銀行カードローンの規制と利用者への影響を分かりやすく解説!
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2017年の春頃より銀行カードローン問題がクローズアップされるようになりました。2018年に入り、さらに規制が強化されています。
なぜ銀行カードローンが問題視されるようになったのか。そして利用者にはどのような影響があるのか、カードローンを検討されている方は気になるところですよね。
こちらの記事では銀行カードローン自主規制が行われた理由や規制の内容を説明します。さらに銀行カードローン利用への影響などについても詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
銀行カードローンの規制と利用者への影響を分かりやすく解説!
飯田 道子 / ファイナンシャルプランナー
【専門家の解説】
銀行のカードローンの規制と聞くと、何やら自分たちに不利になることなのでは?でも、それは、融資を受けた私たちを守るための規制に過ぎません。ここでは銀行カードローンはどのようになっているのか、どのような影響があるのかを解説していきます。一見すると、厳しそうなイメージのある銀行の違う一面を知ることができるかもしれませんよ。
▼銀行カードローン選びで悩んでいたら、こちらの記事を是非参考にしてください。
ファイナンシャルプランナー
監修者飯田 道子
金融機関勤務を経て1996年FP資格を取得。
現在は各種相談業務のほか、セミナー講師、執筆活動、独立支援などを活動は多岐に渡る。
どの金融機関にも属さない独立系FPとして、金融・保険情報が得意。
また海外移住の相談などにも対応しており、特にカナダや韓国への移住支援などを行っている。
「宅建資格を取るまえに読む本」「貯める!儲ける!お金が集まる94の方法」「介護経験FPが語る介護のマネー&アドバイスの本」「テラー必携‼ あなたのファンを増やす魔法の質問」などの著書もあり。株式会社エイチームライフデザイン
編集者イーデス編集部
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初心者でもわかる!お金に関するアレコレの選び方BOOK
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■許認可
有料職業紹介事業(厚生労働大臣許可・許可番号:23-ユ-302788)
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銀行カードローン自主規制の背景
なぜ今、銀行カードローンの自主規制が行われるようになったのでしょうか?その理由は「銀行カードローンの貸しすぎ」が問題になっていることにあります。
それでは、なぜ銀行カードローンが貸しすぎになってしまったのでしょう?むしろ「消費者金融のほうが貸しすぎなのでは」と思われる方も多いのではないでしょうか。
たしかに、過去に消費者金融の貸しすぎが社会問題になったことがあります。しかし平成22年の「総量規制実施」により、消費者金融の貸付額は厳しく制限されました。その結果消費者金融業界は一気にしぼんでしまっているのです。
銀行カードローンの貸しすぎが社会問題化
総量規制実施の時点で銀行カードローンは規制の適用外とされました。適用外とされたのは「銀行は消費者金融よりもきちんと審査を行うだろう」という金融庁の考えもあったと言われています。
ところが、銀行は金融庁の思惑とはうらはらに「カードローン貸付競争」に走ってしまいました。「金利の低さ」や「総量規制対象外」などを武器に消費者金融もびっくりの高額貸付も見受けられるようになっていたのです。
しかも近年の銀行カードローンの審査は「保証会社への丸投げ」が当然のように行われていました。
万が一融資金が焦げ付いてしまっても、保証会社が肩代わりしてくれます。そのため銀行はほとんどリスクを負わずに貸出できてしまうことになるのです。
そのため保証会社が保証してくれるなら、銀行はろくに審査せずに融資していたというのが実態だったのです。
日本弁護士連合会が銀行カードローンに「待った」
せっかく消費者金融を総量規制で制限しても、銀行のカードローンに歯止めがなければ意味がなくなってしまいます。実際のところ、2015年には貸出総額で銀行カードローンが消費者金融を逆転しているのです。
銀行カードローンの急増もあり、それまで順調に減少していた自己破産の件数が増加に転じてしまいました。そして、自己破産手続き等に深く関係する日本弁護士連合会はこの状況を問題視します。
「銀行等による過剰貸付の防止を求める意見書」を総理大臣や全国銀行協会会長などに提出するに至りました。
全国銀行協会側もこの意見書を無視するわけにもいかず「銀行による消費者向け貸付に係る申し合わせ」を公表しました。
