カードローンは複数申し込みできる?注意点や総量規制についてもわかりやすく解説
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どうしても多額の借入が必要な場合、複数のカードローンに申し込みを検討する人もいるかもしれません。仕組み上、複数のカードローンに申し込んで借入を受けることはできますが、注意しておかなければならない点があることも事実です。では、どのような観点に気を付ければいいのでしょうか。
本記事では、カードローンを複数申し込む際の注意点と、返済や増額に不安を感じている人への解決策・対処法を解説します。複数の借入先を作る前に、本記事を参考にしてできることはないかを検討してみてください。
この記事を読んでわかること
- 複数のカードローンに申し込んだ際のデメリットがわかる
- 複数のカードローンで借入した際の注意点がわかる
- カードローンを複数社申し込む前にできる対処法や解決策がわかる
金子賢司/CFP(日本FP協会会員)
【専門家の解説】
お金に困っていて、どうしてもカードローンで借りなければならない状況になると、審査に落ちたときのことを考えて、複数社に申し込んでしまいがちです。 しかしこれは審査にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。 審査の仕組みを理解して、余裕を持ったスケジュールでカードローンを申し込みましょう。 審査に落ちたときの対策も、事前に考えておく必要があります。
ファイナンシャルプランナー
監修者金子 賢司
株式会社エイチームライフデザイン
編集者イーデス編集部
「ユーザーが信頼して利用できるWEBメディア」を目指す編集部チーム。実際のユーザーの声や業界知識の豊富な専門家の協力を得ながら、コンテンツポリシーに沿ったコンテンツを制作しています。暮らしに関するトピックを中心に、読者の「まよい」を解消し、最適な選択を支援するためのコンテンツを制作中です。
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初心者でもわかる!お金に関するアレコレの選び方BOOK
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■許認可
有料職業紹介事業(厚生労働大臣許可・許可番号:23-ユ-302788)
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カードローンを複数申し込むことはできるが注意が必要
カードローンを複数社同時に申し込むことは可能です。ただし、以下の理由からあまりおすすめできません。
- 審査が不利になる可能性がある
- 総量規制を超える金額を借入することはできない
- 信用情報に履歴が残る
カードローンは手軽にお金を借りられる仕組みである反面、その後の生活や新たな借入などに悪影響を与える可能性があります。どのようなリスクがあるのかを詳しく解説します。
審査が不利になる可能性がある
カードローンを複数同時に申し込みすると、ほかの借入やローンの審査が不利になる可能性があります。短期間に複数のカードローンに申し込みをすると、カードローン会社に「収入面に不安があるために借入をしている」と判断される可能性もあるためです。
借入情報は、信用情報機関で管理されることになり、カードローンを扱っている会社が閲覧できるようになります。貸金業者への申し込み情報は、申し込みから6カ月間は保存されるため、短期での複数の借入は審査に悪影響をおよぼすこともあるのです。期間を空ければいいという問題ではないものの、あまりにも短いスパンでの借入申し込みはリスクがあることを覚えておきましょう。
総量規制を超える金額を借入することはできない
総量規制とは、貸金業法で定められているルールで、契約者の年収の3分の1以上の貸し付けを禁止するというものです。これは1社からの借入に適用されるのではなく、複数の貸金業者の合計借入額に適用されます。そのため、複数社から高額な借入をしようとすると、総額が総量規制を超えてしまうために、希望額を借りられなくなってしまう可能性があるのです。
カードローンの申し込み時には、総量規制に抵触しないかどうかで審査が行われます。銀行系カードローンや自動車ローン、住宅ローンなどの銀行からの借入は総量規制の対象外ですが、消費者金融のカードローンは、申し込んだ時点で信用情報に履歴が残ります。そうなると貸金業者は融資に慎重になってしまうため、かえって借入額が小さくなってしまう可能性もあるでしょう。
また、銀行からの借入は総量規制の対象外ではあるものの、貸倒れのリスクを回避するために独自の基準を設けている場合もあります。いずれにしても年収の3分の1以上の借入申し込みは、1社に対しても複数社に対しても断られる可能性が高いことを覚えておきましょう。
CFP(日本FP協会会員)
監修者 金子 賢司の一言コメント!
