
年収200万円で住宅ローンを借り入れるのはリスクがある!理由を徹底解説
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さまざまな事情から年収200万円であるものの、住宅ローンを借りたいという人もいるでしょう。
と考えている人もいますが、年収200万円でも住宅ローンを借りること自体は可能です。
しかし、年収200万円で住宅ローンを借りると、日々の生活が苦しくなる恐れがあるため、借り入れはおすすめできません。
年収200万円でもゆとりのある生活を送れる範囲で住宅ローンを借りる場合、借入可能額は約870万円です。
そこで今回は、年収200万円で住宅ローンを借りるべきではない理由を解説したうえで、年収200万円でも無理なく返せる住宅ローンの借入額を説明します。
オフィス千日合同会社 代表社員 公認会計士 / 公認会計士中村岳広事務所
監修者千日太郎
公認会計士として、本名である中村岳広の名を掲げた公認会計士 中村岳広事務所を設立・運営。
独自のノウハウと公認会計士としての金融商品の分析力を生かし、
2014年から「千日太郎」として住宅ローンの情報をブログ「千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える」で発信。
「千日の住宅ローン無料相談ドットコム」では一般の人からの匿名相談に無料で乗り、コンサル内容をネットに公開している。
住宅ローンの金利動向やリスク対策について著した『住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本』など、複数の著書を出版。
▼書籍一覧
住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本
家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本
初めて買う人・住み替える人 独身からファミリーまで 50歳からの賢い住宅購入
住宅破産株式会社エイチームライフデザイン
編集者イーデス編集部
「ユーザーが信頼して利用できるWEBメディア」を目指す編集部チーム。実際のユーザーの声や業界知識の豊富な専門家の協力を得ながら、コンテンツポリシーに沿ったコンテンツを制作しています。暮らしに関するトピックを中心に、読者の「まよい」を解消し、最適な選択を支援するためのコンテンツを制作中です。
■書籍
初心者でもわかる!お金に関するアレコレの選び方BOOK
■保有資格
KTAA団体シルバー認証マーク(2023.12.20~)
■許認可
有料職業紹介事業(厚生労働大臣許可・許可番号:23-ユ-302788)
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年収200万円で住宅ローンを借りるべきではない3つの理由
冒頭でも伝えたように、年収200万円でも住宅ローンを借りることは可能です。
しかし、年収200万円で住宅ローンを借りると、返済中に家計が破綻する可能性があるため、借り入れはあまりおすすめできません。
住宅ローンを借りた年収200万円の人が破綻しやすい理由は、以下の3つが挙げられます。
年収200万円の人が住宅ローンで破綻しやすい理由
そのため、年収200万円で住宅ローンを借りたい人は、正社員を目指す・給与の高い企業に転職するなど、まず収入を増やすことを優先しましょう。
以下では、年収200万円で住宅ローンを借りるべきではない3つの理由について、詳しく説明します。
理由①大きな出費があると返済が滞る
年収200万円で住宅ローンを借りられたとしても、途中で返済が滞る可能性があることを念頭に置く必要があります。
年収200万円の場合、毎月の手取り月収は約13万円です。
毎月の住宅ローンの返済額を6万円と仮定すると、残った7万円でやりくりしなければなりません。
光熱費と通信費をそれぞれ1万円に、食費を2万円に抑えたとしても残額は3万円となり、ゆとりのある生活を送ることは難しいでしょう。
住宅ローンの返済がある中で、病気による入院などで大きな出費が発生すれば、家計はさらに厳しくなります。
そうした想定外の出費が発生した場合、約13万円の収入から住宅ローンの返済金を捻出することが難しくなり、住宅ローンの返済を遅滞・延滞することになるかもしれません。
理由②生活が不安定になりやすい
得られる収入が年収200万円だと、そもそも生活が不安定になりやすく、着実に住宅ローンを返済することが難しいと言えます。
年収200万円で働いている人は、派遣社員・契約社員・パート・アルバイトなど、非正規雇用の方も多くいるでしょう。
会社の経営状況によっては仕事を続けることが難しくなり、住宅ローンの返済中に収入がなくなる可能性もあります。
基本的に住宅ローンは、20~30年と長期にわたる返済です。
長年の返済期間中に安定した生活を送るためには、安定的かつ継続的な収入源を確保する必要があります。
理由③今後給料が上がらない可能性がある
一般的な正社員や公務員であれば、勤続年数に応じて昇給する定期昇給制度があり、給与が上がる可能性はあります。
対して、派遣社員やアルバイトの多くは昇給制度がないため、今後の給料が大きく上がる確率は高くありません。
現在の年収が200万円台でも、将来的に収入が上がる見込みがあるのなら、住宅ローンを返済し続ける可能性は高いでしょう。