これは実質的な「銀行によるカードローンの自主規制」にあたります。
さらに全国銀行協会は銀行カードローンの実態調査のために、全銀行にアンケートを実施しました。カードローンを取り扱っている全国123行すべてから回答がありました。「総量規制対象外」表記がほとんどの銀行取りやめとなっているなど、自主規制が効いていることが判明しています。
その他項目でも「現在見直し検討中」との回答を寄せた銀行も多く、今後も自主規制が進むのは間違いなさそうです。
銀行カードローン自主規制の具体的内容
全国銀行協会の銀行カードローン自主規制の内容を以下の表に簡単にまとめました。
自主規制の項目 | ワンポイント解説 |
---|---|
1. 配慮にかけた広告・宣伝をおさえる | ・過剰な借入とならないように「総量規制対象外・年収証明書不要」など、配慮にかけた表示を行わない |
2. 消費者向け金融の健全化に向けた審査体制などの整備 | ・収入証明書の提出基準の厳格化 (提出基準300万円超→50万円超など) ・信用情報を活用した返済能力の確認の徹底 ・信用保証会社とコミュニケーションを深め審査の適切性をチェックする ・貸出後も定期的に信用状況のチェックに努める |
自主規制内容のなかでとくに重要なポイントは以下の2点です。
- 銀行は過剰な宣伝や勧誘を行わない
- 銀行はカードローン審査をしっかり行い、貸出後もチェックをおこたらない
これらは消費者金融に適用される「改正貸金業法」の考えかたに沿った内容と言えるでしょう。
自主規制ですので法的な強制力はありません。しかし全国銀行協会の取り決めを無視することは、どの銀行もできないはずです。
きちんとこれらの自主規制が行われれば、過剰な貸付問題はある程度解決に向かうことが期待できるでしょう。
自主規制に伴う各銀行の取り組み
先ほど解説した銀行カードローン自主規制をふまえ、各銀行では以下のような取り組みを行っています。
- 「ご利用は計画的に、借り過ぎにご注意ください」といった言葉を広告などに含める
- TVCMの放映時間の見直し
- 「総量規制対象外」「年収証明書不要」などの表記を公式サイトなどから削除
- 「下限金利」「即日融資」などを過度に強調した広告の取りやめ
- 年収借入比率の見直し
- 信用保証会社との情報共有を強化
- 保証会社の審査に頼らない、独自の審査の実施
「年収証明書不要」や「即日融資」などの勧誘ができなくなることで、気軽に利用しようという方がある程度減ることでしょう。
また年収借入比率の見直しによって、消費者金融の総量規制のような厳しさが加わる可能性があります。
さらに保証会社に審査を丸投げせず、各銀行での審査も実施されるのが基本となる方向です。
1級ファイナンシャルプランニング技能士
監修者 飯田 道子の一言コメント!
大きく変わった点としては、即日融資ができなくなっていることです。実際に、融資までの時間はどんなに早い銀行で申し込んだ日の翌営業日以降、概ね1週間以上は見ておいた方が良いでしょう。また、書類の提出も厳重に行われるようになりました。また、総量規制対象外とはいえ、独自に基準を設定し、上限金額は無理なく返済できる金額までと決めています。
飯田さん
銀行カードローンの規制によって利用者が受ける影響
銀行側からの勧誘が控えめになることから、「手軽にサッと借り入れしよう」という気持ちにはならなくなるかもしれません。
また「年収借入比率」の見直しによって、以前よりも審査が厳しくなるケースも出てきそうです。
総量規制が今後銀行カードローンに適用されるかは定かではありません。しかし総量規制に準じた「年収借入比率」を設定するカードローンが増えてくる可能性はあるでしょう。
また全国銀行協会の自主規制とは別の規定も2018年1月より始まります。それは銀行がカードローンなどの消費者向け融資を行なう場合、あらかじめ警察庁のデータベースへの照会が義務付けられるというものです。
警察庁への情報照会の本来の目的は「反社会勢力」への資金供与を防ぐことです。ただしこの情報照会は「最短でも翌営業日回答」というのが重要なポイントとなります。
この照会の時間があるがために銀行カードローンの即日審査は不可能ということになるのです。
銀行にとっては反社会勢力の情報はありがたいものですが、時間がかかるのがネックとなります。
ここで自主規制によって利用者が大きく影響を受けるポイントをまとめると以下になります。
- 年収借入比率が厳しくなる
(総量規制に準じた自主規制が行われる可能性) - 収入証明書の提出基準が厳しくなる
(300万円まで不要だったのが50万円超から提出が必須となるなど) - 即日融資・即日審査は利用できなくなる
(警視庁データベース回答が最短でも翌営業日となるため)
急いで借りたい方や、総量規制ギリギリの借入をしている方には厳しい影響が出てくるでしょう。
1級ファイナンシャルプランニング技能士
監修者 飯田 道子の一言コメント!
