新NISAとは?改悪はある?これまでのNISAとの違いをわかりやすく解説
最終更新日:
このページにはPRリンクが含まれています
また当サイトで得た収益は、サイトを訪れる皆様により役立つコンテンツを提供するために、情報の品質向上・ランキング精度の向上等に還元しております。※提携機関一覧
- 新NISAはいつから始まるの?
- 新NISAはどんな制度?
新NISAは、2024年1月から始まる、これまでのNISAとは別物の制度です。
年間投資枠が最大360万円となり、生涯非課税投資枠は最大1,800万円になるなど、利用できる金額が大幅に増えます。
その一方で、旧NISAから新NISAへのロールオーバーができないなどの注意点もあります。
メリットだけでなく、デメリットについてもきちんと把握しておくことが大切です。
この記事では、新NISAの概要やメリット・デメリット、利用できる具体的な銘柄や証券会社について解説します。
2023年1月20日時点の情報を掲載しています。
スキラージャパン株式会社 代表取締役 / スキラージャパン株式会社
監修者伊藤亮太
伊藤亮太は「スキラージャパン株式会社」の取締役を務めるFP(ファイナンシャル・プランナー)。
慶應義塾大学大学院商学研究科経営学・会計学専攻を修了しており、在学中にCFP®を取得。
その後、証券会社にて営業・経営企画・社長秘書・投資銀行業務に携わる。
現在は富裕層個人の資産設計を中心としたマネー・ライフプランの提案・策定・サポート等を行う傍ら、資産運用に関連するセミナー講師や講演を多数行う。
▼書籍
図解即戦力 金融のしくみがこれ1冊でしっかりわかる教科書
ゼロからはじめる! お金のしくみ見るだけノート
株で勝ち続けるための 上がる銘柄選び黄金ルール87
などイーデス編集部 / 株式会社エイチームライフデザイン
編集者板橋 辰汰郎
1998年生まれ、兵庫県川西市出身。
大学卒業後、2021年に新卒として株式会社エイチームフィナジーに入社し、ナビナビ証券、イーデスの編集者に就任。
▼書籍
初心者でもわかる!お金に関するアレコレの選び方BOOK
気になる内容をタップ
新NISAとは?
新NISAとは、従来のNISAより投資枠・非課税期間が拡充されたNISA制度です。
2023年(令和5年度)の税制改正大綱で、正式に新NISAのスタートが決定されました。
これまでのNISA制度と同じように非課税枠を使って投資できる魅力はそのままに、さまざまな要素が拡充されています。
新NISAはいつから始まる?
新NISAは2024年(令和6年)1月から始まる予定です。
従来のNISAは、新NISAが始まると同時に新規口座開設・積立ができなくなります。
ただし、2023年に買付した商品に関してはNISAでは5年間(2027年まで)、つみたてNISAは20年間(2042年まで)非課税で運用を続けることができます。
2024年から始まるNISAと旧NISAは別物の制度として扱われるため、新NISAの開始時には非課税枠がリセットされた状態になります。
少しでも非課税枠を多く利用したい人は2023年のうちからNISA・つみたてNISAを始めましょう!
おすすめ銘柄&おすすめ口座を紹介!
