
【図解】先物取引・オプション取引の違いとは?どっちが儲かる?【初心者入門】
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- 先物取引とオプション取引の違いって何?
- 先物取引とオプション取引、儲かるのはどっち?
先物取引とオプション取引は、いずれもデリバティブ(金融派生商品)取引の一種類ですが、次の3つの違いがあります。
先物取引 | オプション取引 | |
売買するもの | 将来の商品 | 売買の権利 |
証拠金 | 買う時:必要 売る時:必要 | 買う時:不要 売る時:必要 |
損益 | 価格変動で利益も損失も膨らむ | 利益や損失を限定させることができる |
先物取引とオプション取引の違いを知らずに取引すると、損失拡大や利益獲得機会を逃すことにもなりかねないので注意しましょう。
この記事では、先物取引とオプション取引の特徴やリスクの違いを解説します。
最後まで読めば、先物取引とオプション取引の違いが分かり、どのような場合にいずれの取引を利用すべきか分かるようになるでしょう。

2022年1月23日時点の情報を掲載しています。
ファイナンシャルプランナー
監修者石原玄紀
中京大学経済学部卒業後、FP事務所に入社。2005年にはCFPを取得。
その後、トヨタファイナンシャルサービス証券(現:東海東京証券)、東海東京ウェルス・コンサルティングにて、経営企画や営業、大手税理士法人への出向、富裕層部署の相続コンサルタントとして従事。
2020年にIFA(独立系金融アドバイザー)「きわみアセットマネジメント」へ初期メンバーとして入社後、2023年に独立。
中京大学付属中京高校で資産形成に関する授業の実施経験もあり。イーデス編集部 / 株式会社エイチームフィナジー
編集者小林 梨沙
1989年生まれ、愛媛県松山市出身。
大学卒業後、株式会社ブリッジインターナショナルに入社。外資系教育サービス会社にて、薬機法や品質マネジメントシステムのインサイドセールスを担当。その後、スーパーバイザーとして、日系大手企業のインサイドセールスプロジェクトの立ち上げを行う。
2019年に株式会社エイチームフィナジーに入社。FX、新規事業開発部を経て、イーデスの編集者に就任。
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「先物取引」と「オプション取引」の仕組みの違い【図解】
売買するもの | 取引対象商品 | |
先物取引 | 「将来の商品」を取引 | 株価指数 REIT指数 国債 貴金属 原油などの商品 |
オプション取引 | 「権利」を取引 | 株価指数 REIT指数 |
先物取引とオプション取引は、大阪取引所または東京商品取引所で行われています。
先物取引の代表的な商品には、日経225先物やTOPIX先物、オプション取引の代表的な商品には、日経225オプション、TOPIXオプションがあります。
これらの取引がどのように行われているのか、詳しく見ていきましょう。
概要・向いてる人等分かりやすく解説
「先物取引」は将来の商品を決めた価格で取引して利益を得る
Point
先物取引は、あらかじめ決めた価格で将来の商品を売買する
先物取引とは、将来において、あらかじめ決めた価格で取引ができるものです。
実は、先物取引は日本から始まった取引と言われており、以前はお米を中心に行われていました。
天候などに左右され、お米の収穫量が予想しづらかった江戸時代に、先に決めた価格で取引を可能にすることで、安定的な取引を実現させたのがきっかけで始まりました。
現在は、株価指数を中心に、先物取引が行われています。
Point
先物取引は、価格を推測することで利益を得る
通常の現物取引では価格が上昇した場合のみしか利益を得ることができませんが、先物取引では、価格が上がった場合も、価格が下がった場合も両方で利益を得ることができます。

例えば、将来価格が上昇すると見込んでいる場合は、先物を買います。
この時、約束した購入価格よりも将来の価格が上昇すれば、購入価格と実際の価格の差が利益となります。
一方、将来価格が下落すると見込む場合は、先物を売ります。
約束した売却価格よりも将来の価格が下落すれば、売却価格と実際の価格の差が損失となります。
「オプション取引」は権利の売買で利益を得る
Point
オプション取引は、買う権利と売る権利を売買する
オプション取引は、あらかじめ決められた期日までに事前に決めた価格で売買する権利を取引します。
買う権利をコール・オプション、売る権利をプット・オプションといいます。
- コール・オプションを買う人もいれば売る人もいます
- プット・オプションを買う人もいれば売る人もいます
そのため、オプション取引には4つのパターンが存在します。
Point
4つのパターンで損益の発生が異なる
オプション取引では、買い手が売り手にプレミアムを支払うことで取引がスタートし、4つのパターンにより、損益の発生が変わります。
大きな特徴は、コール・プットのいずれも、買い手は利益が限定されませんが、売り手は当初に受け取ったプレミアム分に利益が限定される点です。

