仮想通貨の取引所と販売所はどっちがいい?違いとあなたに合った取引方法を解説
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- 仮想通貨の「取引所」と「販売所」はどう違うんだろう?
- これから暗号通貨取引を始めるなら、取引所と販売所のどちらを利用したらいいのかな?
多くの場合、仮想通貨取引所には取引所と販売所の2つが用意されています。その違いは主に以下の通りです。
仮想通貨の取引所と販売所の主な違い
- 「販売所」では取引所を相手に、「取引所」では投資家同士で取引する
- 「販売所」では価格が提示されているが、「取引所」では価格が需給によって決まる
- 「販売所」の方が「取引所」よりも取り扱い通貨が多いことが一般的
仮想通貨の取引所と販売所それぞれのメリットや注意点を踏まえると、それぞれ以下のような人におすすめできます。
取引所の利用が向いている人
- 手数料を節約したい人
- 仮想通貨取引に慣れている人
- 短期売買をしたい人
販売所の利用が向いている人
- 早めに取引を成立させたい人
- 価格を確認して取引したい人
- さまざまな種類の仮想通貨取引がしたい人
仮想通貨の取引所と販売所の違いやそれぞれのメリット・注意点を解説するので、どちらを利用するかの参考にしてください。
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スキラージャパン株式会社 代表取締役 / スキラージャパン株式会社
監修者伊藤亮太
伊藤亮太は「スキラージャパン株式会社」の取締役を務めるFP(ファイナンシャル・プランナー)。
慶應義塾大学大学院商学研究科経営学・会計学専攻を修了しており、在学中にCFP®を取得。
その後、証券会社にて営業・経営企画・社長秘書・投資銀行業務に携わる。
現在は富裕層個人の資産設計を中心としたマネー・ライフプランの提案・策定・サポート等を行う傍ら、資産運用に関連するセミナー講師や講演を多数行う。
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編集者イーデス編集部
「ユーザーが信頼して利用できるWEBメディア」を目指す編集部チーム。実際のユーザーの声や業界知識の豊富な専門家の協力を得ながら、コンテンツポリシーに沿ったコンテンツを制作しています。暮らしに関するトピックを中心に、読者の「まよい」を解消し、最適な選択を支援するためのコンテンツを制作中です。
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KTAA団体シルバー認証マーク(2023.12.20~)
■許認可
有料職業紹介事業(厚生労働大臣許可・許可番号:23-ユ-302788)
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仮想通貨の取引所と販売所の違いとは
はじめに、仮想通貨の取引所と販売所の違いを一覧で確認してみましょう。
取引所 | 販売所 | |
---|---|---|
取引する相手 | 同じ取引所を利用する他の投資家 | 仮想通貨取引所 |
取引の成立しやすさ | 販売所よりも成立しにくい | 成立しやすい |
スプレッドの狭さ | 狭い | 広い ※3.0〜10.0%程度 |
取引手数料の有無 | 取引所によってはあり ※0.05%~0.1%程度 | なし |
取扱銘柄の種類 | 少ない | 多い |
取引する相手が異なる
取引所経由で取引する場合、その相手は同じ取引所を利用する他の投資家です。
取引所で仮想通貨を購入したい場合は、他の投資家の売り注文の金額や量を「板」で確認し、それに合った金額や量で買い注文を出す必要があります。
仮想通貨を売る際も同様に、購入する相手がいないと売却できません。
一方、販売所の場合は取引所が相手となります。販売所ではすでに価格が決まっており、定められた価格で注文を入れれば取引が成立します。
取引が成立しやすいのは「販売所」
販売所では、提示されている価格で注文を入れれば取引成立です。
