インドETFでインド株に投資できる!おすすめETF・証券会社を比較紹介
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- インド株に投資できるの?
- インドはこの先急成長すると聞くけれど、本当に投資対象としておすすめなの?
インドは急速な経済成長のスピードから「第2の中国」とも呼ばれるマーケットとして注目を集めています。
しかし、残念ながらインド株は日本から直接購入することはできません。
でもインド株への投資はできるんです!
インド株に投資する方法は投資信託やCFDなど複数ありますが、その中でも株式と同じような感覚で売買できるのが「ETF(上場投資信託)」です。
インドの株価指数に連動するETFを購入することで、インド株への投資が可能になります。
この記事ではインド株が注目されている理由を説明した上で、おすすめしたいインドETFや利用できる証券会社、インドETFへの投資の注意点などを解説します。
最後まで読めば、インドETFの銘柄やおすすめの証券会社など『インド投資のノウハウ』がわかります。
2023年10月24日時点の情報を掲載しています。
スキラージャパン株式会社 代表取締役 / スキラージャパン株式会社
監修者伊藤亮太
伊藤亮太は「スキラージャパン株式会社」の取締役を務めるFP(ファイナンシャル・プランナー)。
慶應義塾大学大学院商学研究科経営学・会計学専攻を修了しており、在学中にCFP®を取得。
その後、証券会社にて営業・経営企画・社長秘書・投資銀行業務に携わる。
現在は富裕層個人の資産設計を中心としたマネー・ライフプランの提案・策定・サポート等を行う傍ら、資産運用に関連するセミナー講師や講演を多数行う。
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などイーデス編集部 / 株式会社エイチームライフデザイン
編集者板橋 辰汰郎
1998年生まれ、兵庫県川西市出身。
大学卒業後、2021年に新卒として株式会社エイチームフィナジーに入社し、ナビナビ証券、イーデスの編集者に就任。
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インド株が注目されている理由
インド株が注目されている理由
理由①経済が急成長中
インドは近年まれに見る「高い経済成長率」が期待されている国です。
特筆すべきはGDP(国内総生産)の成長率です。
2009年から2018年までの間は、毎年5%を超える高成長率で国内経済が躍進しました。
2020年には新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、−6.60%と失速したものの、2021年には8.95%へのV字回復を見せ、改めて著しい経済成長のまっただ中にあると証明しています。
2022年も8.2%の経済成長を見込んでいます。
※参考:IMF「最新の世界経済見通しの成長予測」
同時に、株価の上昇もめざましく、インドのボンベイ証券取引所に上場されている主要30銘柄と連動する株価指数「SENSEX」は、2013年以降右肩上がりのまま上昇中です。
2020年には新型コロナによるロックダウンなどの影響を受け大きく下げたものの、その後再び急上昇を遂げ、今ではコロナ前の指数を大きく上回っています。
理由②生産年齢人口の増加が著しい
インドの急激な経済成長の背景には、総人口および生産年齢人口の増加があります。
国連人口基金によるとインドの人口は14億2860万人で、中国を上回り世界最多となっているようです。
※NHK|7月11日は「世界人口デー」 インドが世界最多 人口の増加続く(2023年7月11日)
さらに、国連は今後2050年に向けインドの生産年齢人口(15~64歳)が大幅に増加すると試算しています。
これによりインドは、2010年ごろより生産人口年齢の割合が他の人口の2倍以上である「人口ボーナス期」に突入しており、国内経済のさらなる活性化が期待されています。
日本も人口ボーナス期(1960年代~1990年代)に株価が急成長したことから、インドでも大きな成長が期待できます!