巡り巡って利用者が受ける影響として、反社会勢力への資金流入を防ぐために、警察庁のデータベースへの照会が義務付けられたことがあります。単純に審査だけなら、自行と自行の関連会社の保証会社のみで審査をするなら即日融資も可能だったかもしれませんが、警視庁のデータベースの回答に時間がかかるために、融資までの時間がかかるようになってしまいました。これは、銀行という極めて公共性の高い機関であるがゆえの影響であると言えるでしょう。
飯田さん
自主規制があるから銀行カードローンはおすすめできない?
これほど様々な規制があることには、銀行カードローンはやめておこうかと考える方も多いかもしれません。
しかしすべての方が銀行カードローンを利用しにくくなるという訳ではありません。
たとえば自主規制があったとしても、銀行カードローンの方が低金利であるのは変わらないのです。
またコンビニATMなどの利用無料の特典も、銀行カードローンのほうが有利なことが多いです。
自主規制後に銀行カードローンと消費者金融カードローンのどちらを優先した方が良いのでしょうか?こちらでチェックポイントをまとめて確認しましょう。
銀行カードローンを優先した方が良い方 | 消費者金融カードローンを優先したほうが良い方 |
---|---|
・融資を受けるまでに翌日~数日程度待てる方 ・まとまった金額を長い期間借りたい方 (銀行のほうが低金利なため) ・コンビニなどのATMを無料で利用したい方 ・近い将来、住宅ローンを借りる予定がある方 (消費者金融利用履歴は審査に影響大) | ・なるべく早く(即日)融資を受けたい方 ・数日~3ヶ月程度の短期間だけ借りたい方 (無利息期間を活用) ・審査通過を優先したい方 |
以上のポイントを見ていただけば、あなたがどちらを選ぶべきかはケースバイケースであることがお分かりいただけるでしょう。
究極的には「一刻を争うような短期決戦」の場合は消費者金融を選ぶのがおすすめです。それに対し「急がないが、まとまった金額をじっくり返済したい」場合は銀行カードローンを選択するのが基本となります。
▼銀行カードローンの審査については、こちらの記事をご参考にしてください。
▼消費者金融について詳しく知りたい方は、こちらをご参考にしてください。
最新版!自主規制後もおすすめの銀行カードローン
結論から言いますと、利便性を考えるとやはり3大メガバンクの銀行カードローンがオススメです。そのなかでもランキングというよりも、やはり「何を一番重視するか」によってきちんと選んだほうが良いでしょう。
それぞれのカードローンをひとつひとつチェックしていくのは時間がかかりすぎます。そこでこちらではズバリ1分で最適なカードローン選びをできる一覧表を用意しました。
重視ポイント | カードローン名称 | ワンポイント解説 |
---|---|---|
金利重視派 | みずほ銀行カードローン | 上限金利が最も低金利 |
金利の低さを重視するなら「みずほ銀行カードローン」
「金利の低さ」を重視するのであれば「みずほ銀行カードローン」一択です。他メガバンクは上限金利が年14.5%~14.6%のところ、は年14.0%※となっています。
※住宅ローンの利用で、みずほ銀行カードローンの金利を年0.5%引き下げます。引き下げ適用後の金利は年1.5%~13.5%です。
ただし、みずほ銀行口座からの返済が必須です。
まとめ
こちらの記事では銀行カードローンの自主規制を中心に解説しました。最後にもう一度重要なポイントを振り返っておきましょう。
ここまでのおさらい
- 2017年春頃から銀行カードローン貸し過ぎ問題がクローズアップされる
- 全国銀行協会が銀行カードローンの自主規制案を公表
- 2018年1月から銀行の即日審査・即日融資が不可能に
- 年収証明書の提出基準や年収借入比率等の審査基準見直しが進行中
- 保証会社に頼らない銀行独自の審査が強化される傾向
- 自主規制があるからと言って、必ずしも消費者金融がおすすめとは限らない
銀行カードローンの自主規制によって、大きく銀行カードローンが変化しつつあることを感じていただけたのではないでしょうか。
ただ、自主規制があるからといって銀行カードローンの魅力がなくなってしまったわけではありません。
自主規制後であっても銀行カードローンを利用したほうが良いケースもあります。あせらずにじっくりと、あなたにピッタリのカードローンを選ぶようにしてください。
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1級ファイナンシャルプランニング技能士
監修者 飯田 道子の一言コメント!
以前の銀行は、お金を借りる必要のない人にまでローンカードを作ってもらい、スキあらば?借りて欲しいとあの手この手で攻めていました。そして、気づけば総量規制対象外を良いことに、高額貸付けが行われていたこともあったのです。そうなれば、必然と融資は焦げ付いてしまいます。ただ銀行の場合、焦げ付いた融資額は保証会社が保障するため、痛みを伴っていなかったのです。これでは、好きなように貸してしまいますよね。ちょっと、意外じゃありませんか?
飯田さん