総量規制の対象となるのは、消費者金融のカードローン、信販会社系のカードローン、クレジットカードのキャッシング枠です。 また年収の3分の1を超えていなければ、確実に借りられるわけではありません。 信用情報や、年収・勤務先などの属性次第では、審査に落ちる可能性がある点は留意しておく必要があります。 銀行は貸金業法ではなく、銀行法が適用されるため総量規制の影響は受けませんが、過度な貸付と判断すればカードローンの利用は難しいでしょう。
金子さん
信用情報に履歴が残る
繰り返しになりますが、カードローンに申し込みすると信用情報機関に申し込み履歴が記録されます。この記録は貸金業者が新たな借入申し込みを受けた際に、申し込み者に返済能力があるかどうかを判断する重要な材料になります。申し込み記録が1件であれば大きな問題にならない可能性はありますが、複数社への申し込みが認められると、その後の借入申し込みが通らなくなるかもしれません。
また、借入後に滞納を繰り返したり、カードローンを解約した場合も借入申し込みに影響が出る可能性が高くなります。これらの情報は信用情報機関によって異なりますが、半永久的に記録が残されるケースもあります。申し込みの時点で信用情報に良くない経歴がついてしまうため、複数のカードローンへの同時申し込みはあまりおすすめできません。
複数のカードローンを借入する際の注意点
仮に複数のカードローンの審査が通り、借入ができたとしても次の2つには注意を払わなければなりません。
- 金利の負担が増える
- 返済管理が複雑になる
借入先が増えることは、それだけ返済の手間が発生することと裏返しになります。申し込みだけではなく、借入できてもリスクを背負うことになる点は覚えておきましょう。それぞれの注意点の詳細を解説します。
金利の負担が増える
カードローンを利用して複数社からお金を借入すると、1社からまとめて借入している場合よりも金利負担が重くなります。複数の貸金業者から少額ずつ借りるよりも、1社でまとまった金額を借りたほうが、総合的な金利が低くなるのです。例として、100万円を借入した場合でシミュレーションしてみましょう。
複数社から借りた場合のシミュレーション
A・B社から借入を30万円ずつ、C社からの借入が40万円として年利が18.0%であった場合
A社・B社の金利:54,000円
C社の金利:72,000円
支払総額:1,180,000円
1社から借りた場合のシミュレーション
A社から100万円を借入して年利が14.5%であった場合
支払総額1,145,000円
別々の貸金業者から少しずつ借りた場合と1社でまとめて借りた場合では、約3.5万円の差が生まれることがわかります。1社でまとめて借りることで適用される金利が下がっていくため、総合すると1社から借りたほうが返済総額は安くなるのです。複数のカードローンで借りてしまうと金利が低くならないため、支払総額が大きくなってしまうことを覚えておきましょう。
返済管理が複雑になる
複数の金融機関からお金を借りることで、返済が複雑になるのも注意点のひとつです。借入したカードローンによって返済日や借入残高が異なるため、それらを別々に管理する必要が出てきます。その結果、引き落とし日を忘れてしまいかねません。
万が一返済が遅れてしまうと、遅延損害金を支払う必要が出てきます。遅延損害金とは、故意かどうかに関わらず返済が遅れた場合に発生するペナルティです。金利とは別に加算されるため、返済総額が増えてしまいます。複数の場所から借入していると、意図せず返済遅れなどが発生する恐れがあり、ペナルティを受けやすくなることに注意しましょう。
複数のカードローンを借入して返済が苦しい場合はおまとめローンもおすすめ
複数のカードローンで借入したものの、金利負担や返済スケジュールの複雑化で苦しいと感じている人は、おまとめローンの利用を検討してみましょう。おまとめローンとは、複数の金融機関から借りているお金をひとつの金融機関に一本化することです。
おまとめローンを使っても借入総額に変化はありません。あくまでも借入先をひとつにまとめるだけの仕組みであるためです。返済総額が下がる可能性があり、返済スケジュールも一本化できるようになるため、管理の手間も負担も大幅に削減できるでしょう。
ただし、おまとめローンにすることでかえって金利負担が重くなる場合もあります。おまとめ専用のローンであれば金利は下がるものの、それ以外のローンでまとめようと思うと逆に金利が高くなってしまうのです。また、返済期間が長くなってしまう、おまとめローンの完済後に解約しないと負担が増えてしまうリスクがある点も覚えておきましょう。
CFP(日本FP協会会員)
監修者 金子 賢司の一言コメント!