理由③IT産業、インフラの発展に期待
著しい成長を遂げているインドの株式市場において、IT産業とインフラは株価が堅調に推移するセクターとして注目されています。
Y2K問題以降、インドのIT産業は急速に拡大しました。
Y2K問題
2000年代を迎えるにあたって、コンピューターは西暦の下2桁しか認識しない様式のため、システムエラーが起こるとされた問題。
これに多く対応をしたのがインドのIT企業だと言われている。
現在ではインド南部の都市バンガロールが「インドのシリコンバレー」と称されるほど、世界中から多くのIT企業、さらにはICT企業が集まる一大IT都市として発展しています。
また、インフラはモディ首相が掲げる、国内での製造を促進する「Make in India」における重要施策のひとつとして注力されている産業です。
新型コロナによる打撃からの復興にはインフラの整備が大きな役割を果たしたともいわれており、今後もインド経済の維持と成長を支える分野として、さらなる成長が期待されています。
ETFならインド株に投資できる
世界的にも注目を集めるインド市場ですが、残念ながら日本国内ではインド株を購入できる証券会社はありません。
しかし、インド株式を対象としたETF(上場投資信託)は一部の証券会社で扱っており、間接的にインド株への投資を行えます。
インドETFは全8種類
日本国内で購入できるインドETFは以下の8種類です。
銘柄名 | ティッカー | ベンチマーク | 信託報酬 |
---|---|---|---|
iシェアーズ・コア S&P BSE SENSEX インディアETF | 02836 | インド・センセックス・インデックス | 0.64% |
db xトラッカーズ ニフティ50 UCITS ETF | 03015 | S&P CNX Nifty | 0.85% |
NEXT FUNDS インド株式指数・Nifty 50 連動型上場投信 | 1678 | インドルピーベースのNifty50指数 | 1.045% |
iシェアーズ MSCI インディア・インデックス ETF | INDA | MSCI インディア・インデックス | 0.99% |
リクソーETF MSCI インディア | LINR | MSCI インディア・インデックス | 0.85% |
ウィズダムツリー インド株収益ファンド | EPI | ウィズダムツリーインド収益指数の価格と利回り | 0.84% |
Direxion デイリー MSCI インド株 ブル2倍 ETF | INDL | MSCI インディア・インデックスの2倍の投資成果を目指す | 1.31% |
ヴァンエック・ベクトル・インド小型株ETF | GLIN | マーケット・べクトル・インド小型株インデックスの価格と利回り | 0.94% |
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インドETFを選ぶ時のポイント
インドETFを選ぶ時は、以下の3点を確認するようにしましょう。
インドETFを選ぶ時のポイント
選ぶポイント①過去のチャート推移を見る
ETF選びの際に確認したいのは過去のチャート推移です。
特に2009年頃のリーマンショック以降や、2020年のコロナショック以降の落ち込みからどの程度の期間で立ち直ったのかは、重要な評価基準となります。
そのため、インドETFを選ぶ時には、2008年以降の値動きを確認できるとよいでしょう。
選ぶポイント②組入銘柄と割合を見る
ETFは複数の銘柄の組み合わせにより構成された金融商品です。
組み込まれている銘柄の種類を確認することで、商品の特徴を判断できます。
また、それぞれの銘柄の組み入れ割合も確認しておきたいポイントです。
特定の銘柄に大きく偏ってしまうと、特定の企業の経営成績に運用成績が大きく左右されてしまうため、分散投資のうま味が薄れてしまいます。
銘柄や主要銘柄の組み入れ比率は、運用会社や証券会社が発行するマンスリーレポートで確認できるのでチェックしましょう。
選ぶポイント③純資産総額を見る
ETFの純資産総額は、どれだけの投資家が資金を投下しているかを示す数字です。
傾向として、純資産総額が多い銘柄ほど安定した運用が行われている傾向があり、多くの投資家が支持していることを表しています。
あくまで傾向であるため、必ず純資産総額が大きいETFが安定しているとは限りませんが、インドETFへの投資を試みたい人にとってはひとつの判断基準となるでしょう。
おすすめインドETF3選
ETFの選び方はわかったけれど、おすすめのインドETFはどれなの?
特におすすめできるインドETFを紹介します!
おすすめインドETF
以下条件を選定基準としています。
①純資産総額が比較的多い銘柄である
②コロナショック後に値動きが復調傾向である
③組入銘柄数が比較的多く、組入産業に過度な偏りが見られない
おすすめインドETF①ウィズダムツリー インド株収益ファンド
