IPOとは?メリット・デメリットや仕組みを初心者向けにわかりやすく解説!
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- IPOとは?どんな投資方法なの?
- IPO投資のメリット・デメリットは?
IPOとは、初値が公募価格より高くなることが多く、通常の株式売買に比べて低いリスクでリターンを狙いやすい投資方法です。
しかし、人気が高いためIPO銘柄を購入しづらい、100%儲かる投資法ではないということを覚えておく必要があります。
この記事では、IPO投資とは何かや、メリット・デメリット、やり方などを説明します。
最後まで読めば、IPO投資の基礎基本をまるっと理解でき、IPO投資を始める準備ができるでしょう。
2023年4月5日時点の情報を掲載しています。
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スキラージャパン株式会社 代表取締役 / スキラージャパン株式会社
監修者伊藤亮太
伊藤亮太は「スキラージャパン株式会社」の取締役を務めるFP(ファイナンシャル・プランナー)。
慶應義塾大学大学院商学研究科経営学・会計学専攻を修了しており、在学中にCFP®を取得。
その後、証券会社にて営業・経営企画・社長秘書・投資銀行業務に携わる。
現在は富裕層個人の資産設計を中心としたマネー・ライフプランの提案・策定・サポート等を行う傍ら、資産運用に関連するセミナー講師や講演を多数行う。
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IPOとは
IPO投資は、新規に株式市場に上場する銘柄を上場前に購入し、上場後に売却することで利益を狙う投資方法です。
※株式を新規に株式市場に上場することをIPO(Initial Public Offering)といいます。
IPO銘柄の購入までの流れ
- 【企業】
新規発行する株の扱いを証券会社に委託 - 【証券会社】
公募価格を決定し、抽選開始
※公募価格とは、投資家に販売されるIPO銘柄の価格のこと - 【投資家】
抽選に申込み後、当選すれば公募価格で株を購入
IPO銘柄の購入には、抽選への申込みが必要です。
抽選に当選し、IPO銘柄を購入できたら、上場まで待ちます。
IPO銘柄が上場したら、上場と同時に売却し、公募価格より初値が高くなれば利益を得ることができます。
以下の2021年の実績からもわかるように、たいていの場合、公募価格よりも初値のほうが高くなります。
2021年のIPO実績
- IPO企業数は125社(2020年比+32社)
- 初値>公募価格となったのは104社(83.2%)
直近のIPOの結果を知りたい人はIPO(新規公開株)の初値予想・結果一覧【2024年】をご覧ください。
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IPO投資のメリット
IPO銘柄に投資するメリットは、3つあります。
IPO銘柄に投資するメリット
メリット①初心者でも利益を出やすい
初値が公募価格を上回るケースが多く、一般的な株式投資に比べ、利益を出しやすいのがメリットです。
2021年に最も値上がりしたIPO銘柄は「ブロードマインド(7343)」で公募価格810円に対して、初値1,566円と約9.3倍になりました。
初値が公募価格を上回る銘柄が多くなる要因
- IPOの募集や売出が順調に進むように、比較的抑えた価格でブックビルディングが行われることが多い
※ブックビルディングとは、需要予測とも呼ばれ、株式の新規公開された時に、投資家がいくらぐらいの価格であれば購入するかを決めるもの - 既存株主と上場前の公募・売出で株を購入した人以外に、その会社の株を持っている人がいないので、売り手が少なくなる
2021年の実績でも初値>公募価格となったのは104社/125社(83.2%)です。
一般的に上場初値が公募価格を上回ることが多いので、通常の株式投資と比較すると、IPO投資の方が利益は出しやすいと言えます。
※参照元:新興株ウィークリー|SBI証券
メリット②短期間で結果が出る
IPO投資は、ブックビルディング開始~上場まで、2週間から3週間程度です。
2週間から3週間程度の短期間で、場合によっては大きな利益が期待できる投資は、それほどありません!