プレミアム | 権利行使 | 利益の発生 | |
買い | 支払う | 買う権利を買う | 価格上昇により利益発生(無限大) |
売り | 受け取る | 買う権利を売る | 価格下落により利益発生(プレミアムに限定) |
プレミアム | 権利行使 | 利益の発生 | |
買い | 支払う | 売る権利を買う | 価格下落により利益発生(無限大) |
売り | 受け取る | 売る権利を売る | 価格上昇により利益発生(プレミアムに限定) |
4つのパターンのうち、価格が上昇することで利益が得られる「コール・オプションの買い」を例として紹介します。
例えば、500円で買う権利を買った人が、その後価格が800円となったとします。
結果、500円で買い、800円で売れば300円利益が発生します。
このような取引がコール・オプションの買いの仕組みです。
「先物取引」と「オプション取引」の特徴の違い
特徴 | |
先物取引 | ・原資産を売買することを約束する取引 ・買いも売りも証拠金が必要 ・一つの取引では損失を限定できない |
オプション取引 | ・買う権利または売る権利を売買する取引 ・買いは証拠金不要、売りは証拠金が必要 ・オプションの買いは損失を限定できる |
先物取引とオプション取引の大きな違いは、取引の仕方、証拠金、損失が限定できるかどうかにあります。
いずれも少ない資金で大きな取引ができる点、下落局面でも利益を狙うことができる点は共通していますが、実際にはまったく異なる取引です。
それぞれどう異なるのか、次に違いを確認していきましょう。
「先物取引」は証拠金以上の損失が発生しない
先物取引の特徴
- 原資産を売買することを約束する取引
- 買いも売りも証拠金が必要だが、証拠金以上の損失は発生しない
- 現物株取引の値下がりに備えたヘッジ取引が可能
先物取引は、レバレッジをきかせることで、手元にある資金以上の取引ができ、大きなリターンを狙える可能性があります。
大きなリターンが狙える半面、想定と逆の動きになった場合に損失が膨らむ可能性がありますが、証拠金以上の損失は発生しません。
また、現物で保有している株式の値下がりに備えて、先物取引の売りを行うといったヘッジ取引に活用することも可能です。
「オプション取引」は買い手の証拠金不要で、コール・オプションの買いでは利益が無限大
オプション取引の特徴
- 買う権利または売る権利を売買する取引
- 買い手は証拠金不要で取引できる
- オプションの買いは損失を限定できる
- コール・オプションの買いは利益が無限大
オプション取引では、売り手は証拠金が必要ですが、買い手は証拠金が不要です。
※買い手はプレミアムを支払う必要があります。
オプションの買い手は、買う権利を放棄することができ、損失発生時でもプレミアム分の損失に限定されます。
また、コール・オプションの買いは、利益が無限大なので、大きな利益を期待することも可能です。
「先物取引」と「オプション取引」のリスクの違い
先物取引もオプション取引も、元本・利益が保証されていない点は、共通の注意点です。
想定通りの結果となれば利益を得られますが、想定通りにならなかった場合には損失を被る可能性があります。
どちらもレバレッジをかける取引なので、利益が大きいものの、取引によっては損失も大きく膨らむ可能性があるため注意してください。
ここからは、各取引のリスクを説明します。
「先物取引」は証拠金不足により損失が大きく膨らむ恐れがある
先物取引のリスク
- 元本・利益は保証されていない
- 証拠金不足に陥る可能性あり
先物取引では、買い手は価格が上がることで、売り手は価格が下がることで、利益を得るため、相場が予想と反した動きとなった場合には損失が膨らみます。
少ない証拠金をもとに大きな利益が狙えるものの、損失発生により当初に差し入れた証拠金が不足し、追加で証拠金を預けなければ取引が継続できなくなる恐れがあります。
また、証拠金を追加しても損失がどんどん膨らみ、損失がより拡大する可能性もあります。
そのため、損切りをどう設定するか、追加の証拠金支払いが発生した場合、どこまで追加で差し入れるかをしっかり検討したうえで取引に臨む必要があります。
「オプション取引」は売り手の損失が膨らむ可能性がある点に注意が必要
オプション取引のリスク
- 元本・利益は保証されていない
- 買い手はプレミアムを失う可能性がある
- 売り手は損失が膨らむ可能性がある
オプション取引では、コール・オプションの買い手とプット・オプションの売り手は価格が上がることで、利益が発生します。
また、コール・オプションの売り手とプット・オプションの買い手は、価格が下がることで利益が発生します。
買い手も売り手も、相場が予想と反した場合には、損失が発生します。
コールもプットも買い手は利益が無限大、損失がプレミアム分に限定されます。
そのため、買い手は損失として最大でもプレミアム分に限定できます。
一方、コールもプットも売り手は利益がプレミアム分に限定され、損失は状況次第で大きく膨らむ可能性があり、取り返しがつかなくなる恐れもあるため注意が必要です。
「先物取引」と「オプション取引」はどっちが儲かる?