ティッカー | EPI(NYSE Arca) |
ベンチマーク | ウィズダムツリーインド収益指数の価格と利回り |
信託報酬 | 0.84% |
純資産総額 | 656.244百万米ドル |
組入銘柄数 | 474 |
組入産業の割合 (上位5産業) | 金融:22.67% |
※2022年6月27日現在
ウィズダムツリー・インド株収益ファンドは、純資産総額656.24百万米ドル(893億円相当※)を誇る巨大ファンドです。
※2022年6月27日現在
ウィズダムツリーインド収益指数との連動を目指しており、2020年のコロナショック以降は堅調な立ち上がりを見せています。
2022年3月末時点においては474の銘柄が組み込まれており、分散投資性能は抜群です。
金融・エネルギー・素材・情報技術の関連企業に満遍なく投資されていることから、安定感のある投資成績が見込めるファンドといえるでしょう。
楽天証券やSBI証券では買付手数料無料の対象ファンドに指定されているのも大きな魅力です。
新興国ならではの不安要素はあるものの、初めてインドETFに投資してみたいという方におすすめできるETFです。
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おすすめインドETF②iシェアーズ・コア S&P BSE SENSEX インディアETF
ティッカー | 02836(香港) |
ベンチマーク | ウィズダムツリーインド収益指数の価格と利回り |
信託報酬 | 0.64% |
純資産総額 | 83.75百万米ドル |
組入銘柄数 | 34 |
組入産業の割合 (上位5産業) | 金融:38.72% |
※2022年6月28日現在
iシェアーズ・コア S&P BSE SENSEX インディアETFは、資産総額は83.75百万米ドル(114億円相当※)とそれほど大きくはありませんが、コロナショック以降は以前を大きく上回る運用成績をあげています。
※2022年6月27日現在
組み入れ銘柄は34銘柄と多くありませんが、インドのボンベイ証券取引所に上場された銘柄から選抜された30銘柄で構成されている「SENSEX」との連動を目指しているため、大きな運用成果が期待できます。
一方で、組入銘柄が少ないことから分散投資効果はやや弱めです。
さらに組入産業が金融に偏っている点も大幅な下落の要因になりかねません。
ハイリスク・ハイリターンを覚悟の上でインドに投資したいという方に向いているETFといえます。
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おすすめインドETF③ヴァンエック・ベクトル・インド小型株ETF
ティッカー | GLIN(NYSE ARCA) |
ベンチマーク | マーケット・べクトル・インド小型株インデックスの価格と利回り |
信託報酬 | 0.94% |
純資産総額 | 47.38百万米ドル |
組入銘柄数 | 82 |
組入産業の割合 (上位5産業) | 素材:35.0% |
※2022年6月28日現在
ヴァンエック・ベクトル・インド小型株ETFは、インドの小型株が中心となって組み入れられたファンドです。
純資産総額は47.38百万米ドル(64.5億円相当)と、他のおすすめ銘柄と比較すると少なくなっています。
※2022年6月27日現在
組み入れ銘柄は82銘柄で、約95%がインド国内に投資されています。
コロナショック以降の運用成績は振るわず停滞を続けており、小型株の割合が大きいことからも、下げ局面が長引くほど厳しいパフォーマンスが続くでしょう。
しかし、素材・情報技術・ヘルスケアといった今後インドをけん引するであろう産業への投資割合が高く、今後の成長が大いに期待できます。
上げ局面での大きな値上がりをじっくりと待てる、資金力に余裕がある方におすすめしたいETFです。
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インドETFに投資できるおすすめ証券会社比較
インドETFに投資できる証券会社は以下の4社です。
証券会社 | 取扱銘柄数 インド株ETF (海外ETF) | 取引手数料※2 | 為替手数料 (1ドルあたり)※1 | 口座開設 |
---|---|---|---|---|
楽天証券 | 8 (435) | 約定代金の 0.495% | 0銭 | 公式 |
SBI証券 | 7 (417) | 約定代金の 0.495% | 0銭 | 公式 |
マネックス証券 | 1 (440) | 約定代金の 0.495% | ①円→米ドル:0円 ②米ドル→円:25銭 | 公式 |
DMM 株 | 2 (287) | 無料 | 25銭 | 公式 |
※1 米国市場に上場している商品に限る
※2023年12月5日時点
どの証券会社を利用すると、インドETFに投資しやすいのかな?