通常の株式投資であれば、購入した途端から価格が変動するので、2週間も保有していれば、相場の上げ下げに気持ちが落ち着かないこともあるでしょう。
IPO投資は、毎日値段を気にすることなく、上場を待っていればよいので、精神的にも楽といえます。
※参照元:第1回 公開価格の設定プロセスのあり方等に関するワーキング・グループ:スケジュール・モデル|日本証券業協会
メリット③高成長の企業に投資できる
日本には一定の規模と利益成長を持った企業が数多くありますが、その中でも主幹事証券会社の審査を経て、上場基準を超えてきた会社しか上場できません。
主幹事企業とは
公開時の引受・販売に加え、公開までの各種事務手続きなど上場準備の全てのサポートを行う会社のこと。
証券会社は、IPOをする企業として、高成長が継続するであろう企業や、ガバナンスや社内体制がしっかりしているかなども審査します。
このような審査を経て、上場後にも株価が上昇する見込みを持った企業がIPO銘柄として上場されるのです。
したがって、IPOに投資すれば、社内体制の整った、高成長の期待できる銘柄に投資ができるのです。
IPO投資のデメリット
IPO銘柄に投資するデメリットは以下の3つです。
IPO銘柄に投資するデメリット
デメリット①当選確率が低い
利益が出やすいIPO投資は、人気が高いことから競争倍率も高くなり、当選確率が非常に低いです。
正確な統計は発表されていませんが、一般的には1~2%が当選確率の目安とされています。
応募者数は銘柄によって違いますが、競争倍率が100倍を切ることは直近ではほとんどありません。
※参照元:新規公開株式(IPO)/公募増資・売出(PO) 取引ルール|楽天証券
デメリット②大きな金額で投資できない
IPO投資にネット証券から申し込むと、通常100株を限度にされることが多いです。
過去の実績を見ると、1株5,000円以上の公募価格になる例は稀なので、IPO投資では50万円以内の投資金額になることが大半となります。
50万円以上の大きな金額で購入したいと考えていても、IPO投資の場合は難しいと考えておきましょう。
IPO銘柄を複数社から購入するか、100株に限定されていない証券会社で購入する方法もありますが、それでも一度に多くの株数を取引するのは難しいといえます。
デメリット③公募価格割れすることもある
勝率が高いとされるIPO投資でも、初値が公募価格より低くなる場合があります。
IPO銘柄を購入すれば、必ず利益を得られるわけではありません。
IPO投資で公募割れするケース
- 株式市場の状況が悪い時
コロナの影響で2020年2月から3月にかけて日経平均株価が大きく下がり、公募価格割れとなる銘柄が続出し、かつ上場を延期する銘柄も多く出ました。
市場全体が大きく落ち込んでいるときは、IPO銘柄であっても影響を受けて、公募価格割れをすることがあります。 - 上場の目的が関係する時
投資家は企業が上場資金を得て、将来の成長の糧にすることを期待しますが、上場時の売出が大株主やベンチャーキャピタルの出口となっているような場合には、投資家の需要が下がり、公募割れすることがあります。
ベンチャーキャピタルとは
未上場の企業に出資して株式を取得し、将来的にその企業が株式を公開した際に株式を売却することで、大きな値上がり益の獲得を目指す投資会社や投資ファンドのこと。
IPOを申し込む際には上場の目的や既存株主の動向もチェックしましょう。
直近のIPOの実績はどうなの?
IPOの最新の騰落率の結果はIPO(新規公開株)の初値予想・結果一覧【2024年】で紹介していますので、ぜひ参考にしてください!
IPO投資のやり方・流れ
IPO投資のやり方は、次の6STEPです。
IPO投資のやり方
- 証券会社で口座を開設
- 口座に入金
- IPO銘柄を選んでブックビルディングに参加
- 抽選結果を確認
- 当選したら購入申し込みをする
- 上場日以降に売却
多くの証券会社では、ブックビルディングに参加する前に、入札分の資金を口座に入金する必要があります。
※一部の証券会社では、ブックビルディングの参加時に入金を要求しないところもあるので調べておきましょう。
ブックビルディングが終了すると、公募価格が決定し、多くの証券会社では抽選が行われます。
抽選結果を確認し、当選した場合には、購入申し込みをしましょう。
※一部の証券会社では、ブックビルディング終了時には当選を発表せず、購入申し込みが終了する時点で抽選をする会社もあります。
購入が完了したら、上場日を待ちましょう。
※参照元:新規上場株式(IPO)のお申し込み方法|SBI証券
IPO投資で当選確率を上げるには?