新NISAと旧NISAの違い
新NISAと旧NISAでは主に以下のような変更点があります。
仕組み | 旧NISA制度 | 新NISA制度 | ||
---|---|---|---|---|
どちらか一方 | 併用可 | |||
一般NISA | つみたてNISA | 成長投資枠 | つみたて投資枠 | |
年間投資上限額 | 120万円 | 40万円 | 240万円 | 120万円 |
生涯非課税限度額 | 600万円 | 800万円 | 1,800万円 (うち成長投資枠1,200万円) | |
非課税保有期間 | 5年間 | 20年間 | 無期限 | |
投資枠の再利用 | 不可 | 可 | ||
対象商品 | 株式・ETF 投資信託 | 投資信託 | 株式・ETF 投資信託 | 投資信託 |
制度が使える期間 | ~2023年末 | ~2042年末 新規買付 ~2023年 | 2024年~(恒久化) |
新しいNISAにおける主な変更点は、以下の4点です。
新NISAと旧NISAの違い
違い①制度の恒久化
旧NISA制度では一般NISAが2023年、つみたてNISAが2042年までの時限措置となっています。
新NISAではこうした時限措置がなく、恒久的な制度となりました。
旧NISA制度も延長される予定でしたが「いつ終わるかわからないのに始められない」と感じた人も多かったかも知れません。
しかし、制度が恒久化されたため、自分の好きなタイミングで投資を始められるようになります。
違い②年間投資枠の増加
旧NISA制度における年間投資上限額はつみたてNISAで40万円、一般NISAで120万円となっています。
また、両者を併用することは認められていません。
一方で、新NISAでは両制度の投資枠が併用可能となるほか、投資上限額も大きく増加しました。
具体的にはつみたてNISAにあたる「つみたて投資枠」が年120万円、一般NISAにあたる「成長投資枠」が年240万円のあわせて360万円まで投資可能です。
違い③非課税保有期間の無期限化
一般NISAやつみたてNISAでは非課税保有期間が定められていたものの、新NISAでは非課税保有期間が無制限になりました。
そのため、より長期間の投資や保有が可能です。
また、それに伴いロールオーバーの手続きも不要となります。
違い④生涯非課税限度額の採用
新NISAでは一人あたり1,800万円を上限として「生涯投資枠」が設けられます。
保有している金融商品を売却して、生涯投資枠に空きが出た場合、その空きを再利用して新たな商品を購入可能です。
旧NISA制度ではNISA口座で保有している金融商品の換金手続きをした場合、その金額分を再利用することは認められませんでした。
新NISAは再利用が認められることから、状況に応じて柔軟に投資がしやすくなったといえるでしょう。
新NISAの注意点
制度が変更され、より使いやすくなった新NISAですが、いくつか注意点もあります。
新NISAの注意点
旧NISAの商品は新NISAにロールオーバーできない
2023年までにNISAを利用していた人の中には、運用していた商品を新NISA口座にロールオーバーしたいという方もいるでしょう。
しかし、旧NISAから新NISAへのロールオーバーはできません。
2024年からスタートする新NISAと旧NISAは新旧分離の扱いになります。
よって、2020年に一般NISAで購入した金融商品は、5年の非課税期間を終えた2025年に課税口座(通常は特定口座)へ時価で払い出される点に注意が必要です。
非課税期間終了時に保有資産が値下がりしていた場合、NISA口座を使わずに特定口座(課税口座)で投資していた場合と比べ、多く税金を支払わなければならない事態に陥る可能性があります。
つまりどういうこと?
例えば120万円で購入した商品が100万円のときに課税口座に移したとすると、その商品は「100万円で購入した商品」と見なされます。
その後120万円に値上がりしてから売った場合、実際には利益が出ていないのに、20万円分利益が出たと見なされ、本来かからない税金がとられてしまうのです。
また、新NISAでは非課税期間が無期限に変更されており、ロールオーバーの手続きそのものが不要となっています。
一部のファンドが対象商品から除外
旧NISAで投資できた商品の一部は新NISAでは購入できません。
例えば、整理銘柄や監理銘柄は上場廃止等の措置がとられる恐れが高く、急激な価格変動のリスクが多いことから、新NISAでは購入できません。
また、レバレッジ型の投資信託・ETFも短期での売買に適さないことから、新NISAの対象商品から除外される見通しです。