おすすめの証券会社は以下の2社です。
おすすめの証券会社
楽天証券
楽天証券は、インドETFの取扱い本数が国内最大の8本となっています。
※2023年10月24日時点
他の証券会社では取扱いがないシンガポール市場に上場されている2本のインドETFも購入可能で、インドETFに対する選択肢が最も広い証券会社です。
また楽天証券が設定する買付手数料無料のETF15銘柄の中に「ウィズダムツリー インド株収益ファンド」が含まれており、インド株への投資コストを抑えられるのも大きな魅力です。
公式サイトはこちら
SBI証券
SBI証券はインドETFの取扱本数こそ楽天証券に劣るものの、外国株式の取扱銘柄数が多い証券会社です。
インドETFを含む海外投資に力を入れたい方にとっては魅力的でしょう。
楽天証券同様に「ウィズダムツリー インド株収益ファンド」が買付手数料無料ETFに含まれているほか、証券口座開設から最大2か月間は米国株式・米国ETFの買付手数料が無料となるため、インド株に投資できる米国ETFの購入におすすめです。
SBI証券の公式サイトはこちら
インドETFに投資する時の注意点
インドETFには、新興国ならではの注意点があるんです。
インドETFに投資する時の注意点
注意点①情報収集が難しい
インドは日本や米国に比べ、投資判断に必要な情報の即時取得が困難です。
日本国内ならあらゆる情報をリアルタイムに入手しやすいため、投資判断のための情報が不足することはないでしょう。
米国における大きなニュースは日本のメディアが報じる傾向にあり、また英語で書かれた米国のニュースは比較的触れやすい環境にあります。
一方で、日本国内で扱われるインドのニュースは非常に限定的であり、的確な投資判断に必要な情報を集めるのは困難です。
そのため、インド現地のニュースや新聞などを通じた情報収集が求められますが、米国以上に言葉の壁が高いため、誰でも正確な情報をつかめるとは限りません。
証券会社が発信するニュースの収集や投資家のコミュニティへの参加など、正確な情報収集を行うための対策を積極的に行う必要があるでしょう。
注意点②不安定な経済情勢
インド国内の経済は、2014年に就任したモディ大統領の手腕により中国・日本に次ぐアジア3位の経済大国として急速に成長しています。
しかし、1次産業への依存体制は解決しきれておらず、まだまだ予断を許さないのが現状です。
今後インフラ整備や不良債権問題の解消により、経済の安定が図れる期待は大いに持てますが、投資対象としては不安定であると認識しておく必要があります。
注意点③リアルタイムでの取引が難しい
日本からインドETFの購入は可能ですが、多くのETFは海外市場を介した取引となるため、それぞれの市場が動いている間しか取引ができません。
日本と米国、インドの市場が動いている時間は異なりますので、一度の取引に長い時間がかかるリスクは避けられません。
仮にインド市場の動きを察知し、すぐに取引を行おうとしても、米国市場のオープンまでに大きく株価が変動してしまう恐れも十分に考えられます。
取引ができる時間の違いによる損失の可能性も考慮し、時間に余裕を持った取引を心掛けましょう。
ETFだけじゃない!インド株に投資する方法
ETF以外にも、インド株に投資できる方法があります!
インド株に投資する方法
投資信託
インド株への投資方法のひとつに投資信託の購入があります。
投資信託は、ひとつの商品が複数の株式や債券などの金融商品の組み合わせで構成されているため、ETF同様に、ひとつの商品を購入するだけで分散投資が行えます。
インド株の投資信託は、積極的な運用を行うアクティブファンドが多い傾向にあります。
ETFとの大きな違いは、証券取引所に上場されていない点にあります。
そのため、売買は投資信託の運用を行う信託会社と証券会社の間で行われ、1日1回だけ基準価額をもとにした取引が可能です。
運用成果はファンドマネージャーの取引の手腕に委ねられるため、大きくロスをする可能性もありますが、ETFを上回る大きなリターンを生むことも珍しくありません。
CFD
インドへの投資方法のひとつがCFDです。
CFD(差金決済取引)とは
現物のやり取りは行わず、価格や指数を参照して買値と売値の差を決済する金融商品。
証拠金を証券会社に預けることで、証拠金の数倍の資金で取引できる。
CFDの投資対象は個別株やETFといった上場金融商品だけでなく、SENSEXやNifty50といった主要株価指数も取引対象です。
株式CFDでは5倍まで、株価指数CFDでは10倍までのレバレッジをかけられるため、少ない資金でも大きな取引成果を挙げられるのが特徴です。
ただし、高いレバレッジをかけるほどハイリスク・ハイリターンの取引となります。
情報収集がしにくいインドへの投資だけに、その他の海外取引以上に慎重な取引を心掛ける必要があるでしょう。
CFDでVTIが買える証券会社
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ADR(米国預託証券)
原則として日本からインドの個別株を購入することはできませんが、ADR(米国預託証券)を通すことでインド株への投資が可能となります。
ADR(米国預託証券)とは
米国で発行される有価証券の一種。
米国以外の国で発行された企業の株式が持つ価値を裏付けとされている。
厳密には株式とは異なる存在ですが、裏付けとなる株式の経済的な価値、権利によって成り立っているため、実質的に株式と同等に扱われます。
上場されているADRは証券取引所で売買できるため、上場されたインド株のADRを売買すれば、インド株を購入したのと同等の投資効果を得られるでしょう。
まとめ
経済成長が著しいインドは、今後大きな拡大が期待されている市場です。
2020年に突入した人口ボーナス期が後押しし、世界でもトップクラスの経済大国へとのし上がる可能性を秘めた国として注目され始めています。
日本からはETFを通じたインドへの投資が可能です。
新興国ゆえの不安定さはありますが、高いGDP成長率が生み出す大きなリターンが魅力的な市場の恩恵を受けられるよう、まずはETFによる分散投資から始めてみてはいかがでしょうか。