IPO投資は人気が高いため、「何回申込んでも当選しない…」という人が多いのも事実です。
ここでは、初心者でも簡単にできるIPO投資の当選確率を上げる方法を3つお伝えします。
IPO投資の当選確率を上げる方法
なお、他にも方法はありますので、少しでも当選確率を高めたい人は
抽選倍率が低い証券会社から申し込む
IPO投資は、ブックビルディングや購入申し込みを証券会社ごとに行うので、証券会社によって抽選倍率が異なります。
口座数の多い証券会社ほど、抽選に参加する人が増えます。
そのため、口座数の少ない会社ほど、抽選倍率が下がるといえます。
また、IPOの引き受け証券会社となっていても、配分の比率は証券会社によって違います。
引き受け比率の多い主幹事証券なら、抽選される株が多くなり、抽選倍率が下がるといえます。
さらに、引き受けた株式をどの程度抽選に回すかも証券会社によって異なります。
完全平等抽選を表明している証券会社であれば、抽選される株が多くなり、抽選倍率は下がるといえます。
以上のように、複数の要因が絡み合って、抽選倍率が銘柄や証券会社で異なってくるのです。
抽選倍率が下がる要因を理解し、複数の証券会社からIPOに申込むと良いでしょう。
IPO投資の抽選倍率が下がるポイント
- 口座開設数が少ない
=抽選の参加者が少ない - 主幹事になっている
=配分の比率が高い - 完全平等抽選である
=抽選される株が多い
※参照元:IPO/PO 抽選方法|楽天証券
IPO取扱い銘柄が多い証券会社で口座開設する
IPO投資では、証券会社ごとに取り扱う銘柄が異なります。
いつも自分が使っている証券会社で、欲しいIPO銘柄に必ず申込めるとは限らないため、取扱実績ができるだけ多い証券会社で口座開設しておくと安心です。
2021年3月通期で比較すると、1番多い取扱実績はSBI証券の80件(93%)で、楽天証券の43件と比べると約2倍となっています。
IPO銘柄取扱い実績(2021年3月通期)
- SBI証券:80社
- みずほ証券:58社
- SMBC日興証券:47社
- 大和証券:44社
- 楽天証券:43社
- 野村證券:41社
- マネックス証券:40社
- 岡三証券:32社
※参照元:SBI証券公式サイト
IPO投資は、複数社から申込むことでも当選確率が上がるため、取扱数の多い証券会社で口座を持っておくと良いでしょう。
※参照元:2021年3月通期IPO取扱数No.1!SBI証券でチャンスを掴もう!|SBI証券
抽選申込時に入金不要な証券会社も利用する
複数社で申込む分の資金が準備できない人や、資金を長く拘束されたくない人は、事前入金不要の証券会社を利用すれば、資金効率を高めて抽選に申込みができます。
IPO投資では、ブックビルディングに参加する際、多くの証券会社で入札分の資金を事前入金する必要があります。
事前入金必須の証券会社では、資金がなければブックビルディングに参加できず、さらに、抽選されるまで資金を拘束されるということです。
必要資金=入札価格(成行きの場合は上限額)✕ 申し込み株数
購入申し込み期間終了後に抽選を行う証券会社もあり、その場合は、より長く資金が拘束されることになります。
手元に多くの資金を用意できない人や、資金効率を高めてIPOの抽選に申込みたい人は、事前入金不要な以下のような証券会社も活用しましょう。
証券会社3選!
※参照元:新規公開株式(IPO)、公募増資・売出(PO)のブックビルディングに参加する場合、いつまでに入金が必要ですか?|SBI証券
IPO(新規公開株式)|野村證券
どなたでも当選のチャンス! IPO抽選購入代金不要! 松井証券のIPO|松井証券
岡三オンラインのIPOは入金不要で抽選参加!|岡三オンライン
IPO投資ができるネット証券を比較
IPO投資に対応している証券会社のうち、主だった5社を比較します。
IPO取扱銘柄数 (2021年) | 主幹事数 (2021年) | 前受金 | 抽選方法 | 公式サイト | |
---|---|---|---|---|---|
SBI証券 | 122社 | 21社 | 要 | 70%:抽選 30%:チャレンジポイント抽選 | 公式 |
楽天証券 | 74社 | 0社 | 要 | 100%:抽選 | 公式 |
松井証券 | 56社 | 0社 | 不要 | 70%以上:平等抽選 | 公式 |
マネックス証券 | 65社 | 1社 | 要 | 100%:平等抽選 | 公式 |
野村證券 | 64社 | 28社 | 不要 | 10%:平等抽選 | 公式 |
上記の中で、IPO投資に最もおすすめの証券会社はSBI証券です。
SBI証券は、IPO銘柄の取扱いが豊富で、主幹事を務めることも多い証券会社です。
さらに、抽選に外れるほど当選確率が高くなる「チャレンジポイント」という独自の抽選方法が採用されています。
※引用元:新規上場株式(IPO)とは?|SBI証券
IPOに有利な証券会社を考えると、SBI証券が最もおすすめであるといえるでしょう。
取扱銘柄数ネット証券No.1
公式サイトはこちら
まとめ
IPO投資は利益が出ることが多く、また比較的短期間に結果が出せるので、効率の良い投資方法といえます。
しかし、その分競争率が高くなるので、苦労をしても努力が報われないこともあります。
また勝率が高いといっても、公募割れすることもあるので、注意は必要です。
IPO銘柄を手に入れることは大変ですが、当選しやすい証券会社を選ぶなどして、ぜひIPOで値上がり益を享受してください。