そのため、旧NISAと比較して投資商品の種類が減る点は改悪した点といえるでしょう。
新NISAを利用できるおすすめ証券会社
2023年10月2日時点で証券会社各社が新NISAへの対応を発表しています。
ここでは現在のNISA制度を基に、新NISAにも対応予定のおすすめ証券会社を紹介します。
NISAにおすすめの証券会社
楽天証券
楽天証券の最大の特徴として、楽天ポイントを使って投資信託や株式が購入できる点が挙げられます(※)。
※ポイント投資で利用できるのは通常ポイントのみであり、期間限定ポイントの利用はできません。
1口100ポイントから投資信託の購入に充てられるほか、楽天ポイントコースを設定したうえで500円分以上のポイント投資を行うことで楽天市場の商品がポイント+1倍となるのも魅力のひとつです。
ポイントが貯まっていれば現金を使わずに始められるほか、「らくらく投資サービス」を利用すれば簡単な質問に答えるだけで自分に適した投資が行えます。
特に投資初心者におすすめの証券会社です。
楽天証券の公式サイトはこちら
SBI証券
※引用元:【SBI証券】NISA口座開設|ネット証券のリーディングカンパニー
SBI証券では投資信託の取扱手数料が買付・売付ともに無料となっており、楽天証券よりもお得です。
楽天証券では投資信託の買付手数料のみ無料となっています。
楽天証券では売却手数料が別途必要となることから、売買回数が多い人はSBI証券を選んだ方がよいでしょう。
買付の頻度についても、SBI証券であれば毎日・毎週・毎月買付と柔軟に設定できます(楽天証券は毎日・毎月のみ)。
また、SBI証券では月間の保有残高に応じて最大0.25%のポイントが貯まる「投信マイレージ」といった仕組みが利用できるのも特徴のひとつ。
銘柄によってポイント付与率は異なるものの、コツコツとポイントを貯められます。
SBI証券の公式サイトはこちら
マネックス証券
※引用元:始めるなら、マネックス。
マネックス証券は大手ネット証券の中でも米国株に力を入れている証券会社のひとつです。
2022年1月には米国株取り扱い銘柄数が5,000銘柄を突破しており、米国の大型株に限らず中小型株までまんべんなく扱っているのが特徴といえます。
米国株に限らず、日本株についても取引や銘柄分析に役立つツールが取りそろっているため、株式投資をメインにしたい人にはおすすめです。
また、投資信託についてもNISA口座の取引や「投信つみたて」において、すべて購入時手数料が無料となっています。
NISA口座で一定の投資信託を保有することで、マネックスポイントが貯まるのも魅力のひとつでしょう。
よくある質問
よくある質問
新NISAとつみたてNISAはどっちから始めるのがおすすめ?
A.非課税枠を有効活用するなら、つみたてNISAから始めるのがおすすめ。
新NISAと旧つみたてNISAは新旧分離の扱いとなるため、非課税の枠を有効に使うのであれば2023年だけであってもつみたてNISAを活用したほうがよいでしょう。
つみたてNISAの非課税期間は20年と長いため、その期間じっくりと運用を続けられるメリットは大きいといえます。
新NISAとつみたてNISAは併用できないの?
A.新NISAとつみたてNISAは併用できません。
新NISAとつみたてNISAは別の非課税制度となるため、併用はできません。
つみたてNISAで運用していた商品は新NISAとは別枠の非課税枠として、非課税期間が終了するまで運用できます。
旧NISAから新NISAへの切り替えはどうやるの?
A.自動で切り替え手続きが行われるため特に手続きは必要ありません。
2024年以降も同じ金融機関で新NISAを利用する場合は、特に手続きは必要ありません。
口座も自動で開設され、つみたて設定も引き継がれます。
ただし、他の金融機関で新NISAを始めたい場合は切り替え手続きが必要になるため注意しましょう。
新NISAは何歳まで利用できるの?
A.利用可能年齢の上限は設けられていません。
新NISAは18歳以上の国内居住者(※)が口座開設条件となっています。
※ 口座を開設する年の1月1日現在
また、利用できる年齢の上限は設けられておらず、70歳や80歳であっても利用可能です。
まとめ
今回の記事では、新NISAの概要や特徴、メリット・デメリットについてお伝えしました。
制度の恒久化や非課税投資枠の拡大など、メリットが多い制度といえます。
新NISAが始まるのは2024年からとまだ少し時間がありますので、今のうちから制度について少しずつ把握しておくとよいでしょう。