他の投資家に左右される取引所よりも、取引が成立しやすいという特徴があります。
すぐに売買を成立させたい場合や値動きを見ている時間がない場合は、販売所を利用するとよいでしょう。
スプレッドが狭いのは「取引所」
買いと売りの価格差である「スプレッド」は、投資家が負担する実質的なコストです。
取引所と販売所を比較すると、取引所のほうがスプレッドが比較的狭いため、より取引コストを抑えられます。
取引金額が多い方、取引を頻繁に繰り返す方ほど、販売所で取引するとコストが高くなるのでお気を付けください。
販売所では、仮想通貨の種類や利用するサービスにもよりますが、3.0〜10.0%程度のスプレッドが発生します。
取引手数料がかからないのは「販売所」
販売所ではスプレッドが比較的広いものの、それ以外の取引手数料は原則かかりません。
一方、取引所はスプレッドが狭いものの、利用先や取引する仮想通貨の書類によって、取引手数料がかかる場合があります。
たとえば、GMOコインの取引所でビットコイン(現物)の指値注文が成立したとき、購入した側(Taker)には0.05%の取引手数料がかかります。
ただし、逆に取引手数料が受け取れる場合もあるのでおさえておきましょう。先ほどの指値注文で売却した相手側(Maker)は、0.01%の手数料を受け取れます。
取扱銘柄が多いのは「販売所」
仮想通貨の取扱銘柄は、取引所よりも販売所のほうが多い傾向にあります。
たとえば、Coincheckの販売所で扱われている銘柄は27種類と非常に豊富です(2024年5月現在)。
一方、取引所で扱う銘柄数は8種類で、以下のようにメジャーな仮想通貨に限られます。
Coincheckの取引所で扱われている銘柄8種類
- ビットコイン(BTC)
- ラップドビットコイン(WBTC)
- リスク(LSK)
- モナコイン(MONA)
- ダイ(DAI)
- パレットトークン(PLT)
- フィナンシェトークン(FNCT)
- イーサリアムクラシック(ETC)
マイナーな仮想通貨の売買を希望する場合、取引所では扱っていない可能性もあるため、口座を開設する際は取り扱われている仮想通貨をよく確認しましょう。
仮想通貨の取引所を利用するメリット・デメリット
仮想通貨の取引所を利用するメリット・デメリットを見ていきましょう。
仮想通貨取引所を利用するメリット
仮想通貨の取引所を利用するメリット
取引コストがほとんどかからない
取引所の場合、スプレッドが狭く設定されている点で取引コストをおさえられる点が大きなメリットです。
スプレッドを気にせずに取引をしたいなら、取引所を利用するのがおすすめです。
注文方法を指定できる
取引所では、取引価格や数量が指定できる「指値注文」や「逆指値注文」などの指定が可能です。
これらは株式売買の注文の仕組みとほぼ同じなので、株取引に慣れている方であればより扱いやすいでしょう。
主な注文方法
- 成行注文:数量だけ指定し、価格を指定せずに注文する方法。最も注文が成立しやすい。
- 指値注文:数量・価格を指定して注文する方法。数量・価格ともに条件に合わないと注文が成立しない。
- 逆指値注文:「指定価格以上になれば『買い』」「指定価格以下になれば『売り』」を指定する注文方法。一定以上の損失を防ぐ「損切り」の際に使われることが多い。
値動きを見ながら取引ができる
販売所取引では取引所が指定した金額での売買となりますが、取引所では仮想通貨の値動きを見ながら取引ができます。
また、板では他の投資家がどの程度の数量や価格で注文を入れているかが確認できるため、その状況に合わせて注文の条件を変更していくと、取引がより成立しやすくなります。
注文を細かく調整しながらより有利な条件で売買したい方は、取引所を利用するのがおすすめです。
仮想通貨取引所を利用するデメリット
仮想通貨の取引所を利用するデメリット
取引が成立しにくい場合がある
取引所では、仮想通貨を買いたい時は「売り注文」、売りたい時は「買い注文」というように、自分の希望する取引と逆の注文が入っていないと取引ができません。
さらに、希望する数量と価格が合致することも取引成立の条件となります。