消費者金融は年収の3分の1を超える貸し付けができませんが、消費者金融が提供するおまとめローンは、「顧客に一方的な有利な貸付」として例外が認められています。 複数社からの借入があり、返済が厳しい人は検討してみましょう。 ただし消費者金融のおまとめローンを利用すると、利用した消費者金融から、新たな借入が難しくなります。 おまとめローンを利用する前に、家計の見直しをして、収支を黒字化する計画を立てておくことが大切です。
金子さん
おまとめローンについては、以下の記事で詳しく解説しています。
借入を増やしたいなら、増額申請も検討しよう
何らかの事情で借入額を増やしたい場合は、ほかの貸金業者から借りるのではなく増額申請を検討してみましょう。増額申請とは、すでに借入を受けている貸金業者にカードローンの増額を申請する方法です。これまでに延滞などがない、年収の3分の1以下で借りている場合は、増額申請が通る可能性があります。
申し込み方法は貸金業者によって異なりますが、おおむね公式サイトや電話で申請可能です。審査は行われますが、借りられれば借入総額が大きくなるため、金利が低くなるかもしれません。また、返済も1カ所のままであるため、返済の手間もかからないのが特徴です。
一方で、前回の申し込みから年収が下がっていたり、延滞などで信用情報に不安が残っている場合は借入可能額が少なくなるケースもあります。複数のカードローンを借りるよりも総合的な負担は少ないため、増額が必要な場合は一度検討してみると良いでしょう。
カードローンの借入に関するよくある質問
Q.カードローンは何回でも借りられる?
カードローンの借入回数の上限は設けられていないため、利用限度額内であれば何度でも借りられます。ただし、短期間に複数のカードローンを申し込んだり、増額申請すると信用情報に傷がついてしまいます。金利負担が大きくなる可能性もあるため、小分けにして何度も借りるのではなくまとめて借りるようにしてください。
Q.車のローンは複数台組める?
車のローンは貸金業法における総量規制の対象外であるため、必要であれば複数台組めます。ただし、銀行側も貸倒れを避けたいというのが本音であるため、年収以外の条件として金融機関によっては総量規制に準じた審査が行われることもあるようです。総量規制の対象外だからと言って、無計画な借入は避けましょう。
まとめ
どうしてもまとまったお金が必要な場合、複数のカードローンで借入を受けるのではなく、単独の金融機関から借入を受けるようにしましょう。金利負担や返済スケジュールの管理が楽になるため、複数個所で借りることを検討するよりも1カ所からまとめて借りたほうが得策です。
もし、すでに複数のカードローンを契約している場合は、おまとめローンで一本化することも検討してください。いずれにしても複数のカードローンで借りているとリスクのほうが大きいため、可能な方法で借入先の一本化を目指すようにすることをおすすめします。
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CFP(日本FP協会会員)
監修者 金子 賢司の一言コメント!
カードローンに申し込んだ履歴も、信用情報機関に加盟している会員(金融機関など)なら閲覧ができます。 加盟会員は申込人がほかのカードローンにも申し込んでいることが確認できることから、自身の申込情報を隠しておくことはできません。 審査に通る可能性を少しでも上げたいのであれば、複数申し込みは避けましょう。 申込情報が保管されるのは6カ月ですが、6カ月経過すれば確実に複数申し込みがOKというなるわけではありません。
金子さん