
民間金融機関の
超長期固定金利オススメ度
5点満点の4.5点
20年固定金利
長期金利の上昇に伴って、主要銀行の20年固定金利の適用金利は軒並み1%を超えてきました。
今後は20年固定金利が銀行の主力商品から外されていく可能性もあります。
20年固定の金利予想と実績
2022年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 |
---|---|---|---|---|
千日予想 | 下がる | 上がる | 上がる | 下げる 又は 横ばい |
実績 | 横ばい 又は 下がった | 的中!! | 的中!! | 上がる 又は 横ばい |
5月は上がるか横ばいと予想しています。
前述した35年固定で2つのメガバンクが金利競争を始めていますので、20年固定金利は35年固定の金利水準よりは低い必要があります。
もし上がったとしても、これまでよりは小幅な上昇に抑えられるのではないかと予想しています。
詳しくは下記記事を読んでみてくださいね。
コロナ前から2022年4月までの推移とおススメ度

グラフのフラット35の金利は買取型としており、20年固定金利は低金利を出している金融機関の2019年初頭から直近までの金利推移を模式的に表したものとなっています。
金利が1%を超えているため、住宅ローン控除の控除率が1%の人にとってのお勧め度は前月の5.0から4.0に下がります。
また今後は銀行の主力商品から外れる可能性もあるためこれから購入を検討する人にとっても4.0とします。
20年固定金利のオススメ度
5点満点の4点
10年前後の中期固定金利
主要銀行の10年固定金利は2022年から大幅に上昇し4月のネット銀行は概ね0.7%前後の水準でそろってきており、メガバンク系は0.8%台後半にまで上がってきています。
10年固定金利の金利予想と実績
2022年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 |
---|---|---|---|---|
千日予想 | 下がる | 上がるが 上昇は抑えられる | 0.7%前後 に上昇する | 下げる 又は 横ばい |
実績 | 横ばい 又は 下がった | 抑えられた | 的中!! | 上がる 又は 横ばい |
なお2022年3月の10年固定金利については住宅ローン控除率と同じ0.7%前後にそろってくるという予想が的中したのですが、4月に0.7%付近となったのは一部のネット銀行だけでメガバンク系は0.8%後半まで上昇させました。
今後はネット銀行もメガバンク系に合わせて0.8%台まで上昇する可能性もあると見ています。
詳しくは下記記事を読んでみてくださいね。
コロナ前から2022年4月までの推移とおススメ度

グラフは過去から10年固定金利を主力商品としている金融機関の2019年初頭から直近までの最低金利の推移を模式的に表したものとなっています。
10年固定金利は2020年3月のコロナショックによっても全く変動はなく、金利は下がりつづけました。
しかし、2021年11月と2022年3月に大きく金利を上げており、低金利のネット銀行(PayPay銀行)で0.69%となっています。
これは、令和4年度税制改正によって住宅ローン控除の控除率が0.7%に引き下げられた影響と見ています。
ただし、メガバンク系の主力銀行はこれをはるかに上回る0.8%台後半にまで上がっているため、ネット銀行も0.7%台を守る必要性が無くなってきています。
そのため今後は上昇可能性が高くなっており、おススメ度は前月よりも0.5下げて3.5点とします。
10年固定金利のオススメ度
5点満点の3.5点
変動金利
各行が名目上の最低金利を競っているような状態ですが、変動金利についてはどの銀行も僅差です。
変動金利はおおむね横ばい
2022年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 |
---|---|---|---|---|
千日予想 | 横ばい | 横ばい | 横ばい | 横ばい |
実績 | 的中!! | 的中!! | 的中!! | 的中!! |
変動金利はおおむねどの銀行も0.5%を下回る水準です。
固定金利が上昇するなかであえて変動金利が上昇していない理由は、変動金利は債権者の判断で6か月ごとに金利を上げられるためです。
なお、2022年5月の金利予想も「横ばい」としています。
しかし、来年には日銀がポスト黒田となり、金融緩和政策を正常化させていく可能性もささやかれています。
詳しくは下記記事を読んでみてくださいね。
リーマンショックから2022年4月までの推移とおススメ度
変動金利は銀行間で資金の融通を行うと市中金利に連動し、これは中央銀行(日銀)が民間銀行に融資する政策金利の影響を受けると言われます。
リーマンショックから直近までの日米の政策金利の動向をグラフにしました。

リーマンショックのときには、日米ともに政策金利を引き下げています(ゼロ金利政策)。
その後米国の景気が回復して米国の政策金利は2016年あたりから順次引き上げられていきましたが、日本は全く上げることが出来ずマイナス金利政策を継続しています。
米連邦準備制度理事会(FRB)は、2022年3月の会合で0.25%の利上げを行いました。
さらに5月には一足飛びに0.5%の利上げも辞さないというパウエル議長の発言もあり、米国がさらに利上げのペースを上げていくことが懸念されています。
日銀の黒田総裁は4月11日の支店長会議において、今後の国内景気は資源高の影響を受けつつも回復していくとの見通しを示し、必要があれば躊躇なく追加緩和すると改めて強調しています。
そのため短期スパンで変動金利が上がる可能性は低いですが、長期的なスパンでは変動金利が上昇する可能性があり、おススメ度は前月の4.0を維持します。
変動金利のオススメ度
5点満点の4点
まとめ~世界的な金利上昇の傾向と日銀の政策転換の可能性
ウクライナ侵攻の有事にあって、米国の利上げは断行されました。
さらにそのペースを早めていくとの観測から長期金利は上昇傾向にあります。
日銀の黒田総裁は金融緩和政策の継続を堅持していますが、来年の任期満了後の新体制では大きな転換がある可能性も囁かれています。
固定金利については今後も上昇傾向にあります。
これに対して変動金利は今のところは横ばいですが、来年にポスト黒田が誰になるかによっては利上げに舵を切る可能性もあります。
今の時点ではどの選択が正解とも不正解とも言えない状況だと思います。
こうした予想は、あくまで執筆時点の公開情報に基づき千日太郎個人が予想していることです。
実際の金利動向はその通りにならない可能性は大いにあり得ます。
複数の金融機関、異なる金利タイプで本審査を通しておくことが、想定外の事態に対する保険となります。
面倒がらずにぜひ実践してくださいね!