市場参加者が少ない場合や対象の仮想通貨取引が少ない場合、自分の希望する価格と市場の値動きが乖離している場合は、取引が成立しにくくなる点に注意しましょう。
マイナー銘柄は取り扱いがないことが多い
先にご紹介したとおり、取引所で扱っている銘柄は販売所よりも少なめで、メジャー銘柄に偏りがちです。
マイナー銘柄取引を希望する場合、取引所では難しい可能性があります。
各取引所の取引所銘柄を確認したうえで口座開設するようにしましょう。
投資初心者には注文が難しい可能性がある
取引所取引では、状況に応じて成行注文や指値注文、逆指値注文などを使い分けることができます。
しかし、注文方法が多様だと、投資初心者は難しく感じるかもしれません。
取引所で取引する場合は、事前に注文方法について学習しておきましょう。
仮想通貨の販売所を利用するメリット・デメリット
次に仮想通貨の販売所を利用するメリット・デメリットも確認しましょう。
仮想通貨の販売所を利用するメリット
仮想通貨の販売所を利用する主なメリット
取引が成立しやすい
販売所では、公式サイト上で売買価格が提示されており、価格を確認して注文を入れれば即座に取引が成立するのが大きなメリットです。
すぐにでも仮想通貨を購入・売却したい場合や、相場を見る手間をかけたくない場合に適しています。
注文方法が分かりやすい
取引所では注文方法を成行・指値・逆指値の中から選択できますが、販売所の場合は数量指定のみとなります。
注文方法の選択が難しいと感じる方には、シンプルな販売所取引が向いているでしょう。
取引所よりも仮想通貨の取扱銘柄が多い
販売所は取引所よりも仮想通貨の取扱銘柄が多い点が特徴です。
特にマイナー銘柄の取引を希望する場合は販売所を選んだ方がよいでしょう。
取扱銘柄は各販売所によって異なるので、自分が希望する銘柄を扱っているところで口座を開設しましょう。
仮想通貨の販売所を利用するデメリット
仮想通貨の販売所を利用するデメリット
取引コストが高め
販売所は取引所よりもスプレッドが大きめに設定されており、取引所よりも取引コストが大きくなりやすい点がデメリットです。
ただしこのコストは取引時にかかるため、仮想通貨を長期保有する方はあまり気にする必要はありません。
注文方法を指定できない
販売所取引では数量を指定して注文を入れると仮想通貨を購入できますが、注文方法は指定できません。
投資に慣れ、さまざまな取引を楽しみたくなった方は、物足りなく感じる可能性があります。
取引に慣れてきたら、取引所の利用も検討するとよいでしょう。
取引所と販売所はどんな人におすすめ?初心者はどちらを選ぶべき?
これから仮想通貨取引を始めるなら、取引所と販売所のどちらを選ぶのがよいのでしょうか。結論は下記の通りです。
取引所と販売所はどんな人におすすめ?
初心者には販売所取引が向いている
仮想通貨初心者の方であれば、まずは販売所取引を選択した方がよいでしょう。
初心者に販売所取引がおすすめの理由
- 注文方法が分かりやすい
- 売買価格を確認したうえで注文できる
- 値動きを逐一チェックする必要がない
ただし、販売所はスプレッドが広くコストが高めです。
販売所で仮想通貨取引に慣れたら、コストを抑えるために取引所取引への移行を検討してはいかがでしょうか。
その際注意しておきたいのは、販売所・取引所のどちらかしか設置していない仮想通貨取引所があることです。
取引所への移行を前提に販売所での取引を始めるなら、販売所・取引所どちらでも取引できる仮想通貨取引所を選ぶようにしましょう。
なお、販売所で購入した仮想通貨は取引所でも売却ができますが、対象の銘柄が取引所で扱われていない場合は売却ができません。その場合は販売所で売却しましょう。
最初から本格的に取引するなら取引所が向いている
初心者には販売所取引が向いているものの、最初から本格的に取引したい方には取引所取引がおすすめです。
すでに株式投資など他の投資経験がある方なら、問題なく利用できるでしょう。
この場合は、取引所しか設置していない仮想通貨取引所で口座開設しても支障はありません。
取引所・販売所ともに利用しやすい!おすすめ仮想通貨取引所3選
これから仮想通貨取引を始めたい方にも向いている、取引所・販売所ともに利用しやすい仮想通貨取引所を3つご紹介します。