「先物取引」と「オプション取引」はどっちに投資する方が儲かるの?
どのように投資するかによって変わってきます。
ひとえにどちらがよいとは判断は難しく、どのような取引を組み合わせるか、どう投資するかで回答は変わります。

先物取引もオプション取引も、一か八かのハイリスクな取引をするのか、様々な取引を組み合わせリスクヘッジとして用いるのかによって損益の状況は異なります。
また、想定通りの結果となれば、いずれの取引を行ったとしても利益を得ることは可能です。
したがって、一概にどちらが良いとは判断するのは難しいといえます。
オプションの買い手の場合には、そもそも損失が限定されているため、投資はしやすいといえるでしょう。
「先物取引」と「オプション取引」の違いを活用した投資戦略
「価格が上がると見込んで買う、価格が下がると見込んで売る」といったように、想定通りになれば問題ありません。
しかし、逆の値動きとなった場合には大きな損失へと発展する恐れがあります。
そこで、先物取引やオプション取引をうまく活用することで、リスクを抑えながら取引を行う方法を構築できるのが「ヘッジ取引」です。
例えば、現物の日経平均株価のETFを保有している場合に、値下がりリスクに対処するため、日経225先物取引の売りを行います。
※これを売りヘッジといいます。
仮に日経平均株価が下がった場合、現物ではマイナスとなりますが、先物ではプラスとなり損失をカバーすることができます。
また、将来購入したい商品があるものの、購入前に価格が上昇した場合に備えるために先物取引の買いを行う方法を買いヘッジといいます。
想定通りに商品価格が上昇すれば、先物取引により価格上昇分をカバーできます。
また、オプション取引の一つの事例として「ロングストラドル」について紹介します。

ロングストラドルとは、原資産の価格が大きく変動しそうと予想される場合にとる投資戦略です。
これは、コール・オプションの買いとプット・オプションの買いを同時に仕掛けることで成立します。
ロングストラドルでは、権利行使価格の等しいコール・オプションとプット・オプションを同時に保有することで、損失を限定させます。
権利行使価格とは、将来の満期時に売買できる当初決めた価格のことです。
権利行使価格よりも価格が大きく上昇する又は大きく下落すると利益がることになるため、危機時などにも有効となります。
このように、組み合わせの仕方によって損失を限定しながら利益を取りにいったり、現物株に対する損失を回避することにも先物取引やオプション取引は利用されています。
使い方次第で、投資の幅が広がるでしょう。
「先物取引」と「オプション取引」が取引できる初心者向けネット証券
【初心者向け】先物取引・オプション取引ができるネット証券5選
【選定基準】
以下条件を選定基準としています。
①日経225先物、日経225オプションの手数料
②投資情報や取引注文方法など使い勝手が良いかどうか
SBI証券
おすすめポイント
- 取引ツールが無料で利用できる
- HYPER先物ではレバレッジが通常の2倍にできる
SBI証券はSBIネオトレード証券ほどではないにせよ、業界最安値の手数料水準にて先物やオプションを提供しています。
日経225オプションの売建が50枚までできる点は他社に比べて大きな特徴です。
また、HYPER先物コースを選択すると、通常のレバレッジの2倍となり、建玉の上限も500枚が上限となります。
この他、先物取引に便利なスマホアプリにより、取引したいときにすぐに取引できる点も評価できます。
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松井証券
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- 豊富な取引ツールと多彩な注文方法で、リスクコントロール可能
松井証券は主要ネット証券の中で、日経225先物の手数料がSBIネオトレードの次に安くなっています。
日経225オプションの買い建ては1,000枚と上限が設けられている点も特徴です。
松井証券のメリットは、多彩な注文方法にあります。
例えば先物取引では、逆指値、追跡指値、返済予約などリスクコントロールできる注文方法が設けられています。
注文方法を駆使してリスクを軽減しながら取引したい方におすすめです。
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マネックス証券
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取引画面も使いやすいです。
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楽天証券
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楽天証券は主要ネット証券の中で手数料は他社と遜色ない水準です。
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楽天証券の特徴は、株価指数だけではなく、商品先物、エネルギー先物など投資対象が豊富であることです。
国内外の株価指数先物や商品先物に投資できるのはメリットです。
また、楽天ポイントも貯まりますので、楽天ユーザーの方は活用されるとよいでしょう。
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まとめ
以上、先物取引とオプション取引の仕組み、リスクなどの違いについて確認してきました。
先物取引やオプション取引は、使い方によってリスクヘッジにも利用できる取引です。
是非自身にあった投資方法の一環として先物・オプションを利用した投資戦略を構築し、資産防衛・資産構築の両面から活用できるようになりましょう。
少ない資金で大きく取引ができるからと言って、安易に取引を開始するのではなく、特徴や注意点をよく理解すれば、上手に先物を使って取引を行うことができるでしょう。