しかし、今後の給料が上がらないにもかかわらず、子どもの教育費などで将来の出費が増えるのであれば、住宅ローンの返済は困難となります。
住宅ローンを借りることで家計が苦しくなると予想されても持ち家がほしい場合は、後述する借入額を参考にして適切な借り入れを行いましょう。
年収200万円で返済できる住宅ローン借入額は約870万円
年収200万円で住宅ローンを借りて家計が苦しくなるかどうかは、返済期間はもちろん、いくら借りるのか=借入額によっても異なります。
返済期間が同じ年数の場合、借入額は多いよりも少ないほうが当然毎月の返済額を抑えられるためです。
とはいえ、収入の詳細な状況は世帯ごとによって違うため、「年収200万円であれば適切な借入額は◯◯万円」と、収入から借入額を算出するのは本来であれば正しい考え方ではありません。
それでも年収に基づき借入額を試算したい場合は、「年間の返済額が手取り年収の20%以内に収まる金額」を借入額の目安のひとつとする方法もあります。
以下は、年間の返済額が手取り年収の20%に収まるよう借入額を試算した結果です。
年収200万円の手取り年収 | 約160万円 |
---|---|
年収200万円の手取り月収 | 約13.3万円 |
手取りの20%以内 となる借入額(※) | 約870万円 |
手取りの20%以内 となる毎月の返済額 | 約2.7万円 |
※元利均等返済、返済期間35年、金利1.5%で試算
上記の試算結果から、年間の返済額が手取り年収の20%となる借入額にすると毎月の返済額は約2.7万円であり、手取り月給から返済を差し引いても約10万円は残ることがわかります。
年収200万円の場合、約870万円を目安にして借入額を設定すると、無理なく返済できる可能性が高いでしょう。
年収200万円は約1,630万円借り入れ可能だがやめるべき
年収200万円なら、最大いくらまで住宅ローンを借りられるの?という疑問を抱く人もいるでしょう。
今回は、住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携・提供している「フラット35」を例に、年収200万円の場合における借入額の上限を試算します。
フラット35は全期間固定金利の住宅ローンであり、返済負担率が30%以下であれば年収200万円でも申し込むことができます。
以下は、年収200万円で返済負担率30%とした場合の借入可能額と毎月の返済額を示した表です。
借入可能額の上限(※) | 約1,630万円 |
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毎月の返済額 | 約49,908円 |
※元利均等返済、返済期間35年、金利1.5%で試算
上記を見ると、年収200万円の手取り月収約13万円のうち約4割を返済が占めることがわかります。
毎月の返済額に加えて、固定資産税の支払いや修繕費用の積み立てを考慮すると、手取りのうち約5割を充てることになるでしょう。
住宅ローンの返済などを差し引いて残る約6.7万円で家計をやりくりすることは、非常に難しいと予想されます。
そのため、借入可能額の上限まで住宅ローンを借りることは避けましょう。
借入可能額の上限と自分が無理なく返済できる金額は違います。
年収200万円における収支の状況や自身のライフプランを踏まえて適切な借入額を判断することが、住宅ローンの借り入れでは重要です。
試算した借入額が物件の予算に達しない場合は、物件の予算を下げる・収入を増やす手立てを講じるなど、無理なく返済できる金額で借り入れできる方法を探しましょう。
まとめ
派遣社員・契約社員・パート・アルバイトなど、年収200万円の人でも住宅ローンを借りることは可能です。
しかし、非正規雇用で年収200万円だと生活が不安定になりやすく、将来的に収入が大きく増えることはあまりないため、住宅ローンを借りると返済が滞る恐れがあります。
年収200万円の住宅ローンを借り入れるなら約870万円を目安に考えてみてもよいでしょう。
ただし、年収200万円の状態で住宅ローンを借りること自体がハイリスクであるため、あまりおすすめできません。
正社員登用や転職など、まずは収入を増やすことを優先しましょう。

千日太郎 / オフィス千日合同会社 代表社員 公認会計士
【専門家の解説】
千日太郎が本やYouTubeで、無理なく返済できる住宅ローンの金額を計算するにあたり、以下の4つのルールをお勧めしています。
①毎月の返済額はボーナス払いなしで手取り月収の4割以下
②元利均等返済方式
③固定金利
④定年時のローン残高は1000万以下にする。
この4つです。
本文のルールと細かい部分で相違はありますが、このルールを適用して計算される無理なく返済できる住宅ローンの金額は概ね同じ水準になります。
年収200万円でも返済できる借入額が870万円として、頭金を1割入れるとしても1,000万円前後の物件がターゲットになってきます。これもお勧めしない理由の一つです。
不動産の価格分布として1,000万円前後となると、どうしても難のある訳あり物件にならざるを得ないのです。
購入後の価値の上昇は見込めないため、どうしても住宅を買うことで資産を減らしてしまうことになります。
むろん、お金を儲けるために投資対象として住宅を買うことはお勧めしませんが、家を買うことで資産を減らしてしまう可能性が高いのであれば、買うべきではないと思います。
・年収200万円だと住宅ローンを借りられないのでは?
・年収の低い派遣社員やパートは住宅ローン審査に通らないのでは?