取引所・販売所とも利用しやすい仮想通貨取引所
※取引所と販売所の両方を設けている仮想通貨取引所のうち、販売所の取扱銘柄の多さや取引所の運営会社の規模感などから総合的に判断して選定
GMOコイン
GMOコインは、GMOクリック証券を有するGMOフィナンシャルホールディングスのグループ会社です。
会社としての信頼性に加え、2023年10月現在で26銘柄を扱っており、銘柄の選択肢の多さもメリットに挙げられます。
この26銘柄は販売所だけでなく取引所でも取引できるため、いずれ販売所から取引所での取引に移行したい方にも適しています。
また、取引所の手数料はあるものの、入金手数料や出金手数料がほとんどの場合無料で良心的といえます。
取引所の取引手数料 | 通貨により以下の2パターンのどちらか(現物取引の場合) ●Maker:-0.03%、Taker:0.09% |
---|---|
入金手数料 | 無料 ※振込手数料は顧客負担 |
出金手数料 | 無料 ※大口手数料:400円 |
※金額はすべて税込
GMOコインの公式サイトはこちら
Coincheck
GMOコインと並び、多くのユーザーに選ばれている仮想通貨取引所のひとつがCoincheckです。
2023年4月1日現在、販売所では27種類、取引所では8種類の銘柄を取り扱っています。
販売所で購入した銘柄を取引所で売却することもでき、初心者から上級者まで使いやすいでしょう。
また、スマホアプリの使いやすさも魅力の一つです。見やすい画面と使いやすい操作性を備えているため、タイミングを逃さず取引できます。
取引所の取引手数料 | 通貨によって変動 ・Maker:0.00〜0.05% ・Taker:0.00〜0.10% |
---|---|
入金手数料 | 銀行(日本円):無料 ※振込手数料は顧客負担 コンビニ: 50万円以上は入金金額×0.11%+495円 |
出金手数料 | 407円 |
※金額はすべて税込
Coincheckの公式サイトはこちら
BitTrade
多くの種類の仮想通貨を取引したい方におすすめなのがBitTradeです。
取扱銘柄数は42種類、取引所では22種類と、国内有数の銘柄数を誇っています。
BitTradeはセキュリティ対策にも力を入れており、システム監視は24時間365日行われています。
顧客が預けている仮想通貨は、インターネットにつながれていないコールドウォレットで保管されているため、ハッキングが心配な方にもおすすめの取引所です。
取引所の取引手数料 | 無料 |
---|---|
入金手数料 | クイック入金:無料 ※振込入金・ペイジー入金・コンビニ入金の振込手数料は顧客負担 |
出金手数料 | 330円 |
※金額はすべて税込
BitTradeの公式サイトはこちら
よくある質問
仮想通貨の取引所・販売所についてよくある質問と回答を紹介します。
ビットコインを販売所で買って取引所で売ることはできますか?
販売所で買ったビットコインは、取引所で売ることも可能です。
反対に、取引所で購入したビットコインを販売所で取引することもできます。
取引所と販売所の口座開設は別々に行いますか?
同じ仮想通貨取引所であれば、取引所と販売所の口座は同時に開設できます。
取引所と販売所では同じ口座を利用するため、口座開設は一度で済みます。
取引所と販売所で、かかる税金に違いはありますか?
かかる税金に違いはありません。
仮想通貨の利益部分は雑所得扱いとなり、所得税がかかります。
どの方法で利益を出したかは問われませんので、かかる税金に違いは生じません。
まとめ
仮想通貨取引所には取引所、販売所という2つの取引形態があり、取引コストや取引の成立しやすさなどに違いがあります。
仮想通貨取引をこれから始めたい初心者の方には、注文方法や売買価格が分かりやすい販売所取引がおすすめです。
一方、なるべくコストを抑えて取引したいのであれば、取引所取引がおすすめできます。
まずは販売所取引から始め、仮想通貨取引に慣れた後に取引所へ移行するのもよいでしょう。
興味のある仮想通貨取引所で口座を開設し、無理のない金額から取引を始めてみてください。